レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
1回
2013/11訪問 2013/11/25
行春や 鳥啼き魚の 目は泪
と芭蕉が詠んだ江戸の最果て千住の地まで午前中から出向いたのは、昼から北千住駅前の豆腐・湯葉料理工房「宇豆基野」での自催オフ会だったからでした。
確かに、「食べログ」店評にも多くあるように、これほどの量・質ともに豊富で贅沢なコース料理を破格の安さ(\2600)で食べられるのはお値打ち。できたての豆腐や湯葉を実質おかわり自由で何度も食べられ、当初は「どうせ豆腐」と舐めてかかった参加マイミク達もすっかり満腹。豆腐や湯葉以外にも、鱧と冬瓜の椀物やう雑炊など、どれも満足な料理で、個人的にも「千代田線の果て」北千住まで地下鉄を乗り通す甲斐があります。やはり豆腐って豆乳分が重く、お腹にもたれるみたい。今回は、豆乳を寄せて豆腐もとい「豆富」を作るところを動画撮影♪ 豆腐や湯葉以外にも自由のできたて汲み上げ湯葉や、蟹真丈の椀物や蕪白煮、秋刀魚釜飯など、どれも満足な料理。
すっかり定期的に通っていますが、来年も来店が楽しみです。
2位
2回
2018/12訪問 2018/12/17
再値上げでも料理レベルアップゆえ毎月欠かさぬ自催オフ会は毎回満席♪
今月の「みこころや」自催月例会で、この店での自催月例会も連続52回を迎え、通算70回の来店となりました。スランプとおぼしき時期もありましたが、近年は来るたびに料理がグレードアップして皆さん再訪のリクエストをしてくれます。お蔭で、一時は集客難だったこの店での月例会も、3ヶ月先までほぼ満席の安定開催となりました。
今回は、先付の真鱈の白子でテンション上がり、続く椀物のズワイガニ真丈は肝と身がかなり多く練り込まれて食べでがあり、厚い椎茸も美味しかった。お造りの後の焚き合わせは、淀大根の熱加減が絶妙。ほくほくにほぐれる食感は「あざぶ一期」「ちょうちん」などのおでんの名店も及びがつかぬほど。よくここまで煮込んだものよ!その割には味が濃くならぬ出来ばえに賛辞を惜しみませんでした。
焼物の鰆の杉板焼きに続く揚物が、今月店主試作の新メニュー「雲丹衣上げ」。天かすにウニを練り込んで揚げるという趣向です。今回は海老芋と平貝でしたが、海老芋に挑戦するあたりは「天ぷら近藤」に照準を定めたのか?と思わせるほど。美味しかったです。次に、金目鯛と九条葱の茶碗蒸しに生姜風味の餡かけ。寒い夜に嬉しい生姜風味ですが、茶椀蒸しにしては九条葱がめちゃめちゃ多く、食べごたえがありました。
肉皿は黒毛牛の朴葉焼き。朴葉焼きって、メインで使う料理なのに、惜しげもなくアテ皿で使う大胆さ。葉の上のや来た味噌をつまみながら、「ご飯がほしい」と皆さんつぶやいていました。そんな飯物は、久々の茶漬けに皆狂喜。今回はヒラメの胡麻和え茶漬け。この店の茶漬けは定評がありましたが、一部の客の心無い批判が店主の耳に入ってから暫く封印されていました。「今後も、お茶漬けが出てほしい」と参加者たちも声を揃えていました。黒ゴマのムースで締め。
帰りに店主が耳打ちして、「消費税再増税のタイミングで、コース料金を1000円ずつ値上げさせてください」。えっ、消費税増税って、夏に衆議院解散・衆参議院同日選挙になって再々延期されるシナリオのはず、と言うと、「食材も(市場豊洲移転による)交通費も上がっているんです。勘弁してください」とのこと。飲食店を取り巻く状況を鑑みれば、
4500円コース→5500円
6000円コース→7000円
の値上げも、3500円/5000円時代を知っている我々古くからの常連客にとっては複雑な心境ですが、致し方ありません。値上げ実施は来年10月からだそうです。
今やこの店でのオフ会開催グループも増え、ますます「予約の取れない店」「高倍率のイベント」になってきていますが、ポスト平成の御代もますます高レベルの料理に裏打ちされて連日満席の中を毎月通える幸せを味わいたいと思っています。
【H26.11.】
その後すっかり毎月来店してオフ会もほぼ毎月開催しています。4月にコース料金が3500円→4500円、5000円→6000円に値上げ後、かえって食材の質も料理の質も急上昇し、採点修正。毎回1,2名のキャンセルが出ますので、自催月例会に参加希望される方はメール下さい。
―――――――――――
【H25.11.】
一昨年に「驚異のCP!」として一世を風靡し、筆者もその縁で来店できた大森「みこころや」ですが、大森という立地ゆえその後すっかりご無沙汰していました。当時から、和食懐石としては中途半端だけど3500円という激安設定には、ここまでわざわざ来て良いとマイミク各位がよく出かけていましたが、その後来店の噂も途絶え、江湖に忘れ去られていました。
しかし最近、一部のマイミク間でこの店の話題が出始め、何でも今や半年待ちの超予約難店になったとの噂がmixiグルメ間を駆け巡りました。そうなるとまた行きたくなるのが「食べログ」レビュアーの性[サガ]。早速電話したところあっさり席が取れました。「今や予約は半年待ち」と言っていた嘘つきは誰だぁ?(xx;)☆\(-_-#))) どうやらこの店にも「神の黄金の左指」は効くようです(^^)v
確かに、相変わらず和食会席としては中途半端。でも「和食は『型』」という観点からすれば、一応「椀物」を出しています。最近は「お椀抜き」の和食がミシュラン店でさえ多くなってきているのに、精進の姿勢が感じられます。他に、お造り・炊き合わせ・焼物・食事(笑)といった和食会席の要素も「型」は押さえている点には好感。でさらに、【3500円】税サ無しだし。
量的には当然ながらやや足りなかったので、今年最初の来店の後はずっと上のコース(\5000)。牛肉料理やアワビなどが加わり、ガッツリ満腹です。せっかくなので来月以降の予約も独り分で入れまくり。二人以上だと、来年夏まで満席だそうです。数ヶ月暫く様子見て、オフ会設定も考えたいと思います。
3位
1回
2013/11訪問 2013/11/29
目黒「鳥しき」は今やミシュラン3っ星「カンテサンス」並みの予約難店として知られ、mixiグルメ達の垂涎のお席。こんなお席を提供して頂けるなんて・・・(*^O^*)
「おまかせ」で14串。さらにσ(^^)だけさらに追加で8串食べました。
筆者の焼鳥食の歴史は1990年代末に、とある比内地鶏の店に始まります。今でこそ「食べログ」評価も★3台を推移するほど落魄したこの店も、20世紀末は刺身5種盛りをはじめとする華のメニューが目白押しで、一本400円の串を食い尽くして万札が飛んでも悔いの残らぬハイレベルな店でした(当時は筆者の年収も今の倍だし)。ほぼ隔週に通って刺身と稀少部位を堪能、年間来店回数も30回は越えていたと思います(統計とってないけど) でmixiが開業した頃から店のレベルが急落、ウリの刺身もなくなり、近年ではすっかり行かなくなってしまいました。
あれから十数年。ちょっと目に留まった店を気に入って、暫く通うとすぐ店がレベルダウンして「切る」繰り返しの串焼食べ歩き生活。味・焼き加減・量・店の居心地・価格帯と5拍子揃った店にようやく巡り合いましたよ。予約超至難店に席取って頂いて満足できなかったどうしよう~との懸念も杞憂に終わり、ミシュランの星も、予約超至難も、充分納得できる高レベルの焼鳥屋でした。
ただ8串は食べ過ぎ(^^ゞ 「おまかせ」だけでは少ないとはいえ、次回はピンポイントで指定して数本程度の追加にとどめた方が良いようです。
また行きたいですぅ~(^3^)=☆【強調】
4位
1回
2013/10訪問 2013/11/29
7月にマイミクさんがオフ会を起案しているlことから知り、予約難店らしい武蔵小山「衛藤」にダメ元で電話。そこは「神の黄金の左指」で席ゲッ。おまかせコースが税サ込5000円で内容も高評で“「食べログ」総合4.04点”の店とはどんなだろう?と早速向かいました。 以後、隔月レベルで通っています。
コースは8皿で、量的には少な過ぎ。どうやらこの店のコンセプトは、日本酒を皿に合わせて飲みつつ、コースにアラカルトを若干追加して満腹になる、という客単価10000円前後を想定している感じ。入店当初からいかにもお酒を勧めるメニュー出しと、コース後半から、店主が何度かアラカルト追加を尋ねてきます。確かにアラカルトに魅力的な皿も見落とせない。とはいえ、今夜は追加し過ぎても量判定できないので、天ぷらの質を判定すべく中国産ながら「早松の天ぷら」を注文。
揚げ方は衣がそれほど薄くもないけど、相応に楽しめました。全体的に、税サ込5000円に相応しい量だと言えます。
でも、料理内容には目を見張りました、前半のみ。「胡麻豆腐」はかなり固くて食べ応えあり、「鮎の飯蒸し」は肝の混ざり具合が食感に変化をもたらして好感。でもサプライスは「会席の王道」椀物でした。 「鱧とうもろこし椀」は、出汁にとうもろこしの味が心憎いほどほのかに漂っており愕然。鱧はかなり熱加熱したと思える程とろりと柔らかく、こんんな食感の鱧は初めて。この鱧の賛否は分かれるかもしれないけど、筆者には好感でした。
お造りはヒラメと本鮪ですが、柚子塩汁に浸けて食べるのは初めて。ただ従前より縷々述べてきているように、柑橘の香辛料は食材本来の持ち味を殺すので賛同できない。焼物は鱸で、和食としては珍しい気さえします。蓼酢で食べるのは鮎以外で初めてかも。これは新鮮な経験でした。「丸茄子と冬瓜の鶏あんかけ」は、味は良かったけどサプライス感はなく平凡。
この後の食事が稲庭うどんという点で、大きく評価下がります。大盛にして貰っても全然お腹太らないし。ただデザートの「桃のおしるこ」は、桃味がほのかに漂い、って椀物のとうもろこしと同じ手法。店主こういうの得意なんですね。白餡でちゃんと汁粉ですけど、甘みはほとんどなくさっぱりしているので、食事の〆としてはかなりポイント戻しました。
量は少ないけど値段やすいし、季節ごとの店主の料理しつらえの創意工夫には驚き大いに期待させるものがあります。某マイミクの「空腹感が残ったら、後でラーメンでも胃に流し込めばいいんだ」が思い出されました。この店なら充分それに値しそう。腹は満たされないけど、店主のcreationを見る目的で、久々の【再訪決定】判定となり、極私的コミュにトピ立ちました。
ただカウンター席は4人まで、あとは奥の座敷。独り飯か、多くても二人まででの来店がベターな感じ。量的には、この店で1皿追加くらいで食了しておけば、ドラえもん腹も少しは縮むかも。
5位
1回
2015/02訪問 2015/08/20
料理状況の変化により、採点修正。
[2015.2.]
―――――――
10月は毎週の大型台風襲来でこの日のオフ会開催が心配されましたが、台風の進度が遅くなったせいか無事開催に至りました、7月に初来店して以来、肉とサービスと店主の人柄に惹かれて通っています。
どの肉も分厚く切られた塊で出されるから目を惹きます。さらに!この厚い肉を今夜も
【店主や店員が焼いてくれる!】
やはりプロの焼き加減で食べられるので、ほど良い甘さと肉の地味が味わえてよかったですね。幹事も筆者に焼かせようとするマイミクさんもいましたが、 【英語を『訳』すことはできても、A5肉を『焼く』ことはできない】 と撃退してやりました もっとも、すぐ笑いが取れませんでしたが(泣)
例によって厚切りのお肉の数々をプロの焼き加減で堪能、昨夜とは異なり大満足の夕食会でした。
また、この店では九州産の和牛のみを使っており、産地的にも安心。今夜も鹿児島産や佐賀産の和牛部位が出されました。肉焼きはガスオーブン。震災後は備長炭焼きの方が危険だと指摘されていますから、多少味が落ちたとしてもガス焼きで健康に長生きしたいですね。
毎回の通例で、ブリめしで〆。でもこのブリめしのタレと、この店特製のスパイスが「美味過ぎる」のでご飯をお代わりしてかけて食べたマイミクさんも。筆者もすぐ「マネ」したかったけど、少食ゆえ断念。
欲を言えば、大食の方5人であと2皿くらいは行きたかったかも。特に前回食べ逃した稀少メニュー「ヒレスキ」を今回も食べ逃したので、次回こそこそ食べねば! マイミク間でも人気が高まっており、今後は開催頻度を増そうかなとも。
[2013.10.]
6位
1回
2013/11訪問 2016/09/25
今年2月に初来店して以来、6週間間隔」で通っています。将棋の駒のように出されるつまみやにぎりを真っ向から受け止めるのは、“数名でオフ会”では難しいからです。確かに鮨の場合、気が散って食事に専念できません。ですから秋以降はオフを開かず来店は2名以内に限定しました。
この店は「おまかせ」(\10500)のみ。11月来店時のつまみは、
・ひらめ、〆鯖、青柳、鰹、いか、牡蠣煮浸し、いくらの醤油漬け、からすみ、たこ、北海道産生ししゃもの塩焼き、帆立貝磯辺焼き、海苔の茶碗蒸し、あん肝、セイコガニ
肉厚のひらめで始まり、〆鯖で「?」となったのは、皮が塩分過多でやたら塩辛かったため。出だしゆえ「今夜は大丈夫か?」と不安になりましたが、特に優れていたのは、たこ、ししゃも、帆立貝と、身も心もワタも卵も全て剥いてあって食べやすいセイコガニでした。やはり蟹は剥いてあるのが一番! 次点は、いか、いくら、からすみ、あん肝かな。
続いて握りは以下の通り。
・かすご、すみいか、とろ、づけ、こはだ、海老、あわび、かわはぎ、さより、北海道噴火湾産紫ウニ、はまぐり、穴子、あさりのお吸い物、玉子焼
・追加…ひらめのえんがわ、玉子焼
「鮨 太一」でも勝負ネタとされるかすごは、今回も塩梅好調。他に、あわび、北海道産紫ウニ、はまぐり、玉子焼きも良かった。今回出色だったのは、肝との絡み加減絶妙なかわはぎ、身の巨大さがサプライズだったさより、ますます仕込み卓越な身の柔らかさ加減の穴子でした。玉子焼きは追加でガッツリ大きく切って貰って「優」。
握りが前回比6皿減ったものの、つまみが同4皿増えています。量的にはやや多め。筆者にはちょうど良いけど、食べ仲間の中には多いと感じる人もいました。人の腹はそれぞです。 今後も6週間ペースで通うと思います。
7位
1回
2013/09訪問 2014/04/13
前々回上洛時に、通いのお茶屋で話題になった、祇園一の仕出屋「菱岩」の料理を食べようという件。仕出し料理とは→ここ。
お茶屋到着が遅れ、露地裏の近道を通ると、「菱岩」のお店の前にwww
筆者が脚悪いので、本当の「座敷」は避けてテーブル席に。着くとすぐ先付を出されました。
なんせ祇園の仕出し料理ですから、料理説明なんてありません。見て分かる人だけが食べるものです。良い食材使っているとは思いましたけど、詳細不明、見て判断して下さい。教えて下さればもっと喜びます。
お椀は「明朝時代の景徳鎮のウンタラカンタラ・・・」なんて器ではありませんが、素朴に見て楽しめるので良しと。中身は光って分かり難いけど、鱧とえのき茸。鱧がくるりと巻いて輪になって入っています。おだしは繊細ながらしっかり味わえるほど良い薄さ。「やはり、これにまさるお椀は祇園にはない」とのこと。
焼物も、そういうわけで何の魚か確かには分かりませんでしたが、同様にくるりと丸めて芸があります。焼き加減もミディアムで魚身の地味がよく味わえて美味しい。
次に天ぷらが。外来食とはいえ、今や天ぷらも日本料理の立派な構成要素。鱧と舞茸の天ぷらが、衣薄く味も薄く揚げてあって、意外に重い今夜の夕食としては助かる食べやすさでした。
炊きあわせは、鴨肉ロースと賀茂茄子と冬瓜。この冬瓜に無数の切れ目と独特の包丁が入っていて、写真の形を箸で崩すと奇妙な形に広がります。この細かい芸には感心。味付けはもちろん薄味ですが、鴨ロースには濃い餡が絡めてあり、バランスをとっています。
ご飯は栗ご飯。消え入りそうな繊細な塩梅が一層食欲を掻き立てます。マイミクさん主催「広尾 一会」オフ会のように、結局ご飯3杯お代わりして、櫃は空になりました。
「花街一の仕出し」をどう評価するかは悩み所。今の日本のフレンチが、実は伝統的なフランス料理とはかなり違う“新々々料理”であり、でもそれに慣れ切っている日本人食通の多くが、古典フレンチに違和感を覚えるように、日本料理の懐石や会席も営業戦略もあってかなり“創作化”が進んでおり、そうした“現代新日本料理”に慣れた食べ手には、「菱岩」の仕出し料理は物足りなく感じるかもしれません。特に最近では、「お椀」椀物を出さない「日本料理店」「割烹」が増えてきたし。でも、日本料理のコースの基本構成をキチンと押さえ、季節の食材を一通り把握してしつらえられた料理として伝統を守っているから、この店と料理が200年近い年月を生き残ってきたのだと理解できました。もちろん、それは祇園という立地ならではで、東京にこの店があったら、そもそも「仕出し」という信用商売が成り立たないと思いますが。
「菱岩」の場合、紙の折詰弁当は一見客でも配達してくれるので、南座観劇などに利用する観光客も多いようです。その上の「松花堂弁当」と今回の「仕出し料理」は、当然ながら一見不可。店の食器で配達するので回収できるように、お茶屋or祇園住民のみ発注になります。
一通り食べ終わった所で女将が顔を出し、祇園の仕出し料理の歴史と経過を軽く説明、筆者に「今度は、松花堂食べはったら?」と勧めてきました。確かに筆者の分際で「仕出し料理」は分不相応かも。隣のテーブルで同様に「菱岩」から食事を届けさせていた社長族たちは皆、こちらに冷たい視線を送りながら「松花堂弁当」の方を食べていましたし・・・
8位
1回
2013/10訪問 2013/11/25
マイミクさん主催オフ会に呼ばれてから、開催毎に参加しています。15000円コースと高額ながら、なにか惹かれるものがあります。
夏の来店時の会席は、鱧のたたき、冬瓜と、季節の典型食材を押さえながら進んでいきます。この店はお造りがなく、八寸も時により飛ばすので、続いて出たのは椀物でした。
一口含んで、昆布だしがほのかに口内に漂う感覚うまい! これでも自称「通」には濃いのかもしれないけど、機械じゃあるまいし、これくらい濃くないと人間の舌には感知できません。最初の一口で思わず、♪おだしが綺麗~♪と鼓打ちそうになりましたよ(謎笑)。たぶん食べ歩きを始めてから最高の「おだし」だったでしょうね。繊細過ぎるのもσ(^^)のような庶民には合わない、という点において。
八寸っぽい毛蟹とじゅん菜に続き、出てきた賀茂茄子にも驚き。で、デカ過ぎる。でも熱はよく通っており身もはずしやすく、全てを堪能できました。
この時点ですでに再々訪は決まったとはいえ、次の赤むつ焼魚と白ずいきは、量少なくて不完全燃焼。「(ご飯前に)当然もう一皿出ますよね」と幹事のマイミクさんらとも話していたけど、そうは世の中甘くなく、やっぱり次に食事となったのが不満。
その食事は炊き込み3種。季節の定番「鱧ご飯」と店の定番「とうもろこしご飯」、加えて今夜は「新生姜ご飯」でした。この「新生姜ご飯」が辛さ強過ぎ。確かに生姜食った気にはなりましたけど、後でお腹に来ましたよ。新生姜ご飯のキツい味をとうもろこしご飯で和らげながらも、お代わりする我々。ただなぜか?量少なく見えて満腹感が強く、前回みたいなフルセットお代わりはできませんでした。
〆の水菓子はほおずきとわらび餅。ほおずきも数年前にどこかの日本料理店で「季節に合った斬新なデザート」として出されて以来、どの日本料理店でも「マネ」し始めて、今やこの季節に見ない店はないほど。とはいえお椀と賀茂茄子の加点ポイントが大きく、最初に述べた通り再々訪は確定です。今後日本料理の佳月に入った時、当然価格も跳ね上がるでしょうから、それに見合ったコスパを弾き出せるかが注目です。
9位
1回
2013/08訪問 2013/11/25
春にマイミクさんから予約権を譲渡されて2年ぶりに「くろぎ」ディナーへ。20000円とも言われる高額ディナーオフゆえ予約席が埋まらず、別のマイミクさんに募集をご助力頂いたりして無事満席、さらに近日の諸般の事情も今朝解決して無事満席(謎笑) 前回は、常連のマイミクさんの差配でカウンター席であれこれアドリブの料理が出たり、“宴席以上に演席”でしたが、今夜は1階個室席で17325円+飲物代でした。
こんな立派な献立表でなくてもいいから、ちょっとしたコピーでも、メニュー表をくれると好感度上がります。先付の蕗の薹豆腐は、蕗の味強めで「食べた感」いっぱい。今夜はこの後も「うすい豆御飯」に至るまで、香りの強さが料理を特徴づけており、少なくとも筆者には非常に好感度高かったです。 椀物は「酒粕椀」。酒粕の味ふんだんです。
京懐石の本筋からすれば、椀物は昆布などで繊細なダシを取りその技術で客を魅せるものかもしれないので、このような本筋を外れた?椀物を批判する食べ手もいそうですが、筆者は好きだな、うまい! 京都市伏見に酒粕ラーメンの店(http://tabelog.com/kyoto/A2606/A260601/26000614/)の話を振ると、来室した店主も「酒粕のポタージュ仕立て」などと応じて笑わせてくれましたけど、敢えて牽強付会すれば、「飛鳥鍋」に近い作りという点で「京懐石よりも、日本古来の味に近い」。芸術性の高い映画よりも、見ていて楽しめる娯楽性の高い映画の方が好ましいのと同じかも。
と椀物啜っている時に、黒木店主が挨拶に入室。いったん退出した黒木店主が暫くして部屋にメニュー外の「ばくだん」を届けに来ました。見た目納豆巻きかと思えますが、九条葱と鮪で巻いたそうです。この時に参加者に名刺を配ってくれました。
続く「鴨茶碗蒸しと九条葱」も、黒木店主が自信ありげに説明していた通り、餡のからみが美味でした。欧米的に唯一「肉」といえるのがこの鴨肉のみという今夜の夕食です。
この後もコースは淡々と進みますが、皿出しのテンポも良く、この調子なら2時間で食べ終われるかも♪と思えたほどでした。京懐石の本筋を外しているといいつつも、軽く期待を裏切ってくれるサプライズ感には皆満足でした。 それでも、今の季節に必要な皿は押さえています。
この後に食事ですが、ここまでで10皿。量は少な目ながらも満足な献立です。食事の「うすい豆」は要するにエンドウマメですが、室内に運ばれた時にすでに豆の匂い漂う、最後まで「香りの強さ」には、女性の香水なんかとは比較にするのも無礼なほどの好感度の高さを認識しました。
でも減点材料も皆無だったわけではありません。最後の葛切りが遅い! この1皿で1時間はかかりましたね。自家製だそうで、こんなに薄い透明な葛切りは初めて。今は亡き吉野の名店『八十吉』ほどではないにしても、この透明感はそれだけで目を楽しませてくれます。
次回の予約は、この8月時点ですでに来年4月に。ますます予約難になっていきます。これを書いている(H25.11.)最近行かれたマイミクさんの話では、コース価格が20790円(税サ込計算)に値上げされていたとのこと。コースが基本「時価」なので、来店して食事して最後に請求書を見るまで分からない点がコワイですね。来年4月は消費税増税後ですから、たっぷり現金下ろしてから入店しないと(汗)
10位
1回
2013/03訪問 2016/05/10
河原町丸太町ってバスでしか行けないし京阪からは遠いしと立地が決して良くはないけど、雑誌で見て勇躍行ってみました。このあたり、河原町通りの1本東の裏道には、意外に多くのレストランがこっそりと「知る人ぞ知る」営業でひそかな人気を保っています。後から、実は食通のマイミクさんに好評な店だと知りました。
近江牛の各部位を店員という「プロ」が焼いてくれるので、最良の状態で肉を食べられます。昔「焼肉は客が焼くから、料理ではない」と言った食通がいて、それはそれで心惹かれる意見でした。やはり「プロ」が焼いてこそ外食産業だという考えには深く共感します。
昼は三種類の近江牛を使った炭火焼御膳(\2000)、夜は五種類以上の近江牛にアレンジした皿もつくおまかせコース(\6500)。肉メニューでは焼きをはじめ、「氷上しゃぶしゃぶ」などのアレンジもの、桜蒸しなど京料理の片鱗を感じさせる皿など、メニューも工夫されています。サシが適量で入った部位を他店より厚切りにして店員が焼いてくれて税サ込でこの価格って、かなりお値打ちではないでしょうか。〆はお茶漬けにしてもらいましたが、量は控えめながら満腹。肉の部位は仕入れにより変わるようなので、上洛毎に訪ねても楽しめそうです。また一つ、京都に通うべき店ができてしまいました(泣き笑い)
有名ホテルやチェーン店の食品偽装に揺れた?今年、「食べログ」レビュアーをはじめとする我々“食べ歩きスト”たちの大半が、報道に全然驚かず、むしろ「そんなこと、業界の常識じゃん」と世間を蔑していることに、むしろ愕きを覚える人も多かったことでしょう。昨年の「ベストレストラン」の弊講評で書いた「不況ゆえに食材や会計をごまかす店も増えてきて遺憾なことです。高度情報化社会の現在では、そうした所業はすぐにネットや口コミで「噂千里を走」り、「天に唾する」結果となるでしょう。経営厳しくても、店側には真摯誠実な営業が望まれます」がよもや具体化するとは、我ながら驚きです。
もちろん「偽装」を庇うわけではありませんが、そういう日本社会の仕組みに馴れ切って、「良い食材、巧い料理を食べたければ、それ相応のカネを払え」という気がするようになりました。むしろ某TVシェフのブログに共感を覚えるほど、今年はコストパフォーマンスとは違う意味でも「対価価値」を考えた一年でした。筆者みたいな雇われ庶民ですと、そうはいってもやはり「安くて良質な料理」「料理以外の点で、満足できる空間」を採点の基準にしてしまいます。今年も本職ますます多忙で、訪ねた店の1割もレビューが書けず、「ベストレストラン」を選ぶこの時期に一年を振り返って“駆け込みアップ”していますが、今年は「食べログ」に「行った/行きたい」機能ができたおかげで、食べた店は漏れなくこの機能で登録でき、ますます便利になりました。
来年は今年以上に、真摯誠実な営業の店で心地良く満足なディナーが過ごせることを願っております。