assyassyさんのマイ★ベストレストラン 2009

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食咗飯未呀?香港では挨拶代わりに「ご飯食べた?」と声を掛けます。

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assyassy (男性・埼玉県) 認証済

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

マイ★ベストレストラン

1位

割烹 やました (京都市役所前、三条、三条京阪 / 海鮮、日本料理)

2回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 ¥5,000~¥5,999

2017/08訪問 2017/09/12

久しぶりのやました、やっぱりここが好き

京都で一番好きな店。
久しぶりでした。まずは大将にご挨拶とご無沙汰のお詫びを、、。
病欠しておりましたと。

遅ればせながらの鱧の焼き霜づくり。
落しよりこちらの方が好き。カンテキで皮だけ炙ってもらって。
めいたカレイは薄造りで、骨皮は揚げ煎餅にしてくれますよ。

京都に帰省したら1回は行きたい店です。

2013年再訪
京都に帰省、東京から同僚を迎えて久しぶりに焼き鱧、鱧しゃぶ+初物の松茸を
堪能いたしました。美味しかった。やましたの大将、ごちそうさまでした。


2011.10再訪
三連休前に関西支社への出張を半ば強引にセット。
堂島での仕事を終えて、新快速に飛び乗りいそいそと向かったその先は、
もちろんやましたさん。

大将はじめずらりと並んだ板さんたち、懐かしい面々です。
なんと大きな水槽の中ではクエや大きな鯛、
まだまだ美味しそうな鱧も元気に泳ぎ回って出迎えてくれました。

大将にお勧めをたずねると、虎のいいのが入っているとのこと。
早速、てっさにしていただきました。今シーズンお初でした。
はやる心を押さえきれず、写真を撮り忘れてしまいました。

大将に生け簀のクエを指差して、旨そうな奴泳いでいますねと、
水を向けると、切身があるから煮物が美味しいとのレコメンド。
いただきました。鋭い骨の間にある弾力のあるプリプリの身の美味しいこと。
クエという魚は本当にうまいです。

目の前には松茸の篭があってチラチラ目線。
大将に何が美味しいかたずねたら、天婦羅もいいと仰るので、
おねがいしました。焼きや土瓶蒸しも素敵ですが、
天婦羅もサクサク感とほわんとかもす松茸の香りが堪らないです。

閉めには若狭の鯖寿司とお椀を作ってもらい、いただきました。
店を出るときは、何時ものように大将自ら通りまで出て見送っていただきました。
京都に帰ってくるとまずやましたの料理が食べたくなる。
これって、郷愁ですね。


2011.7再訪
大阪で仕事を終えて京都へ、もう9時も回っていたので、もしかしたら山下もピークを過ぎて
空いているかもと淡い期待を込めて電話をしてみました。
ラッキーなことに1席あるとのこと。急ぎ足で駆け付けました。
いつもながら、大将始め笑顔で迎えていただき、心地よいですね。
鱧は前回いただいていたので、お勧めをうかがうとトリ貝の良いのと、鱸の良いものが入っている
ということで、両方いただくことに。トリ貝はお刺身で、、。スズキは洗いでいただくことに。

新鮮で肉厚のトリ貝に舌鼓を打つことしきりです。
鱸の洗い、これも三杯酢でいただきましたが美味しいのなんの。(写真撮り忘れ)
隣の御仁が頼んだ賀茂茄子の味噌田楽が美味しそうだったので、それも所望。
赤味噌と白味噌の2トーンでやってきました。これも美味しいです。梅錦がすすみます。

ここで大将に何か美味しいものをとお願いしたら、サザエのガーリック炒めを作ってくれました。
新鮮なサザエ丸ごと1個使った豪快なもの。割烹なのに大将の技はイタリア料理人も
青ざめるほどの腕前です。いやー、今晩もごちそうさまでした。
これだからやました通いは止められません。

2011.6再訪
鱧の季節です。この日のやましたは鱧をいただくのがコンセプト。
昨年暮れ、東京に移ってからは初めての訪問。6カ月のブランクがあるのに暖かく迎えていただきました。

なんといっても鱧の焼き霜、これを食べないと京都の夏はやってきません。
いつもながらカンテキで皮目だけを炙ってミョウガと生姜と二杯酢でいただきます。
う~ん、たまりません。

そして鱧しゃぶ、実は鱧料理の中では一番美味しいと思っている料理です。
鱧の出汁に淡路の玉葱の甘みが重層してこの出汁をすするだけでなんという贅沢なんでしょう。
さすがやましたの料理は小生の生涯の割烹と位置付けただけのことはありました。
もちろん最後の雑炊が美味しいのなんの。

お刺身は大将お勧めの平らぎ貝をいただきました。何と貝丸ごと一個、
平らぎ貝の船に乗ってやってきました。帆立と違い独特の食感が楽しめます。
こういう豪放磊落なところがやましたの醍醐味なんですね。

また来月、祇園祭の頃に行けたらいいなあ。いつもいつもごちそう様です。


2010.12.23(木)は永観堂の叔母を伴ってお昼ご飯頂きました。
お昼は初めてでしたが、美味しいお刺身と鴨ロース、鰆の西京焼き、炊き合わせ
素晴らしい蜆の赤だし、ご飯とデザートをいただきました。

2010.12.25(土)は従姉妹と、今年最後のやましたです。
オコゼの刺身、身も美味しいですが、肝もまた美味いのなんの。久しぶりのオコゼ丸ごといただきました。
おなじみかぶら蒸しもこの店の大定番。
それからアワビの丸ごとバター焼き、バルサミコソースの香りがたまりません。
ふぐ白子のニンニク風味醤油焼き、表面香ばしくカリっと、中はトロトロトロ~リ。
もうこの世のものとは思えないほどの美味しさ。(完全に誇大表現制に引っ掛かりそうです)
鯖寿司、欠かせない美味しい一品。いつもいただくまでは帰りません。

2010.12.11(土)+2010.12.17(金)再訪
またもや東京より客人を迎えて。東京から客人が来るとなると同席しようがしまいが、
この店を紹介して文句を言われたためしがない。一様に感激し、リピーターとなってくれる。

11日はカワハギの刺し身、モロコ焼き、子が入って美味くなってきていました。
こしびの焼き霜、大根おろしをまいていただくおいしさといったら、、。

馬刺しもここならではのまるでボタンの花のような美しさでいただけるのが好いです。
それから定番の蕪蒸し、これだけでも酒がすすんでしまいます。
もちろん自家製の鯖寿司も美味いんだなあ。
大将の国の酒、手取川もいけるんです。
この日はやました仲間のともちゃんにも会いました。

17日、この日は仕事を終えてから接待、大きなオスの蟹を一杯丸ごといただきました。
なんと言う豪勢なことか。足も、身も、爪も、味噌も、もう沈黙です。
最後は甲羅酒とも思ったのですが、あまりの大きさにお勧めにしたがって
甲羅ご飯をいただきました。身と味噌とご飯を甲羅に詰めて焼きおにぎりのように
焼き上げていただきました。なんと言う贅沢、なんと言う香ばしさ。
はぎの薄作りの頭の身をお吸い物にしてくれたのでそれを伴にいただきました。
手取川、梅錦、酒に合う料理の数々、堪能しました。

2010.8.13(金)+2010.8.16(月)再訪

13日の金曜は東京からの客を迎えて
16日の月曜は京大に勤めている従姉妹を伴って五山送り火の後に伺いました。
鱧の焼き霜、この店以外では食べたくないほど美味しいです。
以前バーナーであぶって出した店がありましたが、論外です。

鱧饅頭と松茸のお椀、天にも昇る心地です。

美山の天然鮎の塩焼き、背越しにしてもおいしかったかも。
そして菜っ葉の炊いたのも絶品。いやはや、

13日の金曜はコシビの焼き霜もいただきましたし、
鱧しゃぶも、、。いつもながら感服です。

2010.06
夏の鱧をいだきに久しぶりにやましたに伺いました。
東京から客を迎えて奈良を散策した後、7時に再集合。

相変わらず最初にいただく突き出しの美味しいこと。
仲間を待ちながらこれだけでビール2杯お代わりをしてしまいました。

そして料理に。鱧の焼き霜、大将の包丁捌きを見るだけでも
期待感が脹らみます。そして皮目だけをさっと炙っていただき、
生姜と二杯酢でいただく鱧のほんのりと甘く、ふくよかな香りを堪能していると、
鱧って本当に魚辺に豊なんだなあと実感がわいてきます。

そして贅沢にも鱧しゃぶにも挑戦。
これはこれでなんとも良いお出汁が出て、美味さが口いっぱい広がります。

白随喜の炊いたのも歯ざわりと良い味わいといい、
こんな美味しい随喜はめったにいただけるものではあのません。

青海苔をまぶした小芋も、いつもながら絶品。

そして、桜海老の掻き揚げ、香りといい味わいといい、サクッ・しっとりとした
揚げ加減といい文句なしです。これで天茶をいただいたら、という誰かの発言に
強く共感した小生でした。

次は五山送り火の日を予約して、ほろ酔い気分で店を後にし、
寺町二条のお洒落なバーカルバドールにお邪魔しました。

【以前のレビュー】

09/11再訪
会社の同僚で美人マーケッターのTYさんとご一緒しました。彼女とは二度目
同じ京都在住なので、シーズンごとにあちこちで美味しいものいただくことにしています。。

やましたはもう秋の味覚から冬から春の味覚へと様変わりしていました。

今回いただいたのは
◆河豚のてっさ
美しい小振りの皿に透き通るような河豚の薄造り、そして真ん中には身と
そして皮の下のプリプリしたところが、、紅葉卸とあさつきでいただきます。
川之江の美味しい酒「梅錦」が進みます。

◆のどぐろの塩焼き
半身のもの頭からバリバリかぶり付いて目玉までじゅるじゅるしてしまいました。
のどぐろって何故にこんなに美味しいんだろう。いや贅沢。

◆烏賊のてっぱい
シャキシャキしたうどの歯ざわり、ねっとりとした烏賊の食感、青葱の彩、
それらを爽快にまとめる酢味噌の味わい、しかも酒のすすむこと。

◆蕪蒸し
蕪の美味しさと優しさ、それをじっくりと味あわせてくれる葛の滑らかさ。
これぞ京都にあることの幸せ。

◆モロコのかんてき炙り
もうモロコがでていました。こちらのは琵琶湖産の天然物。養殖ではありません。
これを丁寧に網焼きして一つ一つ供していただきます。これは生姜と二杯酢で、、。
モロコを網の上で頭から逆立ちさせて焼く姿がユーモラスです。

◆鯖鮨
鯖が分厚くて、油がのって美味しいです。〆のご飯は絶対これに限ります。

◆筍のお吸い物
鯖鮨のお供にはやさしいお吸い物を、、。
今回は鹿児島産の初物筍(もう新物を掘っているそうです)
香りがいいですね。刺し身で食べたいくらい。

◆柿とキーウィー
柿は酔い覚ましにいいし、キーウィーはさっぱり。

やっぱり結局この店に帰ってくるんだな~。


09/09再訪

今回はこの店のご常連で美しい女性Tさんと店内で待ち合わせ。ワクワクです。

相変わらず活気が良いですね。
大将を中心にずらっと並んで威勢よく仕事をされている
板前さんたちの姿を見るだけで元気が出ます。そして生簀には
元気よく泳ぎ回る鱧をはじめとする魚たち、
そしてカウンターの上には岩牡蠣や松茸や蟹などがうず高く盛られています。
これを見るだけでさあ何を食べようかと心が高鳴ります。
もちろんメニューから選ぶことも出来ますし、
おまかせのコース料理だってあるのですが
、ここの醍醐味はなんと言っても目の前の板さんと差しの真剣勝負で、
素材と料理の仕方を決める瞬間です。

この夏はずいぶん鱧も食べたし、なんていっていると
「初物の河豚が入っていますよ」なんて
心のつぼをぐっと捕まえるようなレコメンドが飛んできます。
ご一緒させていただいたTさんに目配せするとOKのサインなので
それを「テッ刺」にしていただくことにしました。

きれいな皿に並べられた透き通った河豚の身のきれいなこと。
それを浅葱に巻いてもみじおろしのポン酢でいただきます。
季節を先取りした贅沢です。皮のプリプリとしたところも美味しくて、
河豚ってなんて美味しいんだろうと、毎年の事ながら感嘆することしきりです。

グラスでお願いしたビールがなくなろうかというタイミングを見計らうように
、Tさんが「シャブリ」をオーダーしてくれました。
割烹で白ワインなど小生にはまったく思いもよらない発想だけに、
少しびっくりするとともに、さすが大人の女性は違うなと感心してしまいました。
寿司屋に行っていきなりカシスオレンジくださいという
TPOもわきまえないション便臭い(失礼)ジャルたちとは違い、
そこは心得ておられます。その前に岩牡蠣の炙りも頼んでいたので、
オイスターワインがいいにきまっています。

その岩牡蠣も磯の香りをたっぷりと発散させていて、ミルキーで美味しいんです。
シャブリを一口、岩牡蠣をフムフム、もうたまりません。
ちょっと前に舞鶴で岩牡蠣丼を食べ損ねていたので、
舞鶴の敵はやましたではたしてやりました。

「ちっと大ぶりですが、車海老の良いのが入っているんですが、、。」
もちろん相手にとって不足はありません。お造りでいただきました。
車えびは大きすぎると味が落ちるといわれますが、ぜんぜん。
身がプクプクしてやがて甘ねっとりしてそれは美味しいです。
「頭はどうします」と聞かれてすかさずTさん
「素揚げにしてフレッシュトマトソースでいただきます」。
むこれですよ、食を楽しむ心意気というのは。いや、
ひとつで二度美味しいというのはこのことです。
割烹でイタリアンテイストを味わう、こんなリクエストに応えてくれるのもやましたならではです。

カウンターの真ん中に松茸があって、それが気になっていたので、
Tさんに「土瓶蒸しにする」とたずねたら、焼がよいとおっしゃるので松茸焼をお願いしました。
そうですよね、王道を行かなくちゃあ。
それにしても今年は早々と唐橋に続いて松茸の当たり年です。
炭火で焼く松茸は香りが良いですね。

たまらず梅錦をいただき、松茸の香りの余韻を芳醇なお酒の香りに重ねて楽しみました。
良くぞ日本に生まれけりですね。
小生、仏蘭西帰りになって詠嘆の辞を唸るの巻きになってしまいました。

〆はいつもの鯖寿司。しっとりと美味しいのですよ、やましたの鯖寿司。
またしても大満足の夕餉でした。


  • 生ビール
  • お通し
  • 鱧の焼き霜

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2位

コムシコムサ (東山、三条京阪、三条 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2009/03訪問 2015/05/11

何と気持のいいレストランなのでしょう。

2011年10月
今回も何度となく予約を試みるもなかなかいいタイミングで取れず、
やっと関西出張につなげた3連休の土曜日に予約ができました。
今回のディナーの写真を最後のほうにアップしました。
いつも驚きの連続ですが、今回はリドボー(胸腺)と黒イチジクに感動しました。
そしてマダムが一段と美しく、サービスに磨きがかかっていました。
また必ず美味しいお料理を頂に伺います。

2009年11月
その間何度か予約を試みたのですが、なかなかタイミングが合いませんでした。
ほぼ1ヶ月前に予約をしてようやく、人気のほどが伺えます。今回はテーブル席を用意していただきました。
前菜はアボガドと海老とマスカルポーネとフルーツトマトのカプレーゼ風。香りといい味わいといい最初から喝采。

パンは全粒粉を使った香りの高いもの。ソースにはオリーブとアンチョビを混ぜ合わせたものが供され、
この組み合わせの良さに驚いてしまいました。

次の前菜は鮪と蛸と文旦のカルパッチョ、春菊の緑色したソースが何と爽やかなこと。まるでイタリア料理のようです。

驚いたのはスープ代わりに供されたハマグリの茶碗蒸し仕立て。フランス料理であって和のセンスを生かすとは驚きです。
しかも蛤の食感も楽しめるようソースには剥き身も添えられていて春の風味を満喫しました。

それからフォアグラのソテー、ホワイトアスパラ添え。フォアグラはパリッと、
そしてその濃厚な旨味とふんわりとした食感を引き立たせるシャキシャキとしたホワイトアスパラの食感と
ほろ苦い風味のマッチングの素敵なこと。

メインは鹿児島産の黒毛和牛のステーキかラムの鞍下肉のソテーか鴨のソテーの3種類の中から
選べるようになっていました。ラムと鴨を頂いてシェアしました。ラムは言うまでも無く癖が無く
とても美味しいです。鴨も風味がよくてとても満足のいくものです。ちょっと奮発してお願いしたボルドーのワインが進みます。

その後はチーズの盛り合わせ。6種類のチーズのバラエティーを堪能しました。

最後にマダムが気を利かせてくれて、甘いものダメならご飯はいかがですかと勧めてくれたのが、
何とフカヒレのおじや。もう完全にノックアウト状態の美味しさでした。

アイスクリームにたっぷりリキュールの効いたデザートを相方は楽しんでいます。
そこへマダムからそっとマールが差し入れられました。「手持ち無沙汰でしょうから」という言葉を添えて、、。
なんと言うホスピタリティの高さ。この店ほど料理のクォリティをつかさどるシェフの腕前と
ギャルソンを務めるマダムのホスピタリティとが両輪となって客を満足の世界へと
引っ張って行ってくれるところはないと思います。

お勘定を済ませ、店の前でタクシーに乗る際も走り去るまで見送っていただきました。
実に素晴らしい。


2008年4月
わずか10席のこじんまりとしたフレンチのお店。東山二条の交差点から少し西に入ったところにひっそりとその店はあります。
シェフとマダムと修行中の調理師さんの三人で切り盛りされています。
京都にこんなに美味しくて良心的なフレンチの店があったのかと少々驚いてしまいました。
ディナーのコースが5250円~6300円となっていたので、それほど期待はしないでおこうとおもっていたのですが、
供された料理の質・量共に素晴らしくて、シェフとマダムの志の高さをひしひしと感じさせられました。

前日に予約をしたのでカウンターでもよいですかといわれて、いちもにもなく承諾。
幸いキャンセルが出たとかで滑り込みセーフでした。

基本的にディナーはお勧めのコースでいくつかチョイスができるようになっています。
喉が渇いていたので生ビールで喉を潤しているとお通しのような形でチーズ味のシューがやってきました。
丸いたこ焼きほどの大きさのふわふわした焼き菓子で、おつまみには最高です。

次なる前菜はノルウェー産のサーモンマリネで海老のディップを巻いたもの、
爽やかな香りとまろやかな舌触りで最初から降参。相棒が頼んだ蛍烏賊とクスクスのサラダ仕立ても見るからにおいしそう。
やってきましたフォアグラ、実はこの一品で実力を測ろうという魂胆でしたが、見事やられてしまいました。
表面はパリッとていて、中はトロトロまるでたこ焼きを評するような表現ですが、フォアグラはこれに尽きます。
生臭さもなくクリーミーで筍のソテーとの相性も抜群でした。

帆立貝・筍・蚕豆のガレットのスープ仕立て、初夏の香りですね。素材の味のハーモニーが響き渡っています。

最後のメインは子羊のロースト。これも臭みなど微塵もなく、美味しい肉汁をたたえてワインが進みます。
そのワインはChateau Les Gravesの赤。シャトーもので4100円はお得ですよね。
相棒のフランス産うずらのソテーも香りがよくて美味そうです。つい見比べてしまいます。

これにお茶付けかチーズがチョイスでき、最後にデザートとコーヒーが供されます。
(おっと、お茶漬けというのも憎いですね。日本人の心理を捕らえています)
小生甘いものが苦手と言うと、デザートの代わりにチーズの種類を増やしてくれるなど
臨機応変のサービスもうれしいところでした。

すっかりこの店の虜になってしまい、久しぶりにフレンチもいいなと思ったディナーでした。ご馳走様です。

  • 蟹肉のズッキーニ巻き
  • 外観
  • チーズ味のシュー

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3位

祇園 川上 (祇園四条、京都河原町、三条京阪 / 日本料理、弁当)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 -

2009/07訪問 2009/07/29

実るほど頭をたれる稲穂かな 感服しました

その昔、駆け出しのコピーライターだった頃、東京コピーライターズクラブの殿堂入りをされたK先生(今はもうたぶんお亡くなりになっているはず)にずいぶんお世話になりました。その後数十年を経てすっかり老境に入られたK先生が瓢瓢と六本木や銀座の通りを歩いている姿を見て、心の中で手を合わせたものでした。

この店の御主人の松井新七さんも80歳を過ぎてなお現役でがんばられておられる料理人で、その姿を祇園の小路で見かけると、若い料理人たちは後姿に心の中で手を合わせるそうです。

なんかそんな気にさせるカリスマ性と親しみのある料理人にやっとお会いすることが出来ました。

その日はあいにくカウンターの予約が取れず、二階の座敷でお料理を頂くことになったのですが、帰り間際にわざわざ店先まで出てきていただき深々と頭を下げてお礼の言葉を述べていただきました。その姿を見て、この人にはもっともっと長い間包丁が握れますようにと、心底祈りに似た呟きを発してしまいました。

他の方のレビューを読んでいるとあのアップルの創業者スティーヴ・ジョブスまでこの店のご主人のファンだなんてすごいですね。

頂いたのは15000円のコース。

◆ 胡麻豆腐、淡い香りの食べやすいお豆腐で、スタートとしては実に風雅な一品です。

◆ 八寸(鏑漬けをすり下ろした物、小鮎、お薩のキントン、枝豆、ごりの佃煮、苔桃)特に鏑漬けをすり下ろしたものには、そのセンスのよさと着眼点に感動すら覚えてしまいました。

◆ お造り 鱧の落としと鯛のお刺身 鱧の落としは本当に素晴らしい骨切りで花が咲いたみたい。それに梅肉のソースのおいしいこと。鯛の刺身もこれまで食べた中の最高のものに匹敵する見事なものでした。

◆ アマダイと冬瓜の炊き合わせ 焼いても蒸してもおいしいアマダイを煮物で頂くのは初めてでした。アマダイの味って人を幸せにする魔力を持っています。しかもアマダイの繊細な味を殺さない程度のしっかりとした味付けは感服してしまいました。そして冬瓜のさっぱりとして味わいがさらにアマダイの美味しさを引き立てていました。

◆ お椀 白味噌のお椀に薄い白蒟蒻状のものが浮いています。一口啜ると良い香りと素晴らしい出汁の味わいが広がります。なんだろうと思いたずねて見ると鯨という答えが返ってきました。鯨の上質な脂身でしょうか。ツルツル、プルプルしていて、しかも上品な食感がたまりませんでした。

◆ 鱧の焼き物 これは落しと違って香ばしく焼き上げられた豪快な味わいの一品です。頂いた辛口のキンシ正宗との相性も抜群です。

◆ 賀茂茄子の紅白田楽 大きな賀茂茄子に西京味噌と八丁味噌で巴様に設えた田楽です。その素朴な美味しさがたまらなく懐かしさを誘います。大きな安心感というか、料理を食べていてこんな感想を抱かせるのはさすがです。

◆ 蛸の柔らか煮 これも大いなる安心感と郷愁を味合わせてくれる一皿です。奇をてらわず、普通の美味しさをとことん追及したらこうなったのだなあという深い満足感につつまれます。

◆ 麦飯めし この店の名物なのだそうです。麦ご飯を薄い玉子焼きで巻いてその上に海苔と大根おろしと木の芽が添えてあり、お出汁が掛けられています。そのうまいことといったら驚かされます。結構お腹が一杯だったにもかかわらず、ペロリと頂いてしまい、自分の胃袋がびっくりしていました。

◆ 茗荷の炊き込みご飯 ご飯は麦飯めしだけと思っていたら、さらに茗荷の炊き込みご飯が軽くよそわれてやって来ました。これも香りがよくて、もう無理と根を上げている満腹感をよそに入ってしまうから不思議です。それに付き合わせの香の物がまた美味しくて罪作りです。

◆ フルーツトマトの水菓子 最後まで驚かせてくれますよね。ここでメロンとかじゃないのがセンスの良いところです。さっぱりとした甘酸っぱさがおいしさの大群でいささか混乱しかけている味覚をピリッと引き締めて、まとめ上げてくれました。拍手です。
  
ご主人、松井新七さんのますますのご健勝を祈りつつ、ご馳走様でした。

  • 路地より.JPG
  • 床の間.JPG
  • 掛け軸.JPG

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4位

八起庵 丸太町本店 (神宮丸太町、京都市役所前、三条京阪 / 鳥料理、すき焼き、日本料理)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 3.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2008/12訪問 2008/12/29

鶏割烹に舌鼓を打ち鳴らした夜

丸太町川端の交差点にある八起庵へ年末最後のご馳走をいただきに行ってまいりました。この店は時々小生の朝のジョギングコースに含まれているので、前から気になっていた店です。京都は元々鶏文化が盛んな土地柄で西陣にはかの有名な鳥岩楼という銘店もありますが、小生はこちらの店の鶏の方が美味しくいただけました。

この店で扱っている鶏は滋賀県の養鶏所で平飼煮て育てられた地鶏や軍鶏が使われていて、肉の旨味も香りも最上です。正直これで焼き鳥が食べられたらと割烹に失礼な感想まで持ってしまったほどでした。

外観やインテリアは風格のある鳥岩楼と比べるべくはないですが、落ち着いた雰囲気で迎えてくれます。看板は八起庵(七転び八起き) に由来して、大きな墨絵の達磨が使われています。通されたのはカウンターの席で、板前さんが一品一品調理して(厨房から供されるものもあります)出してくれます。丁寧な説明やお話も分かりやすくて、ただ美味しいものを頂くより付加価値が倍増するような気がします。

席に着くと最初に鶏の濃厚なスープが供されます。ほんのりと生姜の香りがするトロみのある熱いスープが五臓六腑に沁み渡るような感じです。臭みや雑味の全く感じられない鶏の旨味をすべて凝縮したような深い味わいに陶酔してしまいました。

一息ついてビールをいただきながら待っていると、今度はお通しが2品供されます。ひとつは菜っ葉との炊き合わせで、もうひとつは酢の物でした。薄くそいだ鶏肉と野菜の炊き合わせのシンプルな美味しさと、少しレアな笹身を酢の物にした清涼感にはじめから期待感全開になってしまいました。

続いて出てきた品々
○ 鶏の酒蒸し
これまた薄く削ぎ切りにした鶏肉をゆっくりと時間を賭けて酒蒸し煮したもので、肉の縮れも無くふんわりとしていて、旨味も閉じ込めてあります。これを少し厚めにスライスして水に晒した玉葱を巻いて特製のポン酢で頂きます。玉葱の辛さ、シャキシャキとした食感が鶏の旨味を見事に引き出した一品です。家で出来るかどうか分かりませんが棒棒鶏の胡瓜の代わりに玉葱もいいかもと考えさせられました。
○ 肝刺し
白レバをさっと湯通しして供されます。湯通ししなくても小生は好きですが、割烹の流儀なのでしょうね。ねっとりと甘くてほろ苦い、そして美味しい。
○ 鶏刺し
笹身、砂肝、腿の3種。笹身は柔らかく、腿は野趣たっぷり、砂肝はコリコリ、どれも臭みは無く、こんな鶏刺しなら毎日でも食べたくなると思わせるものでした。
○ 鶏の山椒焼
ピリッと山椒をまとってこんがり焼かれた鶏肉を九条葱にまぶして供されます。香ばしい香りと鶏の旨味、九条葱の辛味と香りが絶妙な調和を奏でています。山盛りの九条葱に移った鳥に美味しさに酔いしれ、葱をつまみに酒が進みます。
○ 鶏ひき肉のパン詰め揚げ浸し
鶏挽肉をパンに挟んであげたものをスープに浮かべてあります。なんだか分からずに困惑していると板前さんが教えてくれました。オニオングラタンスープを10倍くらい美味しくしたような美味な料理です。
○ つくね揚げ
つくね団子を揚げたもの、笹身のすり身をシュウマイの皮に包んで揚げたもの、どちらもジューシーで香りもゴージャスです。
○ 茶碗蒸し
鳥のスープと卵以外に何も使わないというシンプルな茶碗蒸しですが、こいつのめっぽう滑らかで美味しいことと言ったら、比類無しです。
○ 手羽中の焼き物
皮目パリッ。身はほんわか。これこそこの店の素材のよさが本領を発揮しています。
○ 鴨難うどん
ちょっと濃い目の鴨汁に柔らかい鴨と九条葱が沈んでいます。柔らかい細めの京うどんをすすりながら噛みしめる鴨の美味しいことといったら、なんと言う贅沢でしょうか。
○ 黄な粉のシャーベット
口直しには黄な粉だけを使ったシャーベットが供されました。黄な粉のほんのりとしたやさしい香りと甘味が美味しい緊張を解きほぐしてくれます。

鶏を味わい、鶏に酔い、鶏に見せられた素敵な店でした。

  • 突き出し.JPG
  • お通し酢の物.JPG
  • 鶏スープ.JPG

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5位

老香港酒家京都 (四条(京都市営)、烏丸、烏丸御池 / 中華料理、飲茶・点心)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.0
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.0
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 ¥4,000~¥4,999

2009/11訪問 2009/11/02

ディナーコースを頂きました。もちろん飲茶も素敵です。

美味しかった広東海鮮料理のレストランに再訪しました。
今回は叔母の快気祝いもこめて、3度目の訪問でした。

このレストランは以前の経営者による放漫経営が元で一度は倒産の危機に見舞われましたが、
ここ京都店と神戸三宮店のみ京セラの出資によって営業が続けられています。
本場香港の海鮮料理がいただける貴重な存在で、それだけに中華料理店にもかかわらず、
時価(Market Price)という表記がメニュー随所に見られるなど、本気度の高さがうかがえます。

頂いたのは8400円のコース

◆鮑と広東風冷菜の盛り合わせ
アワビ、クラゲ、豚のスペアリブ、牛肉のロースト、鶏肉の冷製など、、。

◆車えびのガーリックソース蒸し
有頭の海老を縦割りにして蒸し上げ、ガーリックを利かしたたれを付けたもの。
身は新鮮なのでするっとはがれます。
頭はしゃぶりつくと味噌の風味が比呂かって美味しいです。

◆海鮮とふかひれのスープ竹筒入れ
金華ハムの美味しさが十二分に味わえる上湯(シャンタン)スープに
フカヒレをはじめとする海鮮の具が浮かんだ贅沢なスープです。
とろみの中に感じるプルッとしたフカヒレの食感や烏賊などの歯ざわりが楽しい一品です。

◆季節野菜と海鮮の炒め
帆立の貝柱、烏賊の花飾り切、海老などを野菜とさっぱりとした塩味で仕立てた一品。

◆北京ダック
久しぶりの北京ダック、パリパリに焼かれたアヒルの皮と白髪葱や胡瓜を甜麺醤を付けた
薄餅(バオビン)につつんで食べる料理。モチモチ感とパリパリ感のせめぎあいです。

◆蟹のブラックビーンソース
これはシェフの強いお勧めで、大きな鯛の半身姿蒸しにしていただきました。
魚を清蒸しにし、葱や香草をかけて上からチリチリに熱したピーナッツ油をジュッとかけ、
醤油ベースのソースをかけたもの。頭から穿り回していただきました。
ほんとうはこの蒸し汁をご飯の上にかけた猫まんまがたまらなく美味しいのですが、
今回は我慢をしました。

◆雪菜と豚肉の煮込みビーフン
雪菜は高菜のような漬物で、中国では調味料としてもよく使われます。
ちょっと濃い味ですが、美味しいです

◆カスタードまんじゅう
いわゆるエッグタルトです。小生がひとつだけ残しているとお土産につつんでくれました。
翌日開いてみると2つ揃っていました。こういう気遣いがうれしいです。

◆冷たいデザート
マンゴプリン、ちょっと甘めでしたが頂きました。
上品でさっぱりした後味はコース料理の総仕上げとして
料理の余韻を静かにまとめ上げてくれるものでした。

余談ですが、料理の共に頂いた紹興酒も実に香り高いもので下が、あまり見ない銘柄でした。

何はともあれ、こういう正統的な店がきちんと存続できる経済環境が戻ってくることを、
切に願いたいものです。

■以前のレビュー
9/9再訪、実は1週間前にもランチで冷麺をいただきました。
マイレビュアーのゴンガンヂン氏のレビューにそそられて行って以来、この店の料理にちょっとはまってしまっています。
先週いただいたエスニック風味の冷麺も相当美味しくて、給仕していただいた人に来週は飲茶コースをいただきますと約束をしてしまいました。
飲茶にしたのは、本場香港の飲茶スタイルと同じだから。厳密には一律料金食べ放題というのがちょっと違いますが、ワゴンから好きな料理をチョイスできるのが楽しいです。むかし東京銀座にある陶陶居で同じように飲茶をいただいたことがあったのですが、ワゴンサービスではありませんでした。今はどうか知りませんが、、。
つい先走ってしまい幾皿か写真を取り忘れてしまったのが悔やまれますが、どの皿も見た目も味もとてもすばらしいと思います。
本日の特製スープ★★★
ピータン★★★★
くらげ★★★★
豚の皮付きロースト★★★★★
海老韮餃子★★★★
蟹肉入り餃子★★★★
鶏のつま先の蒸し物★★★★
青菜炒め(チェンサイ)★★★
大根餅★★★★
海老韮饅頭★★★★★
かぼちゃ饅頭★★
春巻き★★
エッグタルト★★★★(上海の避風塘と同じ味)
蓮の葉蒸しご飯★★★★
お粥★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
ビール★★★★★★★★(店にはあまり関係ないけれど、昼ビールは堪えられません)
アロエのデザート★★★
プーアール茶★★★★★

マイレビュアーのゴンガンヂン氏のレビューを参考にたまたま四条烏丸に居たものですから、入ってみました。基本的に香港料理屋さんですから、海鮮が売り物らしく、ゴンガンヂン氏のレビューにも書かれていた通り、メニューを見るとMarket Price(時価)のオンパレードで、魚だけにギョッとします。しかしこれは考えてみれば当たり前で、魚の大きさや
漁獲高に大いに左右されるので、むしろ正直というほうが当たっていると思います。香港は西貢(サイクーン)の海鮮レストランでも事情は同じでした。「ハタの清蒸しはいくら?」
「う~ん高いな、それでは鯔にしようか」とかやってましたから。
で頂いたのは、やはりプライスの分かっているもの、何せ二人でしたから大きな魚が出てきても困るので無難な選択になってしまいました。一皿目は「貝柱と豆腐の蒸し物」貝柱は生から少し熱が入った程度。とても大降りで美味しいものでした。すでに素材にこだわる姿勢が感じられて、好感が増しました。豆腐との相性もよく、添えられた青梗菜も翡翠色に美しく仕上がっていました。二皿目は「青菜と蟹の餡かけ」さっと湯通しした莧(文字化け/草冠に見る)菜に蟹肉と卵白の餡を掛けたもの。明日葉の様な食感とほろ苦さが食欲を増してくれます。三皿目は「神戸牛のXO醤炒め」神戸牛の程好い歯ごたえのある肉とコクのあるソースがあいまってとても新鮮に感じられました。
牡蠣油よりマッチングはいいかもしれません。添えられたインゲンがこれまたしゃきしゃきとしていて、牛肉の食感を大いに助けていました。たまらず二人で紹興酒1本を空にしてしまいました。
最後に頂いたのが「カラスミの上湯(シャンタン)スープ掛けチャーハン」。蟹チャーハンにカラスミの薄切りを乗せたお茶碗と上湯を注いだ別の器がセットで供されます。最初チャーハンのみで、カラスミの芳醇な香りと味が、口いっぱいに広がって幸せのきわみです。そして次に上湯を掛けてお茶漬けのように頂きます。こいつの美味いことといったら、、。久しぶりに美味い香港を味わいました。

写真は料理モードのあるPENTAX Optio A30で撮影しています。

  • 貝柱と豆腐の蒸し物
  • 青菜と蟹の餡かけ
  • 神戸牛のXO醤炒め

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6位

手打ち蕎麦 かね井 (鞍馬口、北大路、今出川 / そば)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥3,000~¥3,999

2009/09訪問 2009/09/27

そばの味はもちろん接客の手本としたいホスピタリティ

9/26再訪
今回は夕方お邪魔しました。3時半から御近所の船岡温泉
http://popstyle.jp/kyoto/kind/sento/funaoka-onsen.html
に行ってのんびり露天風呂や打たせ湯やジェット湯に入って
それこそ愚だ愚だと過ごし、控え室で扇風機に当たりながら
夕方のかね井はどうかなと行って見たら、昼間の行列は嘘みたいで、

すっと入れて、観光情報誌片手の女子衆もいなくて、
いたのは渋い蕎麦好きのおっちゃんだけでした。
出汁巻きも快く引き受けてくださり、ゆっくりと冷おろし二種を堪能し、
お蕎麦もいただけました。
ゆっくりと寛ぎたいのであれば、黄昏時もまたよし。

9/13再訪
いつもながら11時40分に店の前に到着、そわそわと「今日はどのお蕎麦を頂こうか」思案しながら待つこの瞬間がなんともいえません。

個人的な意見ですが、かね井はおそらく京都の中では一番美味しい蕎麦を食べさせてくれる店だと思います。

特に今日のように夏の猛暑から解き放たれて、爽やかな風が店内を吹き抜けていくような日には最高のシチュエーションではないでしょうか。風を受けて優雅に揺れる生成り麻の暖簾、まだ夏の残り香を感じるような坪庭の景色、縁側に置かれた金魚鉢、そよぐ一陣の風がもたらす風鈴の音色、しかしテーブルの上にはりんどうの一輪挿しが秋の予感を先取りしています。

冷おろしの酒が蕎麦のプレリュードとして最高です。たいていお任せにすると間違いありません。お酒をまず2つお願いしました。一つ目は銘柄を失念しましたが、きりっとした辛口、二つ目は芳醇な香り立つこれも辛口の岡山の酒「酒一筋」、この組み合わせの絶妙なことに感心すること、しきりです。しかもこの組み合わせの後先が逆なら、それこそ台無しだったろうと思わせる組み合わせ方です。一つ目には粗塩と山葵の醤油漬けが、二つ目には茗荷と生姜の酢漬が供されます。酒飲みの気持ちをくすぐるツボをなんと心得ていることでしょう。

板わさをお願いした時点でもう、鮫肌と山葵が供されます。これも心憎い。
蕎麦豆腐は蕎麦の香りを凝縮したようなさっぱりとした一品で、胡麻豆腐より爽やかです。

そして本命の蕎麦、粗挽きはこの店の素晴らしい実力を実感させてくれるもので、最初に一口を粗塩で頂くときの感動はいつも変わらないものです。そしてこれもいつも変わらないクォリティで蕎麦を最大限楽しませてくれるツユ、美味しいです。

そしてもう一品、おろし蕎麦。粗挽きに比べて更科の細打ち蕎麦が上品で、こちらはおろしだけ。葱も山葵もなし。この潔さが素敵です。もう夢中になってしまいます。

いろいろなところで評判を聞き、いろいろにお蕎麦屋さんに今後も出かけたいと思いますが、やはりマイ・スタンダードはこの店をキープしておきたいです。

5/11
東京から友人を迎えて再訪しました。
教訓を生かして今回は11時10分に店の前に到着し、一番乗りでした。
一番奥の床の間の前に陣取りました。掛け軸には「この日ある愉しさ」という墨書が掛けられています。まさに我々のそのままの気持ちを代弁してくれています。
庭に目を転じると若葉が涼しい。まずは琵琶乃長寿を頼み、板わさと焼き味噌で粗挽き蕎麦が出てくるまでのプロローグです。きれいな片口に入れられた純米吟醸はするっと口に入り喉越しで正体を現す小生好みのお酒です。島根の酒「李白」に通じるものがあります。板わさには鮫肌を張ったおろしと山葵が丸まる一本供されます。なんと言う贅沢。
焼き味噌は葱と和えられていて、これも香り高くて酒のあてには最高。小生としては添えられた粗塩のみでも良かったのですが、、。
そして頃合もよく粗挽き蕎麦がやってきました。みんな感心しながら塩でちょっと、たれでちょこっとともたもたとしているので、業を煮やしてずずずずっと手繰っては食べ、手繰っては食べ、なんと言う香り高い蕎麦なんでしょうか。ぼそぼその喉越しもこれはこれで楽しい。つなぎ無しだから時間が経つともっと細切れになるよとみんなを叱咤激励し、ずずずずっの世界へ引きずり込みました。


  • 生成りの麻の暖簾
  • 坪庭
  • 金魚鉢

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7位

ながほり (玉造(大阪メトロ)、玉造(JR)、谷町六丁目 / 居酒屋、創作料理、日本料理)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 3.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥6,000~¥7,999 -

2009/03訪問 2011/05/03

志の高さがすべてに結実した素晴らしい居酒屋

立地、風情、インテリア、器、そして何よりも料理、サービス、
総合的にみてもこの店を「居酒屋」と称していいのか疑問は残りますが、
店主自らが居酒屋を標榜されているのですから、その視点で見てみました。

まずエピソードをひとつ、燗酒をお願いして待つことしばし、
大将がちょっと手の込んだ料理をこなしている際、
ほんの一呼吸湯煎から取り出すタイミングを逸してしまったらしく、
「申し訳ありません」の一言を添えて新しいお燗をつけ始めました。

実は先日もみなもという料理屋で頼んだノドグロ焼きが
なかなかでてこないなと思っていたら、
「すみません、ちょっと火を通しすぎまして、新しいものを今焼いています」
ということがあったばかりでした。
料理を失敗することがプロの技じゃないといえばそれまでですが、
満足のいかないものは客には出さないというプロ根性の発露ではないでしょうか。

さて始まりから遠回りしてしまいましたが、
昨日谷町四丁目にある大阪歴史博物館に用があって訪れた後、
時間が5時を過ぎていたので携帯で位置情報検索機能で
食べログ検索をすると真っ先に出てきたのがながほりでした。
ながほりは長堀にあるものと思っていたのですが移転されていたようです。
一度はうかがいたい店と思っていたので、
超ラッキーとばかり店の事情も知らずに予約もせず伺いました。
何と無謀なことかと後で分かりましたが、
土曜の早い時間と高をくくっていた小生がおろかでした。

引き戸を引いて中に入ると客はまだまばらで、「よしよしコレなら大丈夫」と踏んでいたら、
「御予約のお客さんですか」と聞かれました。
そうじゃない旨を伝えると、一瞬困った顔をされ、
「今晩はもう予約で満席なんです」という答。
あきらめかけて帰ろうとすると「補助椅子でもいいですか」と聞かれ、
小生1も2も無くOKと答えると、カウンターの中から
大きな切り株のようなスツールを出してくれました。
隅っこのせせこましい場所と覚悟したのですが、全然ゆったりとした席でした。
もっとゆとりをと席数を制限されているのでしょうね。
これも居酒屋以上のサービスだと思います。御迷惑をかけました。

ビールをお願いし、まずは鮪の造りと白和え、
それから鶏モモ肉の塩焼きをお願いしました。
ビールの器がきれいです。こんなところにも神経が行き届いています。

隣の若い客からの「タバコは吸えますか」という問いに対して
「全面禁煙にさせていただいています」の答え。
小生思わず膝を打ちそうになり、思いとどまりました。
どおりで女性同士の客も多いはずです。
美味しい料理にタバコは邪魔者でしかありません。

白和えの豆腐の香り、そこに混ざるそれぞれの食材を包み込む濃厚な旨味。
この一品を取ってみても居酒屋料理をはるかに凌駕していると思いました。

鮪、あえてトロではなく赤身をお願いしました。
下ろしたてのわさびと共にやってきた鮪は艶も良く、まさに見目麗しい赤身でした。
山葵と共にお醤油をちょっとつけていただくと、
香りが良く関西でこんなに美味しい鮪の赤身が食べられるのかと、感心してしまいました。

鶏モモ肉の塩焼き、皮はパリパリなのに焦げ目は無く狐色、
身のほうはというとジューシーで一体どういう焼き加減をすればこういうことになるのか
インタビューしたいほどでした。しかも塩加減をぎりぎりまで抑え、
鶏の本来の旨味を満喫できるようにしています。
これも居酒屋料理を超えた逸品でした。

お酒は錫の徳利できっちりと温度計を確認して供されます。
手抜きは一切なし。本当に良い燗のつかり具合です。

お酒が美味しいのでもうひと品、今度は季節野菜の山椒あんかけをいただきました。
これがまたまた絶品でした。
野菜のシャキシャキ感を損ねないぎりぎりのところまで火が通っていて、
野菜そのものの旨味を引き出すための最小の調理しか施されていません。
あんに絡んで山椒が引き立て役になって、野菜の美味しいことといったら。
特に葱はどういう種類を使っているのでしょう、関西では珍しい白葱ですが、
つんと来る苦味や辛さが全く無く、実に美味しい。
これを焼いて醤油をたらして食べたいものだと思ったほどでした。

この店を居酒屋とするのはもはやもったいない気がしますが、
やはり志の高さがこういう店を育てるのだなと感心しきりの居酒屋タイムを過ごしました。

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8位

炭焼創彩鳥家 人見 (三条京阪、三条、京都市役所前 / 焼き鳥)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥3,000~¥3,999 -

2009/06訪問 2009/06/01

気持ちがほぐれるほどホスピタリティの高い焼き鳥屋さん

二条通川端を少し西に入ったところの右側にある焼き鳥屋さん。
入り口が少し分かり辛いので要注意です。それから人気店なので予約はされたほうが
良いと思います。

人気の秘密は予約の電話を入れたときからもう分かりました。
非常に丁寧な応対をしていただきました。当日しかも夕方だったので5時半から7時25分
までの1時間55分の時間帯しか空きがありませんでした。
7時25分というのはきっと7時30分に次の予約が入っているからなのでしょうね。

1階のカウンター席が本当は良かったのですが、2階のロフト風の板間に通されました。
でもこの部屋妙に落ち着きます。二条通に面した北側の窓が開け放たれていて、
並木の銀杏の葉が風にそよぐのが望めます。ただ心配だったのは急勾配の階段を
上り下りしなくてはならないお店のスタッフの対応でした。頼んだ料理を一度に
持ってこられたら嫌だなと思ったのですが、それは杞憂でした。

頼んだ料理を頃合を見計らって素晴らしいタイミングとペースで運んできてくれます。
一二品以外、最初にまとめてオーダーしたにもかかわらず1時間半の間本当にストレスなく
流れるような給仕をしていただけたことが驚きでした。

焼き鳥そのものを評価すれば、この店以上に美味しい焼き鳥屋はいっぱいありますが、
この店のホスピタリティに勝る焼き鳥屋さんを小生は知りません。実に素晴らしい。

というように書いたからといって決して料理そのものを低く評価しているわけでは
ありません。ひとつひとつ丁寧に仕上げられていますし、素材もいい物を使われています。

頂いたもの

◆せせり/ジューシーで塩加減控えめ、お手塩に加減用の塩があらかじめ用意されています。
こんなところも評価できますね。

◆つくね/ふっくらとしたきめの細かい、味わい深いつくねでした。

◆レバ/白肝ではなかったですが、ぷりっとしていて、新鮮で香りの高いレバです。

◆ハツ/これも新鮮で風味のあるハツです。

◆大葉巻/正肉を大葉で巻いた香りの高い1品でした。

◆ももの塩焼き/皆さん絶賛されていますが、皮目パリッと中ジューシーという表現がぴったりです。塩加減もいい按配です。

◆もも肉のたたき/これはもう少しレアでも良かったかなと思いました。

◆しし唐焼/香りがいいですね。

◆プチトマト/トマトを焼くと本当に美味しいです。

◆山芋短冊のめんたいこ和え/シャキシャキ感とピリ辛が合いますね。

◆笹身のチーズはさみ揚げ/さくさくの衣を纏った淡白な笹身の中でチーズがとろけています。

◆パリパリサラダ/細かい細切りのじゃがいもチップがシャキシャキとした食感を楽しませてくれます。

お通しやサービスのキャベツにまで神経が行き届いていて、美味しくいただけました。

もうひとつ驚いたのはワインについて。Navaelusという銘柄の2003年ものでしたが、バランスがよくでしゃばらず、かといって控えめでもなく、焼き鳥ベストなマッチングのワインでした。メルローとカベルネソービンオンのいいところが合わさっている素敵なワインがリーズナブルな価格でいただけたことはもうひとつのうれしい収穫でした。

  • 2階板張り.JPG
  • 箸と小皿.JPG
  • Navaelus2003.JPG

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9位

イルギオットーネ クチネリーア (河原町、祇園四条、清水五条 / イタリアン、パスタ、ワインバー)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 3.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 ¥5,000~¥5,999

2010/10訪問 2010/10/17

驚きの連鎖反応を演出してくれるクッチーナ

一年ぶりで従妹の誕生祝をさせていただきました。
ディナーはアラカルトでいろいろお願いしたので、写真を追加しました。
前菜のコンビネーションから始まり、
トリュフを添えた牛肉のカルパッチョ、
アマダイのアクアパッツァ風など、どれもこれも驚きの連続です。
しかもCPが非常に高くて、本当にお得感があります。

以前のレビュー
土砂降りの土曜日、東京からやって来たグルメ仲間とこの店で待ち合わせしました。
あまりの雨量に高瀬川は今にも氾濫しそうだし、
鴨川の水位もどんどん上がって濁流と化していますが、
一歩この店に入るとそんなことが嘘のように静謐な空気が流れています。
クッチーナというよりリストランテ未満という感じでしょうか。

実は予約が取りにくい店とあって、予約開始の1ヶ月前午前10時きっかりに
予約を入れたのですが、5名は無理といわれてしまいました。とりあえず、
4名分確保して来客に席を譲り小生は諦めていたのですが、一人が脱落したため、
参加することが出来ました。

頂いたのはお昼のコースの一番安価なものと白ワイン
(ポディウム ヴェルデッキオ ディ カステッリ ディ イエージ '06)のボトル。
ワインはさっぱりとしていて、このお昼のコースにはとてもよくマッチしていました。

コースの内容は
◆アンティパストはグレープフルーツのジュレとフェンネル仕立ての鰺のマリネ。
とても爽やかで、ウイキョウの安息効果が食欲を高めるおいしいマリネです。
◆プリモ・ピアットはサーモンとズッキーニのパリパリ包み焼とイクラ添えのサラダ。
緑色のソースがとてもすっきりとした味わいでサーモンの旨味を引き出していました。
◆パスタはトマトとモッツァレラチーズのバジリコ風味。
バジリコの爽快な香りが漂うとても上品な味わいのスハゲッティです。
モッツァレラチーズとトマトはどんなシーンでも相性が良いですね。
◆セコンドピアットは焼きなすと地鳥の炭火焼と採れたての野菜たっぷり盛あわせ。
焼いたパプリカの良い香りが広がる一品。
この店の野菜使いのうまさを存分に発揮しています。
地鶏もとても香ばしく焼き上げられていておいしいし、焼茄子も季節の香りを振りまいています。
◆デザートは桃のコンポートでアイスクリームをつつんだもの。
甘さ控えめで桃の香りも季節を感じさせてくれました。

これだけの内容で@\3,675は非常にCPが高いと思いました。


  • アプローチ
  • ワイン.JPG
  • 前菜.JPG

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10位

そば蔵 谷川 (北府、たけふ新、武生 / そば)

1回

  • 昼の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 3.5
    • | 雰囲気 3.5
    • | CP 3.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥1,000~¥1,999

2009/09訪問 2009/09/22

繊細かつ豪胆な十割の手打ちそば

今年7月に福井陶芸の里に訪れた際、この店にお邪魔することをもうひとつの楽しみにしていたのですが、あいにく第3月曜が休みということを失念していたため、運悪くお邪魔することができず残念に思っていました。今回上越と長野へと旅する機会があったため、再度のチャレンジでした。

北陸自動車道武生インターから約15分くらいのところに目指す店はあります。辺りは田舎町の民家が点在している長閑な場所です。御主人は蕎麦打ちの趣味が昂じて脱サラをしてこの道に入られたと聞いています。こういう方は大概こだわりが強くオリジナリティを追求するのに余念のない人が多いものですが、果たしてこの店の蕎麦もきわめてオリジナリティに富んだ素晴らしいものでした。

この店の蕎麦は福井県丸岡産の蕎麦を冷蔵保存して、その日使う分だけ挽いてつなぎを使わず打つ十割蕎麦だそうです。これを聞くだけでも期待感が脹らむじゃないですか。

頂いたのはまず越前福井に敬意を表して辛味大根そばと思っていたのですが、+とろろとあったのでそれをお願いしました。お蕎麦は挽きぐるみの太打ちと同じく細打ちがありますが、今回は力強さを求めて太打ちを選びました。そのほうが豪胆な喉越しと馥郁とした繊細なそばの香りが楽しめると思ったからです。つんと鼻に抜ける辛い大根の汁の爽快感も蕎麦の醍醐味に相乗効果を与えています。

ただ+とろろ汁の出番を測りかねているうちに蕎麦を食べ終えてしまったので、もうひとつやはり太打ちのザルを1枚お願いしました。今度はいわゆる蕎麦つゆと、とろろ汁の二つで味比べをしながら味わいました。とろろは極めて滑らかで蕎麦のの喉越しを豪快なものからまろやかなものに変えてくれます。それから蕎麦つゆは少々辛口ですが、太打ちを選んだために纏わり付かず、蕎麦の旨味を良い塩梅に引き出してくれるものでした。

わざわざ高速道路を途中下車してまで食べる価値のあるお蕎麦にめぐりあえた幸せを噛み締めながら店の外にでると、目の前にはきれいにお庭が作られていて、秋を感じる草木も迎えてくれました。一期一会ににまさに花を添えていただいた気持ちがして、とても豊かな旅情に浸ることができました。またいつかこちらを旅する機会があれば是非うかがいたい1軒になりました。

  • 谷川玄関
  • 谷川おろしとろろ蕎麦
  • 谷川とろろ

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