2回
2017/08 訪問
グレードアップするほど高コスパ
八寸(鱧の南蛮漬、鱧の小袖寿司、山桃のゼリー寄せ、ズッキーニともち麩の胡麻和え、稚鮎の甘露煮、新蓮根の青きな粉まぶし、丸十のレモンシロップ煮、新生姜の鼈甲煮、赤ずいきの黄身酢かけと枝豆)
お椀(鱧と鱧の子の真丈、鱧、松茸、糸そうめん)
きゅうりとセロリと蒸しアワビの肝酢和え
お造り(鯛、鮪、しめさば、鱧、鱧の焼霜、海老、剣先いか、ホタテ炙り)
汲み上げ湯葉とウニのお造り
モロヘイヤと白ばい貝の土佐酢ゼリーかけ、やまぶきの当座煮、イサキの蓼味噌焼き、万願寺唐辛子の土佐焼き
薄いえんどう豆ととうもろこしの豆腐、金針菜とじゅんさい添え
ぐじの酒蒸し、冬瓜・小芋・くだごぼう・白ずいき・きぬさや添え
鱧の炊き込みご飯
鱧の炊き込みご飯、漬物、あさりの味噌汁
酒粕とイチジクのアイスクリームとパイナップルのゼリーほか
鯛の炊き込みご飯のおみや
2017/08/20 更新
2017/04 訪問
「みこころや」を凌ぐ高コスパ和食店が京都にあった!
桜開花の遅れで記録更新的過去最悪の花見上洛となった今回、食べ歩きは“ハレより萎え”という感じながら、“数多の可店より1軒の優店”だった感じ。そんな中で今回、丸太町通りを烏丸通から西へなどと、祇園や河原町・四条通り沿いといった“レストラン銀座”から外れた立地の「京料理かじ」を、フォロワーさんのレビューから見つけました。
当日電話すると、20:30過ぎに一人カウンターならということで定刻に来店。前の客が遅れていて30分近く待たされたけど、3段階あるコースのうち、初手は最安の「雪コース」で注文。他にも、すっぽん、ふぐ、ぶり、鱧、松茸などの季節限定コースもあります。
先付は可もなく不可もなく。椀物は、豆乳豆腐とエリンギ等の薄餡掛け。まだまだ寒い洛中だけに、餡かけは(冷えた4月の京都なので)温まり好感度上がります。お造りは、雲子ポン酢、鱧焼霜、よこわ、汲み上げ湯葉、などなど。この値段でここまで出すとは!と思いながら、もう鱧?と思ったりも。季節限定「鱧しゃぶ」コースは5月からやっているので、もう鱧を揃えているのかも。冷凍かな?www 焼物は、鰤の山椒焼きと聖護院大根。タレがちょっと味濃いかも。
箸休め(謎笑)として、蓬豆腐と菜の花。季節感あって良い感じ。炊き合わせは、写真だと質朴な感じながら、筍・ふき・金時人参・椎茸・里芋・胡麻麩のオランダ煮。オランダ煮の由来を説明されたけど、忘れてしまいました。飯物は、単なる白飯に赤出汁と漬物。最安コースだから仕方ないですね。上のコースだと、土鍋炊き込みご飯になります。デザートが、黒豆アイスクリーム、イチゴとイチゴのムース、リンゴの泡、紫豆と、会席にしては多い。料理が良くてもデザートがショボいと店の採点が厳しくなる某マイミク嬢向きですねwww
ここまでだと、ちょっと質素な感を免れませんが、これで税サ込【3900円】と聞くと、都内随一の高コスパ和食店「みこころや」の昔の3500円コース(今は4500円)に遜色ない内容に驚かされます。どうやら店舗が店主の持家みたいで、家賃不要だかららしい。とはいえ、店員はかなり多く、人件費はどうまかなっているんだ?というと「鳥茂」もですね。あの店員数で潤沢な福利厚生、時々店の経営が心配になります。
ちなみにこの店、通常コースは税サ込で、「雪」3900円・「月」6000円・「花」8100円の三段階。次回上洛の際には夏の鱧の季節でもあり、是非8100円を試してみたい。で日を改めて鱧しゃぶコースも試してきたい。嗚呼、こういう高コスパな店が都内にあらまほしきものよ!と無いものねだりを心で思いながら、店を後にしました。
ちなみに、退店の時に見送りに出てきた店主、1995年8月、「料理の鉄人」で「和の鉄人」道場六三郎氏と戦ったそうです。温厚な感じの好好爺でした。
八寸いろいろ
豆乳豆腐とエリンギ等の薄餡かけのお椀
お造り(雲子ポン酢、鱧焼霜、よこわ、汲み上げ湯葉、など)
鰤の山椒焼きと聖護院大根
蓬豆腐に菜の花
たけのこ・ふき・金時人参・椎茸・里芋・ごま麩のオランダ煮の炊き合わせ
ごはん・漬物・味噌汁
黒豆アイスなど
2017/08/19 更新
4月に初来店してその高コスパに驚き、次回は最高額コース「花」を食べてみようと思っていました。幸い夏の上洛で予約が入りました。昼も夜も注文すれば同じコースを出してくれるので、来店スケジュールの調整で昼の来店ですが、内容的にはディナーです。
まずは八寸。店員が説明するのを急ぎメモりながら、次のお椀へ。鱧と鱧の子の真丈、鱧、松茸、糸そうめんと、選り抜きの食材の内容。大振りに切られた松茸にも、picturesque「絵になる」=今なら「インスタ映えする」鱧にも、目を楽しませてもらいました。続いては、きゅうりとセロリとアワビのアワビ肝酢和え。松茸にアワビ!とミーハー心がくすぐられます。さらにお造りは、鯛、鮪、しめさば、鱧、鱧の焼霜、海老、剣先イカ、ホタテ炙り。お造り一皿に8品も盛ってくれる店って初めてです。でもさらに、汲み上げ湯葉とウニの一皿が追加されてまたびっくり。
この辺りから、メニューのメモが付いていけないので店員に聞き返すようになり、店員が料理や仕込を続けながらメニューを何度も諳んじてくれるように。お蔭で、メニューを詳細に記録することができました。店員の接客については先行レビューでも意見が分かれていますが、筆者には親切で、これを機に雑談もかわすようになり、京都のお薦めの店や観光地などを教えてもらいました。
焼物はイサキの蓼味噌焼きなど三品。一皿ごとに種類と量が多く、改めてこのコース金額(税込8100円)でこの内容というコスパの高さに驚かされます。口直しに、えんどう豆ととうもろこしの豆腐に金針菜とじゅんさい。続いてさらに、ぐじの酒蒸しが兜煮で出され、その優れた出汁を合わせて炊き合わせを食べられました。食事はさすがに炊き込みご飯。季節柄、鱧の炊き込みご飯ですが、一人客なのにたっぷり作ってくれ、余りはおみやにして持たせてくれました。このおみやもかなりの量があり、夕食はこれだけで満腹、食べに行く機会を逸してしまったほど。デザートには、酒粕といちじくのアイスクリームを選択。
東京で同価格帯の日本料理店や創作料理店は多いけど、料理内容的にもコスパとしてもこのコースに匹敵するほどの店はないでしょう。今後京都に行く時には来店不可欠の店となりました。