レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
2位
2回
2020/05訪問 2020/05/25
昨夜はマイミクさん主催オフ会に参加で神田「くじらのお宿 一乃谷」へ。仙台時代の20世紀から通う常連でmixi日記での最古は14年前に載せています(^^ゞ でも前回来店の自催じゃっぱ鍋会以来5年ぶり(^^;☆\(▼▼#))) 5年もご無沙汰したんじゃ、もう「常連」なんて名乗れないよねぇ、ただでさえ還暦過ぎて引退するとか昔言っていた老店主だけに、とっくに筆者のことなんか忘れているだろうなぁ!
でも老店主は5年ぶりに来店した筆者を覚えていて「放蕩息子を迎えた父親のように」迎えてくれました。コースでしたが鯨刺盛が7種よりもはるかに種類増えていたり、コースに「これあった?」みたいなメニューが次々と出されたり、諸事気を使ってくれました。でもやはり、鯨刺や鯨ステーキや鯨寿司など、仙台で食べていた頃からの味レベルをもう四半世紀以上一貫して保っていることが、最も嬉しかった。筆者も悔い改めて今後たまにはこの店にも来なくては!と心に刻みました。
昭和の戦前まで宮城県の郷土料理だった鯨料理の伝統を現代に伝え、庶民的な価格で提供してくれながら、仙台最後の鯨専門店として今年5月に惜しまれつつ閉店した仙台「一乃谷」が、従来よりレベルアップして都内に復活しました。鯨10部位の刺身を常備し、鯨ステーキやから揚げ、大和煮など、腹具合に応じて食べさせてくれます。また、宮城県の郷土料理店として、三陸産牡蠣や各種山菜、また鮑やウニなどの北海海産物まで、いったいどういう仕入れルートを持っているのか激安で仕入れて客に振舞ってくれます。仙台時代は居酒屋然として狭かったですが、神田の新店舗は旧店舗の3倍近い広さで、座席や卓もゆったり、天井も高く、従来より落ち着いて食事ができます。外見に反して実は高齢者に差し掛かっている店主は、2代目を備えながらも東京に進出してますます意気軒昂、宮城県の産物を中心に産地直送ビジネスにも乗り出し、品揃えも価格もレベルアップ。この店が都内に開業した以上、心ある食通なら、一度この店に来れば、もう二度と他の鯨店に行く気はしなくなるでしょう。
3位
2回
2022/05訪問 2022/05/28
雑誌で知ってからもう数年通っています。半月ごとにメニュー変更される「おまかせコース」は、5000円+税サ(計5775円)という廉価で毎回和食会席の限界に挑戦するかのような献立。特に旬の食材豊富な季節ですと、倍額払っても懐が痛まないCPの高さを如実に披瀝してくれます。だいたい行く1時間前に電話すれば席が取れたはずですが、最近は満席の日も多くなりました。もうこれ以上世に知られてほしくない、とっておきの隠れ家とも言うべき和食店。一見お断りにしてほしい(笑)
今期は、この店としてはすっぽん・ふぐには遅い年末のためか、目を剥くほどの皿はなかったけど、意外にも目板鰈の火加減が絶妙で身がほぐれやすく驚喜。今夜は店主がおらず貴乃花親方似の店員が店を預かっていたが、入店時から焼きもかなり上達したようです あと、この店のコースでウリとなる油焼きと蒸し物は、今回は牡蠣の油焼きとさわら白菜蒸し。前者はいつもながら必要最低限の油でさっと焼いたさっぱり感が舌に心地よく、後者はさりげなく混入された百合根の食感が歯ざわり良く食べられました。また雲子雑炊も、白子の甘みが雑炊の玉子とうまく融合して後を引きました。すっかり満腹&満足で店を後に。
この店のもう一つの、意外な長所は、「食事が1時間で完結する」という点。一人メシの場合、変に時間かけられたり、皿と皿との間が間延びされては待ち時間が辛い。でもこの店は、皿を出すタイミングもよくはかっており、決して「待つ」ことがない。特に一人メシには大変有難い。わざわざこの店で食べるために恵比寿まで行く「わたしの三ッ星」たる所以です。
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最近店主は不在のことが多く、店の雰囲気が変わりました。それはそれとしても、ずっと通ってみて最近は「外食産業も大変」なんだなぁ、と思いつつ、評価修正(H21.12.)。
4位
1回
2013/10訪問 2013/11/25
【H25.11.25記】
久しぶりに来店したら、お得なコースが新設されるなどコスパ上昇が確認されたので、評価修正。
【H23.6.21記】
その後予約が取り難くなり、どうしてもサービスに粗が目立つようになったので、評価修正。
【H21.3.07記】
「ベカス」(becasse) といえば、山鴫。その称号に値する味と肉質と稀少性から「ジビエの王様」と呼ばれています。
今夜はマイミクさんのお誘いで最近話題のジビエが有名なフレンチOGINOへ。幹事の新マイミクさんが店の常連らしく、店員が「ベカス入りましたけど」と耳打ち。隣席の筆者が「是非!是非!」と強硬にリクエスト。結局6人でメイン6種6皿をシェアすることに。
ベカスは弊主宰フレンチ・プレミアムオフ会や饗宴コミュでも開催が検討されていましたが、価格と入荷が読めず実現に至っていませんでした。しかし、もう食べちゃった(^^)v
全体的に盛が多く、アラカルトなら皿3つで一人前という想定も、人によっては多過ぎるかもしれません。パテや国産ジビエ(猪・鹿・雉)のテリーヌ(なぜか写真が残っていない)もあっさりした中にも脂の甘みが感じられて口当たりよく、パンがあれば一食終われそうでした。白子のムニエルは、白子のあのドロリ感がなくバターソースとの相性も良い。仔牛のタルタルステーキだけ、周囲の付け合せ野菜の味やスパイスが強過ぎて肉本来の味が残らず不満。まぁタルタルステーキは歴史的に馬肉なんだけどね。
メイン6皿のうち、バスク豚と仔羊は、ありふれているだけに他店と比較され厳しい評価になりがちですが、ミディアムレアな熱加減が肉本来の味を残しており、ソース無くても美味しい。雉のパイ焼きはリキュールが強くて、一口食べたけどコメントは差し控えます。仔ウサギも「このハンバーグ?」とσ(^o^)が聞いて満座の失笑をかったように、肉の原型を留めない皿なので、3年前にビストロ・ブルゴーニュで筆者のために作って頂いた“ウサギづくしコース”のような感動には至りませんでした。
しかし、鶉とベカスは盛り付けからして凄い! 鶉の「なまめかしい脚」に一同唾を飲みました。ベカスも黒トリュフをふんだんに盛り付けて目を楽しませてくれます。さすが日本のモダンフレンチ、三次元的構成で舌と目を楽しませる技が健在です。 接客も、我々の撮影に対する配慮が行き届いており(笑)好感。あ、料理の出し方なども配慮が行き届いていて満足でしたよ。
前菜のパテの段階で、器半分を5人で食べ切ってしまったところ、メインに備えて筆者は控えていました。先週来リアルに会ったマイミク各位はご存じの通り、先週初めから喉奥の激痛が治らず、話すのも食事も辛い。そこで食事を控えめに。食事も進みメインに達すると、皆満腹で皿を終えられず、ここまで「蟻さんのように」忍耐の美徳を発揮して食べ控えていた筆者が、次々とさらうことに。美味しゅうございました。
デザートはさすがに一人1種に留めてカフェ。でこれだけ食べて、特にメニューにない【時価】のベカスまで注文して、会計はワイン代込で6人で6万足らず。CP高ぁ~い!! 今度の自宰オフでも使うかな。でも、2度目、3度目と再訪が重なるたびに店の印象が落ちるのが近年の傾向。やはり厳正に判断しないと。
5位
2回
2016/12訪問 2017/03/02
マイミク店「エル・ブランシュ」といえば、開店翌日にオフ会開いたりと関係深い9年半で、その間にはそれはもう【いろいろ】ありましたけど、最近はすっかりご無沙汰していました。今回、マイミクさんのリクエストで前回から2年半ぶりに来店。しかし、そのマイミクさんが勤務で都合悪くなり、別のマイミクさんに「お声かけ」しての来店実現となりました。
さらにその前の来店は、東日本大震災直後の12月、ジビエの最高峰食材として知られるベキャスを食べに行ったのでした。その後メルマガも途絶え、最近のグルメ界の「本流」もとい【奔流】の「和食」とステーキ・焼肉などの「肉食」に流されるまま、すっかり記憶の倉庫の中に封印されていました。確かに、フレンチもイタリアンも行かなくなりましたねぇ。
麻布十番パティオも、その前の店が入るビルも懐かしい。でも店の入るビルの前にあった目印の「ピーコック」が外資系ストアに変わり道に迷うなど、2年半の月日は短いようで長かった。それはともかく、いつものChef's Tableへ。ここ数年の間に食通の高評に切磋琢磨されながら成長したマイミクでもあるシェフは、年齢的には筆者の一回り下だけどこの夜は一回り以上も上な恰幅(笑)と押し出しでした。
まずは食材披露。トリュフは「白トリュフ食べ比べオフ会」直後なのでパス。フォアグラは撮影しまくりで料理に入ります。
アミューズには「サロマ産帆立貝とリンゴのキャラメリゼ」。ついで、手長海老のなんとか(^^ゞ どちらも量控え目です。2皿が1皿でいいから、1皿当たりの量がもう少し欲しいかなぁ。
ウニとホタテとビーツのスープ。続いて、他店ではメインですがこの店ではフォアグラがメインなので「肉料理」として、今夜入荷した福井県産鹿肉に赤ワインソース。安全性では定評ある福井県産の食材が多いのもこの店の特長。シェフの出身地ですから、選り抜きの食材が届いています。また最近では福井県にも出店し、シェフは福井との往復生活だそうです。「赤ワインソース」はありきたりだから余り期待してなかったけど、これがなかなか上手かった。しっかりソースを作って味つけしていることが窺えて、やはりこの店はオーセンティックなフレンチなんだなぁ、と実感。最近ミシュランで星取っているけど「イノベーティブ」とか軸足のよく分からないフレンチやイタリアンよりはよっぽど、地に足が付いている感じがします。
続いて、フォアグラ前に追加のアワビ。マイミクさんはさすがに控えたけど、アワビ好きなので、追加料金聞いて(←ここポイント)注文しました。さすがに調理や火入れ具合は、以前から定評あるシェフの仕上げだけに旨かった。
メインの「魔法のフォアグラ」は、写真が全てを物語っています。
赤貧階層出の筆者ですので、フォアグラなんて食べ始めたのはグルメ化(1999~)以降、それもほぼ、この店のフォアグラが【筆下ろし】になっているので、懐かしい故郷の味。ラギオールのナイフでちゃんと切れるし(笑)崩落しないしwww
「いつもの」アールグレイのクレームブリュレと、デザートは栗のアイスにホワイトチョコでした。
この店も今年3月には10年を迎えますが、近年はコース料理の枠組を確立して、その中で季節ごと・年ごとに変化を加えているようで、店としてのアイデンティティーを守りながら時代の変化にもゆったりと応えていく姿勢は、永く続くべき店の理想的なスタイル。最近では、この店のスタイルを好む常連客も定着し、「食べログ」評価も★4少し越えと穏当な立ち位置で安定しています。とはいえ、今夜も19000円越えと価格帯はズバ抜けているので頻繁には来れませんが、年に1,2度は帰省したい「心のふるさと」に成長していました。
開店当時から通っていますが、シェフの食材に選びに対する強い情熱とロースト技術は揺ぎなく、円熟の境地に達しつつもますます精進を模索しております。開店当初は、値付け・コスパ面で筆者のような庶民には近寄り難かったのですが、最近はコース価格も穏当な域に落ちつき、以前より来店しやすくなりました。同ビル内に系列店『アジル・ジョーヌ』『un十』ができたことで、「庶民にも手が届く高級フレンチ」としてのこの店の立ち位置がより明確化した結果か?最近は来店しても席のほとんどが埋まっており、この店が江湖に一層理解されてきたことを実感しました。
誰でも登録すればメルマガで新入荷食材が連絡されます。最近は予約に遅れて手が届かないこともありましたが、当夜は最新のジビエ「野生の仔猪」をメインとするコースを頂きました。
主菜以前の料理でも充分満腹ベクトルに。シェフも経験を積み、最近では客の腹具合を洞察しながら満腹に導くように一人一人コースを仕上げていきます。本来食事とは腹八分目から満腹になってこそあって、「この店は食べ足りないものだから、後でラーメンで食べ足せばいい」なんていうのは、コースとしては不合格ですし、ラーメンに対する冒瀆(笑)でもありましょう。フレンチは概して軽めのコースが多いですが、食事量多い食通の増加を反映して、最近では量の多いフレンチも増えてきました。でも、同グループ内でも参加者によって腹具合は違います。幸いカウンタ-席で相対して話しながら食べることで、シェフは客の腹具合を推量することができます。こうした個々の客に対するきめ細かい気配りは、この店の席数が限定されていることから来る強みでしょう。客にとっては有難いことです。
アミューズの「富士山の湧き水で育てたサーモンと松輪のカンパチのマリネ ミディトマト「越のルビー」を添えて」は、トマトとサーモンと来るとどうしてもトマトの酸味が勝ってサーモンの持ち味を消してしまうのですが、両方の魚の地味もしっかり味わえて好感。最近は濃い味や激辛の方が世間では好かれていますが、香辛料は主張無く食材の持ち味を引き出す形が好みの筆者。さっぱりした皿は次への導入として最適でした。
前菜「佐呂間湖産帆立貝のテリーヌのオーブン焼き オマール海老のポッシェ、オマルディーヌソース オレンジの香り」は、これも懸念された柑橘系の味つけが意外に薄く隠し味のようで、むしろオマール海老の持ち味が強く主張してきます。温前菜「フォアグラのポワレ シェリーヴィネガーソース 柿のキャラメリゼを添えて」は、何度も食べている皿。しかし今夜はソースが以前よりあっさりしている気がしました。永年通っているせいか筆者の味傾向は当然把握されているでしょうから、ソースが主張せずフォアグラの味を充分引き出した皿に仕上げられたのでしょう。先のオマール海老が濃かったのに対して、ここで薄く仕上げて緩急のメリハリをつけてくれたのでしょう。コースはようやく半ばですから。
魚料理「石巻漁港から届いた牡蠣のポッシェと下田の金目鯛のうろこ焼き 牡蠣とアサリのジュのクリームスープ 秋トリュフの香り」は、たくさんのトリュフに何が埋もれているのだか?最初驚きました。金目鯛の陰に牡蠣が覗いていましたが、この皿の白眉はやはりスープでしょう。程よく熱が通った金目鯛を牡蠣とアサリから引き出した濃い「だし」のスープに漬けて食べることで、両者の持ち味が融合し独特の味わいでした。
ここまででも小食の人なら充分満腹なのでしょうけど、この後ついに主菜の仔猪「岡山産野生仔猪の背肉ともも肉のロティ、赤ワインとビターチョコレートのソース、根セロリのピュレ添え」です。写真で見るよりナマの方が、出された時のボリューム感に圧倒されます。猪は鍋でならよく食べていますが、フレンチの主菜では恐らく初めて。最近の世の傾向として、変に肉汁を閉じ込めて食べる時にじわぁ~と溢れるような低温ローストが流行っていますが、健康を考えれば肉汁なんて摂るべきではない。今夜のロティはやや強めで、余分な肉汁を飛ばしつつも、肉自体がパサパサにならないように適度に汁気も残してあり、食材の持ち味を背中と腿と比べながら味わうことができました。ソースも、他の店なら「赤ワインとチョコレートソース」というと「ビター」でも甘味が残って肉の持ち味を消してしまうのですが、今夜はどう甘味を抑えたのか?あっさりした味つけ。ソースはあくまで肉の脇役という分を守った味位置に、仔猪肉の地味を堪能できました。
デセールはプレが「ヨーグルトのソルベ ブルーベリーのジュレ」。いつもは肉のねっとりとした食感を拭う「ダージリンのクレームブリュレ」。もちろん客の食感を推察しての構成ですが、さすがに筆者はいつも食べている一品だけに、今夜は変えたのでしょう。予想外でしたがこちらもさっぱりしていて、肉の重さを和らげてくれました。本デセールは「佐渡島の黒いちじくのコンポート ショコラのソルベとマロンクリーム モンブラン仕立て」。佐渡でしか作られていない珍品を季節感にかなうマロンクリームで包み、割ると黒いちじくが出てきます。マロンクリームも甘味がくどくて、かえってデセールで食傷してしまう店も多いのですが、今夜はこのマロンクリームすらも甘味控えめで、黒いちじくとそれぞれの持ち味を玩味できました。
かくも現在円熟の極みにあるこの店でも、昨今の外食産業不況のせいか、たまには来店の際に我々のグループしか客の入っていないこともありました。しかしここ数回は、席のほとんどが埋まっているようです。真に卓越したものが江湖の理解を得るには、相応の時間がかかる、ということなのでしょう。
最近の世の傾向として、やたら食材の産地にこだわり有名産地の食材ならばそれで良しという「共通一次的マニュアルグルメ」が流行っていますが、仮に産地が有名処のものではない食材でも、料理人の技でいくらでも優れた皿に仕上げることができるはず。幸い『エル・ブランシュ』では、食材とオーナーシェフの技双方の卓越性が相乗効果をあげて、極上の皿を生み出してくれます。これからジビエの季節ですが、店主は珍しい食材の選択と入荷にますます意気軒昂。これを執筆中にもコルベール(青首鴨)が入荷したとの連絡が! 今冬は楽しみな季節になりそうです。
6位
1回
2010/11訪問 2010/11/09
9ヶ月ぶりに昼から自催オフでカーザ・ヴィニタリアを再訪。ミシュラン1ッ星店アロマフレスカと同棟同厨房ながら、価格帯は格段に低いのがCP高いお得感を増してくれます。まして日曜は開店14時半からだなんて、筆者にはホント有難い店です(笑)
これとパンだけで充分満腹になるバーニャカウダは、野菜好きといふ意味での草食男子の筆者は好きです。特にこの店の野菜は多種多量で、充分満足できます。一度やってみたい!バーニャカウダとパンだけで食事終了って(^^ゞ 次から出入り禁止かな
全員が好みを選べる前菜、筆者は「軽く燻した鰻とキャビア」を注文。生ハムなど他の皿より小さいながら、夜のアロマフレスカで注文するとこの半分で倍額だそうで、やはりお得だな、この店。
パスタ以降は全員統一。富山産志向の筆者は「白エビとポロ葱のタリオリーニ サルジニア産からすみ添え」を選びたかったが、割増皿のため様子を窺っていたところ、皆白エビを望み安堵。熱いパスタだが白エビが茹で上がっておらず、微かなスパイスの味がアクセントとなり美味。料理評価の厳正なあのマイミクさんも「美味しい、美味しい」を連発、昨夜との落差もあって一層、この店の食事が引き立ちました。
主皿は魚か肉と選択なので、迷わず肉。「仔牛のすね肉の白ワイン煮込みとポレンタ」は、出された瞬間こそ重そうな盛り付けに、小食な筆者は喉の弁が閉じましたが、噛みやすい肉と意外に軽い食感にスパイスの妙が気に入りました。付け合わせの「新たまねぎのココット」も、ヴィジュアル的にまず驚き、中の玉ねぎがよく熱通り本来の甘みがよく引き出されていることに驚きます。
シンプルパスタは卓統一でのソース選びで実務的議論に入るも、筆者は強辛が苦手なので反対し、トマト・アンチョビ風味ソースを選択。量は各自選べます。筆者は前回には堂々の最多100gでしたが、小食になった今回は最少30gにしようかと思ったほど。結局、中の60gにしたけど少し多い感じでした。バナナダイエット開始以来3ヶ月。すっかり小食になったものよ!(詠嘆)
今回は一同すっかり満票の思いで賛嘆。今日の予約権譲渡のお話を頂いた時に当初は迷って数日塾考した筆者も、今やお受けして良かったと決断の正しさを内心自画自賛していました。当然帰りには、次回の予約を入れました、9月ですが(^^ゞ
7位
1回
2011/09訪問 2013/01/14
今夜はマイミクさん主宰コミュのオフ会で、2年半前に開店し、連絡先非公開・完全紹介制・一見お断りの家庭料理割烹「園山」へ。
京都のおばんざい屋に常連店を多数持つ(でも近年行ってないけど)筆者からすれば、すでに京都で経験済の類の店です。昨年訪ねたマイミクも多くmixi内でも話題になっていたこともあって、一説には「家庭料理の最高峰」と呼ばれているらしい。
洛中のおばんざい店や祇園のお茶屋などの「一見お断り」が、実はそんなに敷居が高いわけでもなく合理性を備えている通り、この店も敷居はそう高くない。女性主体の店だけに、妄りに酔客や不逞の一見客が来ると大混乱になるので、自衛的関所を設定しているだけ。だから入店後の接客に冷たさは無く、居心地は良かった。でもメニューの知識はもう少し欲しかったかなぁ。料理写真のメニュー説明がいい加減なのは、聴き取り難い店員の説明の所以です。これだけ食材に凝り選び抜いているのに、お品書きが配られないのは惜しい。簡単なコピー1枚配られるだけで、客の好感度はかなり上昇するとは、経験上(笑)明らかなのに。 あと飲物メニューに価格が一切記されていないのも、祇園のお茶屋じゃあるまいし(笑) 精算の時に皆困惑していました。
料理自体は平凡=家庭料理ながら、食材選びには健康志向の配慮を感じました。「食べログ」先発店評では料理の味と粗末さが酷評されていますが、家庭料理ってそんなにドハデなものではないだけに、評価は分かれやすい。で確かに粗末かもしれない。それは京都のおばんざいでも同じ。日常の食卓が豪勢だったら、相当のセレブでしょう。昭和の頃だったら、こういう店は常連客頼みにのみしか成立し得ないと思います。でも
・共稼ぎで主婦が家の外に出され安定した家庭料理が供給されずまともな夕食を用意しなくなった「男女共同参画社会」の現代
・結婚しても家で夕食を取れない破綻夫婦の増加(ん?)
・結婚すらしない非婚人口の増大
・インターネットの普及と経済不況などの雇用関係の悪化による憂さ晴らしとしての美食人口の急増
といった要因により、かつてはカネを出す必要性など考えられなかった「家庭料理」や「おばんざい」は、料理の一分野としての地位を確立し、健康食としての安定した立場を確保しました。そういう時代をうまく掴んで園山さんは事業運営しているなぁ、と実感しながら、つい次の予約をしてしまう筆者でした(笑)
【2011.9. 05 震災以降、コース料理が格段に飛躍しているので評価修正】
その後、年数回ペースでオフ会を開いているうちに、カウンター席で独りメシもできるようになりました。料理も、伝統として残す従来のメニューもあれば、「野菜のパフェ」など新規に人気を得るメニューもあり、今ではほぼ毎月通っています。
8位
1回
2010/09訪問 2015/03/27
今夜はマイミクさん主催プライベートオフで、11月以来2度目の南青山フロリレージュでした。この2ヶ月の間にも世の中は大きく変わりました。この店は開店3ヶ月で「ミシュラン」1ッ星に輝き、外苑前駅から店への途中にあったタレント経営の某有名レストランは移転し旧店舗は廃墟と化していました。
前回はランチで6皿でしたが、今回はディナーなので小菓子も入れて10皿。最初の3皿は、中程度ながらそれほど関心を引きません。パルマ産生ハムなんて、いつも夜食に食っているし、【女性ウケする】フォアグラを出すフレンチも増え、食べにくさだけが強印象。タラバガニも味つけ良しですが身は少ないし何となく流行に乗っている気がします。どの皿も、他のボッタクリフレンチと比べれば勿論はるかに優れているとはいえ、ディナーでミシュラン店ともなれば、採点基準が上がるのは当然の教員目線です。
しかし、この店の本領は魚料理からでした。「天然ブリのムニエル」って、また旬の食材を使って気を惹いて、、、と口にした瞬間、その巧みなロースト加減には打たれましたよ。フレンチの魚料理なんて、大半が熱の入れすぎでパサパサ感が強く、不満な皿が多い。まるで、メインの肉料理を引き立てるために不味くしているのかい?とさえ思える製法ばかり巷に溢れているのに、さすが「低温ロースト」で名をなした3ッ星店「カンテサンス」出身のオーナーシェフだけのことはあります。最近流行の「低温ロースト」に関しては、某辛口評論家が鋭い筆誅を加え、おざなりのレア加減な焼き上がりで殺菌は大丈夫か?などと疑問を呈しています。しかし、「匠の技」は店により、シェフにより異なりますね。しっかり熱を通しながらも僅かに汁気と脂分を残した絶妙な焼き加減は、食材の持ち味を充分に生かし引き出しています。さすが筆者が再訪したいと思った店だ!と自画自賛(^^ゞ
ちなみにこの鰤、萩産ということで、食後に店主が「氷見産でなくてすみません」と断りつつ、「都内に出回っている氷見産ブリの多くが、産地偽装ですから」と説明。確かに日本料理界の産地偽装は目にあまりますが、その背景としては盲目的の産地崇拝する美食愚民の存在を忘れてはいけません。料理とは、食材の産地も大切ですが、料理人の匠の技や選別も重要。単純に、鱧といえば韓国産が一番!松茸といえば岩手久慈産が一番!と産地崇拝する自任食通がいかに多いことか しかし例えば、実際に国産松茸の国内流通量は数%しかなく、当然産地偽装の可能性もあれば、同じ産地の中での食材の優劣、店側の食材選択(常連には良い食材を優先して融通する等)もあり得るわけです。だから我々は、食材も参考程度に耳にしながらも、得られた食材をいかに捌くか?という料理人の「匠の技」にこそ期待をこめ、対価を払います。店主にはかいつまんで、食材の産地は二の次だと答えておきました。もっとも鰤の場合、萩で獲れるか氷見で獲れるかは偶然性にも拠り、実は同じ魚だということもあります。萩で獲れたから氷見で獲れた魚より劣るなんて全くのナンセンス、「共通一次的なマークシート思考」だと一笑に付すべきでしょう。
続いて出た主皿の肉料理は、北海道産カルガモのロースト。「大手町産ではなくって?」とオヤヂギャグをかます筆者。でも写真の通り、7月に江戸川橋のイタリアンラ・バリックで食べたシャラン鴨に勝るとも劣らず、赤身も鮮やかに厚く、食べでがありました。最近フレンチで鳥肉を食べるたびに不満を感じていた筆者ですが、この皿には魅せられました 予想通りランチの約2.5倍のディナーだったとはいえ、内容の充実度から今夜のCPは高かったと満足でしたね。
デザートには何が来ても大丈夫!と思っていたら、中にトリュフとババロアを隠したショコラ。食べやすければ、こういう心憎い演出も楽しい。今回も再訪意欲をかき立てる夕食でした。一度くらい、自宰でもやってみたい。店主が「皆さん食事仲間って感じですか? いつもご一緒に食べ歩かれるんですか?」と尋ねたので一同笑の中で筆者が「こればっかりは幹事次第。次回筆者なんて呼んで貰えないかもしれませんよ」と年末から最近にかけて流されていた虚言讒謗の一件を踏まえて返答、一瞬の悪寒が一同に走ったのは、何も今夜が寒波強く際立って寒かったからではないでしょう。
なお筆者は使っていませんが、同席者およびマイミクさんの話では、一人での食事や接待での使用例もあるとのことなので、「おすすめシチュエーション」のはその旨チェックしておきました。
9位
1回
2010/03訪問 2010/03/25
江戸時代から続く「池田屋安兵衛商店」の2階を使った喫茶部。古い商家に後から2階を付け足したようなつくりのため、2階からも天井高く、老舗の趣を感じながら食事ができます。
営業終了が早く夕食としては使えないため、ランチにしてはやや高めと思えるかもしれません。しかし「医食同源」(というと中華になっちゃうけど)を実践した健康食材で仕上げた薬膳料理は、試食の価値あります。メニューは季節ごとに年4回変わるそうですし、30分ほど待ち時間がかかりますので、予定に余裕をもって来店した方がいいでしょう。
我々の時にはうどを使ったミルフィーユや、歯舞昆布の蒸し物など、造りも工夫しているし味も香辛料控えめで食材本来の味を出しており好感。高麗人参と鶏団子のお椀は澄んだあっさりした味わいで「おだしが綺麗♪」(爆)ながらも高麗人参の香りがしっかり出ており、椀物のかぐわしさの原点を感じさせました。黒玄米のおこわも、吉野の黒米よりも味が濃くていかにも「薬膳」という感じ。クコの実のアイスは、クコの実の味が分かっていれば味わい深く食べられると思います。
もちろん、望まれる点も多い。特にメニューの大半が箸では食べにくく、スプーンか匙の方を出すべきだと思いました。量の割には食了までに1時間半近くかかるのも、今日の我々のように暇で仕方なかった客以外には、注文を躊躇させるでしょう。しかし、これらの欠点を加味しても、この類の店は東京や他地域にはなかなかない貴重な食事処です。富山に来た時には是非また寄りたいお店です。
10位
1回
2011/11訪問 2011/11/29
京阪四条駅を降りて夕食処を探して歩いている時に、四条縄手北西角に発見したニュージーランドカフェ。そういえば、ホテルのパンフにあった、インターネットができるカフェだぁ!と入店。
注文したのは、「ニュージーランドプレート」(ラム肉のカレー炒め、ムール貝ワイン蒸し、サーモンサラダなど)、「とろとろ卵のラムカレー」、ニュージーランド紅茶「ベル」。これで充分満腹です。味も対価価値的にそう悪くないし。写真の奥、窓の向こうにはあの壱銭洋食が!(笑)
この界隈、知っていたダイニングバーがバシバシ潰れている昨今だけに、小腹を満たせるお店は重宝です。二次会にも使えそうだし。
と以後通ってます。たまに店内でコンサートやイベントも開かれており、高望みしなければ使い買っての良い店です。
【H23.4. 加筆修正】
今回の震災避難中は、週複数回ペースで通っていました。日替わりのプレート(ミニコース)も増え、客層もややレベルアップし、ますます居心地良くなり、また京都での生活のアドバイスなどお世話にもなりました。
毎年の送り火上洛直前に知り、同門の与志福店主に話を聞いてから来店。夜の部は開店当初は7000円コースのみでしたが、今は7000円・10000円・13000円・15000円と4コース構成【H23.1.よりコースは11000円・16500円のみ】。迷ったけど電話の応対にやや不安があって、最初は7000円コースでいいやと予約しました。
この店はカウンターはなく、全室個室。瞥見した感じでは、掘り炬燵2室にテーブル席1室でした。デザート2皿を含めて10品、旬の食材をたくみに使った八寸や、営業政策上最近採用する店が多い土鍋ご飯など、味加減は大半が満足のいくものでした。
話題沸騰?の「天然鮎の塩焼き」は、初めて食べる味。揚げたかのようなこの味は、焼く際の脂の流失を最小限に抑え時間をかけて焼くことでカリッとした食感を出すそうです。人間はどうしても、最初に食べた調理法がその後の判断基準のベースになってしまいます。筆者の鮎との出会いは祇園のお座敷料理からなので、どうしてもお茶屋向け仕出しの肉厚・大振り鮎の方に傾いてしまいます。ただこの店の鮎も「鮎の塩焼き」のレパートリーとして一派をなしていることは充分認められます。あとは好みの問題でしょう。
筆者が店評の際に重視するコスト・パフォーマンスと接客・サービスも、よく気がつくしきめ細かい対応で感じ入りました。過去の店評を下方修正している筆者ですが、-0.5の理由はマイミク日記を参照して頂くとしましょう。近年の日本経済の悪化で休暇も採り難くなり上洛回数も激減している筆者ですが、次回上洛の際に再訪を誓ったことは申すまでもありません。
*H21.11. 再訪により評価修正。
*H23.03. コース設定変更により本文加筆・評価改正。