7回
2025/11 訪問
今宵もシェフとパティシエールの実力を堪能しました
お肉のメイン:ラカン産小鳩のパイ包み、サルミソース
割ったところ
オマール海老と穴子ロールのムニエル、アメリケーヌソース
本日の鮮魚、アンチョビとバルサミコのソース
シャインマスカット、マスカルポーネのアイスクリーム、シャルトリューズのエスプーマ
ハンガリー産フォアグラのフォンダン
デザートⅡ:栗のアイスクリーム、りんご、アーモンドのメレンゲ
割ったところ
クレープノルマンディ
中身
ノルウェー産サーモンの軽い燻製
アミューズ
コンソメ
ミニャルディーズとカモミールティー
ランドックの赤
グルナッシュ
ブルゴーニュの赤
NZのソービニヨンブラン
アルザスのゲバルツトラミネラール
ミュスカデ
シャンパン
2025/11/19 更新
2025/06 訪問
舌でも目でも愉しめるお料理を堪能する
3月以来の當店。駅から少し歩くことから酷暑と梅雨の時期は避けたいと思っていたが全然雨が降
らない今年の梅雨に奥さんのアドバイスで大船からバスで向かうことに。建長寺のバス停から歩い
てすぐなので酷暑の日ながら涼しくお店に到着できた。
当日は我々夫婦のみ。鎌倉・湘南は金曜日は混まないというセオリーを実践した感じ。最も當店は
半分個室のような造りなので他のお客さんのことはあまり気にならないが。
ペアリングはシャンパンからスタート。ずっとコートブランシュだったものが別のものに変わって
いた。オーソドックスな香りのいいタイプ。
アミューズはいつもの凝った設えではなくひとつづつ3品出してくれる。トウモロコシのムースの
ウニのせから始まって旬の鮎の野菜ソースそしてコンソメ。我々夫婦は當店のコンソメが大好きな
ので相変わらずのレベルの高さに感じ入る。こういうコンソメをひけるシェフはそうはいない。
お料理は前菜の1品目が海の幸のマリネと野菜のムース。當店の真骨頂ともいうべき舌だけでなく
目でも愉しめる1品。中には旬のアスパラガスと自家製のスモークサーモンや魚介のマリネが。こ
ういうのは我々世代(還暦を超えたバブル期に青春時代を送った世代)には堪りません。
合わせるワインはオーソドックスにムスカデ。最近はあまり見なくなったけれどシーフードには大
変よく合います。
オードブルの2品目はフォアグラのポワレ。旬のブラックチェリーでアレンジしている。フォアグ
ラの下にはバジル風味のケークサレが。こういうお皿はいかにもフランス料理っぽくて好きです。
合わせるのはフォアグラにぴったりの甘めのゲバルツトラミネラール。いいマッチングでした。
続いて伊勢海老。恐らく地元の鎌倉海老。それをリゾットと合わせてアメリケーヌソースで。アメ
リケーヌソースは海老の殻を使っておりコクがあって大変美味しい。個人的にはこのお皿が本日の
白眉でした。
合わせるのはプロヴァンスのロゼ。辛口でいい取り合わせでした。
お魚のメインはヒラメ。旬にズッキーニで飾られている。花ズッキーニの中にはホタテのムース。
この設えは正に當店の真骨頂。バブルの頃にはこういうデコレーションをするお店が多かったけれ
ど(クイーンアリスなど)今時ここまでやってくれるのは嬉しい限り。當店の個性がいかんなく発
揮されている。ソースの黄色も映えます。
合わせるワインは珍しいスイスの白。
お肉のメインは鴨。青森産だそうで個人的には鴨は冬の食べ物かと思っていたけど年間手に入るの
だそうだ。この季節なのでそれほど脂はしつこくない。シェリービネガーソースで。合わせる野菜
は少しだけ火を通してビスケットのお皿の上に乗っている。こういう演出も當店の魅力。
合わせるワインはジコンダスの赤。もちろんグルナッシュ。私が行く店は私がグルナッシュ好きな
ことを知っていて出してくれる。グルナッシュが好きと言う日本人なんて滅多にいないから珍しい
のだろう。鴨によく合ういいワインでした。
コースはまだ続きます。最後にチーズ。ウォッシュチーズを包んだジャガイモのパンケーキとカマ
ンベールチーズ。これも當店の名物になって来ている。
一緒にペリングの最後のデザートワインまで出してくれる。當店はグラスワインの盛りがいいので
結構酔ってしまう(笑)
そしてここからパティシエである奥様の出番のデザート。
1品目はピスタチオと抹茶を使ったもの。削られたホワイトチョコが目にも涼しくピスタチオと抹
茶の香りも秀逸。中のアイスクリームも滑らかで大変美味しい。
2品目は大変涼しげなクリームチーズとブルーベリーを使ったデザート。表面は丸い薄氷が乗って
いてそれを割って食べる。泡はタイムを利かせている。すごく凝ったデザート舌でも目でも愉しま
せていただきました。
ミニャルディーズと共に私はマリアントワネットと名付けられたローズティー、奥さんはコーヒー
で〆る。
今夜は一組だけだったのでシェフも実力をいかんなく発揮できたと満足そうでした。本当に舌だけ
でなく目でも十分に堪能できました。
ごちそうさま。酷暑が終わりかけた頃にまた伺います。
ヒラメと三浦産ズッキーニ 蛤の出汁とサフランのソース
青森産鴨のローストシェリービネガーソース
伊勢海老のポワレアメリケーヌソース 十穀米のリゾット添え
海の幸のマリネ季節の野菜のムース
ハンガリー産フォアグラのポアレ さくらんぼ バジルのケークサレ
クリームチーズのムース、ブルーベリー、タイムの泡
割るとこうなります
ピスタチオと抹茶
トウモロコシのムースウニ乗せ
こんそめにマッシュルームのラビオリ
鮎と季節の野菜
中はこんな感じです
チーズ
じゃがいものパンケーキを割るとウォッシュチーズが
ミニャルディーズ
デザートワイン
ジゴンダスの赤
スイスの白
プロヴァンスのロゼ
アルザスのゲバルツトラミネラール
ムスカデ
シャンパン
2025/06/30 更新
2025/03 訪問
味わいも彩もベースのフォンもワンランク上の人気店
ローテーション店の定期訪問。當店は駅から少し歩くので寒い時期と暖かくなってからは避けたい
のでこの時期に。と言いながら当日は汗ばむ陽気でしたが。
當店はそういうことでロケーションがやや不利な事から応援したいなという気持ちからちょこちょ
こお邪魔していたけれどそういう心配も杞憂に終わるくらい最近は混んでいる。予約を取ろうと思
っても2週間先までいっぱいでした。別に関係者じゃないけれどこういうのは嬉しいです。
ということで半分くらいリタイアしている身としては久し振りの土曜日に訪問。
6時半にお店に到着するとすでに他の2組は食事をスタートしている。鎌倉は夜が早いからスタート
も早いのかもしれない。
シャンパンを飲みながらアミューズを待つ。いつもながら當店はペアリングのワインの注ぐ量が結
構多め。これも関係者じゃないんだけどいいのかなぁと思ってしまう。
アミューズは相変わらずプレゼンテーションが凝っている。花束状のフィンガーフードとブロッコ
リーのムースにビシソワーズ。當店はフォンのレベルが大変高いのでビシソワーズもすごく美味し
い。カップで飲みたいくらいだ。
続いて前菜の一皿目はサーモンのコンフィと新玉ねぎのムース。エディブルフラワーをあしらった
プレゼンテーションが華麗で目を引くが味わいも負けず劣らずレベルが高い。特に新玉ねぎのムー
スが秀逸。
合わせるワインはトスカーナのロゼ。割としっかり目でなかなかよい。
オードブルの2皿目はフォアグラのムースの湘南ゴールド包み。これは目が覚めるくらい美味しか
った。湘南ゴールドの酸味と苦みが以外とフォアグラに合ってお互いを高めあう。文句ない一品。
合わせるのは甘口のアルザスの白。
そしてお料理は伊勢海老のブイヤベース。ブイヤベースと言いながらあまり重たくならないように
フォンがメインのソースで端麗系のブイヤベースと言ったところ。そしてプレゼンテーションも〇。
當店の面目躍如と言ったところ。文句なく美味しい。
合わせるワインはローヌの白。ローヌの白はあんまり飲む機会がないんだけど結構おいしい。
メインの魚はキンメダイの鱗焼き。ブールブランソースに牡蠣とホタルイカも春の彩を添えている。
目にもうれしい一品。
合わせるのはオーソドックスにシャブリ。
お肉のメインは子羊。ちょっと残酷だけど春は子羊の季節。可愛いんだけど心の中で謝りながら美
味しくいただく。子羊は俺の嫁(by フーター師匠)。付け合わせにホワイトアスパラも。これは嬉
しかった。
合わせるワインはローヌの赤。グルナッシュが好きな人ってあんまりいないから私が行くお店はメ
インのお肉とローヌのワインを合わせてくれることが多い。
そして當店はクラシックな側面もあるのでデザートの前にチーズを。考えてみれば赤ワインを少し
残しておけばよかった。
デザートは一皿目はアールグレイのブランマンジェとヨーグルトのソルベ。さわやかな風味が口直
しをしてくれる。
デザートの二皿目は和のテイストで桜の苺のモンブラン。プレゼンテーションが秀逸で奥様の技量
が生きる一皿。美味しくいただく。
最後にミニャルディーズとハーブティー(奥さんはコーヒー)で〆る。
御馳走様でした。大満足でした。
最近は混雑もあってスタッフさんも一人雇い益々絶好調な當店。予約が取れないお店にならないう
ちに行かれることをお勧めします。
ニュージーランド産子羊のロースト
本日の鮮魚(キンメダイの鱗焼き)ブールブランソース
ブイヤベース(キンキと伊勢海老)
サーモンのコンフィ新玉ねぎのムース
フォアグラのムース湘南ゴールド
フォアグラのムース湘南ゴールド包み
アールグレイのブランマンジェ、ヨーグルトのソルベ
ジャガイモのパンケーキとカマンベール(開いたところ)
ジャガイモのパンケーキとカマンベール
ミニャルディーズ①
ミニャルディーズ②
桜と苺のモンブラン
季節のアミューズ②
季節のアミューズ②
ローヌの赤ワイン
シャブリ
ローヌの白
アルザスの白
パンとバター
トスカーナのロゼ
シャンパン
2025/03/25 更新
2024/11 訪問
地元に馴染んでシェフの本領もどんどん発揮されて来た感があります
5月以来久しぶりの訪問。當店は北鎌倉駅から10分少々歩くので暑い時期は申し訳ないけれどちょ
っと敬遠してしまう。真夏日に歩くとお店に着いた頃には汗だくなってしまうので。ということで
涼しくなってからの訪問。今年は本当に暑い時期が長かった。とはいえいった当日は秋を飛び超え
て冬のような気温でしたが。一体日本はどうなっちゃうんだろう。
当日は我々夫婦と我々よりも少し年配の地元らしいご夫婦の2組。當店は我々くらいの年代が心地
よく感じるタイプの(つまりバブル期に流行った、イノベイティブフュージョン前の)フレンチを
提供してくれる。最近は當店のレビュー数も増えてきて評点も上がって来た何よりだと思う。
提供スタイルを少し変えたようでアミューズは鳥の巣を模したものでなく枯山水の庭を模したスタ
イルで提供される。彩も設えも申し分ない。
そしてもう一品、コンソメが提供される。今宵は鶏のコンソメ。シェフ自ら注いで下さる。當店の
コンソメはフランス仕立てというか日本ではあまりお目にかかれない素材のエキスを濃縮したタイ
プのコンソメ。今宵の鶏も濃厚でそれを和らげるミントの香りも相まって大変美味しくいただく。
つづいてオードブルの一品目は自家製のスモークサーモン。當店の本領発揮というか大変彩り豊か
でバブル当時に流行ったスタイルで提供される。自家製のスモークサーモンの質感とナスの食感が
マッチして文句なく美味しい。少しだけ加えてあるバジルのペーストも言い仕事をしている。
合わせるワインはオーソドックスにブルゴーニュのシャブリ。サンロマンのように割ときりっとし
たタイプのシャルドネでスモークサーモンともいい愛称でした。
続いてオードブルの2品目はフォアグラ。彩が大変きれいで銀杏も添えられお茶菓子の吹き寄せを
感じせられる一品。ソースの風味が大変美味しかった。
合わせるのはアルザスのピノノワール。美味しいワインだったけどフォアグラには甘めの白の方が
合うかもしれない。
メインのお魚は太刀魚。當店らしく大変凝った美しいプレゼンテーションで提供される。ソースは
アンチョビとニンニク、そして添えられた泡はローズマリー風味。それぞれが大変いい仕事をして
いて見事な調和。
合わせるのは初めて飲むソービニヨングリ。最近よく出回るぶどうだそうで割ときりっとしていて
魚料理によく合う。
お肉のメインは鹿。京都の鹿だそうでそれがパイ生地と合わさって提供される。ソースはカカオと
コケモモ。かなり攻めているシェフ渾身の一品。シェフが後で出てきたときにちょっと火入れに後
悔が残るとおっしゃっていたが(実は調理に集中できないちょっとしたハプニングがあった)なん
のなんの大変美味しくいただきました。
合わせるワインは大好きなランドックのグルナッシュ。私が行くお店は大抵最後のお肉にはランド
ックを合わせてくださるようになってしまった。ランドックのグルナッシュが好きという人は日本
にはあんまりいないかもしれないので珍しいのだろう(笑)
最後のデザートは奥様の本領発揮。紅葉をあしらった(まだ紅葉前なので黄色、だんだん秋が深ま
ると紅色に)見事なプレゼンテーション。上部を割ると中から栗のペーストとフランボワーズのソ
ルベが。栗とフランボワーズの組み合わせはグランディールアンサンブルのモンブランもそうだが
いい愛称なようだ。これは本当に美味しかった。
最後に私はハーブティー、奥さんはコーヒー、そして小菓子をいただいて〆る。
最後にシェフと少しお話をする。大分鎌倉の事情にも慣れてきた様子で安心する。コースの値段も
以前の2万円以上から大分下げて来られて(鎌倉レートになって来ました)行くいくは16,000円く
らいのコース1本で行くことを考えているとのこと。お店のオペレーションもあるので開始時間を
統一してもいいのではと勝手ながら提案させていただく。
とはいえ地元に根差してくると当初の緊張感がいい感じに丸くなってお料理もどんどんシェフの本
領発揮という感じが出てきて客としてはうれしい限りです。
ごちそうさまでした。今宵も本当に美味しかったです。またうかがいます。
京都の鹿背肉のローストコケモモソース
太刀魚のソテー アンチョビとニンニクのソース
フォアグラのロワイヤル
自家製スモークサーモンと秋なす 三種のにんじん
ヴァレドール風モンブランと赤いソルベ 紅葉仕立て
紅葉です
アミューズ
チキンのコンソメ ミントの香り
チキンのコンソメ
パンとバター
ハーブティー
ミニャルディーズ
鹿に合わせるのはランドックのグルナッシュ
ロワールのソーヴィニオングリ
アルザスのピノノワール
しゃぶり
シャンパン
2024/11/13 更新
2024/05 訪問
奥さんの誕生日 美味しいお料理とサプライズに大満足
奥さんの誕生日にうかがう。界隈ではうかがうちょっといいレストランが4軒あってそこをローテ
ーションしているので今回はそういうタイミングになった。フィエルテだけは伝次郎の命日にうか
がうので固定なのだが。
予め誕生日と伝えてあったので(天邪鬼な私と違って奥さんはちゃんと自分の誕生日のプレートを
素直に喜ぶ)ちょっと早めの時間で。當店は奥様がパティシェールなのだがお子さんの世話もある
のであまり遅くまでお店に居てもらうのも悪いと思って。と思ったら今宵は息子さんもお店にいて
最後に挨拶をしてくれた。
アミューズはいつもの設え。界隈のお店はそういうところが多いが、もしかするとこれがトレンド
なのかもしれない。
続いて田舎風の野菜スープ。當店のコースは昔ながらと言うかスープが入ることが多い。すごく地
味なスープなんだけど野菜で出汁を取ったようで甘味があってすごく美味しい。
続いてグリーンアスパラのシャルロット。剥いて同じ長さに切ったグリーンアスパラを周りにあし
らったシャルロットで中はヨーグルトソースに自家製スモークサーモン。このお皿はある意味當店
を代表するお皿かもしれない。素材を表に出してそこにひと手間をかける今風のフレンチが多い中
で素材に3手間ぐらい加えて見た目もきれいなデコレーションで提供する。バブル期にフランス料
理を食べていた年代にとっては違和感がない。クイーンアリス辺りで出てくるような一品だ。
続いてマグロを使ったお料理。今回のコースの中では毛色が変わった動きのあるお料理。ニンニク
を大胆に使っていてなかなかいい。
次は本日の白眉と言えるブータンノワール。それを細かく板状にしてタルトタタン風にまとめて上
に炙ったフォアグラが乗せてある。ブータンノワール、リンゴ、フォアグラのハーモニーが絶妙。
これは本当に美味しかった。尿酸値が上がりそうだけどそんなことは言っていられない。
魚のメインは鯛。ただ普通のロティではなくズッキーニを薄くスライスして繊維のように編んだも
ので覆っている。緑のソースはハーブが香る。こういう凝ったお皿も最近はあまり見かけない。
お肉のメインは仔牛。そこにリードヴォーのムニエルが添えてあり焦がしバターソースで仕上げて
ある。これも間違いない。リードヴォーのムニエルが堪えられないほど美味しい。
こちらはオーソドックスにスープの他にチーズもコースに組み込んでいる。今日はカマンベールを
ジャガイモのパンケーキで包んだもの。カルヴァドスでもあれば最高なんだけど残念ながら置いて
いないとのこと。
ワインはいつものようにペアリングで、いつものシャンパンから始まってプロヴァンスのロゼ、ブ
ルゴーニュの赤、ロワールの白、最後にボルドーの赤と定番の流れ。特にブルゴーニュの赤とブー
タンノワールの組み合わせがよかった。
デザートはパティシエールである奥さんの出番。レモンとバジルのグラニテから始まってメインは
イチゴのソルベとバニラクリーム。これは白い殻を割ると中からソルベが流れ出す。大変美味しく
いただく。
その後部屋の明かりを消してサプライズのケーキが。こんなことをしていただいたのは何十年ぶり
だろうか(笑)奥さんが好きなイチゴのショートケーキでした。お腹がいっぱいだったので持ち帰
り次の日いただいたけれど大変美味しかった。特にクリームが。
この日は週中の平日と言うこともあり貸し切りだったけれど週末やそれ以外の日も結構予約が入っ
ている模様。駅からちょっと離れていることとやや強気の値段がどうなることかと思っていたけど
ちょっと安心しました。って別に私のお店ではないんですが。
當店の特徴はバブル期に流行った華やかなデコレーションの優雅なコースの仕立てになる。そうい
うのが好きな人は是非。ご主人は本場でミシュランの星を獲得した人なので本場の流れを組んでお
料理もきちんとインターバルを取って提供される。ご主人夫妻のちょっと朴訥なサービスもいい感
じです。
ブルターニュさん仔牛の背肉のローストとリードボーヴォーのムニエル
ズッキーニをまとった鯛のハーブソース
グリーンアスパラのシャルロット
ブータンノワールのリンゴのタタン仕立てフォアグラ乗せ
誕生日のサプライズプレート
マグロほほ肉のムニエル&赤身のタルタル
イチゴのソルベとバニラクリーム
イチゴのソルベとバニラクリーム(割ったところ)
レモンとバジルのグラニテ、マスカルポーネのアイスクリーム
ジャガイモのパンケーキ&カマンベールチーズ
ジャガイモのパンケーキ&カマンベール(割ったところ)
アミューズ
田舎風野菜スープ
ボルドーの赤
アルザスのクグロフの入れ物の中の猫
ロワールの白
ブルゴーニュの赤
プロヴァンスのロゼ
シャンパン
テーブルセッティング 最近にしては珍しく最初から使うカラトリーが置いてある
お店
2024/05/24 更新
2023/12 訪問
オーセンティックながら最先端のフレンチ、本場でミシュランの星を獲得した実力を味わえる
私は個人的にあまりクリスマスにクリスマスの外食をしない。去年まではクリスマスイブはずっと
こころやさんにうかがっていた。空いていてのんびりできるからだ。混んだり予約が大変だったり
してまでいつもより高いコース料理を食べるのは「別に」だった。ところが今年は奥さんがクリス
マスのコース料理を食べにこちらにうかがいとのたまうので家庭内の力関係から予約をしてお邪魔
することになった。個人的にはクリスマスに女性と食事をするのはバブル期以来かもしれない。と
言ってもクリスマスイブでは無いのだが(笑)
当日うかがうと前回はベビーシッターの都合でおられなかった奥様がフロアを担当。お料理を運ぶ
時はご夫婦で。そのリズムとお料理の紹介の仕方が微笑ましくて心温まるクリスマスディナーにな
りました。
お料理はアミューズから。プレゼンテーションとお料理自体は前回を踏襲している。多分これをあ
いさつ代わりのお店看板にと考えておられるのだろう。キャビアとその下のサワークリームの相性
が最高でした。合わせるのはハウスシャンパンのCote、風味のいいシャンパンです。
続いて最初の前菜はクリスマスチキン。今宵はここから金谷シェフのお料理に酔わされる。オーセ
ンティックなフレンチらしい作り込んだ綺麗なお料理これもしっかりと作り込んだソースを添える。
見た目も味も絶品だ。私がそういうお店にあまり行かないこともあるけど久しぶりに味わう正統派
フレンチ。そしてその最先端だと思う。合わせるワインはアルザスの白。アルザスながら風味が濃
い目でキノコやチキンとよく合う秀逸なペアリングでした。
次の前菜は鎌倉野菜のシャルロット。彩りが見事なのと赤カブで縁取られた中は赤ピーマンのムー
スに雲丹と赤エビがちりばめられている。不味い訳が無い夢のような前菜です。合わせるワインは
マコンの白。厚みがある味わいなので若干お料理に勝っちゃうかなという印象でした。
提供されるパンはアルザスのクリスマスと言うかアドベントで食される人型のマナラ。これも日本
で出すところはあまりないと思います。
続いて魚料理はヒラメ。それをバジルや蕪の葉のソースとケッパーを使った野菜のソースでいただ
く。みずみずしくて彩りもきれいな一皿。ワインはそのままマコンで。
続いてクリスマスのハイライトの伊勢海老のお皿。薄いパイ生地で丸くカバーした中に白子と伊勢
海老が入ってクリームソースでまとめている。そしてその上には薄くスライスしたカリフラワー。
見た目も見事で味も申し分ない。尿酸値が上がっても絶対に食べたい絶品料理でした。合わせるワ
インはこちらの名物でもあるスイスの白。樽香が伊勢海老をより引き立てるいいワインでした。
お料理の最後は肉料理で葉山牛のステーキ。シェリー酒酢と黒ニンニクのソースが薫り高くて大変
すばらしい逸品。これはもうソースの最後の一滴まで舐めたくなる。合わせるワインは偶然だけど
私の大好きなローヌの赤ジゴンダス。日本のお店でジゴンダスを飲んだのは初めてながら黒ニンニ
クソースとベストマッチで堪能しました。
そしてデザート。ここからは奥様の出番。厨房で奥様が仕上げて旦那様が配膳する。
最初はイチゴのパシュラン。周りの白い生地はメレンゲで中にはイチゴのソルベとホイップクリー
ム。私は最初白いものは器だと思ってました(笑)日本ではなかなか食べることができないパシュ
ラン。正統派のフレンチのコースの後に口をすっきりとすることができました。
続いてデザートのメインはフォレノワール。フランス語で黒い森。それをケーキでは無くてチョコ
レートとクリーム、フランボワーズのソルベで別々に表現する。これも見た目の鮮やかさと美味し
さが同居した逸品でした。さすがロワールの名門フレンチレストランでパティシエとして腕を振る
っていた奥様の面目躍如といったところです。
最後にお茶と一緒に出されるミニャルディーズも凝っていて、最後まで楽しませていただきました。
大満足です。
フランスで一つ星を獲得された実力が発揮された見事なクリスマスのコース。これからもこちらの
お店からは目が離せないですね。ちょっと不便な場所ですが訪れる価値があるお店です。
伊勢海老とまだら白子のフリカッセ
葉山牛のステーキ
鎌倉野菜のシャルロット、赤ピーマンのムース、雲丹、赤エビ
クリスマスチキン:ポルチーニとクリームソース
マナラ、アルザスのアドベントのパン
本日の鮮魚(ヒラメ)ハーブと野菜2種のソースとカブ
フォレノワール
アミューズ
イチゴのパシュラン
ハーブティーとミニャルディーズ
伊勢海老とまだら白子のフリカッセ
伊勢海老とまだら白子のフリカッセ(上のカリフラワーを取ったところ)
アミューズ(卵のフランのキャビア載せ)
今夜のコース構成
スイスの白ワイン
白ワイン(マコン)
アルザスの白
ローヌの赤ワイン
シャンパン
2023/12/27 更新
2023/10 訪問
フランスでミシュランの星を獲得したシェフが織りなす彩り豊かな本格フレンチ
フランスでミシュランの星付きレストランで修行することと星を獲得することは雲泥の差がある。
今は日本シリーズを待つ期間なので野球に例えるとアメリカでタイトルを獲得した人の元で修行す
るのではなく自分でタイトルを獲得するようなものだ。つまりこちらのシェフはオオタニサン並み
の実力の方なのだ。
そしてそのオオタニサンクラスのシェフは非常に謙虚と言うか腰が低くて偉ぶるところが全くない。
お店のプロフィールにも「ロワール地方のミシュラン一つ星レストランのシェフに就任し~」とし
か書いていないけど、そのレストランにはスーシェフとして入り、シェフがどこかに移ったのでシ
ェフになり次の年にそのお店がミシュランの星を獲得したそうで、決してミシュランの星を持って
いるレストランに就職したのではない。その証拠にお店にはミシュランからシェフに贈られた星の
プレートがいくつも飾ってある。星は4年間キープして次のお店に移ったそうだ。
日本では東京がパリを上回るミシュランの星の数を獲得したこともあってありがたみが無いという
か「星一つでしょう」なんて戯言を言う人もいるけど、ミシュランの星を獲得するというのは本当
に大変なことなのだ。そもそも星以前にミシュランに掲載されること自体が凄いことなのだが。
例えばその街に100軒レストランがあるとすると掲載されるのは2~3軒、そしてそういう街が一つ
の県の中に100くらいあるとして掲載された200~300軒の中で星を一つでも獲得できるお店は一
つあるかないかくらいなのだ。
シェフが最初に働いたロアール地方はワインの産地でもあり(私がすごく好きなカベルネフランの
エリアだ)古城など観光地が多いのでレベルの高いレストランやオーベルジュなども多い。そんな
中でその県で当時唯一のミシュランの星獲得店だったそうだ。
それくらい価値があるミシュランの星だから星を獲得すればいくらでもいいお店に引き抜かれるの
にシェフは別の3つ星2つ星のお店で下働きをして修行する道を選ぶ。サヴォアのお店では朝から晩
までいつも怒っているシェフの下で働き大変な苦労したことをサラリと話される。
今宵は普段はパティシエとフロアを担当する奥様がベビーシッターが見つからずに不在だったこと
もあり(今宵の客は我々のみだった)料理が一段落するとシェフが出て来られて沢山お話ができた
のでそういうことを知ったわけだが、本当に腰が低くて飄々とした雰囲気のシェフです(^^)
当日はそういうことでシェフがお料理からサービスまですべてして下さり、ペアリングのワインも
ちょっと多めにいただき面白いお話も沢山聞かせていただいて大満足の夜でした。
お料理は金木犀をあしらったアミューズからスタート。素材やプレゼンテーションにこだわった今
風のフレンチかと思うとその予想は大きく裏切られる。彩りは豊かながら本格的なフレンチが展開
する。
特に印象に残ったのはコンソメ。本場フランス風だ。日本でこういうコンソメを作れるシェフはそ
う多くないと思う。個人的はフランスで私が行った唯一の3つ星レストランポールボキューズの名
物「黒トリュフのスープ」のコンソメを彷彿とさせる。すごく獣臭が強いタイプだ。それを薫り高
い舞茸で調和しているけど、シェフの矜持が感じられる。フランスで認められて星を獲得した実力
が窺える一品。
それ以外でもメイン料理はあまり小細工をせずに大振りの切り身をドーンと提供する。最近は鴨だ
と色んな部位をちょっとずつ合わせて提供するスタイルが主流だと思うがそういうスタイルを取ら
ない。そういうところもフランス風なのかと思う。そしてもちろん味も彩りも素晴らしい。
こちらのお店の特徴としてデザートが3品(プラスミニャルディーズ)提供される。聞けば奥様が
パティシエでこだわりがあるのだそうだ。奥様とはフランの最初のお店(シェフが星を獲得したお
店だ)で一緒に働いていたのがご縁で結婚されたそう。奥様も単身フランスに渡って主要なレスト
ランで活躍してたんだからかなりの実力なのだろう。
このお店のこだわりと言うか唯一の欠点を上げるとするとコースの値段設定か。開店当初は夜のコ
ースが26,000円でちょっと行く気になれなかった。その後本日いただいた19,000円のコースもで
きたのでうかがったわけだが、それでもこの辺の相場としてはちょっと高い。
ただフランスの相場を考えるとちっとも高くはないのだが。シェフと奥様は昨年帰国されたばかり
でまだ鎌倉の感覚が掴めないのかもしれない。忙しくてまだあまり周りのお店にも行かれていない
とおっしゃっていたけれど余裕ができていろい分かって来ると少しずつ変わるのかもしれない。一
方であまり変わって欲しくない気もするのだが。
駅からちょっと遠くてお値段もそれなりですが行く価値があるお店です。お店の雰囲気も正統派な
ので特別な機会に是非。
アミューズ
メインのお肉料理は鴨
松輪の金目鯛(ソースを注いだ後)
まぐろの炙りと秋ナス
デザートの1品目:メレンゲの網の下に栗のスープとリンゴのソルベ
舞茸のコンソメ
暖かいチョコレートのタルト、いちじく赤ワインのコンポート、カルダモンのアイスクリーム
シラス
ウォッシュチーズのタルト
ホエーのムース
ミニャルディーズ
松輪の金目鯛(スープを注ぐ前)
パンとバター
シャンパン(ル ブルン ド ネヴィル)
最初の白ワイン(マコン ウシジィ)
2番目の白ワイン(珍しいピノ ブーロ)
3杯目は珍しいスイスのワイン
最後の赤はブルゴーニュ
テーブルに置かれたブリ―ティングカード(この上に次のメニューが追加されていく)
入り口を入ったところにシェフが獲得したミシュランの星のプレートが
1時間ごとに鳴る鳩時計
お店入り口①
お店入り口②
テーブルセッティング
2023/10/23 更新
当初は10月後半にうかがうことで予約を入れていたのだがシェフが椎間板ヘルニアで倒れて休養と
なり予約を取り直して本日になった。私も重度の腰痛持ち。事務職だから調子が悪くても何とかご
まかせるがフレンチのシェフは身体を使う重労働。腰にかかる負荷は相当なものだと思う。当日も
若干おぼつかない足取りで頑張っていらした。お大事にしていただきたい。
いつものようにシャンパンとアミューズ。紅葉をあしらった設えに彩り豊かなアミューズ。その後
名物のコンソメに。イノベーティブフュージョン系のフレンチが主流な今きちんとコンソメをひけ
るシェフは多く無いかもしれない。いつもながら見事なコンソメでした。
オードブルはまずスモークサーモンから。軽くスモークされたサーモンが彩り豊かに盛り付けられ
ている。この盛り付けも當店の特徴だ。
オードブルの2品目はフォアグラのフォンダン。ラズベリーのソースでこれも見た目に大変華やか。
こういう割とクラシックなお料理はバブル期に青春を過ごしたものにとっては全く違和感がない。
お魚料理は鯛(だったかすいませんうろ覚えで)の鱗焼きのアンチョビとバルサミコのソース。鱗
の香ばしさとソースのコクの深さで大変美味しくいただく。
続いてオマール海老のお料理。穴子のロールと共にムニエルにしてアメリケーヌソースで仕上げる。
その上にはキャビア。1980年代はこういうお料理で盛り上がったものだ。シェフもレシピが思い出
せなくて先輩シェフに尋ねながら調理されたとのこと。アメリケーヌソースの濃厚さとオマールと
穴子のコンビネーションにキャビアのアクセント。贅沢で豊潤なお料理でした。
お肉のメインは鳩。フランスのラカン産。ラカンはシェフがミシュランの星を取ったロワールにあ
るエリアでそこの鳩はフランス始め世界中の有名フレンチで使われているとのこと。それをレアで
焼いてフォアグラと共にパイで包んで焼いてある。なんとも贅沢なお料理。
鳩は日本ではあまり使われないけどヨーロッパや中国では定番の美味しい食材。若干血なまぐさい
ところが何とも言えず美味しい。私も大好きだ。そしてその鳩がシェフの手にかかると絶品料理に
仕上がる。ソースは鳩の血やカカオを使った濃厚なもの。大変美味しかったです。
その後チーズ(今日はクレープ包み)を経てその後デザートはパティシエールである奥様の出番。
第一のデザートはシャインマスカットとマスカルポーネのアイスクリーム。エスプーマはシャルト
リューズを使っている。シャルトリューズの香りが鼻をくすぐる大変美味しいデザートでした。
第二のデザートは真っ白なメレンゲで登場する。メレンゲを割ると中にはリンゴのコンフィチュー
ルと栗のアイスクリーム。奥様はこういう割って楽しむデザートを得意としている。今宵も大満足
の一皿でした。
ワインはシャンパンに始まってミュスカデ、ゲバルツトラミネラール、ソービニヨンブラン、ブル
ゴーニュの赤で最後に奥さんにはランドックの赤、私にはわざわざグルナッシュを用意していただ
いた。ペアリングもお見事でいつものようにワインの盛りも満足でした。
今宵は予約を変えさせたお詫びと言うことでちょっとサービスしてくださったようで大変満足した
と共にシェフとパティシエールの奥様の実力を改めて認識した次第。大変満足してお店お後にしま
した。
ごちそうさまでした。またうかがいます。