レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
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2位
1回
2017/06訪問 2017/07/02
お祝いでお呼ばれしたトラットリア。
目黒駅西口の繁華街を離れ線路脇を恵比寿方面に少し進み、
一つ目の角を右に折れたらまるでイタリア語の店名の通り、
幻のような燈火(ともしび)がそこにはありました。
入口を開けると暖かい明りの下、それに勝る暖かい笑顔に迎えられます。
まるでイタリア・トスカーナにあるワイナリーのようなインテリア。
きびきびとしたスタッフの自信とプライドにあふれる所作。
このレストランはきっと素敵じゃないわけがない。そう確信しました。
席に着くと早速飲み物のオーダーを取りに来てくれました。
プロセッコにしようかなと一瞬思ったのですが、
モレッティがあったのでそれを。
暑い日だったので、最初の一杯はビールもいいかなと、、。
それにモレッティはどんな料理と合わせてもとても親和性の良い、
素直でニュートラルなラガーなんですよね。
そうこうしているうちに今晩のおすすめを書いた黒板を持って、
スタッフが席にやって来ました。
とても分かりやすい説明で料理を勧めてくれました。
質問にもてきぱきと答えてくれるし、客の好みも尊重してくれて、
「こんな風にもできますよ」提案までしてくれます。
そこでお願いしたのが前菜二種。
メカジキの燻製カルパッチョとムール貝のスープ仕立て 黒胡椒風味
パスタはそら豆を練り込んだ生パスタ パンチェッタとポルチーニのソース
メインは炭火焼牛フィレ肉 トリュフとパルメジャーノ・レッジャーノ添え
ムール貝は今が旬、香りがいいし味も素晴らしい。
ピリッと来る黒コショウのパンチが効いたシンプルながら味わいの良い
スープ仕立てになっていて、このスープにパンを浸して食べるのも絶妙でした。
メカジキは軽く燻蒸した塊を薄くスライスして、オリーブオイルを施したもの。
こちらもシンプルながら、素材の味わいを最大限引き出した料理です。
セルベーティカの青味との相性も良かったですね。
パスタはモッチモチ。そら豆を粉にして練り込んであるので、
豆の香りと風味がほんのり感じられます。
そこにパンチェッタの旨みと塩気、そしてポルチーニのいい香り。
生パスタならではの食感と魅力的な味わい、香りにまとめられていました。
メインは提案があったメニューのパルメジャーノ・レッジャー添えに
トリュフをスペシャルに追加してもらいました。
なんという贅沢なこと、、。
油身が少ない牛フィレ肉を炭火でロースとしてギュっと旨みを閉じ込めて、
もうそれだけでも十分に美味しいのに、
濃厚な味わいのパルメジャーノ・レッジャーノがさらに追い打ちをかける。
そして更に、これでもかとトリュフの香しさが追い打ちをかけるという、
喩は悪いですが、卑怯でずるい一皿。いやはやまいりました。
ワインはピエモンテのミソボロ(白)をグラスで、、。
とてもさわやかで、フローラルな香りのする白ワイン。
赤ワインはファットリア ラ リヴォルタ アリアニコ デル タブルノ。
タンニンちょっと強めのミディアムボディ。個性が強く、色もとても濃い。
味と香りにエスニックを感じるもの。
でも、肉料理にはとてもよく合うと思いました。
最後に超濃厚なエスプレッソをいただきました。
美味しいパンが余ったので、持ち帰っていいかと聞いたところ、
たちどころに快諾してくれて、帰り際に銀紙に包んで袋に入れて
手渡してくれました。こうした心遣い嬉しいものです。
また水を提供する際もガスありか、なしかを聞いてくれたりするなど、
客の好みを大切にする店なんだなと、印象深く思いました。
招いてくれた人とお店にごちそうさま。
3位
1回
2017/06訪問 2017/06/24
にょきにょきとタワーマンションが林立するすぐ足元には
昭和な下町の風情を残す路地裏がひっそりと息づく勝どき界隈。
晴海通りを背にして公園を右に見ながら清澄通をほんの少し行くと、
大きなクマのアンパンを掲げたオリミネ ベーカーズ 勝どき店が目印。
その手前の小さな路地を入っていくと右手に紫色の入口が見えます。
ドアを開けると少し段差があるのでご用心。
L字型のゆったりとしたカウンター10席のみ。
オープンカウンターのシェフと相対し、
仕事ぶりがつぶさに拝見できるライブ感の良いシェフズテーブルです。
この日は気の合う仲間とこちらの店で合流。
小生が一番乗りだったので、待つ間にグラスシャンパンを所望しました。
供されたのはピエール・ジモネ。シャルドネの素性の良いところが素直に出た
爽やかでキレイな酸味と、フルーティな果実が香る1杯。贅沢です。
シャンパンを楽しんでいると、一人、また一人とメンバーがそろいました。
さて、コース料理をスタートしていただきましょうか。
最初の一品は米粉のエクレア フルーツトマトとマスカルポーネチーズ
くたくたになった甘いフルーツトマトをエクレアでサンドして、
マスカルポーネの上に置いたもの。バジルソースも添えられています。
一皿目から軽くノックアウトさせられてしまいました。
二皿目はワタナベファーム こはる卵のオムレツ ウニクリームを包んで
動画でお見せできないのが残念ですが、ふわふわ&フルフル。
お皿を少し揺すると、まるでゼリーのように震えが伝わります。
ブロイラー卵とは違う自然な飼料で平飼いされた鶏から生まれた卵は
圧倒的に濃厚な味わいが素晴らしい。その上に更に濃厚なウニの旨みを加えて
スフレのように仕上げてあるので口当たりも柔らかくワルツのようにまろやかです。
ここでお酒をビールに切り替えました。
いただいたのは置いていること自体が珍しい梅錦ビールです。
言わずと知れた愛媛、川之江の銘酒、梅錦酒造が作るクラフトビールです。
ピルスナー特有の爽やかな苦みとファインアロマホップがもたらす
実に豊かな香りに溢れたビールです。
三皿目はコンフィしたメカジキの軽い炙りと夏野菜の煮込み からすみを散らして
低温でじっくりと仕上げてしっとり滑らかな味わいにしたメカジキのフィレ。
パブリカやズッキーニなど彩りの良い夏野菜を細切りにして添えてあります。
その上からブタルグ(カラスミ)をすりおろしてかけてあります。
香りといい、味わいといい、食感と言い、申し分のないひと皿でした。
ホイップバターと小さな一口サイズのパンが供されます。
このパンは品を変えて順次3種類出てきましたがどれも香りが良くておいしい。
四皿目はコンソメのジュレを浮かべた枝豆の冷たいポタージュ
夏ならではの爽やかだけれど旨みが凝縮したポタージュ。
素敵な合わせ技が光っていますね。
ここでお酒をボトルの白ワインに切り替え、
五皿目は活スズキのポアレ シェリービネガーとバルサミコ
皮目パリッと身はしっとりと香高く焼きあげられた白身魚と夏野菜のコラボ。
淡白な白身を贅沢な味わいに仕立てているのがシェリービネガーの酸味、
そしてバルサミコの馥郁とした香とうまみなんですね。脱帽。
六皿目は奥三河高原シカ肉の網焼き、 黒コショウと赤ワインのソース
網焼きされた柔らかな赤身のシカ肉を切り分け、旨みが凝縮したソースをかけたもの。
噛み締めるほどに味わいのあるシカ肉を堪能させていただきました。
七皿目はなんとみかん愛鯛と愛媛久万高原コシヒカリの出汁茶漬けという変わり種。
土鍋でかっちりと炊かれ、おこわもあるご飯にみかん愛鯛の刺身を載せて、
出汁を掛け回して茶づけにしたもの。フランス料理をいただきながら和の〆も。
サプライズ、憎い演出じゃないですか。しかもお代わりも出来るんです。
「みかん愛鯛」は南予のブランド鯛で、みかんの果皮を餌に配合して養殖したもの。
そのため身からほんのりとさわやかな柑橘の香りがするというものらしいです。
南予と言えば南予の鯛飯と言われる郷土料理が有名なほど鯛の美味しい土地柄です。
八皿目はデザート。桃のチーズケーキ あかり卵のクレームブリュレ
季節の桃を載せたチーズケーキ、同じく前述のワタナベファームの有精卵あかり卵を使用した
クリームブリュレ。残念ながら甘いもの苦手なので仲間のもとへ、、。
最後の飲み物は京都小川コーヒー、ダージリン、ほうじ茶の中からチョイスできます。
小生は鯛茶漬けの余韻に浸りたかったのでほうじ茶をいただきました。
シェフの石丸俊介氏は愛媛で育ち、京都祇園で修行をされた経歴の持ち主。
食材に郷土愛、そして料理に京都の繊細さが感じられるのはそのためなのでしょう。
繊細で美しく、そして麗しい珠玉の一皿一皿、季節を変えて頂いてみたいと思いました。
4位
1回
2017/05訪問 2017/05/17
京都東寺の近くで110年以上続くお出汁の専門店「うね乃」
無添加のお出汁パックは、わが家の基本出汁としてずっと使われています。
そのうね乃の出汁を生かしたアンテナショップとして生まれたのが仁王門 うね乃
仁王門通川端東に入ったおうどん屋さんです。京都や大阪では「うどんは出汁を食べる」
と言うくらい脇役ではなく、主役なんですね。
丁寧な仕事ぶりのおうどんは香り高い出汁が効いたとっても素敵な一杯でした。
そしてお出汁の専門店が満を持して開いたのが麩屋町 うね乃。おでん屋さんでした。
おでんも出汁が命ですからね。さもありなんです。
場所は麩屋町通押小路を上がった右手、場所は分かりやすいのですが、
お店はちょっと見つけにくいです。
お魚料理が美味しいさかな 波波さんの斜め向こう前の古めかしいビルを入った奥。
入口の案内表示が小さくて通り過ぎてしまいました。
L字型のカウンターの前がオープンキッチンになっていて、
中央におくどさん風に煉瓦で積み上げた調理台がいいアクセントになっています。
とても静謐な雰囲気の店内。ゆったりとした時間が流れています。
さすが京都、居酒屋おでんとは一線を画する上品な空間仕立てです。
まずはハートランドで喉を潤し、品書きをチェックしましょう。
ほう、品書きは日替わりらしく、「五月六日 土曜日」とあります。
最初はどれからいただこうかな。迷いますね。
大根は欠かせません。旬のたけのこも。鶏つくねも美味しそう。
面取りして煮含められた大根には京都らしく朧昆布が添えられています。
たっぷりの九条葱もうれしいですね。辛子は粒マスタード風。
ひや~、おいしおすなあ。
京都ですから豆腐も欠かせません。こちらのは南禅寺豆腐。にがりを使ったものですね。
京都のもうひとつの豆腐どころ、嵯峨野では食用の石灰(すまし粉)で固めています。
うね乃謹製の鰹節がたっぷりと掛かったお豆腐のおでんの奥ゆかしいこと。
ちょっとお腹にガツンと来るものをと思い、次なるは蛸と飛龍頭とポテトサラダを攻めてみました。
蛸は本当に柔らかくて旨みの塊ですね。
全ての素材に合った出汁の配合で別々に煮ておられるのだとか。手間暇かかっていますね。
道理で美味しいはずだ。お伴は七本槍の純米を燗で。
飛龍頭はがんもどきのこと。うちのばあちゃんはひろうすと呼んでいました。
ポテトサラダのおでんというのはいったいどうなっているのだろうと興味津々でしたが、
魚のすり身の薄い皮に包まれていました。な~るほど!!
次なるはアスパラガスと半熟卵。半熟を潰してアスパラガスにまぶしていただくと美味しい。
これは家でもアレンジして作ってみたいな。
さて、変わり種も行ってみようじゃないですか。トマトのおでん頂くことに。
実はね。小生、銀座でトマトのおでんをいただいたことがあったのです。
銀座よしひろという店で丸のままのトマトを関西風のおでん汁で浸したものでした。
てっきりそういうものが出てくるかと思いきや、全く予想を裏切ってくれました。
なんと冷製のお出汁にトマトとマスカルポーネチーズが浸されていて、
その上に糸鰹節が載せてありました。う~ん、そう来たか。
でもこちらの方が絶対美味しいし、理にかなっています。
和風なんだけれど、イタリアンのニュアンスも感じる素敵な一皿でした。
お伴はイタリア産のきりっとした白ワインで、、。
もう一つ変わり種、ズッキーニをいただきました。
緑と黄いろのズッキーニをスライサーで縦に細長くおろした見た目もきれいな一皿。
ズッキーニがおでん種になるなんて、初めて知りました。
お腹もだいぶ膨らんできたので、最後にきんちゃくをお願いしました。
これまでの経緯からすると、果たして中身は何だろう。ワクワクします。
案の定中身はお餅ではありませんでした。
企業秘密かもしれないのでマジックの種は明かさないようにしておきましょう。
白州のハイボールを〆に、、、。
席でまったりとしていたら、お店からのサービスで出てきたのが、
なんとなんとポテトチップスのおでん。
買ってきたものではなく、お店でわざわざ揚げたものにおでん出汁を振りかけていただきます。
パリット感としっとり感が交差する不思議な食感。たまげました。
正統的なのだけれど挑戦的で、サプライズにあふれたお出汁専門店のおでん屋さん。
素晴らしいの一言に尽きます。
5位
2回
2017/07訪問 2017/07/22
ランチで何度か行って、夜も行きたいなと思っていた店。
土曜日の特許庁前の界隈は人影もまばらで、
情緒ある仄明りの提灯が迎えてくれました。
店内もシックで、ランチ時の賑わいとは違う落ち着いた雰囲気に満たされています。
装飾控えめなシックなインテリア、しかしそこはしっかりと焼き鳥屋風情は保った
L字型のカウンター。
煙もきちんとダクトで処理されていて、炭火焼の香りはしますが、煙たくはない。
先ずは生ビールをいただき、乾杯。
野菜スティックのお通しと口直しのウズラ大根おろしが最初に供されます。
コースもあるのですが、各々好きなものを頂こうということで、アラカルトに。
最初はつくねをいただきました。小振りだけれど軟骨も入っていて、
コリコリとした食感も楽しいし、味わい深さも半端ないですね。
二本目はそろばん、いわゆるネックとかせせりという部位でしょうか。
鳥類は首でバランスを取るように歩いているので、ここの筋肉が発達していて、
美味しいのでしょうね。
三本目はみさきと言うメス鶏のぼんちり。脂身ががしっとりと甘くて、繊細。
思わず笑みがこぼれてしまいます。
四本目の串は季節感のあるズッキーニ。
表面を備長炭の高温で炙ってジューシーさを封じ込めたもの。熱々ですよ。
香りがいい。
お酒を生レモンサワーに切り替えて追加をお願いしました。
白レバと手羽先。白レバはふんわり柔らかく、上品な味わい。
この店ではタレではなくて塩で焼いていますね。
よほど鮮度や品質に自信があるからなのでしょう。
あまりの美味しさにお酒は純米酒に切り替えました。
手羽も美味しいですね。熱々の骨を両手に持っていかぶりつきます。
さらにもう一品追加。ソリレースと言う腿の付け根ですよ。
ソリレースとはフランス語で「それを残すのは愚か者」という意味だそうです。
言い換えればそれほど美味しいという希少部位らしいです。
弾力豊かで旨みが凝縮していて、しばしその滋味に我を忘れてしまいそう。
いえ、本当に我を忘れて写真を撮り忘れてしまいました。
最後は余韻に浸りたくて、鶏スープをいただき〆としました。
小生が焼き鳥屋の佳店を選ぶときの基準は3K
すなわち1K=煙たい、2K=汚い、3K=混雑している
しかし最近ではこの範疇に収まらない佳店が多くなってきました。
小生が愛する鳥九ですら、2度の改装を経て
煙モクモクたなびく店から脱却し、ずいぶんお洒落な店に変貌していますからね。
昔は女の子なんか到底誘えない店だったのに、イケメンの店員もそろえて、
女性どおしの客も増えています。
さてこちら、特許庁の信号から横道に少し入ったところにあります。
同僚がいいと勧めてくれたので、まずはランチに伺ってみました。
相当な人気店だと聞いて12時に行ったのでは待たなきゃいけないと思い、
11時45分に店に到着しました。
店の外観は黒で統一され、これで白い生成りの暖簾でもかかっていたら、
それこそこじゃれた蕎麦屋かと見まごうほど端正なつくりです。
店内もコの字型のカウンターを配したお洒落なつくりで、
キリッとした表情で鶏を焼くスタッフもかっこいい。
いただいたのは限定メニューの串焼き丼。
つくね・レバー・笹身・焼鳥・長葱・ししとう、温泉卵が添えられています。
それに香の物と鶏スープも供されます。
ご飯は少なめで小生にはちょうどいい。
焼き鳥がどうしてどうして、立派な大きさで丼に乗っかっています。
串焼きのつくね・レバー・笹身は割と小ぶりだけれど、味が凝縮されていて、
美味しいです。良い鳥を使っていることが判りますね。
温泉たまごを割るタイミングを計っていましたが、ご飯を食べるために串を移動させていたら
誤って串の先で割ってしまいました。
これがつくねを食べるとき大いに美味さを引き出してくれました。
炭火焼の香ばしさ、素材の良さ、硬めに炊かれたご飯の美味しさ、雰囲気、
いずれもランチの焼き鳥丼にしては群を抜いていました。
ここは絶対に夜に来て美味い酒で焼き鳥をつまみたいと再訪を決意したしだいです。
6位
1回
2017/02訪問 2017/03/01
完成度の高さは評判通り。見事なチャーシューに惚れ込みました。
R122号線をひた走り、佐野までラーメンを食べに来てしまいました。
平日のランチ時だからすんなりと入れると思いきや、甘かった。
10台以上入れる駐車場は満杯。
暖簾の前には20名くらいの客が順番待ちしているではないですか。
でも待ったのは20分くらいかな。
カウンター席に通してくれました。
店の奥にある麺打ち場では、スタッフの方が長い青竹にお尻をかけて、
てこの原理でリズミカルに小麦粉に力強く命を吹き込んでいました。
佐野ラーメンの真骨頂ですね。
頂いたのは850円のチャーシューメン。
透明な鶏ガラ出汁の塩味のスープ。この味わいの深いこと。
シンプルなのに素晴らしい出来栄えです。
スープを味わって思わず目を閉じてしまいました。
これを受け止める麺は平たくてちょっと縮れたもの。美味しいんです。
そして浮かべてあるネギがまたいい。完成度が高いんです。
そして期待したチャーシューですが、これぞ出色の出来栄えですね。
薄切りなのにコクがあって、油は甘くて、上品で、
うっとりとさせられました。
さすがに完成度の高さは評判通りでした。
7位
1回
2017/11訪問 2017/11/17
香港九龍半島と香港島に挟まれたビクトリア湾にある漁船の溜まり場、避風塘(ビーフォンタン)。
名前の由来はタイフーン・シェルター。
台風の季節、漁に出られない漁師たちが船上に俄か作りの席を設え、
漁師料理を振舞って、収入を補ったのが始まり。
安さと、新鮮さと、趣の変わった面白さが相まって、人々の心をとらえ、
やがてそのスタイルと料理は避風塘料理と呼ばれ、人気を博しました。
その後、料理のスタイルはそのままに陸に上がって店を構える者もあらわれました。
この店もまさにその一つで本店は銅鑼灣(コーズウェイベイ)の灣仔寄りにあります。
カニ料理が有名で、多くのセレブ達にも愛される超人気の有名店です。
その支店が銀座にやって来たなんて、なんという素敵なことでしょう。
ディナーにも行ってみたいですが、まずは銀座のクリニックに行く用があったので、
ランチで試してみることにしました。
お店は泰明小学校から1ブロック新橋に近いところ。ビルの二階にあります。
お洒落で、明るいインテリア。ホスピタリティの高い接客も素敵です。
ランチセットや麺やお粥のセットもどれも980円。
銀座で本場香港の避風塘料理がこの値段でいただけるのですから、ずいぶんお得です。
小生が選んだのはやはり海鮮のセット。こちらの店で海鮮以外は考えられません。
ご飯とお粥が選べるのでお粥を、、。香港はお粥が美味しいですからね。
まずはスープとミニサラダがやって来ました。クコの実が浮いた具沢山のスープ。
大根やニンジンなどの根菜と白キクラゲも入っています。
メインはイカ、大きな海老、貝柱などがゴロゴロと入った炒め物。
さっぱりとしているのも香港ならでは。
お粥が美味しかったので勧められるままにお代わりもお願いしました。
もちろん無料です。最後にジャスミン茶のサービス。
香港ならプ―アール茶でしょうという突っ込みも入れたいところですが、
万人受けするなら仕方のないことなんでしょうね。
ディナー・メニューを見たらハタの姿蒸しとか、目が釘付けになるようなものばかり。
さあ誰と行くのかが問題。今までならこんな悩みなどなかったのにな。
8位
2回
2019/09訪問 2019/10/03
久し振りに愛らしいタヌキに会いに行きました。
銀座に繰り出した休日、この界隈はかつての職場のシマみたいなところ。
隅から隅まで知り尽くしたと言えば、大げさになってしまいますが、、。
さてこちらは群馬からやって来た花山うどんさん。
ツルツルの幅広麺が美味しいのと、冒頭でも触れた可愛いタヌキの器が人気を博しています。
創業の地、舘林は文福茶釜で有名な茂林寺のあるところに因んでのことなんでしょうね。
お願いしたのは舞茸天ぶっかけうどん、幅広麺で。(麺は普通のものと幅広が選べます)
通常はこの品はタヌキの器ではなく、普通の丼鉢で供されるのですが、
特別におねだりをして、タヌキの器に変更をしていただきました。
せっかくなのに可愛い写真をし撮りたいじゃないですか。
今や色んなメディアで取り上げられて、行列必至の人気店になってしまいました。
うどん天下一決定戦で3年連続優勝した群馬県館林の花山うどん。
その銀座店が歌舞伎座の裏に出来たというのでブックマークしていたのですが、
なかなか訪れるチャンスがなくてしばらく時がたってしまいました。
この日はちょうどお昼前に銀座のクリニックに行くことになっていたので、
ここぞチャンスと駆けつけました。
13時を回っていたので、もう空いているだろうと思いきや、なんと満席。
しばらく待っていたら大きなテーブルの端っこの席が空きました。
スタッフの方がメニューと一緒にお茶を届けてくれました。
普通のお茶だと思って飲むと何やら固形物が入っていてびっくり。
噛んでみるとなんと黒豆でした。香ばしい。豆茶だったんですね。
ちょっとしたサプライズだけれど、こういう演出ってうれしいな。
メニューを見て悩みに悩んだ末にお願いしたのは「舞茸天のおろしぶっかけ」
うどんはレギュラーのうどんと鬼ひも川うどんの双方から選べます。
ここはやっぱりビジュアル的に鬼ひも川うどんですよね。
5センチはあろうかという幅広麺です。店頭でも販売していますよ。
待つことしばし、品の良い器に盛られたうどんがやって来ました。
舞茸天デッカイ! おろしも大きい! 鰹ぶしもたっぷり。
まず最初に舞茸天をガブリ。サクサクしていて香りがいい。
おもむろに大根おろしをガシガシとぶっかけ汁に混ぜ合わせ、
うどんに取り掛かります。
さっぱりとした上品な出汁を纏った鬼ひも川うどん、
「鬼じゃない」と思わず心の中で叫んでしまいました。
色白で張りがあってツルツル。しかもふっくらとしたもち肌。
「鬼じゃない、美人だ」とまた心の声が叫んでおります。
これゃ、うどん天下一決定戦で優勝するのもうなずけますね。
銀座 佐藤養助で稲庭うどんを食べたときに匹敵するくらいの衝撃。
幅広だけれど食べにくさは微塵もなく、喉越しが良く、するっと収まります。
イタリアンにしてもきっと美味しいに違いないと思ってしまいました。
そういえば向こうの席からフランス語が聞こえてきたと思ったら外人さん御一行も
美味しそうにうどんを楽しんでおられましたよ。
ちなみに幅広麺は以前に鴻巣の馬力屋でこうのす川幅うどんというのを
いただいたことがありました。
こちらは鴻巣市と吉見町の間を流れる荒川の川幅が日本一であることにちなんで
町おこしにと誕生したご当地グルメです。
麺の幅は8センチと勝っていますが、美味しさという点では鬼ひもかわには
敵いませんね。
9位
1回
2017/07訪問 2017/07/13
ばぁーどはうす○勝が新たに出した親子丼専門店。
本店は昭和通りと松屋通りの角っこにありますが、
こちらは松屋通りをさらに有楽町に向かって中央通りを通り超え、
いつも行列が絶えないラーメン店篝の二階にあります。
カウンターだけの小さな店。狭くて急な階段を登り切ったところに
食券販売機があって、そこで食券を買い求めて店内に入ります。
名古屋に出張に行って食べた名古屋コーチンの味わい深さが忘れられなくて、
お値段高めでしたが、お勧めの名古屋コーチンのスタンダードをチョイス。
1460円也。
何がスタンダードなのかというと、ご存知の甘から出汁の他に塩味もあるんです。
そして名古屋コーチン以外にも信玄鶏の親子丼もあります。こちらは1000円也。
多分信玄鶏でも相当美味しいと思いますが、名古コーチンの魅力には勝てませんでした。
エンゲル係数高いのにさらに引き上げてしまいました。
着席して10分位でお丼がやって来ました。満月のような黄身が載っています。
鶏スープもお湯呑みでやって来ました。
漆塗りのスプーンで黄身を割っていただきます。
つゆだくのご飯にトロリンと黄身が解けていい感じです。
おもむろに一口親子丼を含むと、優しい味わいと香りが口いっぱい広がります。
その後名古屋コーチンを噛み締めると、あの独特の噛み応えがなんとも言えません。
反発力に抗って噛み締めるとジュワッと旨みがほとばしり出てきます。
これぞ名古屋コーチンの醍醐味というものです。
目の前の壺には柴漬けも用意されていますし、山椒や七味も常備されていて、
お好みで。小生は少しだけ山椒の香りで整えさせていただきました。
鶏スープは比較的軽めだけれど、さっぱりと美味しいもの。
銀座のクリニックに行くのには美味しいランチがセットというのが
すっかり定着してしまいました。今度は何を頂こうかな。
10位
1回
2017/08訪問 2017/09/16
京都の夜は暗い。
大路はともかく町中に一歩入った小路は、満月でもない限りとても。
麩屋町、姉小路下がったところの暗闇に仄明りの灯った一軒の町屋。
がらりと引き戸を開けて石畳のろーじのようなアプローチを進むと、
京町屋一軒を丸ごとバーにしたこちらにたどり着きます。
そしてその奥の戸板を開けると見事な一枚板のカウンターを施した
バー空間が現れます。
ひょっとしたら昔はおくどはんが置いてある台所やったかもしれへん。
バーカウンター席の後ろは一段高い座敷風の個室になっていて、
プライベートにお酒を酌み交わせるようになっています。
まさに落ち着いた雰囲気は大人の隠れ家といったところですか、、。
ささ、一杯いただくとしようじゃないですか。
まずいつもの儀式、一杯目はドライマーティニーを所望いたしました。
ドライマーティニーを作るバーテンダーの所作には個性がにじみ出ます。
それを眺めながら期待値を膨らませるのもバーならではの楽しみです。
ミキシンググラスに適量に切った氷を投入し、ステアして容器を冷やす。
ジンの銘柄は何がいいか聞いてくれるところもあるのですが、
ここでは自分流があるみたいで黙々と。
ベルモットとジンが溶け合ったものをカクテルグラスに注ぎ、
オリーブを投入したら完成です。
う~ん、なかなかいいですね。
カクテルの王様と小生はいつも思いながらいただいております。
二杯目はタリスカーのオンザロックを、、。
象嵌するみたいにグラスに嵌め込まれた円い氷。
それに沁み込む琥珀色の液体。時の魔法が紡いだ香りと旨み。
人生に京都があってよかった。バーがあってよかった。
傍らに人がいて良かった。その間に美味しいお酒があってよかった。
京都で一番好きな店。
久しぶりでした。まずは大将にご挨拶とご無沙汰のお詫びを、、。
病欠しておりましたと。
遅ればせながらの鱧の焼き霜づくり。
落しよりこちらの方が好き。カンテキで皮だけ炙ってもらって。
めいたカレイは薄造りで、骨皮は揚げ煎餅にしてくれますよ。
京都に帰省したら1回は行きたい店です。
2013年再訪
京都に帰省、東京から同僚を迎えて久しぶりに焼き鱧、鱧しゃぶ+初物の松茸を
堪能いたしました。美味しかった。やましたの大将、ごちそうさまでした。
2011.10再訪
三連休前に関西支社への出張を半ば強引にセット。
堂島での仕事を終えて、新快速に飛び乗りいそいそと向かったその先は、
もちろんやましたさん。
大将はじめずらりと並んだ板さんたち、懐かしい面々です。
なんと大きな水槽の中ではクエや大きな鯛、
まだまだ美味しそうな鱧も元気に泳ぎ回って出迎えてくれました。
大将にお勧めをたずねると、虎のいいのが入っているとのこと。
早速、てっさにしていただきました。今シーズンお初でした。
はやる心を押さえきれず、写真を撮り忘れてしまいました。
大将に生け簀のクエを指差して、旨そうな奴泳いでいますねと、
水を向けると、切身があるから煮物が美味しいとのレコメンド。
いただきました。鋭い骨の間にある弾力のあるプリプリの身の美味しいこと。
クエという魚は本当にうまいです。
目の前には松茸の篭があってチラチラ目線。
大将に何が美味しいかたずねたら、天婦羅もいいと仰るので、
おねがいしました。焼きや土瓶蒸しも素敵ですが、
天婦羅もサクサク感とほわんとかもす松茸の香りが堪らないです。
閉めには若狭の鯖寿司とお椀を作ってもらい、いただきました。
店を出るときは、何時ものように大将自ら通りまで出て見送っていただきました。
京都に帰ってくるとまずやましたの料理が食べたくなる。
これって、郷愁ですね。
2011.7再訪
大阪で仕事を終えて京都へ、もう9時も回っていたので、もしかしたら山下もピークを過ぎて
空いているかもと淡い期待を込めて電話をしてみました。
ラッキーなことに1席あるとのこと。急ぎ足で駆け付けました。
いつもながら、大将始め笑顔で迎えていただき、心地よいですね。
鱧は前回いただいていたので、お勧めをうかがうとトリ貝の良いのと、鱸の良いものが入っている
ということで、両方いただくことに。トリ貝はお刺身で、、。スズキは洗いでいただくことに。
新鮮で肉厚のトリ貝に舌鼓を打つことしきりです。
鱸の洗い、これも三杯酢でいただきましたが美味しいのなんの。(写真撮り忘れ)
隣の御仁が頼んだ賀茂茄子の味噌田楽が美味しそうだったので、それも所望。
赤味噌と白味噌の2トーンでやってきました。これも美味しいです。梅錦がすすみます。
ここで大将に何か美味しいものをとお願いしたら、サザエのガーリック炒めを作ってくれました。
新鮮なサザエ丸ごと1個使った豪快なもの。割烹なのに大将の技はイタリア料理人も
青ざめるほどの腕前です。いやー、今晩もごちそうさまでした。
これだからやました通いは止められません。
2011.6再訪
鱧の季節です。この日のやましたは鱧をいただくのがコンセプト。
昨年暮れ、東京に移ってからは初めての訪問。6カ月のブランクがあるのに暖かく迎えていただきました。
なんといっても鱧の焼き霜、これを食べないと京都の夏はやってきません。
いつもながらカンテキで皮目だけを炙ってミョウガと生姜と二杯酢でいただきます。
う~ん、たまりません。
そして鱧しゃぶ、実は鱧料理の中では一番美味しいと思っている料理です。
鱧の出汁に淡路の玉葱の甘みが重層してこの出汁をすするだけでなんという贅沢なんでしょう。
さすがやましたの料理は小生の生涯の割烹と位置付けただけのことはありました。
もちろん最後の雑炊が美味しいのなんの。
お刺身は大将お勧めの平らぎ貝をいただきました。何と貝丸ごと一個、
平らぎ貝の船に乗ってやってきました。帆立と違い独特の食感が楽しめます。
こういう豪放磊落なところがやましたの醍醐味なんですね。
また来月、祇園祭の頃に行けたらいいなあ。いつもいつもごちそう様です。
2010.12.23(木)は永観堂の叔母を伴ってお昼ご飯頂きました。
お昼は初めてでしたが、美味しいお刺身と鴨ロース、鰆の西京焼き、炊き合わせ
素晴らしい蜆の赤だし、ご飯とデザートをいただきました。
2010.12.25(土)は従姉妹と、今年最後のやましたです。
オコゼの刺身、身も美味しいですが、肝もまた美味いのなんの。久しぶりのオコゼ丸ごといただきました。
おなじみかぶら蒸しもこの店の大定番。
それからアワビの丸ごとバター焼き、バルサミコソースの香りがたまりません。
ふぐ白子のニンニク風味醤油焼き、表面香ばしくカリっと、中はトロトロトロ~リ。
もうこの世のものとは思えないほどの美味しさ。(完全に誇大表現制に引っ掛かりそうです)
鯖寿司、欠かせない美味しい一品。いつもいただくまでは帰りません。
2010.12.11(土)+2010.12.17(金)再訪
またもや東京より客人を迎えて。東京から客人が来るとなると同席しようがしまいが、
この店を紹介して文句を言われたためしがない。一様に感激し、リピーターとなってくれる。
11日はカワハギの刺し身、モロコ焼き、子が入って美味くなってきていました。
こしびの焼き霜、大根おろしをまいていただくおいしさといったら、、。
馬刺しもここならではのまるでボタンの花のような美しさでいただけるのが好いです。
それから定番の蕪蒸し、これだけでも酒がすすんでしまいます。
もちろん自家製の鯖寿司も美味いんだなあ。
大将の国の酒、手取川もいけるんです。
この日はやました仲間のともちゃんにも会いました。
17日、この日は仕事を終えてから接待、大きなオスの蟹を一杯丸ごといただきました。
なんと言う豪勢なことか。足も、身も、爪も、味噌も、もう沈黙です。
最後は甲羅酒とも思ったのですが、あまりの大きさにお勧めにしたがって
甲羅ご飯をいただきました。身と味噌とご飯を甲羅に詰めて焼きおにぎりのように
焼き上げていただきました。なんと言う贅沢、なんと言う香ばしさ。
はぎの薄作りの頭の身をお吸い物にしてくれたのでそれを伴にいただきました。
手取川、梅錦、酒に合う料理の数々、堪能しました。
2010.8.13(金)+2010.8.16(月)再訪
13日の金曜は東京からの客を迎えて
16日の月曜は京大に勤めている従姉妹を伴って五山送り火の後に伺いました。
鱧の焼き霜、この店以外では食べたくないほど美味しいです。
以前バーナーであぶって出した店がありましたが、論外です。
鱧饅頭と松茸のお椀、天にも昇る心地です。
美山の天然鮎の塩焼き、背越しにしてもおいしかったかも。
そして菜っ葉の炊いたのも絶品。いやはや、
13日の金曜はコシビの焼き霜もいただきましたし、
鱧しゃぶも、、。いつもながら感服です。
2010.06
夏の鱧をいだきに久しぶりにやましたに伺いました。
東京から客を迎えて奈良を散策した後、7時に再集合。
相変わらず最初にいただく突き出しの美味しいこと。
仲間を待ちながらこれだけでビール2杯お代わりをしてしまいました。
そして料理に。鱧の焼き霜、大将の包丁捌きを見るだけでも
期待感が脹らみます。そして皮目だけをさっと炙っていただき、
生姜と二杯酢でいただく鱧のほんのりと甘く、ふくよかな香りを堪能していると、
鱧って本当に魚辺に豊なんだなあと実感がわいてきます。
そして贅沢にも鱧しゃぶにも挑戦。
これはこれでなんとも良いお出汁が出て、美味さが口いっぱい広がります。
白随喜の炊いたのも歯ざわりと良い味わいといい、
こんな美味しい随喜はめったにいただけるものではあのません。
青海苔をまぶした小芋も、いつもながら絶品。
そして、桜海老の掻き揚げ、香りといい味わいといい、サクッ・しっとりとした
揚げ加減といい文句なしです。これで天茶をいただいたら、という誰かの発言に
強く共感した小生でした。
次は五山送り火の日を予約して、ほろ酔い気分で店を後にし、
寺町二条のお洒落なバーカルバドールにお邪魔しました。
【以前のレビュー】
09/11再訪
会社の同僚で美人マーケッターのTYさんとご一緒しました。彼女とは二度目
同じ京都在住なので、シーズンごとにあちこちで美味しいものいただくことにしています。。
やましたはもう秋の味覚から冬から春の味覚へと様変わりしていました。
今回いただいたのは
◆河豚のてっさ
美しい小振りの皿に透き通るような河豚の薄造り、そして真ん中には身と
そして皮の下のプリプリしたところが、、紅葉卸とあさつきでいただきます。
川之江の美味しい酒「梅錦」が進みます。
◆のどぐろの塩焼き
半身のもの頭からバリバリかぶり付いて目玉までじゅるじゅるしてしまいました。
のどぐろって何故にこんなに美味しいんだろう。いや贅沢。
◆烏賊のてっぱい
シャキシャキしたうどの歯ざわり、ねっとりとした烏賊の食感、青葱の彩、
それらを爽快にまとめる酢味噌の味わい、しかも酒のすすむこと。
◆蕪蒸し
蕪の美味しさと優しさ、それをじっくりと味あわせてくれる葛の滑らかさ。
これぞ京都にあることの幸せ。
◆モロコのかんてき炙り
もうモロコがでていました。こちらのは琵琶湖産の天然物。養殖ではありません。
これを丁寧に網焼きして一つ一つ供していただきます。これは生姜と二杯酢で、、。
モロコを網の上で頭から逆立ちさせて焼く姿がユーモラスです。
◆鯖鮨
鯖が分厚くて、油がのって美味しいです。〆のご飯は絶対これに限ります。
◆筍のお吸い物
鯖鮨のお供にはやさしいお吸い物を、、。
今回は鹿児島産の初物筍(もう新物を掘っているそうです)
香りがいいですね。刺し身で食べたいくらい。
◆柿とキーウィー
柿は酔い覚ましにいいし、キーウィーはさっぱり。
やっぱり結局この店に帰ってくるんだな~。
09/09再訪
今回はこの店のご常連で美しい女性Tさんと店内で待ち合わせ。ワクワクです。
相変わらず活気が良いですね。
大将を中心にずらっと並んで威勢よく仕事をされている
板前さんたちの姿を見るだけで元気が出ます。そして生簀には
元気よく泳ぎ回る鱧をはじめとする魚たち、
そしてカウンターの上には岩牡蠣や松茸や蟹などがうず高く盛られています。
これを見るだけでさあ何を食べようかと心が高鳴ります。
もちろんメニューから選ぶことも出来ますし、
おまかせのコース料理だってあるのですが
、ここの醍醐味はなんと言っても目の前の板さんと差しの真剣勝負で、
素材と料理の仕方を決める瞬間です。
この夏はずいぶん鱧も食べたし、なんていっていると
「初物の河豚が入っていますよ」なんて
心のつぼをぐっと捕まえるようなレコメンドが飛んできます。
ご一緒させていただいたTさんに目配せするとOKのサインなので
それを「テッ刺」にしていただくことにしました。
きれいな皿に並べられた透き通った河豚の身のきれいなこと。
それを浅葱に巻いてもみじおろしのポン酢でいただきます。
季節を先取りした贅沢です。皮のプリプリとしたところも美味しくて、
河豚ってなんて美味しいんだろうと、毎年の事ながら感嘆することしきりです。
グラスでお願いしたビールがなくなろうかというタイミングを見計らうように
、Tさんが「シャブリ」をオーダーしてくれました。
割烹で白ワインなど小生にはまったく思いもよらない発想だけに、
少しびっくりするとともに、さすが大人の女性は違うなと感心してしまいました。
寿司屋に行っていきなりカシスオレンジくださいという
TPOもわきまえないション便臭い(失礼)ジャルたちとは違い、
そこは心得ておられます。その前に岩牡蠣の炙りも頼んでいたので、
オイスターワインがいいにきまっています。
その岩牡蠣も磯の香りをたっぷりと発散させていて、ミルキーで美味しいんです。
シャブリを一口、岩牡蠣をフムフム、もうたまりません。
ちょっと前に舞鶴で岩牡蠣丼を食べ損ねていたので、
舞鶴の敵はやましたではたしてやりました。
「ちっと大ぶりですが、車海老の良いのが入っているんですが、、。」
もちろん相手にとって不足はありません。お造りでいただきました。
車えびは大きすぎると味が落ちるといわれますが、ぜんぜん。
身がプクプクしてやがて甘ねっとりしてそれは美味しいです。
「頭はどうします」と聞かれてすかさずTさん
「素揚げにしてフレッシュトマトソースでいただきます」。
むこれですよ、食を楽しむ心意気というのは。いや、
ひとつで二度美味しいというのはこのことです。
割烹でイタリアンテイストを味わう、こんなリクエストに応えてくれるのもやましたならではです。
カウンターの真ん中に松茸があって、それが気になっていたので、
Tさんに「土瓶蒸しにする」とたずねたら、焼がよいとおっしゃるので松茸焼をお願いしました。
そうですよね、王道を行かなくちゃあ。
それにしても今年は早々と唐橋に続いて松茸の当たり年です。
炭火で焼く松茸は香りが良いですね。
たまらず梅錦をいただき、松茸の香りの余韻を芳醇なお酒の香りに重ねて楽しみました。
良くぞ日本に生まれけりですね。
小生、仏蘭西帰りになって詠嘆の辞を唸るの巻きになってしまいました。
〆はいつもの鯖寿司。しっとりと美味しいのですよ、やましたの鯖寿司。
またしても大満足の夕餉でした。