2回
2021/12 訪問
コロナ禍をへて、ますます進化。
鹿のコンソメと脂
2022/01/01 更新
2016/08 訪問
プロフェッショナル集団のオーケストラ
エスキス
各分野のプロフェッショナルが集まっておりなすコースをいただけるこちらのお店。今回も個性的な料理にワインのマリアージュを楽しめました。
今回はぶどうの種類の違う四種類の白。特に17年熟成のサヴ二エール、ACパレットは普段飲まない地域のため面白かった。こちらのお店ではソムリエさんにおまかせのワインペアリングをおすすめします。
またうかがいます。ごちそうさまでした！
以下旧レビュー
感嘆の連続で終わったこちら、エスキス
天邪鬼な我々は、ミシュランで星を取ったかどうかは気にせずピンと来たお店におじゃましています。
こちらは、頭の端っこに何時もあり、食べログで高評価なのも、ミシュラン二つ星もきっとマーケティングのなせる業だろうと少し敬遠していました。
どうしても10月に改まった食事をしたい故あり、取れるかどうか解らず電話すると取れてしまったのでという感じでご縁つながり。
そして当日、お店に一歩入った瞬間から、ふんわりと柔らかい丁寧な雰囲気に包まれ、安堵します。
ホールはややゆったりと客席間が取られ、顧客同士の視線が絡まない角度に配置されています。
照明もほの暗く、暗すぎず。
一杯目のシャンパンはコースに組み込まれていています。これはよいです。
着席してすぐにアペリティフや開始のドリンク選択を迫られる、嬉しい様で実は若干ストレスを与えるあの時間を取り除き、
すぐにめくるめくエスキスの世界へと取り込まれます。
この後のワインはお任せしてペアリングでお願いしました。
プティバゲットの両端のカリカリ具合が、ロブションを彷彿させるなと思いながら、
無塩のホイップフレッシュバターを手彫りのカーブした竹のナイフにすくい、
Ｅをかたどって成型された塩を手で摘まんで足して口に。美味しい！
パンの美味しい店は大抵その後も美味しいので胸がときめきます
あえて予習をせずに行ったので後でパティシエ成田さんがロブション出身と知ってやはり、と。
鱒のお皿は美しいくぼんだ器の底にゆったりと清流に揺蕩う川魚を想像させるように盛り付けられ
鱒がしっとりと、すぐ溶けてしまうほどの驚きの柔らかさ、良い加減で香りも感じます。
かぼちゃのムースは、あえてエキゾチックなココナツミルクの香りを足してあり、その要素を含んだワインと共に。
オマール海老は分解されて、秋の夕日のような丸いお皿にちりばめられ、弾力と滋味、海老味噌の風味と合わせた部位と、淡白な旨みを味わう部分と変化が楽しい。オマールですけど、赤ですっと合わせていただいたのは2007年のシャンベルタン。言う事のない美味しさです。
今回とても気に入ったのは金目鯛のお皿と夏鹿のお皿。
金目鯛は脂がしっかりある皮目をパリッと焼いて、身の方が浸るようにこっくりとしたういきょうのスープを後からお皿に注ぎいれる
食感の違いに工夫を凝らしたもの。パリパリ、しっとり、さっぱり、こっくりと、口の中でハーモニーが素晴らしい。
夏鹿はみずみずしくあっさりとした赤身を、ブルーベリーソースに周囲を浸してあり、
本来あるべき鉄分を補うと共に、フルーツがもつ甘い爽やかさでアクセントがついています。
これまたこのフルーツとつながる赤をセレクト頂き、完璧なマリアージュでした。
そしてデザートと共に供されたソーテルヌは1990年！ 干し葡萄に若干のバニラ、うっすら松脂と複雑かつ経年で丸くついた円熟味が
溜まらなく美味しい。ただ甘いだけの貴腐ワインとは違いますね。たまらずおかわり（笑）
プティフールのマカロン、カヌレも美味しくて全部頂いてしまいました。
終わりにエグゼクティブシェフのリオネル氏が来られ、魚もお肉も両方美味しかったことを伝えたら
アルカイックスマイルで素敵にお礼の返しがありました。
さてこちらの素晴らしい所は、全員が飛びぬけたプロフェッショナルの集団であるという事です。
オーナーシェフのお店とは全く違う。
シェフ、パティシエ、ソムリエに 労使関係が無いので、各自の強みをある程度自由に発揮しながら、一つのハーモニーを奏でる
まるでソリストを何人も召喚したオーケストラのよう。
シェフソムリエの若林さんには、気さくにとても詳しくワインのセレクトの考え方を聞かせて頂いたり
大変居心地良く素敵な時間でした。大好きになりました。
実は若林さんに最初に出していたいただいた白ワインが夫婦で気に入って取り寄せている白なんです！これもご縁というものでしょうか。
二人で顔を見合わせて笑っちゃいました。
若林さんのお話で興味深かったのは、「スタートはみなさん一緒なんです。でもみなさんゴールは違うんです」というお話。
コースにセットの最初のシャンパンはどのテーブルも一緒。それ以外はテーブルによって提供するワインが違っていくのだという。
同じコースなのに！？同じお料理ならそれに合うワインも同じだと、素人的には思ってしまいます。おそらくは注意深い観察力や洞察力でこのテーブルにはこのワイン、あちらのテーブルにはこちらのワインとベストの選択をしてらっしゃるのでしょう。感服してしまいます。
今回の一万円のヴァンドギュスタシオン、大満足でした。二万円だとどうなってしまうのか、機会があれば（予算に余裕があれば笑）試してみたくなってしまいます。
こちらのお店でこんなに満足したのはお料理もさることながらそれに合わせていただいたワインのおかげであると思います。
ヴァンドギュスタシオンはこちらにくるならまたぜひ頼みたいですね。
コスパは大変に良いと思います。
またお邪魔します。
テーブルセット
コースに含まれるシャンパンとエスキスの置物
アミューズ
Sacerre 2014
アスパラ
鮎
Montagny 1er cru 2012
エスキスのマークの塩とバター
先のとがったバゲット
Savennieres Roche Aux Moines 1999
ジロールと豆
Pallet 2012
魚メイン
Gevrey Chambertin 2012
肉メイン
プレデセール
デセール
コーヒーとプチフール
一階のホール
蝦夷鹿のお皿
お店のシンボルオブジェ
アミューズ
グランクリュのシャンパーニュからスタート
クロスにもマーク
Eをかたどった塩と自家製バター
自家製のパンと竹のバターナイフ
Vire Clesse 2007
かぼちゃのヴルーテ
Graf Sauvignon 2009
鱒のミキュイ
Gevrey Chambertin 2007
オマール海老
Vin de Pays des Côtes Catalanes 2011 （グルナッシュ）
金目鯛、ういきょうのソースで
Chateau Neuf Du Pape OMNIA 2011
夏鹿
プレデセール
Sauternes 1990
デセール
コーヒー
プティフール
おみやはおしゃれな手提げで
2016/09/01 更新
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エスキス
リオネルさんの料理、コロナ禍をへてますます進化していました。
かねてから和の素材を生かしたフレンチでしたが、特注の黒い器。生産者から直接やりとりする国産ワイン。日本の文化にさらに触れ、以前のお料理からまたもう一段美味しくなっている気がします。
特に貴重な日本ワインと合わせたイカ。素晴らしい火入れの鹿と、黒いお椀の鹿のコンソメ。
最高でした。
もちろん！若林さんのワインとのマリアージュも楽しさも相まっての相乗効果なんですよね。
前の方もスペシャリストで良かったのですが、新しい方の作るパンもなかなかのものです。
毎回楽しく美味しく満足です。また伺います。
ごちそうさまでした。
コロナ対策安心度 ４