レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
1回
2016/08訪問 2017/01/04
平成肉(29)年正月ようやく「食べログ」掲載許可が下りました
大阪「やまがた屋」がついに東京進出!と昨年7月に開店した「銀座やまがた屋」は、完全会員制で店の場所などは非公開ということでもあり、「食べログ」など不特定第三者の目に留まる箇所への記事掲載は、厳しく店主から戒められてきました。この戒律を破ると会員権剥奪!とまで言われていませんでしたが、永年の善良な常連会員達は皆、店主の意を体して、公開ブログなどへの記事掲載は一切控えてきました。年が改まった2017年三が日、つい先程ようやく店主から記事掲載許可のメールが届いたので、ここにようやく来店記事を掲載できることになりました。
昨年8月、8名全席貸切の自催オフ会でした。店主とは1990年代、横浜「グルメ会」時代に共に食べ歩いた仲のため、7月の銀座開店に際し「会員権」が付与された筆者ですが、店主からは「ごめ~ん。一人30000円のおまかせコースのみになったから、無理しなくていいよ」 とはいえ、一度くらいは行ってみたいと思い、もし同行者がいれば、、、と呟いたところ、セレブなマイミクさんが名乗り出て下さり、たちまち店内全8席を埋めて下さいました。その後、キャンセルが出たりして筆者のマイミクさん等の参加により無事席が埋まり、本日を迎えました。
筆者は定刻10分前に入店。その後定刻5分前までに全員揃うところが、さすがセレブなマイミクさんが集めたセレブな人達だけのことはあります。「終電があるので、23時までには終わってね」「それ、むっちゃキツイんやけど」と事前に店主にお願いしていたけど、結果的に22:45には食べ終わりました。
コースは、キムチサラダから始まり、大分産黒毛和牛のフィレ・レバー・タンの表と裏・耳たぶ・すい臓・ハラミにおにおろし・テール・シャトーブリアン、長芋の醤油焼き、キノコと水菜のサラダが、添付写真のような感じです。最高級の肉のセレクトやメニューの大半は、大阪の「やまがた屋」と同じですので、詳細はそちらの拙評(https://tabelog.com/osaka/A2701/A270101/27011099/dtlrvwlst/4755649/ )を参照して下さい。
今回「会員制」にしたのは、3年前からドタキャンが相次ぎ、店主がすっかり「大阪商法」の限界を悟ったからのようです。3年前に初めてキャンセルされた時、筆者が店主に「キャンセル料取るって、HPで謳ったら」と建言したら、「キャンセル料、何それ?」と店主。「大阪商法は、客を信じるもんや」「キャンセル料なんて、そんなん東京もんはよう言うわ」「前金振込かて、大阪人は絶対にせーへん」などと大阪の常連客達から猛反発をくらいました。この時、「それでも地球は回る」とは書かなかったけど、いずれ筆者の建言が正しいと分かりますとレスしたんだっけ(^^ゞ その翌年、店主は大阪の店で「当日キャンセルは、100%キャンセル料をいただきます」と謳い始め、「予約は番号通知の携帯電話からのみ」と身元確認も求めるようになりました。あたかも一昨年7月、ドタキャンが出始めた吉祥寺「肉山」の店主に「身元が分かるように、発信者番号通知の電話でのみ予約を受ければ?」「面倒でも必ず確認の電話を客にすべし」などとアドバイスし、結果的に筆者が「肉山」のドタキャン激減に大きく貢献したことが思い出されます。
幸い、セレブなマイミクさんが2万円以上の高額ワインも開けてくれたし?店主は筆者の顔を立ててくれたのか?帰りに名刺を渡してセレブなマイミクさんに「会員権賦与」してくれたので、一安心。23時過ぎに退店し、セレブな皆さんはまだ店の前で溜まっていましたけど、庶民な我々は終電を気にしてとっとと帰路につきました。筆者の自腹食費としては、祇園一力亭自催オフ会、“総理の食卓”祇園「おいと」 に次いで歴代第3位の高額でした。
以上、昨年8月来店時の口コミですが、先ほどのメールで店主曰く、今年はメニューも一新し、筆者のような庶民でも来店可能なコースも新設するらしい。詳細はまた店サイトで発表されるでしょうけど、年末年始の仕事が一段落ついたら、また訪ねる予定です。筆者と面識あるレビュアーさんで同行希望される方は、ご一報ください。
2位
1回
2016/11訪問 2018/06/13
改修後のおまかせコース価格変更(税別8000円→税別15000円以上の時価)に伴い、採点変更。[H30.3.]
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ミシュラン審査員も来店した(最近のミシュラン審査員って、食後に名刺出すそうです<笑>)けど2017年版には掲載されず。でも、この小規模な店がもしミシュランに掲載されたら野次馬の氾濫に押し流されてしまいそう。「大化け」せずに今まで通り、「食べログ」レビューも増えない隠れ家店として、我々常連客だけに美味しい思いをさせて下さい。電話は必ずコールバックしてくれるし、8月来店時に格段のレベルアップあり、評価変更。 [H28.11.]
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数年前には「『イケメン』なんて、オフ会の紹介には不要です」とマイミクの原稿をザックリ削除した筆者ですが、その後民心が劣化したわけでもないけど、最近は多用されてます。もし店主がイケメンでなかったら、店があんなに繁盛してはいかっただろうという店も増えてきました。数日前に訪ねた「祇園 浅田屋」は、そのカテゴリーでいくと、偏差値90越えの超イケメン。
店はカウンター6席のみなので前日までの完全予約制で、できれば客に殺到してほしくない感じ。さらに、筆者は「今が大事」「一期一会。来店した時のパフォーマンスを採点」するので、学閥チックな「修業先」って、食材の産地よりも参考にはしないのですが、この店の店主は聞いて納得。食材・料理に対する目利きぶりが、さすが「吉兆」出だと納得できました。今後、料理レベルや淡々とした接客の妙が発展するのか?レベルダウンするのか?読めませんが、暫く通って生温かく観賞する価値はありそうです。
「簡単にはこの店は見つけられない」と情報源には書いてありましたが、何のことはない、すぐ見つかりました。能面造りの家元が大家さんだそうです。まぁ、大変ですね(謎笑)
料理は税別8000円のおまかせコースのみ。先付は、愛媛県産岩牡蠣のおろし和え。食べやすいように牡蠣を切ってあるあたり、女子の歓びそうな仕事です。お椀は、鱧の真丈と焼茄子。安い食材でカネ浮かせているなぁ、と思いつつ、鱧はほとんどまるのままで好感。椀器の点金も、料理に合って心地良いですね。お造りは、ぐじ、白とり貝、鯖、鱧あぶり。季節の定石は押さえています。白とり貝も、今の洛中では盛んに出される食材。鱧続きなのを嫌がる「通」ぶりもいるみたいですが、旬の代表食材は続いても、むしろ食べ比べられていいじゃん!と好感。
この間、イケメン店主はほとんど雑談はしないながら、仕事ぶりが実直・誠実そうに見えます、あくまで主観的ですが。ちょうどマイミクさんが用賀「花邑」の店主の仕事ぶりを実直・誠実と認めて再訪をリクエストされた時と同じ、凛とした店内の雰囲気。ちなみにこの店、前日までの完全予約制で当日の来店は絶対受けないそうですが、そんなわけでお盆明け・給料日前のこの夜は筆者の貸切。店に電話は入っていましたけど、「前日までの予約制なので」と断っていました。この辺りにも、誠意ある姿勢が感じられます。
お造りの次には、河内鴨の握り寿司。これはどうやらこの店のスペシャリテらしい。河内で鴨?と尋ねると、大阪府東部・旧「河内国」エリアでは昔は独特な鴨を生産していたけど、現在は1,2軒で養殖しているのみだそうです。ほのかな脂のノリも程好く焼き加減も好ましく、満足度高い一皿でした。 八寸は、例によって蓮の葉のせ。焼物が、ビワマスのつけ焼き。続いて、冬瓜のけんちん椀に河内鴨ロース。飯物の前に小椀やしゃぶしゃぶを持ってくるのも、最近の京都和食界の流行りかいっ!がまん顔と思えるほど、このパターンが増えてきましたけど、筆者は好きですwww 満足に食べました。
飯物は茗荷ご飯。ちょっと、食材安く済ませたかな? デザートは、すいかと抹茶のムースでしたが、このムースがなかなか美味しかったです。
正直、量的にはまだまだだけど、料理・接客・価格のバランスはよく取れており、コスパも悪くないでしょう。というわけで次回「再訪あり」。これから大化けするかも。
[H27.8.]
3位
1回
2016/10訪問 2016/10/23
グルメ今夜は藤沢「清風」で初の自催オフ会でした。今年2月に「発見」されて以来、隔月ペースで通っていましたが、オフ会開催を臨む気運も高まり、季節柄【松茸】でというリクエストで開催。それも、最初のオフ会は慎重&安全第一でレギュラーな会席を注文するのに、今回はいきなり特注オリジナルコースを発注。このハードルは越え難いので「多少の転倒はいいかぁ」と思っていたら、難なく克服して参加者達皆満足。今が一番登り坂であるこの店の運気を感じました。
先付は牡蠣の酒蒸し。筆者の好きな仙鳳趾産なのが嬉しい。椀物は当然ながら松茸、と「鱧が手に入らず土瓶蒸しにできなくて申し訳ありません」と芝海老真丈。この店の出汁は、大森「みこころや」よりは薄味で上品。個人的には、土瓶蒸しは(好きだけど)所詮先付の代わりで「椀物」のカテゴリーには入れられない。お椀の方が良かったし、このお椀がまた納得のできでした。
次はお造り♪と待つ間、
「一応今夜は『松茸づくし』だから、お造りに松茸の刺身が乗ってきたりして」
「いくらなんでも、それはないでしょ。茸を刺身にするには『今朝取れたて』くらいに新鮮な茸はじゃないと」
と今回リクエストしたマイミクさんや、本業はシェフのマイミクさん達と談笑し合っていると、、、
ひぇ~!松茸の刺身だぁ!
奥から店主が顔を覗かせて、「いつもお世話になっているので、昨夜獲れたての岩手県平泉産の松茸を急いで運ばせました」いや、そんな「お世話」なんてしてませんけど、「食べログ」店評もまだ書いていないし(^^ゞ 皆驚いてさっそく賞味。
この後は焼物で、鰆と松茸のつけ焼き。この店、焼物がやや弱い。でも今回は松茸と焼くので、焼き方や魚はこれでいいのかも。治部煮もこの店の定番になりつつあります、六本木「さ行」のゴマ豆腐みたいに。それはそれで、同じメニューを毎回どう変えて来るかを見るのも楽しい。
八寸もいつもながら楽しめます。飯物は当然松茸ご飯、と予測はしていましたが、こんなに茸を大振りに入れて来るとは「想定の範囲外」でした。
デザートはまぁ、良しとして、この特注コースで税別10000円。国産松茸を贅沢かつ大胆に投入したことを考慮すれば、かなり高コスパの食事となりました。まして普段のコースは、夜で税別5000円から。来店のたびに料理の構成力・独創力とレベルは上がっており、今が旬なお店です。そろそろ開店1周年を過ぎ、店として「育ち盛り」の今が通い時でしょう。
4位
1回
2016/10訪問 2016/11/18
その後に夜のオフ会を開いたら、すっかり参加者が定着して定例化に。夜の評価も加筆。 [H28.11.]
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「紹介制」とも言われていますが、今回の幹事さんはいきなり電話して予約を取ったと申していました。大船駅に集合して、店の送迎で現地到着。「和の鉄人」道場六三郎氏の弟子だった店主の自宅。店主一人で切り盛りしています。
料理は鎌倉野菜の現地調達のほか、焼物で出されたタケノコが建長寺の裏山で取れた門外不出の「建長寺産」であるように、食材にはかなりこだわっています。砂糖やミリンなどは使わず蜂蜜でしつらえられた料理のデキも優れており、特に煮物は皆さん絶賛していました。
デザートは別室に移って出される、今は亡きポートピアホテル最上階のフレンチ「アラン・シャペル」のようなスタイル。この様式でランチは税サ取らず3500円、ディナーは5500/6500/7500円の三段階。食材レベルが変わるそうです。
まさに「隠れ家オフ会」「秘密シリーズ」にはうってつけの店wwwですが、個人情報の扱いには注意を要する21世紀に生きる我々にとっては、事前に認識しておくべき要件が2つ。「客全員の写真撮影」は、訪問客のブログでも指摘されている(http://corleone.exblog.jp/9911213)通り賛否両論ありますが、店主の趣味らしい。あと、これも店主の趣味で、名前を詠み込んだ俳句をしたためた書を配るため、来客全員の氏名を漢字で申告するよう求められます。インターネットやSNSのオフ会に際しては特に、これから来店を志す方はこの点に留意してうかがうよう、予め必要情報として銘記しておきます。
[H28.2.]
5位
1回
2016/03訪問 2017/01/04
「日本橋橘町都寿司」時代から隔月ペースで通っていましたが、3月の来店では、以下のラインナップでした。
・つまみ…鳥貝、おこぜのわた巻き・おこぜの煮こごり、たらの子と蕗、ホタテの磯辺巻、真鯛の白子、宍道湖産白魚の酒盗焼き、数の子、赤ムツの焼物、あんきも
・にぎり…こはだ、真鯛、づけ鰹、鰆、かすご昆布〆、佐渡産鮪の中トロ、あじ、車海老、子持ちヤリイカ、青森産紫ウニ、穴子(タレ・塩)、玉子、お椀。
脂が乗り切っている、といっても魚ではなく店主の方。出しもののどれも出色のできばえで満足。もう少しつまみを続けても良かったけど、周囲の席の客に釣られてつい握りに移りました。他店に比べれば段違いの優れた出来栄え。で残りは全て出色の出来栄えで、素晴らしかった。
こんな調子なので、初来店の時に連れて来て下さったマイミクさんの“戒め”も忘れてつい追加注文。大学では「批判精神を単位修得」したはずの筆者が、こんなにベタ誉めなんて、今書いている自分でも不思議なくらい。それほど、満足度が高値安定しています。移転後競争激化している次回の予約確保も、今では来店時にすんなり入れてもらえるようになりました。ただ食材費の高騰もあって徐々に値段が上がっており、予約が取れてもお財布的に今後も通えるか心配です。
6位
1回
2016/11訪問 2017/01/04
一昨年から1F席でゆるゆると通っていた「にくがとう」は、2016年より2FのVIP個室を使ってのオフ会開催となり、毎回12名の席がすぐ満席になる人気ぶり。1F時代も充分な低価格高コスパゆえ続いていたけど、集まりはイマイチでした。当時すでに「ポスト『牛蔵』」と言われつつ安定しなかったこの店も、VIP個室が定着してからはすっかり評判も定まり、アイデンティティーを確立しています。最近ではこの個室で、「そういえば、今でも『牛蔵』に行っている人って、いるの?」と「牛蔵」はすうかり「過去の歴史」として話題になる程毎回盛況です。
毎回店から配られるメニューも、ネーミング入り「VIPコース」と(^^ゞ 下半分には、牛の部位解説もあって便利ですね。保存版ですよ~!www
「前回とは出しものが少し違う~」とバカ言うマイミクさんもいましたが、毎回同じなわけはありません。事前に注文した厚切り一本タンは今回入荷事情でタン3種食べ比べに差し替えられたとはいえ、「肉の刺身盛り」「至福の握り」「元祖イチボの1枚焼き すき焼き風」「和牛A5赤身ロック」「リードヴォー」などが定番メニューとして健在。また、この店でのオフ会第1回からの古株参加者が固執されるかき氷も抹茶・プリンと2種が追加注文。皆でシェアしました。
料理には皆さん総体的に満足していましたが、量的には意見が分かれます。やはり、腹の量が違いますので。今後は量の調整も課題になりますが、これほどの量と質の肉をこれほどの低価格高コスパで出して貰えるのだから、毎回の募集がすぐ埋まるのも納得です。今回も好評ゆえ参加者の大半が再訪を希望、次回開催の日程もすんなりが決まりました。
7位
1回
2016/03訪問 2016/03/05
食べ仲間さんに誘われたのは今年初め、我々皆食事の予定は2ヶ月先まで埋まっているので、3月の今夜ようやく行けました。最安の1万円コースで。
肉は全部店員が焼いてくれるのが嬉しい。「焼肉店では、客が肉を焼くもの」という誤った「常識」が関東ではまかり通っていますが、上方のまっとうな店は、店員が焼いてくれます。聞けば浜松の焼肉店の東京出店だそうで、このあたりは上方スタイルですね。
肉が厚切りなのも嬉しい。まず出された極上タンにびっくり。ただタンは予想できましたけど、この後の上ミノや、イチボ・ランプ・肩ロースなど、全て他店よりは厚切りでした。やはり、少量多皿では食べた気がしない。皿の数は減らしてでも、一種類あたりの肉を厚切りでガッツリ食べたいですね。
昨夜別の食べ仲間さんが行かれて、ご飯も美味しいと書いていました。確かに、肉とよく会う白飯です。別に「糖質制限ダイエット」なんてしていないけど普段米はほとんど食べない筆者でも、軽く一膳平らげてしまいました。
〆はカルビスープかテールスープで。前者は見た目ほど辛くないですね。
別に無理やり飲み物を勧められることもなく、居心地良く食べさせてもらいました。次回はもっと上のコースを注文して貰おうかなぁ。
8位
1回
2016/11訪問 2016/11/09
今年も誕生月の11月がやってきました。すでに誕生祝のプレゼントやご飯のお誘いを各方面からいただいております。年末まではお受けしておりますので、これからでもどしどしお寄せ&お誘いください(^^;☆\(▼▼#)))
そんな今回は、9月に開店したばかりの「鮨つきうだ」にお誘いいただきました。中目黒駅から「徒歩10分」は絶対ウソ。念のためストップウォッチで計ったけど、優に20分は越えた上、強風の夜道は分かり難く、店に着いた時には「(南極探検の)スコット大佐のように、吹雪にうずもれるかと思った」と洩らしたほど(そもそも、駅から徒歩5分以上かかる店は「遠い」ので)でしたが、料理は瞠目する素晴らしさ。帰りには、往路の苦難も遠い彼方の思い出となり、復路はスコット大佐とは違って足取り軽く楽しい帰り道でした。
都内で「ちゃんとした鮨」を食べようと思ったら、「おまかせ」で15000円は覚悟すべき、と昔我がグルメの師匠(故人)に訓育されたことがあります。最近は10000円以内でも優れた鮨店が増えつつあるとはいえ、この店は「おまかせ」で税別15000円。しかし、仕上がりの満足度は高く、安心して人に薦められます。
最近増えてきた、つまみと握りが一群ずつ交互に出されるスタイル。まずは「つまみ」からで、バイ貝・焼き銀杏、青森産天然ヒラメ、蒸しアワビと肝醤油、煮だこ、鰹のづけ。この中では、やはり蒸しアワビのやわらかさ加減が素晴らしい。柔らかすぎず、もちろん硬くもなく、肝醤油を絡めた時の味の変化も抜群。今まで、つまみの蒸しアワビは今はなき『小松弥助』が一番と思っていたけど、かの店に勝るとも劣らぬ優れものに愕きました。煮だこも、煮加減=やわらかさが巧みで堪能。一のつまみでここまでされると、この先が期待されます。
続いて「握り」が、天然かんぱち、金目鯛、こはだ、大間産中とろ、車海老、煮ほたて。この中では、車海老が硬過ぎず柔らか過ぎずちょうど良い食感でやや甘みを帯びているのが好感。『日本橋蛎殻町すぎた』でよく堪能した車海老を彷彿とさせます。煮ほたても、ほのかに香る柚子の香りが心地よい。
この後はまた「つまみ」に入り、かぼちゃの浅漬け、すじこ、白子、松茸の土瓶蒸し、鯵と続きます。すじこの漬かり具合、白子の焼き加減、他店よりは汁が多く出汁加減がちょうど良い薄味の松茸の土瓶蒸しなど、いずれも出色の出来栄えで、ホームランが連打された感じ。店主の開店前からの「しこみ」がよく窺えます。
続く「握り」が、赤身づけ、大トロ、のどぐろ炙りの小椀寿司。さらに、焼きタイラガイと、雲丹ご飯に中落ちの巻物と続きます。小椀寿司を出されて、『小松弥助』の「器鮨」(うに・づけ・山芋)が思い出されました。鮨の編成が似ているのは、修業先の流派が繋がっているのかな?普段あまり興味を持たないし、一人で来ているわけではないので、聞きそびれましたけど。
「つまみ」の焼物として、甘鯛塩焼きが出された後、すみいかと穴子で〆。すみいかの塩加減も薄味で良かった。
さすがに、以上12皿12貫だと満腹になります。今回は初来店なので、追加注文はしませんでしたが、今後慣れてくればあと数貫頼むかも。難は駅からの距離。でも帰り道に、東急バスで渋谷駅から「渋31」「渋41」に乗車し、「菅刈小学校」バス停で下りればすぐだと発見しました。これで「徒歩20分強」を気にせず来店できます。
開店2ヶ月で今はまだ無名なのか?店の実力に見合わず「食べログ」評価は低いけど、レビューが増えればきっと点数も上がり人気が出て予約も取りにくくなるでしょう。今のうちから通って常連客になっておけば、近い将来にきっと貴重なレパートリーになると確信しました。
9位
2回
2016/08訪問 2017/04/08
夏に京都のオフ会で案内されたのが「祇園ゆやま」。いざ店に着いて驚いたのは、昨年8月初来店し「再訪あり」と判定されながら、その後機会を得られず再訪が実現していない「祇園つじや」と同じビルの隣。つまり、このビル1階を二つに分けて、東が「つじや」、西が「ゆやま」でした。この1年の間に、筆者が通う都内の日本料理店の店主が次々とこの店を訪ねており、筆者が行きそびれているは恥ずかしい限り。でもこの時の上洛でも、予定がたたず来店はムリでした。
今回幹事が注文したのは、ランチコース2種のうち高額な「清水」(\5800)の方。総評としては、ほぼディナーに匹敵する内容で高コスパ感横溢、とても満足なコースでした。
具体的には、先付の胡麻豆腐はやや濃い味で好み。椀物は、鱧の茶巾しぼりに、鱧と松茸。少量ながらランチでもう松茸!と一同愕き。吸い地は前夜の「淺田屋」よりもさらに薄味ながら、「具が多い!」のに喜ぶ赤貧出の筆者。
続く「おつくり」は、中とろ、ひらめ、ノドグロの焼霜、湯葉こんにゃく。ここで店主が、ノドグロはワサビだけで醤油をつけないで食べるように勧め、一同これを訝しんでいたので、筆者が「そもそも醤油を浸けて食べるのは、関東ローム層でまずい野菜しか生産できなかった江戸文化の名残り。食材が良ければ、何も付けなくて充分美味しく食べられますよ」と店主を支持。あとは、それぞれの判断で食べていました。
八寸は色々出されたけど、「フルーツトマトのレモン煮」が、柑橘味の加減が見事で美味しかった。聞いたけど種類が多くて忘れたけど、焼物2種の熱加減も良し。次の皿「ニシン茄子」も変わった趣向。飯物は、ちりめん山椒ご飯と、ランチとしては仕方ないかな。デザートは、スイカにコーヒーゼリーをかける好趣向と、抹茶のムースに、ラムレーズンアイス。
総評的に、昼はもちろん、夜のコースも6930円からなので「再訪あり」ですが、こうして行くべき店が増えて来ると、京都滞在中に回り切れず、行けない店も出てきます。難しいところです。
10位
1回
2016/11訪問 2017/01/03
マイミクさんが神戸のミシュラン3っ星「カ・セント」で誕生祝オフ会を開いてくれました。主催したマイミクさんが事前に店に手配して下さったお陰で、バースデーケーキ?とか、祝花まで店からは出して貰いました。食事中の接客もさすがに三ッ星!でしたが、一人20000越えのディナーで「高コスパでした。満足ですぅ~♪」となるには、ハードルが高過ぎます。“歌って踊って劇場型”の「祇園さゝ木」が、薄氷を踏み抜かない4回転アクセルに成功していたくらい。
料理はおまかせコース(16800円)にサービス料7%、税8%で、飲物代別でも実際の支払額は19000円を越えます。この前提で以下のメニュー紹介を読み進めていきましょう。
まずは、和歌山県産太秋柿とカラスミ。続いて、兵庫県坂越港産生牡蠣。20000円出して、小さい生牡蠣だなぁ。
続いて、菊芋・秋トリュフ・有精卵のフラン、スペイン・カンダブリア産アンチョビと明石蛸の~とイワシの~・天然ヒラメ・あけがらし。
この後で、モルシージャ。ブータン・ノワールみたいなもので、そこから先日のバスク料理自催オフ会における巨大ブータン・ノワールの話題などで盛り上がりました。この皿で2人分計算に驚きつつ。 「フォアグラの低温調理」は量こそ少ないけど、この盛りつけの見た目にはため息。芸術的ですね、見るだけなら。
続く有機野菜のサラダ。これは美味しかったし好感だけど、20000円となると・・・ 続く魚料理は、サワラ。西洋料理なら、もっとガッツリあってもいいはずだけど、これも身が小さく葉に隠れて見えないくらい。小さすぎて、味の判別は不能。
メインの肉料理はハトでした。〆は(って鍋かい?)ブイヤベースのような出汁で米を調理した「オジャ」。高温ですwww ただ、店員が「おじやの語源にもなった米料理」とか言っていたけど、調べるとむしろ鍋・煮込みで、通常は豚肉と豆を使うらしい。スペインベースなら、米を主食材にするかな?と疑問でした。でもこの「オジャ」は気に入りましたよ。また食べたい! でも、20000円は・・・
デザートその1は、栗のムースと栗のジュレ。そんなに栗味強くない点は、評価が分かれるところ。デザート2は、梨のキャラメリゼ。この辺り、季節感を辿ってはいます。さらに出た「カボチャとバターナッツのアイスクリーム」は、大した写真ではないので編集の都合上カット。洋梨のムースとケーキが、冒頭のバースデーケーキです。
最寄駅からも遠いし、この金額・・・ 接客は三ッ星でした、と強調しておきます。東京には三ッ星でも接客三流という店もあることを思えば、この店なら快適なディナーを楽しめるとおススメできます、カネに糸目をつけずに払える方になら。かくて随分いびつな採点になりつつ、また1店、ミシュラン訪店録に記載が増えました。
前年頃から無責任なドタキャンやノーショーのキャンセルがニュースとなり問題となり始めて2016年を迎え、ドタキャン対策として実質会員制となる店や「食べログには書かないで」という店が増え、常連として普段通いオフ会を開いている佳店の多くを載せられないのが残念至極です。このランキングには一応「一店不再掲」なので、毎月欠かさず通う新宿「鳥茂」・大森「みこころや」・六本木「さ行」・京都「高台寺土井」などはランクインさせていません。
2016年に目立ったのは、多種多彩な肉料理店が増えたことです。曙橋「ヒロミヤ」に範をとった同形式の会員制焼肉店の増加は、これまで以上に低価格・高コスパな料理を、会員制という安定顧客に提供する営業形態として流行の感があります。今後暫くはこの傾向が続き、「会員権争奪」競争も増すことでしょう。
日本料理では、湘南の三ッ星和食「幸庵」で修行した店主が出店した「清風」が、駅からは近いけど「藤沢」という立地に悩まされながらも、5000円というコース価格の割には質の高い和食を提供しています。秋には松茸づくしのオリジナルコースを組ませてみましたが、我々の期待によく応えて、料理の幅も一層広げました。来年以降の成長が楽しみです。
また、当初「紹介制」と聞いていた鎌倉の創作和食「山田亭」も、「和の鉄人」道場六三郎氏のもとで修業した店主が一日1組限定でその日限りのコース料理を、独自の食材ルートで確保した珍しい食材を使って提供してくれます。芸能人もお忍びでよく訪ね、特に晩年の原節子が通った店として知る人ぞ知られています。
他にも、今後飛躍しそうな新店として「鮨つきうだ」「祇園ゆやま」など、また「三ッ星に行った!」記録として神戸の「カ・セント」を挙げておきました。
各国料理は今回悩んだ末にランクインさせられませんでしたが、東京は世界各地の料理がほぼ全て食べられる「食の都」。2017年はこれまで以上に国別料理店の開拓に力を入れて、世界の食文化を学んでいきたいと思っています。