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和が家赤坂見附、永田町、赤坂/居酒屋、飲茶・点心、焼き鳥
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夜の点数:4.2
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¥3,000~¥3,999 / 1人
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料理・味 4.2
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|サービス 4.2
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|雰囲気 4.2
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|CP 4.2
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|酒・ドリンク 4.2
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[ 料理・味4.2
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| サービス4.2
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| 雰囲気4.2
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| CP4.2
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| 酒・ドリンク4.2 ]
居酒屋
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2025/12/04 更新
赤坂の夜はネオンが主役だと思われがちだが、その光をゆっくり掘り下げていくと、ときどき「温度」を持った店に出会う。紀陽ビルの地下へ降りる階段は、まるで都会の騒音を切り離す小さなスロープだ。その先にある《和が家》は、店名の通り“誰かの家に帰る”ような空気を纏っていた。
扉を開けた瞬間、鼻先を静かに撫でるだしの香り。奇抜ではないのに、妙に印象に残る。肩の力が知らないうちに抜けていくのは、照明の柔らかさか、それとも客同士の距離感が絶妙に計算されているからか。赤坂にいながら「自分だけの小さな居場所」に入り込めるという希少さが、この店の最初の魅力だ。
カウンターの木目はやや深く、時の積み重ねを感じさせる。スタッフの所作は必要以上に作り込まれていないのに綺麗で、「家で迎えてくれる家族」の最適解のように自然。過剰なサービスではなく、“気付けば整っている”というタイプのホスピタリティがじんわり効いてくる。
料理は派手さこそないが、味がきちんと前を向いている。流行を追わない代わりに、記憶に残る方向へと舵を切る。家庭料理の延長線ではなく、「家庭料理の理想形」を静かに提示してくるような、そんな丁寧な一皿たちだった。口に運ぶたびに、どこかで忘れていた“安心する味”が、少しずつ輪郭を取り戻していく。
飲み物も、酔わせるためではなく、料理の余韻をそっと押し上げる役割に徹している。ペアリングという言葉を使うと大げさになるが、ここでは“うまく並んだ縁側の景色”のように自然に収まっていた。
赤坂の飲食店は星の数だけあるが、「落ち着きすぎて存在に気付かれない店」というのは実は強い。和が家はまさにそのタイプで、派手な宣伝をしないのに、帰り道で思い出すと“また行きたい理由”がしっかり残っている。
喧騒に疲れた日の夜、あるいは誰かと静かに話したい時間。そんな瞬間に、地下へ降りてこの店の灯りに身を置くと、自分が思っているより少しだけ救われる。和が家は、そういう「回復の場所」だった。