ミヤマヤさんが投稿した田川(東京/西荻窪)の口コミ詳細

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酒がなくても ご飯はおいしい

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閉店田川西荻窪、三鷹台/うなぎ

1

  • 夜の点数:5.0

    • ¥2,000~¥2,999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 3.7
      • |雰囲気 3.8
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク -
1回目

2011/12 訪問

  • 夜の点数:5.0

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス3.7
    • | 雰囲気3.8
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク-
    ¥2,000~¥2,999
    / 1人

幻のうな重、西荻窪 田川

食べログに参加するきっかけとなった、西荻窪の田川。
私が食べログのレポートを書く前に、閉店になってしまった。
それまで何度も食べに行った、田川。
田川の口コミが書けなくてがっかりしていたのだが、今日(2015.8.16)田川の情報頁を開いてみたらなんだか書き込みが出来そうだ。
そこで、当時書いていたものをここに載せることにした。
閉店してしまった店のレポートなんて、なんの役にも立たないけれど、私のうなぎの原点がここにあった。

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家も近いのと、うなぎが好きなのと、おいしいので、田川には年に6・7回は行っている。
ここの安くておいしいうなぎを食べると、他の店には行く気が起きないのだ。
よく言われているように、電話での応対は確かに無愛想と思われても仕方がない。
シャイなのだろうか、お愛想の言えるような器用さは持ってない。

駅からも遠いし、小ぎれいな店でもない。
お酒を飲んで長居をするような店でもない。
店主がうなぎ談義をしたり、話し相手になってくれるわけでもない。

いつものように電話で予約する。
人気店ではあるが、混んで断られるのは土日と土用の時期だけだ。
夕方6:30に予約がとれたので、時間の5分前に店に着く。
他の客はいないので、小上りの手前のテーブルに座ってうなぎを待つ。

田川はJR中央線西荻窪の駅からまっすぐに南へ10分ほど歩き、五日市街道に出て左へ1分ほど歩いたところにある。
セブンイレブンの手前に、まるで普通の民家の入り口のような古いガラスの引き戸のお店がある。
初めてだとかなり分かりにくいかもしれない。
入り口の上に、木でできたいかにも年月を経たような看板がかかっている。

店内に入ると40代くらいに見える男性に小上りへと案内される。
土間にテーブルはなく、小上りに3卓あるだけで、沢山の人は入れない。
詰めてもせいぜい6・7人がいいところだろう。
過ぎてきた時間を感じさせる、まるで飾り気のない店だ。

入り口の左に調理場があり、2代目の兄弟の兄貴かな?弟かな?が 調理を担当している。
先代のおやじさんは名人と言われたうなぎ職人だったらしい。
兄弟は調理と給仕・配達をそれぞれ担当して、二人だけでやっている。
余計なことだが、二人ともまだ独り身のようだ。
店は出前がメインのようで、給仕担当は結構出かけて行く。

予約してあると、10分と待たされることはない。
それまでは置かれた新聞や週刊誌などを見て過ごす。
まずお茶が出て、それからしばらくして肝吸とお新香が出てきたらすぐにうな重も運ばれてくる。

期待に胸をふくらませて塗蓋を開けると、そこには少し焦げ目もついて飴色にきれいに焼き上がったうなちゃんが横たわっている。
その色・つや・かおり。
これこれ、これが食べたかったんだよ。
うなぎのくさみなどは、全くない。

頼むのはいつも2,000円(2011年当時。税込2,100円)の安いランクのうな重である。
頭側の半身が手前側で、向こう側は尾側の半身である。
手前の半身は重箱の端まで届かず、ちょっと空き地ができている。(高いのを頼むと、そんなことはない)
まず手前の左下のあたりから攻める。
うなぎを箸で一口の大きさに切って、下のご飯と共に口に運ぶ。
うまーい。
これだよ。
これが田川のうなぎなんだよ。

口の中いっぱいにうなぎのおいしさが充満する。
かた過ぎず柔らか過ぎない微妙な蒸し加減と焼き加減。
濃い目の甘辛いタレ。
ふっくら炊きあがったごはん。
どれもこれも亭主のうなぎに対するこだわりが伝わってくる。
いつも いい仕事してんねぇー。
当節はやりの、ふわトロのうなぎなんていけねーよ。
まさにこれがおいらの好みの田川のうなぎなのだ。

夢中で次のブロックを崩して、口に運ぶ。
いい具合にタレのかかったご飯が、おいしい。
もう箸が止まらない。
手前の段(うなぎ半身)をやっつけて、向こうの段に手をつける。
ああ、おいしい。

時々箸休めにお茶を飲みながらお新香をいただく。
大根とニンジンのぬか漬けと奈良漬なのだが、気取った品のいい漬物とは言えない。
ちょっと漬かり気味で酸味が出ているのだが、うまいのだ。
奈良漬けの大きさはちょっと物足りないけど、これくらいがうなぎの邪魔をしないでいいのかも。
ともかく、うなぎには奈良漬がなくっちゃあね。

肝吸の肝は炙って一手間加えてある。
シイタケの香りがする、懐かしい吸物である。
決して上品な出汁ではないが、私は好きだ。

あんなに食べたかったのに、時間をかけてやってきたのに、食べるのはあっという間だ。
いやー、今日も満足満足。
本当においしかった。
今まで一度たりとも期待を裏切られたことがない。

いっつも一番安い「松」を頼んでいて、2,000円。
私が電話で名前を告げると、「ああ、2,000円ですね」と・・・、覚えられてしまった。
安いけど、これで十分に満足できるのだ。
出来れば何回も食べたいから、これでいいのだ。
知られたことだが、うなぎの値段は大きさの差で、ランクの差ではない。

焦げ目が残るほど焼いてあって、外は歯ごたえがあるくらいで、濃い目のタレ。
箸で切れる硬さではあるが、柔らかいとろけるようなうなぎではない。
むしろ、野性的で素朴なうなぎと言ってもいいのかもしれない。
この店のうなぎは、女性にはあまり評価されないかも。

支払いを済ませて、にこやかに送り出され店の外に出る。
お愛想ではない真心のこもったお礼を言われる。
「ご馳走さまでした」
「有難うございました」
決して無愛想なだけの店ではない。少し不器用なだけなのだ。

帰り道を歩きながら「ああ、うまかったー」と、思わず口をついて出るうなぎは、田川しかない。
最近、もしかしたら田川のようなおいしいうなぎがあるかもと思って、食べ歩いてみたが、結論は変わらなかった。
私にとって田川のうなぎが最高で、一番好きなのはこれからも変わることがないだろう。
正直に言えば、あまり有名にならずいつまでも西荻の目立たないうなぎ屋として続いてほしい。

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でも、突然の別れが・・・
2011年12月が最後の訪問となってしまった。
2012年2月末閉店。

なぜ店を閉めてしまったのか、それは知らない。
うなぎの稚魚が獲れなくなって、値段が高騰したことが原因なのだろうか。
うなぎの値段を上げるのが嫌だったのだろうか。
経営的に、それほどうまくいっているとは思えなかった。
商売っ気を感じなかった。
なんせ、平日の夜に混んでいたことがない。
あんなにおいしいのに、それほど はやってはいなかったのだ。
確かに経営努力をしているようには見えなかった。

もう一度店をやってくれないかなあ。
一生懸命応援するけどなあ。
とりあえず、うなぎの幟と、暖簾を作ってあげたいなあ。

  • 幻となったうな重 松2100円

2020/02/11 更新

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