12回
2025/10 訪問
リニューアルした當店でシーズン最後の鎌倉海老を堪能する
10月畑と山の収穫
アミューズ
鎌倉海老(ソース注入後)
神経〆の鱧とたまご茸
小田原鹿のロースト、ビーツのピューレとポルト酒のソース
鹿(藁焼き中)
鹿(藁焼き中)
サザエのキタッラ
舞茸、どんぐり、柿のスープ
ナスの発酵シラスソース
鎌倉海老(頭のテルミドール)
最後にラビオリを投入
3年アマゴと黄金イクラ
アミューズ①:サバ
アミューズ②:無花果と味噌
デザート:タイムのアイスクリームとローゼルのチーズケーキ
鎌倉海老(ソース注入前)
サザエのキタッラ
無花果の葉のアイスクリームとお塩&オリーブオイル
鎌倉海老(生きているところ)
モンタルチーノ
モンタルチーノのロゼ
ピエモンテの白
サルディーニャの白
新政
南アフリカのリースリング
スプマンテ
お店に遊びに来る猫
カウンターをリニューアル
今宵のメニュー
2025/10/06 更新
2025/07 訪問
夏の食材の共演と見事なペアリングの妙
當店に初めて伺ったのは7月だった。あれから3年がたつが久しぶりに7月にうかがう。當店は季節
の食材を中心にコースが組み立てられる。ワインのペアリングには難易度が高そうな食材が並ぶが
それを引き立てるペアリングの妙も當店の魅力。酷暑の中喘ぎながらうかがう。
今日は久し振りに3組で満席。7/25に行きたいと思い(一応結婚記念日)大分前に予約したのだが
この日しか空いてなかった。再び人気沸騰なのかも。
今日は当てにしていた食材が入らなかったとのことで急遽メニュー無しで。それはそれで楽しませ
てくれる。
アミューズはサザエのつぼ焼きということでまずはそのままでプレゼンテーションを。その後各人
用に切り分ける。もう一つのアミューズはビーツと何か。當店はお皿の数が多いのでメニューを貰
えないと忘れてしまうのがつらいところ。
そしていつもの畑の収穫。この季節はさわやかな夏野菜が中心だが相変わらず自家製サワークリー
ムはいい仕事をする。合わせるワインはソアベ。これが口当たりは甘いのに後味はすっきり・しっ
かりでちょっといい感じでした。こういうソアベは初めて。
続いて魚が3皿続く。
サバとピーマン、カッペリーニには○○(すいません忘れました)そしてお魚のメインはしいらの
パイ包み、どれも脂の乗った魚介と夏野菜のコンビネーションが見事。
ワインはそれぞれピノグリ、シャルドネ、ロゼと見事なペアリングでした。
そして久しぶりにシラスの発酵ソースを使った茄子。嬉しい限りだが写真を撮るのを忘れる。
合わせるのはこれも最近の定番の新政。今日はオーソドックスにNo.6。いいですね。これは。
お肉のメインは夏鹿でいつものように藁で燻していただく。ソースはマデイラ酒を使ったもの。夏
鹿は脂がしつこくなくて良かったです。
合わせるワインはフリウリの地のぶどうスキオペッティーノを使ったもの。こういうワインは當店
じゃないとそうそうは飲めない。酸味はあるがスパイシーで複雑なニュアンスもあって〇。
そして最後の炭水化物。今日はボロネーゼとリゾット。リゾットは鮎を使ったもので香りが大変よ
かった。ワインはスキオペッティーノをお代わりで。
デザートはビーツとエディブルフラワーを使ったものと花山椒のソルベ。特に花山椒のソルベが印
象深かった。ソルベはこういうものも合うのですね。
最後に最近當店に遊びに来る猫ちゃんと廊下でご挨拶をしておやすみなさいを。
ごちそうさまでした。次は鎌倉海老をいただきにうかがいます。
夏鹿
夏鹿(お鍋①)
夏鹿(お鍋②)
シイラと白子のパイ包み
ころ鯛
ピーマンとサバ
デザート②(花山椒のソルベ)
デザート①
畑と山の収穫
カッペリーニ
カッペリーニ(ソースを入れた後)
ピーマンとサバ
鮎のリゾット(お鍋)
鮎のリゾット
パスタ
フリウリの赤(スキオペッティーノ)
アミューズ②(サザエ)
サザエのつぼ焼き
アミューズ①(ビーツと?)
新政No.6
フリウリの白(シャルドネ)
カラブリアのロゼ
ピノグリージオ
ソアベ
アミューズ
プロセッコ
2025/07/28 更新
2025/04 訪問
春の食材は當店の魅力を更に引き立てる
今年初めての訪問。1月は体調がすぐれずあまり外食が出来なかった影響でローテーション店の訪
問が後ろ倒しになっている。春の食材を愉しみに席に着く。
ペアリングは珍しくフランスのシャンパンからスタート。シャルドネ100%で香りがいいが後味が
きりっとした秀逸なシャンパン。
アミューズは3種でスナックエンドウの味噌タルト、トリッパと菊芋、最近お取引をするようにな
った三崎のさかな人長谷川さんのイサキと菊芋。一口サイズだがそれぞれここまでこだわるかと言
う出来。
當店は今まで小坪の魚をメインに扱ってきたが小坪は逗子マリーナに隣接しているせいか漁師さん
もガツガツしておらずちょっと天気が悪いと漁に出ないため急に魚が入荷しなくなることもしばし
ばとのこと。一方三崎の漁師さんはワイルドなので多少の時化でも漁に出るそうで水産品の調達の
ルートが広がったとご主人は喜んでおられました。
続いて定番の畑と山の収穫。春なのでエディブルフラワーも豊富に。春の野菜類は苦みが強いので
當店の魅力を更に引き立てる。合わせるのはピノビアンコ。苦みとえぐみによくマッチしている。
続いてハーブを使った見た目も鮮やかな一皿。下にはクスクスが。ハーブの香りが立ってとても美
味しかった。合わせるのはちょっとユニークにギリシャのレッツィーナワイン。マツヤニの香りの
ワインだ。これもお料理にぴったりでした。
続いてこれは小坪の真鯛とネギとセリ。そこに和風のスープを。私はセリが大好物なのでお出汁も
効いてこれはよかった。合わせるのは新政の産土(アース)。和風のお出汁との相性は抜群。
続いて三崎の大鰺を使ったパスタ。鰺は大型だけに味が濃厚でそれをカルパッチョにしてパスタの
上に載せている。見た目も素晴らしいしもちろん味も。ペアリングはそのまま新政で。
その後メジナと鎌倉の筍。それを最後にソースをかけて仕上げる。春らしい一皿。合わせるワイン
は冷やした赤ワイン。シチリアのパルメンティーノ。軽めの赤が焦げた筍の風味を引き立てる。
続いてイタリア産ホワイトアスパラとメニューにはあったが入荷が無く(残念)スミイカのイカ墨
と身を使った一品、上には細いパスタを揚げてあしらってある。なかなか珍しいお皿で美味しくい
ただく。ワインは引き続きパルメンティーノ。
本日のお肉のメインは京都産の鴨。胸では無くロースを。いつものように藁焼きで仕上げて(鍋の
まま見せてくれる)お皿に盛る。ソースはマデイラ酒とかんきつを合わせたもの。これはなかなか
いい味わいでした。合わせるワインは定番のブルネロディモンタルチーノ。それほど重たくない後
味がソースとマッチする。
最後にパスタとリゾット。事前に量を聞かれる。ご主人が説明してくれたがオーソドックスなイタ
リアンのコースだとメインで終わるが當店のお客さんは年配の方も多くどうしても最後に炭水化物
を所望されることが多いのでこういうコースの仕立てにマイナーチェンジしているそうだ。鎌倉は
年配の方が多く住むので。
炭水化物(笑)はまずアミガサダケのタリアテッレ。クリーム仕立てで濃厚ながら量が抑え気味な
のでうれしい。続いてホタルイカのリゾット。これもお鍋で調理しているところを見せてくれる。
ワインは引き続いてブルネロディモンタルチーノ。ホタルイカの内臓の苦みと以外に合うのでちょ
っとびっくり。
ドルチェはまず蕗を使ったアイスクリーム。セミフレッドといってちょっと溶けて出す。アイスク
リーム自体にはちょっと塩分が効いていて面白い味わい。
最後にブラッドオレンジを使ったショコラ。きれいな見た目で味わいももちろん〇。私はハーブテ
ィー奥さんはコーヒーで味わう。
ごちそうさまでした。
當店は素材の味そのものを生かしたお料理が特徴だが苦みやえぐみが強い春の食材だとその魅力が
更にアップすることを確認する。
今日は名物のシラスの発酵ソースのお皿が無かったのでうかがうと今年は相模湾ではシラスが不漁
でほとんど水揚げが無いとのこと。季節の食材を使う當店には環境変化が厳しいことを実感させら
れました。
美味しかったです。またうかがいます。
京都の鴨の藁焼き(鍋)
ホタルイカのリゾット(鍋)
京都の鴨の藁焼き
ホタルイカのリゾット
スミイカのパスタ仕立て
アミガサダケのタリアテッレ
メジナと筍ひじき添え(ソースをかける前)
メジナと筍ひじき添え(ソースをかける)
メジナと筍ひじき添え(仕上がり)
三崎の大鰺とスパゲッティーニ
真鯛とネギとセリ
ホタテ・トマト・クスクス・ハーブ
アミューズ3種
4月の畑と山の収穫
トリッパと菊芋
スナックエンドウと味噌のタルト
イサキと山草
蕗のセミフレッド
ショコラとブラッドオレンジ
ブルネロディモンタルチーノ
パルメンティーノ
新政産土(アース)
ピノビアンコ
レッツィーナワイン(ギリシャ)
パン
ハーブティー
今宵のメニュー(Corso)
生産者の方々
今宵はシャンパンからスタート
食べログブロンズ再獲得
2025/04/21 更新
2024/12 訪問
寒い中、冬の食材とこだわりのワインのペアリングに酔う
ウチはクリスマスは毎年こころやさんに行っているので(今年は曜日の関係でお休みなのでどうし
ようか考えています)ディナーは12月前半に行くことにしている。先週は清風で今週は當店。2024
年もそろそろ終わりだ。
私が外食出かけると大抵天候が悪くなるのだが今宵はいきなりの気温低下。昼間も10℃行くか行か
ないかだったが夜になるとさらに冷える。ちょっと前までは20℃越で汗ばんでいたのだがいきなり
厳冬だ。秋はどこに行ってしまったのか(笑)
寒い中歩いて行ったのでお店に着くとホッとする。今宵は他に4名のお客さんが一組。こじんまり
しているのが當店の特徴だ。
今夜のコースはキノコから取ったエキスから始まる。小田原のキノコだ。薬膳風の味で身体によさ
そう。そしてアミューズ。かぶを使ってからすみとトリュフのスライスを挟んだものとジャガイモ
と黄金イクラの2種。生臭みがあるものの野菜のえぐみや風味と合わさると不思議に心地よい。
合わせるワインはサルディーニャの白。独特な風味と味わいで癖のあるアミューズと調和する。
続いて當店名物のその月の畑の収穫。何儒種類もの野菜がそれぞれ異なった方法で調理されて野菜
のソースと共に供される。えも言われずに美味しい。
ここでスパークリングが供される。シャルドネ主体なので癖のあるアミューズにはちょっと厳しい
という判断だろう。こういうところが當店のソムリエールさんの素晴らしいところ。
続いて鯵と小松菜と青たまみかんのクレープ。小松菜と青たまみかんの苦みが生きている珠玉の1
皿。
クレープで包むという発想も素晴らしいし新鮮な鯵との相性も間違いない。今夜の白眉の一つ目。
ワインはそのままスパークリングでペアリング。
続いて何度かいただいたことがあるオヤジギャグのスパイスも効いた牡蠣と柿。駅前の予約が取れ
ないラッテリアべべ(チーズも自家製)のホエーを使ったミルクのスープに牡蠣と柿、シイタケが
加えてある。これは何度食べても美味しい。
合わせるのはフリウリのナチュールのオレンジワイン。ぶどうの旨味がたっぷりで魚介の風味を邪
魔しない。
続いて方々を鍋仕立てにした1品。わかめ、葱、せりと共に供される。方々はすごく身が厚くてぷ
りぷり。これは和風仕立てだがみかんの絞り汁とオリーブオイルがかけられて大変美味しい。個人
的には本日2皿目の白眉。ちょっと攻めてるお皿でした。
ワインはそのままオレンジワインで。
続いて白子のフリット。衣は海藻を粉にしたもの。そして地元も赤かぶもものすけと合わせている。
白子のもっちり感ともものすけのしっとり感が相まっていい感じに仕上がる。
合わせるのはこちらももう當店の定番になった新政。今日は亜麻猫。亜麻猫は日本酒として飲むと
酸味が立ちすぎる感があるけどワインの間に挟むとちょうどいい感じになる。
続いて畑の収穫と並ぶ當店の看板料理のシラスの発酵ソース。まずはカリフラワーと合わせて続い
てバターナッツかぼちゃのラビオリが追加される。シラスの発酵ソースは間違いないが提供方法が
少し変わっている。
合わせるワインはイタリアでは珍しいリースリング。引き締まる感じがしてかなりいい。
お肉のメインは小田原の鹿。いつものように藁焼きして香りを移している。その後マデイラ酒のソ
ースをまとわせて提供される。お肉は柔らかくて癖が無く大変美味しい。
ワインはシシリアのネロ。ネロはしばらくぶりだけどやはりこういう血の香りがするお料理にはよ
く合う。
最後に小田原のトリュフのリゾットで〆。香りがいいですね。
デザートはいつものくろもじを使ったパンナコッタがまず出てきて、その後サツマイモのペースト
をモンブラン風に乗せたセミフレッドとティラミス。大変美味しくいただきました。
當店はいつうかがってもお料理とワインのペアリングに失望することはないお店です。特に今宵は
クレープと鍋仕立てという新しい切り口のちょっと攻めているお料理に出会えて幸せでした。
ごちそうさまでした来年もよろしくお願いします。
方々とわかめ、葱、セリの鍋仕立て(盛り付け)
鍋仕立て
鯵と小松菜と青たまみかんのクレープ
12月畑の収穫
白子のフリットともものすけ(蕪)
小田原産トリュフのリゾット
鹿ロース
鹿ロース(藁焼き)
方々とわかめ、葱、セリの鍋仕立て
もみの木と黒文字のパンナコッタ
セミフレッドとティラミス
牡蠣と柿
鹿ロース
シラスの発酵ソースにバターナッツかぼちゃのラビオリ
シラスの発酵ソースとカリフラワー
鯵と小松菜と青たまみかんのクレープ(別角度)
ネロ
アミューズ(かぶとからすみとトリュフ)
アミューズ(黄金イクラとじゃがいも)
リースリング
アミューズ
新政・亜麻猫
パン
フリウリのオレンジワイン
オレンジワイン
サルディーニャの白ワイン
新しいナプキン
2024/12/13 更新
2024/09 訪問
この季節のお愉しみ鎌倉海老をいただきにうかがう
夏は鎌倉で伊勢海老が獲れる。こう書くと昔から知っていたように聞こえるが数年前にこちらでう
かがって知った。それ以来夏の終わりには鎌倉海老をいただきに當店を訪問するのが習慣になった。
Season’s Delightというやつだ。今年もそういうことで。
最初は先週の予約だったんだけど所用が出来て変更。先週は変な台風のおかげで海も荒れていたか
ら逆によかったような気もする。
いつものように6時からスタート。こちらでは何度かいただいた丹波ワインのスパークリングを飲
みながらお料理を待つ。
アミューズは最初に見せてもらったサザエのつぼ焼きを乗せたブルスケッタと丸い海藻を衣に使っ
た甘鯛、そして真ハタをクスクスの上に載せたもの。見た目も鮮やかでハッとする美味しさの3品。
つづいて畑の収穫。當店の名物料理だ。20種類以上の野菜をいろいろな調理法で提供し、それを野
菜のソースで食べる。季節毎の野菜の香りだけでなく苦みやえぐみ、食感を味わえる大好きな一皿。
続いて見た目も鮮やかな真っ赤なお皿。ビーツをいろいろな調理法でアレンジしている。そしてビ
ーツの下には小坪も真タコ。一番下には自家製のサワークリーム。今日はこのサワークリームがい
い仕事をしていた。ソースとビーツとサワークリームが三位一体で大変美味しかった。
そして真ハタ。使っているソースはピーマンで上に載せているのもピーマンの細切り。ピーマン好
きには堪えられない。そして一番下にはサワークリーム。これがまた絶妙でした。
そして今日のスペシャリテの鎌倉海老。尻尾の部分をローストしたものをアスパラの上に盛り付け
ゴボウの千切りを散らす。そこに甲殻で取ったソースをかけて完成。これで終わりかと思ったらエ
ビの頭の部分を自家製マヨネーズをかけて焼いたものも添えられる。脳みそをスープに溶かして食
べるとこれも待った絶品。エビのコリコリとした食感と味わいで大満足でした。
続いてやはり當店の名物料理の発酵シラスのソース。焼きナスにまとわせて食べる。
當店がイタリアンであることを思い出させるリゾットが続く。お鍋で火を加えているところを見せ
てくれる。キノコ(アカヤマドリダケ)の香りが芳香でいい感じでした。
最後に京鴨。これも當店名物の藁焼きで。鴨自体がすごく美味しいのでシンプルな盛り付けで。ス
トレートな美味しさを感じられて満足でした。
當店の魅力はペアリングのワインも重要な要素。丹波ワインのスパークリングに始まり癖が強い
(失礼)當店のお料理の魅力を消さないようにそしてさらに倍増させるワインのセレクションを今
宵も堪能しました。
今宵印象に残ったのは新政のとても日本酒とは思えないスパークリングは元より、トスカーナのヴ
ェルナッチャとフリウリのスキオペティーノ。ヴェルナッチャはワインだけ飲むと何となく凡庸な
感じの白だがお料理に合わせると豹変する面白いワイン。スキオペティーノはフリウリの土着種の
ブドウ。鴨の力強さにも負けないタフな赤ワインでした。こういうのを見つけてくるのはソムリエ
ールの実力だと思います。
デザートはいつもの黒米に続いてボネとジェラート、ジェラートは実山椒で香りとスパイシーさが
際立ちました。
ごちそうさまでした。またうかがいます。
鎌倉海老 Zuppa Di Pesce
鎌倉海老(ソースを注ぐ前)
鎌倉海老(頭のマヨネーズ焼)
京鴨の藁焼き(調理)
京鴨の藁焼き
ほしゆたか4穀米リゾット
リゾット
なすと発酵シラス
真ハタとピーマンづくし
アミューズ、左上からサザエのつぼ焼きブルスケッタ、アマダイの海藻衣、真ハタのクスクス
畑の収穫
ビーツ7変化
ビーツ7変化(中は小坪の真たこ)
ボネと実山椒のジェラート
ブルーベリー・黒米・バラ
鎌倉海老
フリウリの赤(スキオペッティーノ)
新政
オレンジワイン
トスカーナの白(ヴェルナッチャ)
ロゼ
丹波ワインのスパークリング
2024/09/09 更新
2024/06 訪問
ピカピカの初夏の野菜と魚介にこだわりのペアリング
健康診断が済んだ打ち上げで訪問。しばらく食欲と飲酒をセーブして来たのでパーッと行こうと言
う感じだ。こういう事をやっているから健康診断の数値に意味が無くなるんだけど(笑)
6時に一斉スタート。もう一組のお客さんはすでにスタンバイ。
以前は畑の収穫からスタートだったのだが最近はアミューズが登場する。今日は茹でた茄子の上に
ヒラメのカルパッチョと緑パプリカをあしらったものと、アオリイカ。ヒラメは歯ごたえがよく、
アオリイカはねっとりした旨味と存在感、黒米の食感が生きる。
合わせるのはスプマンテ。シャルドネ100%とのことだ口当たりはしっかりしているが後味はすっ
きりで夏向きのスプマンテでした。
続いて定番の畑の収穫。毎回これが第一のお愉しみ。第二のお愉しみはその時に。初夏は野菜が
瑞々しくて春先のえぐみが消えるけどピカピカで季節感がたっぷり。
合わせるのはマルケの白。マルケの白はあっさりだから合わせるのが難しいけど野菜料理との相性
は抜群。
続いてイタリアンっぽく発酵トマトと雲丹のカッペリーニ。見た目もきれいで味わいも香りも素晴
らしい一皿。
合わせるのはネッビオーロのロゼ。ネッビオーロにロゼがあるのは初めて知る。ネッビオーロらし
く存在感があって面白いわいんでした。
続いてズッキーニ尽くし。私はズッキーニは一年中出回ると思っていたら一応今が旬だそうで。そ
のズッキーニを色々な形状にカットし複数の方法で調理して桜エビと金柑のマリネと合わせている。
これはちょっと目が覚めるお皿でした。
本日のお魚は鱧。鱧は関西のお魚っぽいけど何でも獲れる相模湾でももちろん獲れる。それを発酵
ジャガイモのビシソワーズで和えている。美味しくない訳がない。
これに合わせるのは今夜のスペシャルである新政。No.6のS-TypeとX-Typeの飲み比べという贅沢
なペアリング。これは思いもかけず至福の時でした。
そして第二のお愉しみのシラスの発酵ソース。今日はフリットした新玉ねぎと。シラスの発酵ソー
スは當店のスペシャリテ。今夜も堪能しました。
合わせるのはフリウリの白。當店ではフリウリとマルケの白を飲まないとね。
メインの前にリゾット。今夜は小田原の鮎を使った贅沢な一品。四穀米の硬質な食感が焦がした鮎
と相まって堪りません。
そして今夜のお肉のメインは夏鹿のロース。いつものように稲藁で燻す。濃厚な香りをまとった夏
鹿のロースに合わせるのはマデイラ酒のソース。そして夏鹿のハツとトウモロコシを合わせたもの
をソース代わりにまぶして食べる。トウモロコシの甘みが際立ち、ハツは匂いが全くない。
メインに合わせるのはロッソディモンタルチーニ。深いけど爽やかな赤が夏鹿を引き立てます。
デザートは定番のクロモジとモミノキに続いて実山椒を使ったソルベとガトーショコラに木苺とバ
スクチーズケーキ。そして今宵も冷たいほうじ茶で。
すべて美味しくいただきました。満足満足。
今宵もシェフとたっぷりとお話を。シェフは青山のサバティーニにもいたことがあるそうで、その
際に近所の赤坂御所住まいだった現天皇ご家族が来店されたことがあったそうで、その時の話をし
てくださった。まだ愛子様が小さかった時。シェフがちょっと誇りに思うことだそうです。
次は鎌倉エビの季節にうかがいます。ごちそうさまでした。
アミューズ(茄子の上にヒラメのカルパッチョと緑パプリカ、黒米シートの上にキュウリで巻いたアオリイカとイカ墨のアクセント)
6月 畑と山の収穫
発酵トマト、雲丹のカッペリーニ
ズッキーニずくし、桜エビと金柑のマリネ
小坪漁港の鱧と発酵ジャガイモのビシソワーズ
新たまねぎとしらすの発酵ソース
ほしゆたかの四穀米と鮎のリゾット(盛り付け)
ほしゆたかの四穀米と鮎のリゾット(お鍋)
夏鹿ロース
夏鹿ロース(ハツととうもろこしのソースをかける前)
夏鹿ロース稲藁燻し
クロモジとモミノキのソルベとパンナコッタ
ガトーショコラと実山椒のソルベ、木苺とバスクチーズケーキ
今宵のメニュー
スプマンテ
マルケの白ワイン
ネッビオーロのロゼ
新政のNo.6飲み比べ
フリウリの白
ロッソディモンタルチーニ
2024/06/21 更新
2024/03 訪問
春野菜の苦みとえぐみは當店のお料理を更に美味しくする
昨年の11月以来の訪店。こちらでは皿数が読めないことと考え抜いたソムリエールさんのセレクシ
ョンが秀逸なのでワインもお任せで。ペアリングは5杯と7杯なんだけど、お料理に合わせて5杯で
も5杯+αでも7杯でもというスタンス。美味しいものをいただけるのでお客さんはどんどん怠惰に
なる(笑)
今宵は贅沢に貸し切り。前日は満席だったようだが木曜日と金曜日は割と空いているとのこと。行
きたい方はこの曜日が狙い目です。ご主人といろいろとお話が出来て贅沢な時間を過ごしました。
お料理は畑の収穫の前にほうれん草のタルトから。自家製の味噌が効いていて美味しい。お酒は以
前いただいた丹波のワイナリーの泡から。
お料理は続いてこちらの看板の一つである季節の野菜をいろんな形で提供いただく畑の収穫。エデ
ィブルフラワーも春らしさを演出する。この季節なので野菜には苦味やえぐみがある。それらが実
に美味しくなるように工夫されている。珍しい芹の根を乾燥させたものが更に魅力を引き立てる。
丹波の泡は日本の発泡ワインだけあってこういう複雑な味もカバーしている。
お料理は続いて炙ったホタテとトマト。こちらにも芹の根っ子が。それらをまとめる小松菜のペー
ストが苦味が効いていて美味しい。
合わせるワインはマルケの白。こちらでは苦みやえぐみをそのまま強調するお料理が多いせいかイ
タリアでもフリウリやマルケのワインを合わせることが多い。そしてこれが絶妙な相乗効果を生み
出す。マルケの白も若干スモーキーなニュアンスがあってすごくよかった。
お料理はその後サワラの香草パン粉揚げ、イタリア産ホワイトアスパラとアナグマのパンチェッタ、
と続く。ワインも色々出してもらうので付いていけてない(笑)でも美味しいのは間違いない。
お魚のメインは小坪のヒラメのブイヤベース仕立て。シェケンタロウでもいただいた。フィエルテ
のシェフがオリジナルだろうか。鎌倉界隈では流行っている感じだ。それぞれのお店の特徴があっ
てこちらのお皿も間違いなく美味しい。
合わせるワインは山梨の障害者支援施設Carefit Farmのオレンジ。こういうワインを持ってくるの
は流石です。
そして二つ目もこちらの看板料理のシラスの発酵ソース。春キャベツをお好み焼き風に仕上げてあ
る。このソースは本当に堪えられない。
今宵はお肉のメインが出てからパスタ。お肉はダッチオーブンで焼いて藁で燻して仕上げる。ダッ
チオーブンの状態でプレゼンテーションが。このスタイルも鎌倉で広がりつつある。ウチもそうだ
けどお客が同じで共通のお店にいくのだろう。
ウチの奥さんは豚はあまり得意ではないんだけどこれは蝦夷豚のヒレ肉でレアに仕上げてあり全く
抵抗なく食べていた。この人は高級だと大丈夫なのだ(笑)
合わせるワインはオーソドックスにトスカーナの赤。この赤がしっかりと渋くて実に美味しい。こ
の後のタリアテッレの時にはお替りでちょっと注いでもらう。
デザートは蕗の薹とクロモジを入れたアイスクリームにメレンゲが被せてある。これも風味がいい。
一緒にデザートワインを勧められる。お断りをする筋合いも無いのでいただく。フリウリの拘りの
造り手が陰干ししたブドウから作るユニークながら味わい深いワインでした。
次のデザートはガトーショコラ。上にベルガモットのソルベが。
最後に私がハーブティー奥さんがコーヒーを貰って〆る。
春は野菜が芽吹く時期。芽吹く時期だから苦みもえぐみも強いけど、それが當店のお料理を更に美
味しくしている。
次は梅雨の時期にでもうかがいます。ごちそうさまでした。
3月畑の収穫
帆立とトマトとハーブ
編み笠茸のタリアテッレ
北海道産蝦夷豚のヒレ肉
北海道産蝦夷豚
小坪のヒラメブイヤベース仕立て
シラスの発酵ソース
サワラの香草パン粉揚げ 甘夏と春キャベツのムース添え
イタリア産ホワイトアスパラとアナグマのパンチェッタ
ほうれん草とサワークリームのタルト自家製味噌添え
ガトーショコラとベルガモットのソルベ
蕗の薹とクロモジのデザート
トスカーナの赤k
デザートワイン
Pino Bianco
障碍者就労支援施設Carefit Farmのオレンジ
パン
マルケの白ワイン
泡
ゴエミョー連続受賞
2024/04/02 更新
2023/11 訪問
晩秋のイルノード、絶品のお料理と絶妙なワインのペアリングと季節の移ろひ
季節の素材を大事にする當店には去年とは違う月に訪れたい。それぞれの月でその月ならではの素
材を違うお料理で用意してくれるからだ。食べログで確認すると昨年は12月に訪問していたので今
年は11月に。
コースはスパークリングワインと共に畑の収穫からスタートする。いつもながらの見事なお料理。
野菜を生だけで提供するのではなく乾燥させたり、干したり、摺り下ろしたり。いろいろな形状で
提供してくれる。いつ来ても満足できるお皿だ。
いつも5杯のペアリングも皿数が多い當店ではソムリエ―エルが苦労されるので今日は7杯で。食後
酒まで組み込んでいただき大満足でした。
お料理はいつものように多種多彩。今日は魚料理が前半に出てきてメインのカイノミは最後に。そ
して間には名物の鎌倉ホエーやシラスの発酵ソースを使ったお料理が。いつものお皿と新しいお皿
が混在して出てくるのでワクワクする。
今宵も全部美味しいお料理だったけど印象に残ったものを上げるとすると石鯛とひじきとまこもだ
け、3年アマゴと黄金イクラ、そしてカイノミ。
石鯛は添えられているひじきをいろいろとアレンジしたものが見事でちょっとびっくりした。
3年アマゴと黄金イクラは前も同じ素材をいただいたが全く違うプレゼンテーションで提供された。
こういうのはなかなかない。深紅の薔薇とビーツが彩り的にも素晴らしかった。
そして藁で香りを付けたカイノミ。當店でメインを食べる時はいつもワクワクする。
忘れてならないのはワインのペアリング。本日もイタリアだけでなく日本やオーストラリアを組み
合わせた絶妙なペアリングを愉しませたいただきました。最後にちょっとユニークなイタリアの食
後酒までいただき大満足。
いつまでも通い続けたいお店です。
カイノミ
カイノミ(調理中)
晩秋の畑の収穫
3年アマゴ、黄金イクラ、ビーツ、薔薇
クレソン、茸、牡蠣と柿、鎌倉ホエー
カリフラワーとシラス
晩秋の畑の収穫(上から)
クレソン、茸、牡蠣と柿、鎌倉ホエーを崩したところ
石鯛、ひじき、マコモダケ
キウイとパンナコッタ
イチジク
赤ワイン(トスカーナ)
さつまいものモンブラン
ハーブティー
食後酒:アクアヴェルディ
パスタ:ストロッツァプレーティとキノコ
3年アマゴ、黄金イクラ、ビーツ、薔薇
ウニのタルト
うら肉野郎(赤ワイン)
ロゼ
オーストラリアの赤
シシリアのロゼ
もってのほか(菊)
2023/11/27 更新
2023/08 訪問
鎌倉エビと真夏の素材の至福それを包み込む見事なワインのセレクション
昨年の7月に初めてこちらにうかがったのだがその時に8月には鎌倉エビが手に入るのでというお話
をされていた。小坪漁港に揚がる小ぶりの伊勢海老だそうだ。2か月続けてうかがうほどの食通では
ない我々は翌年まで持ち越しとさせていただいた。そして満を持して訪店。
いつものように開始時間の6時に訪問。今宵は我々風ともう一組のご夫婦。こちらのお店は2組くら
いがちょうどいい感じになる。お店にとっては申し訳ないんだけど。
お料理もさることながらいつもあっと驚くワインを出してくれるソムリエールさん。今宵も期待が
裏切られることは無くスタートの泡は京都の丹波の産。食用のブドウを使いながら爽やかな飲み口
とちょっと重厚な後味が何とも言えない美味しい泡でした。
お料理は定番の野菜尽くし、畑の収穫祭からスタート。いつも思うんだけど素材を色々アレンジす
ることでどんどん進化していく。それに続いてアペタイザー的に野菜料理が3品。ニンジン尽くし、
タコとビーツに黒米、最後にサザエのつぼ焼きのタルト。
ワインは途中から広島は福山産のマスカットを使ったロゼへ。この味わいが苦味が効いた野菜との
相性がばっちりで堪能しました。
続いてウニと発酵トマトソースを使ったカッペリーニ。下には小松菜のソースが引いてあり紫蘇の
オイルが。紫蘇の香りと小松菜の苦み、発酵トマトソースの風味が溶けあい素晴らしい一皿。
そしてクエのお料理。ミキュイに仕上げたクエに玉ねぎのピューレとピーマンのソース。ピーマン
の苦みと香りが何とも言えないこれも素晴らしい一皿でした。
この2つに合わせるのがラッツイオのグレケットというブドウを使った白。小松菜やピーマンと言
った苦みもえぐみも強い野菜のピューレにマッチする絶妙のワイン。飲み口はやや甘さを感じなが
ら後味は苦みも残る見事なというか、よく探し出したとしか言いようがない。今宵最も恐れ入った
ワインでした。
続いてメインの鎌倉エビの1皿目。ヴェルモットのソースの上に炙った海老を載せて上に牛蒡の揚
げたものをあしらっている。甘みと香りが何とも言えないヴェルモットのソースと炙った海老の風
味がとてもよかった。
そして定番のシラスの発酵ソースを使った焼きナス。このお料理が食べたくてこちらに通うと言っ
てもいいくらいの美味しさ。
この2皿に合わせるのはオーストリアの白。辛口ながら少しブレンドしたシャルドネの華やかさが
鎌倉海老や発酵ソースを引き立てる。
鎌倉海老二皿目はパスタの上に海老の頭を乗せたリングイネ。頭に残ったお肉や脳みそをこそげて
一緒に食べる。美味しくない訳がない。
これに合わせるのはピエモンテのネッビオーロを使ったロゼ。ネッビオーロの風味が芳醇な鎌倉海
老に負けない美味しいワインでした。
今宵のメインはジビエの夏鹿。いつものように藁で燻して調理される。この時期の夏鹿はあっさり
していてとはいえ口の中でとろけるような赤身の食感で何とも言えない。
それに合わせるのが定番のブルネッロディモンタルチーノ。ただこのブルネッロは樽香が薄目でま
だ爽やかな感じが残り脂が少な目の夏鹿とベストマッチ。このワインもよくぞ見つけましたという
感じ。オーソドックスなブルネッロは冬の鹿には会うだろうと思うけど、夏鹿にはこれしかない的
な今宵二本目の恐れ入りましたのワインでした。
デザートは最近定番のくろもじのパンナコッタから木苺そしてカカオプリンのボネ。一緒に冷たい
ほうじ茶をいただいて今宵は終了。
うかがう度にコースのお皿の数が増えていて素材の生かし方が進化している気がする。こちらは季
節の野菜を始めとする素材を最大限生かして料理するけどその分えぐみや苦みも出て来る。お料理
はそういう味を生かしながらソースでまとめているんだけど、合わせるワインは本当に苦労するだ
ろうなと思います。それでもお料理に引けを取らないセレクション。いつもながらお見事です。
ごちそうさまでした。またうかがいます。
8月 畑の収穫祭
ウニ、発酵トマトのカッペリーニ
鎌倉エビ
白:ラツィオ州、グレケット
赤:ブルネッロディモンタルチーノ
鎌倉エビと夏野菜、ヴェルモットソース
夏鹿のロース
夏鹿(稲藁、麦藁炙り)
クエ、玉ねぎとピーマンのソース
鎌倉エビのリングイネ
焼きナス、シラス、シラスの発酵ソース、コリアンダー
ロゼ:ピエモンテ州 ネッビオーロ
ニンジン尽くし
サザエのつぼ焼きのタルト
サザエのつぼ焼き
くろもじパンナコッタ
タコ、ビーツ、薔薇
木苺、黒米、薔薇
カカオプリン(ボネ)実山椒、ビーツ
白:オーストリア
ロゼ:広島、福山
8月 畑の収穫祭(真上から)
スパークリング:丹波ワイン
ゴ・エ・ミオ連続獲得
2023/08/29 更新
2023/05 訪問
奥さんの誕生日祝いにうかがう
今年の奥さんの誕生日はこちらで。去年の夏にうかがってから3度目だが今宵は週中の平日と言う
こともあって貸し切り状態で贅沢な時間を過ごさせていただいた。
お料理は定番の野菜の前菜(畑の収穫)から始まって12皿にデザートが2種。今宵も堪能させてい
ただく。いただいたお料理は以下の通り。
① 5月 神奈川 畑の収穫
② 前菜-1 食べるバーニャカウダ
③ 前菜-2 縞エビとエシカルローズ
④ 前菜-3 カマスとアーティチョーク
⑤ アマゴ、ケール、ベルガモット
⑥ アオリイカのイカ墨パスタ
⑦ アオリイカとグリーンアスパラ
⑧ 真鶴岩牡蠣と鎌倉ホエー、金柑
⑨ ホワイトアスパラ、エシャレット、猪のパンチェッタ
⑩ 鎌倉のお好み焼き
⑪ 阿波牛のカイノミ 藁焼き
⑫ 〆のパスタ
どれも甲乙つけがたい大満足のお皿の数々ながら印象に残ったのはカマスとアーティチョーク、ア
マゴ、岩牡蠣、ホワイトアスパラか。
どれも付け合わせ(メイン)のお野菜の苦みと旨味をうまく生かしたお料理だった。私は素材やソ
ースの苦みを好むのでこれらは大変印象に残る。
もちろんスタートの畑の収穫、定番のシラスの発酵ソース、メインの阿波牛も筆舌に尽くし難い。
そしていつものようにお見事なワインのペアリング。野菜の苦みとワインのペアリングは相当難易
度が高いと思われるのだが、後味のきりっとしたフリウリやマルケのワインとのペアリングは文句
なく美味しかった。またロンバルディアのロゼの硬質感や遊びの要素も入る白ビールなどこちらも
十二分に堪能させていただいた。
貸し切り状態だったので店舗の物件を見つける時の苦労や、最近の鎌倉のレストラン事情などいろ
いろお話が聞けて大変堪能した夜でした。次は鎌倉エビの季節にうかがいます。ごちそうさまでした。
5月 畑の収穫
小田原の猪のパンチェッタ、ホワイトアスパラ、エシャレット、バジルソース
阿波牛の藁焼き
アマゴ ケール ベルガモット
鎌倉のお好み焼き 春キャベツ、ジャガイモ、シラス、コリアンシード、シラスの発酵ソース
アオリイカとグリーンアスパラ、イカ墨ソース
真鶴岩牡蠣、鎌倉ホエー、金柑
くろもじと山ブドウのパンナコッタ
木苺のジェラート、緑米ソースと薔薇+冷ほうじ茶
2018年にオープンした時の絵
シチリアの赤ワイン(ネロ)
〆のパスタ あみがさ茸、クリームのタリアテッレ
フリウリのピノグリ
マルケ州のヴェルディッキオ
アオリイカのイカ墨パスタ
白ビール
カマスとアーティチョーク
ロンバルディアのロゼ
食べるバーニャカウダ 新ニンニクと自家製アンチョビ
縞エビと薔薇
シャルドネのスパークリング
5月 畑の収穫(上から)
2023/05/29 更新
2022/12 訪問
個人的に今年最大の発見である當店で季節の素材を堪能する
今年のおさらいの後半のハイライトは今年最大の発見であるこちら。夏以来の再訪だが今宵も素材
のエッセンスまで使いこなす見事なお料理と絶妙なワインのセレクションに唸らせられることにな
る。更に言えば人の話を全然聞いていない傾向が強い私は、ペアリングのワインを先に飲み干して
しまい追加でいただくものもあった。
規則通り6時にうかがう。前回はちょっと早すぎて開錠していなかったので今回は5分ほど遅れて到
着すると我々以外の2組はすでに着席済み。シェフの準備が整うと一斉に今宵の晩餐のスタートと
なる。
お料理はこの季節の各種野菜とお花のサラダである畑の収穫からスタート。サラダと言ったけどサ
ラダなんて言葉を使うのが申し訳ないほどの取り合わせ。そしてそれぞれの素材の美味しいこと。
夏はそれぞれの野菜の爽やか感が前面に出ていたが、12月の今は滋味深さが前面に出ている。今宵
のお皿は畑の収穫を含めて10皿。詳細は以下の通り。
神奈川 初冬 収穫祭
・12月 神奈川県 収穫祭
・逗子小坪港の収穫 太刀魚 ヒラメ 鯵
・牡蠣と柿 鎌倉ホエー シイタケ
・小松菜づくし
親子 成長
・天城の3年アマゴ 黄金イクラ ジャガイモ
旬を食べる
・白子 もものすけ かぶ 鵠沼魚醤
鎌倉を食べる
・菊芋 しらす カレーリーフ コリアンダー
第一のお皿
・タリアテッレ 12ヶ月のアマゴ 芹 葉大根
お肉料理
・蝦夷豚の稲藁・麦藁蒸し焼き
・猪のバラ肉 玉ねぎ シェリービネガー
デザート
・春菊、リンゴ、熟成煎茶のソルベ パンナコッタ
・サツマイモブラン 梨 ほうじ茶
・湘南ハーブティー
いただいたワインはシャンパンから始まりマルケの白ワイン(ヴェルディッキオ)、ピエモンテの
ロゼ、アルトアディッジェの白(シャルドネ)、カンパーニャの赤ワイン(アリアニコ)、追加の
ヴェネト州のオレンジワイン。個人的にはピエモンテのロゼとカンパーニャのアリアニコが今宵の
白眉でした。
お料理はどれがとはなかなか言いづらいけど、稲藁、麦藁で蒸し焼きにした蝦夷豚と夏にもいただ
いたシラスの発酵ソースを使った菊芋、そして小松菜づくしが印象に残った。
一日3組までしか予約を取らないようでどんどん予約しづらくなって来ているけど、来年以降も通
い続けたいお店ですね。ごちそうさまでした。季節の素材を堪能しました。
⑨蝦夷豚ヒレ肉の稲藁・麦藁蒸し焼き
蝦夷豚
白子と桃のスケ(蕪)鵠沼の魚醤(上から)
⑧タリアテッレ、12ヶ月のアマゴ、芹、葉大根
⑦菊芋、シラス、カレーリーフ
⑩猪バラ肉と玉ねぎ
追加のオレンジワイン(ガルガネガ)
赤ワイン(アリアニコ)
①12月の畑の収穫
④小松菜づくし
⑤3年アマゴ、黄金イクラ、ジャガイモのピューレ
②小坪港のヒラメと太刀魚、鯵
③牡蠣と柿とホエー シイタケと小田原トリュフ
サツマイモのブラン、梨、ほうじ茶ピューレ
春菊、リンゴ、熟成煎茶のソルベとパンナコッタ
アルトアディッジェ自治州の白ワイン
⑥白子と桃のスケ(蕪)鵠沼の魚醤
自家製パン
ロゼ(ピエモンテ)
白ワイン(ヴェルディッキオ、マルケ州)
シャンパン
ハーブティー
コースの説明
2022/12/13 更新
2022/07 訪問
素材を最大限生かしたお料理と絶妙なワインのペアリング、言うことないですね
行こう行こうと思いながらなかなかチャンスが無かったこちらのお店に満を持して訪問。食べログ
にディナーは18時から一斉スタートと書いてあったのでまだ日差しがじりじりする17時過ぎに家を
出てお店にうかがう。噂通りお店は分かりにくいところにあって立札通りに進むと違うお店に行っ
てしまう(笑)
カウンターに2組分のセッティングがしてある。聞くと最大で3組までとのこと。18時をちょっと過
ぎで本日のお料理がスタートする。お料理はシェフとソムリエールが同時にサーブしてくれて、シ
ェフが細かい説明をするというスタイル。一斉スタートと言うのはそういう理由とわかる。
本日いただいたのは以下の通り。お料理が10皿とデザートが2皿とかなりの数に上る。
夏の収穫祭
・7月 夏 畑の様子(サラダ)
・渡辺農園 ズッキーニを収穫
・ガスパチョ(ウニとカッペリーニ)
・ハモカツとキノコ(〇〇茸、名前を聞いたのですが覚えられませんでした)
海のもの
・神奈川県 海の収穫 タコと蛤
川のもの
・琵琶湖の稚鮎のエスカベッシュ
香りもの
・小坪漁港の甘鯛ウロコ焼き 渡辺農園のナス パプリカ 万願寺唐辛子
鎌倉ならでは
・渡辺農園の焼きナス、もんざ丸のシラス カレーリーフ コリアンダー
第一のお皿
・黒米(にこまる)りぞっと 天城のアマゴ
お肉料理
・小田原の鹿ロース
デザート
・山北の木苺 平塚の薔薇 パンナコッタ
・ゴボーネ(ボネとごぼう)ビーツ 実山椒
・湘南ハーブティー
野菜を中心に地元のこだわりの素材を中心に素材の旨味を最大限に生かしたお料理が続く。どれも
ハッとするくらい美味しい。普段目にするお野菜ばかりだが、それが絶品料理になる。
例えば最初の夏の収穫祭の2品目のズッキーニ尽くし。ズッキーニを摺ったものの上に様々な方法
で火を通したズッキーニに最後にスライスを干したものを載せてある。素材が美味しいだけではな
くてそれぞれがすごくいい味わいを出していて全体で素晴らしい一皿になっている。
私も渡辺農園のズッキーニを買ったことがあるが(こころやさんも使っているので)基本焼くだけ
なので美味しいのは美味しんだけどここまで料理として高まることは想像がつかない。
それぞれがお皿を舐めてしまいたいくらい美味しいんだけど、敢えて選ぶとすると今夜印象に残っ
たのは甘鯛のウロコ焼きと焼きナスとしらす。どちらも付け合わせの野菜や葉っぱ(失礼)とのコ
ンビネーションがすごい。
甘鯛はウロコ焼きの香ばしさや食感はもちろんのこと、下に敷いたナスのペーストとちょっと発酵
させたパプリカのソースの旨味が堪えられない。万願寺唐辛子の食感も筆舌に尽くしがたい。
焼きナスとシラスもそれぞれの野菜うまみもさることながらこれもソースが堪えられない。
本当にどのお皿を食べてもハッとしたり、堪えられないとか、筆舌に尽くしがたいしか言えない。
とんでもないレベルのお料理だと思う。
そしてそれに合わせるワインがまた見事な相性を醸し出す。野菜やお魚の素材の力を最大限に引き
出すから、苦みやえぐみや生臭さみたいなものも魅力として出てくる。それに合うワインを選ぶの
は至難の業と思うのだが、それをさりげなく見事にこなすソムリエールの技量に頭が下がる。
ペアリングの最初のシャンパンから柑橘系の苦みが後味に残る。そしてそれがエディブルフラワー
の苦みを生かしたサラダ(夏 畑の様子)に見事につながっていく。そして随所に挟むロゼのそれ
ぞれ違う味わいと後味。それが癖の強いお料理に見事にマッチして引き立てる。
今宵一番印象に残ったのはフリウリのシャルドネ。私は個人的にはシャブリは生牡蠣には合わない
と思っている。けれどもこのシャルドネは潮風を感じるようなという説明の通り、甘鯛にもシラス
にも絶妙にマッチする。こういうシャルドネがあるのかと改めて認識させる、最高のセレクション
でした。
グラスもかなり凝ったものを使っているようで、ワイングラスを割るのが得意技の私は怖くて洗え
ないタイプのものが多く供される。それもお店の魅力の一つでしょうかね。
デザートも野菜の旨味や食感を生かしたものが供される。最後は私はハーブティーで〆る。
もう一組のお客さんが帰られたので、食後ご主人とソムリエールの方とおしゃべりをする。ご主人
は大船界隈の出身とのことで私のなじみのお店の方々のこともよく知っている。このあたりの出身
の方は湘南地方の海の幸や山の幸(畑の幸)の魅力に惹かれて出店するようだ。
美味しいものを食べて美味しいワインを飲んでおしゃべりをして家に帰ってもまだ10時にならな
い。こういうのは本当にありがたい。
通いたいお店がまた1軒できてしまいました。
夏 畑の様子
ズッキーニ尽くし
フリウリの白(シャルドネ)
甘鯛うろこ焼き
お店入り口(矢印は先に進めとも取れるが実は上に上がれ)
焼きナスとシラス
稚鮎のエスカベッシュ
タコと蛤
ゴボーネ
パンナコッタ
ハーブティー
小田原の鹿(藁でロースト)
フリウリの赤
鹿
黒米リゾット アマゴ添え
鍋の中のリゾット
トスカーナのロゼ
フォカッチャと
タコと蛤(鍋の中)
カーブドッチのロゼ
ハモカツに〇〇茸
〇〇茸
ガスパチョカッペリーニ添え
ガスパチョを掛ける前のカッペリーニ
カンパーニャ州の白
テーブルセット
2022/07/29 更新
夏場は鎌倉海老を出してくれる當店。9月中に行きたかったのだが酷暑で夏バテして何となく外食
欲も減退中で10月になってしまった。淡い期待をしながらうかがうと今年は出していないのでと気
を遣っていただき鎌倉海老を堪能させてもらった。ありがたいことです。
当日うかがうと何となく店内が明るくなっている。夏場に店内を改装してカウンターを大きくし過
ぎの一枚板にしてライティングも角度を変えられるようにしたのだそうだ。よりお料理をビジュア
ルでも楽しめる工夫だ。
いつものようにアミューズから。今日は魚人長谷川さんのサバと無花果。サバは軽く火を通してい
て下に敷いた野菜の苦みと相まって美味しい。無花果は當店で大活躍するサワークリームと自家製
味噌の上にフレッシュな無花果が。さわやかで味の深みもあってこれも間違いない。
合わせるのはスプマンテ。シャルドネ主体。香りが良くていい感じだ。
続いて50種類以上の野菜を使った畑・山の収穫。こちらも當店の看板料理。乾燥させたりやや炙っ
たりいろいろな調理法で野菜を出してくれる。すりつぶした野菜のソースが大変美味しい。最後に
お皿を舐めたくなるんだけど奥さんに怒られるから止めておく(笑)
続いてこれも當店の看板料理。3年アマゴと黄金イクラ。ジャガイモのピューレとオリーブオイル
が敷いてある。何度食べても美味しい。
合わせるのは珍しい南アのリースリング。リースリングとは思えない香りの高さと後味の苦みが特
徴。お料理によく合う。いつもながら見事なペアリング。
そして前半のハイライト。魚人長谷川さんの神経〆の鱧とたまご茸。唐辛子のソース。たまご茸は
シェケンタロウでもいただいたが、あちらはフランス産でこちらは国産。香りが違う。その香りを
より引き出すようにちょっと乾燥させて鱧と合わせている。これは今日の白眉の1品め。美味しか
ったです。
合わせるのはこれも當店のスペシャルの新政。お料理がちょっと和風仕立てなので大変よく合う。
そしてちょっとかわったどんぐりのスープ。どんぐりの殻はいい出汁が取れるそうだ。そこに舞茸
と柿。味わったことが無い風味で美味しかった。
合わせるのはサルディーニャのオレンジがかった白。ちょっと渋みのある味わいがどんぐりのスー
プの味をひきたてる。
そしてハイライトの鎌倉海老。生きている状態から見せてくれるのでちょっと食べるのが気の毒だ
けど美味しいから文句は言えない。まず蒸し焼きにした鎌倉海老をオクラを敷いてごぼうを乗せた
状態で出してくれてそこにスープを注いでくれる。
続いて鎌倉海老の頭を焼いてテルミドール風にしたものが提供され、半分くらい食べたお皿に味噌
ごと投入し味変を愉しむ。最後にラビオリを入れてスープと一緒に味わう。大満足のお皿でした。
合わせるワインはちょっと寝かせたピエモンテの白。強めの味わいは海老の風味にも負けない美味
しさでした。
その後定番のシラスの発酵ソース。相模湾もようやくシラスが獲れるようになりました。いつもな
がら美味しい當店の名物料理。
合わせるのはモンタルチーノのロゼ。見事な色合い。
お肉のメインは小田原の鹿。以前は鹿と言えば蝦夷鹿だったけれど最近は本州の鹿も多い。やや淡
泊なので藁の香りを移して風味を増している。それをビーツのピューレの上に乗せてポルト酒のソ
ースと自家製の辛子マヨネーズで味わう。不味いわけがない。
合わせるのは前に続いてモンタルチーノ。単純ではない複雑なニュアンスがあっていい感じでした。
そしてここ数年のパスタでの〆。今日はサザエを使ったキタッラ。ソースによく絡んで美味しい。
デザートはいつものお塩とオリーブオイルを使ったものから。今日はそこに無花果の葉のアイスク
リームを。本当に無花果の葉の風味がする美味しいデザートの一皿目。
続いてメインのデザートは珍しいローゼルを使ったチーズケーキ。上にタイムのアイスクリームが
乗っている。これが本当にタイムの香りがしてかなりリフレッシュする。
今年の夏は思い切って投資をして店内をリニューアルしたのに浄明寺の水道管破裂、津波避難、そ
して先日の線状降水帯による鎌倉の冠水で予約のキャンセルや営業できない状況があって大変だっ
たそう。保険でカバーされないことも多くかなり苦労されたようだ。こちらも同情するだけでなく
少しは利益に貢献しないと。
最後に前回同様お店が終わる頃にやって来る猫ちゃんのご挨拶を受けて(お店が忙しい時は遊んで
もらえないことをちゃんと知っている 笑)帰りました。ごちそうさまでした。またうかがいます。