この口コミは、味巡人さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。
最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら
利用規約に違反している口コミは、右のリンクから報告することができます。
問題のある口コミを報告する
-
昼の点数:4.0
-
~¥999 / 1人
-
-
料理・味 4.0
-
|サービス 3.8
-
|雰囲気 3.9
-
|CP 4.0
-
|酒・ドリンク 4.0
-
-
[ 料理・味4.0
-
| サービス3.8
-
| 雰囲気3.9
-
| CP4.0
-
| 酒・ドリンク4.0 ]
[西荻窪] 百名店で、冬の寒さを幸福へと昇華させる、至福の甘味をいただく。
-
小豆本来の豊かな風味が。
{"count_target":".js-result-ReviewImage-342963924 .js-count","target":".js-like-button-ReviewImage-342963924","content_type":"ReviewImage","content_id":342963924,"voted_flag":false,"count":2,"user_status":"","blocked":false}
-
丁寧に炙った餅
{"count_target":".js-result-ReviewImage-342963960 .js-count","target":".js-like-button-ReviewImage-342963960","content_type":"ReviewImage","content_id":342963960,"voted_flag":false,"count":1,"user_status":"","blocked":false}
-
田舎しるこ。付け合わせの漬物がうれしい。
{"count_target":".js-result-ReviewImage-342963973 .js-count","target":".js-like-button-ReviewImage-342963973","content_type":"ReviewImage","content_id":342963973,"voted_flag":false,"count":1,"user_status":"","blocked":false}
-
年季の入った行灯。
{"count_target":".js-result-ReviewImage-342963991 .js-count","target":".js-like-button-ReviewImage-342963991","content_type":"ReviewImage","content_id":342963991,"voted_flag":false,"count":1,"user_status":"","blocked":false}
-
「甘いっ子」歴史ある店構え。
{"count_target":".js-result-ReviewImage-342964036 .js-count","target":".js-like-button-ReviewImage-342964036","content_type":"ReviewImage","content_id":342964036,"voted_flag":false,"count":1,"user_status":"","blocked":false}
2026/02/09 更新
個人のこだわりが詰まった小さなお店が点在するこの街は、
新しさと懐かしさが絶妙なバランスで共存している。
そんな西荻窪の「静かな情熱」を体現しているのが、
南口から徒歩5分ほどの場所にある、
創業昭和40年(1965年)甘味処「甘いっ子」。
派手さはないが、一度訪れると忘れられない。
まさに西荻窪という街の性格そのもののような名店だ。
*
お店を訪ねたのは、午後1時過ぎ。
商店街を抜け住宅街に差し掛かる手前、
「ずっとここにある」という事実だけが、
そのまま外観になったような佇まいだ。
木製の行灯と、どこかノスタルジーを感じさせるショーケース。
店先に掲げられた「甘いっ子」の文字を見るだけで、
温かく迎え入れられるような不思議な安心感を覚える。
「いらっしゃいませ。お好きな席にどうぞ。」
4人掛けのテーブルが6卓で、先客が2組。
窓際の席に腰を下ろす。
店内は、決して広くはないが、窮屈さも感じさせない。
必要なものだけが、必要な場所に収まっている。
テーブルと椅子は低めで、視線が自然と落ち着く高さ。
木の質感には使い込まれた艶があり、
年月を経た道具だけが持つ、柔らかさがある。
壁には過剰な装飾はなく、時間の積み重ねそのものが、
この店の“意匠”になっているようだ。
今回いただいたのは、
冬の定番でもある「田舎しるこ」800円。
(お餅を白玉に変更も可)
運ばれてきた瞬間、まず目を奪われるのは、
その漆黒に近いほど深い小豆色。
立ち上る湯気とともに、小豆の芳醇な香りが鼻腔をくすぐり、
食べる前から「これは絶対に美味しい」と確信させてくれる佇まいだ。
一口啜れば、その濃厚さに驚かされる。
田舎しるこならではの、小豆の粒感がしっかりと感じられる舌触り。
一粒一粒がふっくらと炊き上げられており、
皮の存在感がありながらも口の中で優しく崩れていく。
甘さは決してくどくなく、小豆本来の豊かな風味が主役。
後味には微かな塩味が感じられ、それがさらに甘みを引き立てるという、
職人技が光る塩梅だ。
そして、何より素晴らしいのがお餅。
表面は丁寧に炙った香ばしさ、中は驚くほど引きが強く、粘りがあります。
このお餅に濃厚なしるこをたっぷりと絡めて頬張ると、
身体の芯から温まり、心が満たされていく。
濃いめの緑茶との相性もいい。
たっぷりの、田舎しるこ。
「ご馳走様でした。」
便利で刺激的なものが溢れる時代だからこそ、
理由のいらない甘さ、説明されない美味しさが、
必要になる瞬間がある。
街と共に呼吸し、時代と並走しながら残ってきた甘味処には、
その役割がまだ終わっていないことを、この一杯が教えてくれる。
甘いものは、贅沢でなくていい。
慌ただしい日常の中で、少しだけ心を緩めてくれればいい。
『甘いっ子』の田舎しるこは、そんな時代の感覚に、静かに寄り添っている。