この口コミは、桑畑三十郎さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。
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夜の点数:4.5
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¥1,000~¥1,999 / 1人
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料理・味 4.0
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|サービス -
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|雰囲気 -
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|酒・ドリンク -
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[ 料理・味4.0
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| 酒・ドリンク- ]
ミラクル95
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ご主人の手つき
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玉子サンド
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カツサンド
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オムライス
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ビールのおつまみ
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ペレ
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2011/12/30 更新
玉子サンドがつとに有名で、ずーっと前からチェックしていたのだが、なかなか行く機会のなかった京都のお店。
これまで行けなかった最大の理由は、営業時間が17時~21時ということ。京都に行くと、「なかなか行けないところだから」「京都らしい店に行きたいから」と、つい懐石だの割烹だの行きたくなるから、夕食を500円の玉子サンドとするのは、なんだか勿体ないような気がしていたのだ。
知らないと分からないであろう細い路地にある。17時開店、行列店ということで、土曜日の1630時に到着したが、すでに数組の先客が並んでいた。
店内は座敷とカウンター、我々のグループはかぶりつきのカウンターを独占できた。
店のなかは想像以上のインパクトである。ここまで襤褸・・・もとい混沌とした店内は、ほかに鳥一ぐらいしか思い当たらない。
さすが、「きたなトラン」で取り上げられただけのことはある。
ひとり一品の注文を、ということで、玉子サンド(500円)、カツレツサンド(800円)、オムライス(600円)を注文。
当店の最大の見どころは、玉子サンドではなく、カウンターで一人料理を作る御年95歳のヲジイチャンである。
小動物のようなぷるぷるした動作で、3個か4個(何故だか毎回異なる)の卵を割り、(指先のふるえ加減で毎回量の異なる)調味料を投入し、玉子を焼き、パンにケチャップソースを塗り、(こちらがハラハラするような手つきで)パンを切り分ける。
全体的な動きは、まさにご高齢のかたのソレなのだけれど、玉子焼きをヒョイッ!と返す瞬間だけ、やけに俊敏な手つきになる。一日に20個の玉子サンドを作ったとして、年200日営業×創業65年として26万回(!)繰り返してきた動作だ。体が覚えているのだろう。
ヲジイチャン、少々御耳が遠いらしく、店員の女の子は大声でゆっくりと「たーまーごーさんど」「おーむーらーいーす」「たーまーごーさんど かーらーしぬき」などと注文を復唱したうえで、大きな字で注文を書いた紙を並べる。さらに料理が出来上がるタイミングで次の注文を確認する。万全だ。
アタシは途中で、「もしかしてこの女の子がリモコンでヲジイチャンを操作しているんじゃないか?」との妄想に取りつかれ、ヲジイチャンのアンテナを探していた。
玉子サンドの合間にフライヤーでカツレツを揚げていたのだが、ヲジイチャン、いつになっても取り出す気配がない。さすがに我々も「揚げてるの忘れてるんじゃネエの?」と心配になって、何度も身を身を乗り出して確認したのだが、ヲジイチャンは悠然としている。
たっぷり20分は揚げていただろうか、出来上がったカツレツサンドは中国風の唐揚げにも似たクリスピーな味わいで、ヲジイチャンを疑った吾が身を恥じた。オムライスは、ケチャップライスを炊飯器の中からよいしょっとよそって玉子に載せた。まさかの炊飯器。
グルメ的なアレコレを目当てに行く店では決してない。
有名店だから美味しかろうと思って行くと、残念な思いをするかもしれない。ヲジイチャンひとりで料理するから、出てくるまでにたっぷりと時間もかかる。
何度も言うが、ここはヲジイチャンの奇蹟を確認しに行くなのだ。
このヲジイチャンに会えただけでも、京都に来た意味があったといってもいい。
140歳まで現役で頑張ってほしい。