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夜の点数：4.4
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￥4,000～￥4,999 / 1人
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料理・味 4.4
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|サービス 4.4
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|雰囲気 4.4
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|CP 4.4
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|酒・ドリンク 4.4
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［ 料理・味4.4
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| 雰囲気4.4
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| 酒・ドリンク4.4 ］
居酒屋
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2025/12/07 更新
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田町の大通りを歩いていると、急に空気がやわらかくなる瞬間がある。駅の喧騒が一段下がり、背中にあった緊張がすっと抜ける。トリズミは、まさにその境目にある店だ。雑居ビルの4階という言葉だけ聞くと、やや不安を覚えるかもしれないが、エレベーターの扉が開いた瞬間、その不安は気持ちよく裏切られる。
暖色の照明がゆっくりと沈み、木の香りがふわりと広がる。最初に飛び込んでくるのは「調理の音より、人のペースが優先された空気」だ。店名に“つくね”と“地鶏”のワードが並ぶので、なんとなく賑やかで煙の立ちこめたイメージを抱きがちだが、実際はその真逆。料理屋というより、疲れた心をやわらかく包む“止まり木”のような場所だった。
席に座ると、店全体のテンポがゆっくり均一なのが分かる。注文の声も、スタッフの歩幅も、どこか呼吸のリズムに近い。落ち着いているのに、重たくはない。田町という街が持つスピード感と、この店がもつやさしさが中和して、ほんの少しだけ時間が伸びているような感覚になる。
料理はあくまでその空気の中に配置される“役者”で、主役は空間そのものだ。手ごねの温度感、火入れの距離感、それらの細部はもちろん魅力だが、何より強いのは「料理に合わせて店の空気が少し変わる」という不思議な一体感。熱をまとった皿が置かれるたび、周囲の音が少しだけ静かになる。香ばしさがふわっと上に抜けると、店のトーンが一瞬だけ高くなる。そんな小さな温度差が、一晩の中でいくつも重なっていく。
田町には飲み会向けの店が多いが、トリズミは“自分のコンディションを整えに行く場所”として存在している気がする。派手な演出はないが、帰り際にふと肩が軽くなっている。大きな満足というより、じんわりとした幸福感が残るタイプの店。
「今日、ちょっと疲れたな」と思った日の夜、ふとエレベーターの4階ボタンを押したくなる。そんな、密かに頼れる一軒だ。