2回
2025/09 訪問
最高の焼肉屋さん
「焼肉 犇(ひしめき)」は、その名の通り、上質な肉がひしめき合うように揃った焼肉店です。扉を開けた瞬間から漂う香ばしい煙と肉の香りが食欲を刺激し、これから始まる贅沢な時間を予感させてくれます。
まず印象的なのは、肉の鮮度とカットの美しさ。サシが程よく入った和牛は、網に置いた瞬間にジュワッと脂が溶け出し、香り立つ旨みが広がります。特に特選カルビは、ひと口噛むごとに肉汁が溢れ、脂の甘さと赤身の力強い旨みが絶妙に絡み合う逸品。厚切り牛タンや希少部位の盛り合わせも人気で、ひと皿ひと皿に店のこだわりが感じられます。
また、肉を引き立てるサイドメニューの充実ぶりも見逃せません。ナムルやキムチは自家製で、程よい酸味と辛味が肉の脂をさっぱりと中和してくれます。さらに、締めに選びたい冷麺や石焼ビビンバは、肉を堪能した後でもするすると箸が進む軽やかさ。味のバランスを大切にする姿勢が光ります。
店内は落ち着いた照明で、デートや接待、家族での食事にも使いやすい雰囲気。個室や仕切りのある席もあり、プライベート感を保ちながら食事が楽しめる点も魅力的です。スタッフのサービスも丁寧で、焼き方のアドバイスやおすすめの部位を気軽に相談できるのも安心。
全体として「焼肉 犇」は、ただ肉を食べるだけでなく、素材と空間、そしておもてなしの三拍子が揃った満足度の高い一軒です。肉好きなら一度は訪れてみる価値があり、誰と行っても心に残る焼肉体験を約束してくれるでしょう。
2025/09/30 更新
中野坂上の「焼肉 犇(ひしめき)」を再訪した。前回の印象があまりに強かったため、二回目の来店は期待値が自然と高くなるものだが、この店はそのハードルを軽々と越えてくる。今回は“当日限定スタッフおすすめ おまかせコース”(13品 8,800〜)を注文。肉を主役に据えたコース構成は変わらず、むしろ二度目だからこそ店のスタイルがよりくっきりと伝わってきた。
最初に出された南瓜のポタージュは、優しい甘みと舌触りの良さが前菜以上の役割を果たし、胃をふわりと温めてくれる。続く炙り手巻き肉鮨は、前回も感じた“肉と香りのバランスの巧さ”が健在で、再訪だからこその安心感すらある。店名を冠したhishimeki焼きは、卵を絡めると一段階ふくよかになり、肉質の良さをダイレクトに楽しめる一皿だ。
ひしめきサラダ、自家製白菜キムチ、犇オリジナルユッケと続く流れは、二回目だからこそリズムを掴みながら味わえる。特にユッケは“生の鮮度”を誤魔化しなく出しているのがよく分かり、改めて信頼度が上がった。
そしてこの店の真骨頂は、やはり中盤以降の肉ラッシュ。“極上犇厚切りタン”は前回よりさらに感動が深まった一品で、厚切りなのにすっと歯が入る柔らかさと、焼いた瞬間に広がる香りの強さが圧倒的。薄切りたんカルビとの対比も見事で、二種のタンで“食感のストーリー”を作っているかのようだ。
希少部位2種、カルビ・ロース盛り(1〜3枚選択可)と続く肉の流れも構成が巧みで、単に量を食べるコースではないことを再確認した。最後のひとくちアイスで口を軽く整える頃には、「やっぱりまた来たい」と自然と思わせる満足感が残る。
二回目の来店でわかったのは、この店は“期待に慣れさせない店”だということ。中野坂上で、安定と発見が同時に味わえる焼肉店は貴重だ。