assyassyさんが投稿したそば茶寮 澤正(京都/東福寺)の口コミ詳細

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そば茶寮 澤正東福寺/そば、日本料理

1

  • 昼の点数:4.5

    • ¥5,000~¥5,999 / 1人
      • 料理・味 4.0
      • |サービス 4.5
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 4.5
      • |酒・ドリンク 3.5
1回目

2012/11 訪問

  • 昼の点数:4.5

    • [ 料理・味4.0
    • | サービス4.5
    • | 雰囲気4.5
    • | CP4.5
    • | 酒・ドリンク3.5
    ¥5,000~¥5,999
    / 1人

東山の麓に抱かれてひっそりとたたずむ蕎麦茶寮

北大路魯山人を引くまでもなく、立地、佇まい、設え、器、こうしたものも立派なもてなしの心だとすると、
あらゆるところに行き届いた当店の美意識に、深い感銘を抱いてしまうのは小生だけでしょうか。

東山は今熊野「泉湧寺」にほど近い山荘をほぼそのまま用いているのが今回お邪魔したそば茶寮 澤正です。
玄関には紺色の大きな暖簾がかかっていて、その真中には蕎麦ぼうろの染め抜きが施されていました。
それもそのはず、先先代が蕎麦ぼうろの店を創業し、現三代目の当主がこのそば茶寮を始めるにあたっての
オマージュのようなものなのでしょうか。

この店は以前からお邪魔したくて予約を何度か試みたのですが、
小生のスケジュールとお店の日程が合わず、何度も断念していました。
この度もわずかな出張の合い間に問い合わせたところ、「14時半からでしたら」と滑り込むことができました。

通されたのは小さな和室に設えられた和洋折衷のとても居心地の良い客間でした。
窓の外は風にそよぐ木々の梢がかさこそと音をたてて揺れているのを感じる借景。
窓には品の良い格子状のステンドグラスがまるで象嵌を施したようにかけられていて、
借景に変化を与えています。

和紙を使ったほの明かりの照明と、傍には切り子のカクテルグラスが配され、
ベースにはなんと着物の帯が使われているではないですか。緑の借景とこのコントラスト、うっとりです。

予約時にお願いしていたのはお昼の蕎麦会席コース。写真でご覧いただいた料理がなんと
3800円というリーズナブルな価格でいただけるというのも、一期一会を旨とする京都では破格です。

さらには見事というしかない器の数々も目をたっぷりと楽しませてくれます。
繊細なモノから豪快なモノまで、変化に富んだ料理を見事にサポートするばかりか、
それ自体も存在感を輝かせていました。

食前と食中のお酒として、純米酒を2種、、。
まず最初に供されたのがすっきりとした旨味のあるものを(銘柄は分かりません)。
こちらはカットグラスの片口に注がれてやってきました。馥郁とした香りがたまりませんね。
食前酒としては申し分ありません。

そして料理が運ばれると曲げわっぱの片口に注がれたもう1種の酒が供されます。(銘柄不明)
こちらは料理の邪魔をしない、きっぱりとした辛口。繊細な料理を見事に引き立てる酒でした。

料理はまず八寸から。
安納芋の焼き芋スープ普通は蒸してから裏越しにしてスープで伸ばすところを、
焼き芋にしているそうです。そうして、焼けた皮のところもすりつぶして和風スープで伸ばしているのだとか。
どうりで黒い粒粒が見えていて、香ばしい仕上がりになっています。

蕎麦パンのカナッペそば粉を使って焼き上げたパンの上に餡を載せたもの

ひき肉射込み大根

蕎麦衣の寄せ揚げ

柿 アーモンド ベーコンの白和えこちらの組み合わせの妙が素敵です。もちろんお豆腐の香も、、。

京美人と青梗菜の甘酢京美人という蕪の歯ごたえといい、酢加減といい絶妙です。

畑菜と舞茸のお浸し

蕎麦せんべいの季節装い

京芋まんじゅうの蕎麦餡仕立香のいい蕎麦の餡がたまらなく印象的でした。

更級変わり蕎麦柿の胡麻和え蕎麦の実の中心部分のみを挽いて蕎麦を打ち、胡麻和えにしたもので
 更科蕎麦の繊細な食感と胡麻の風味がたがいに引き立て合っています。

帆立貝柱と根菜とおこげの茸のあんかけオリーブオイルでソテーした帆立貝と根菜にお焦げを載せ、
 いろいろ茸の餡かけを施したもの。熱々で香も素敵です。

二八蕎麦京都かね井のような求道的な蕎麦には比較すべくもないですが、
 力強くてがっしりとした中にしなやかさも感じる美味しい蕎麦です。何より丁寧に醸された出汁を
 使った蕎麦つゆが美味しいです。

蕪の葉とおじゃこの蕎麦ごはんと六甲味噌仕立ての赤だしそして最後は美味しい京都のご飯と
 六甲味噌を使った赤だしで〆ます。

蕎麦の柿餅 蕎麦短冊を添えて

六甲味噌をはじめ塩などの調味料も吟味に吟味を重ねられていることに頭が下がります。
料理が何よりも好きだから試行錯誤と探究ができるのでしょう。
ためしに当店の一番出汁と沖縄の瞬間製法で作られたぬちまーすを合わせたものをご主人に
出していただき試食させていただきましたが、これがあまりに素敵だったので、
ネットで購入することにしました。

素材に対するこだわりは使用している野菜にもおよび、地元山科の神田農園から毎朝届けられる
新鮮野菜を使っているとのこと。農薬も機械にも頼らず、露地栽培で手間暇かけて育てられた野菜は、
素材の良さと美味しさを余すところなく生かされているなという印象を深く受けた次第です。

京都にあって本当に京都らしい、それでいて安心できる価格の素敵な一軒に
心からエールを送りたいと思います。


  • 八寸

  • エントランス 蕎麦ほうろの暖簾

  • ステンドグラスをあしらった窓辺

  • 和風の照明と切子グラスの調度品

  • 窓辺の切子グラス

  • 曲げわっばの方口

  • お猪口①

  • お猪口②

  • 切子の方口

  • 切子のお猪口

  • 切子のお猪口2②

  • お猪口俯瞰

  • 安納芋の焼き芋スープ

  • 蕎麦パンのカナッペ(上)ひき肉射込み大根(右下)蕎麦衣の寄せ揚げ(左下)

  • 柿 アーモンド ベーコンの白和え

  • 京美人と青梗菜の甘酢

  • 畑菜と舞茸のお浸し

  • 蕎麦の季節装い

  • 京芋まんじゅうの優雅な器

  • 京芋まんじゅうの蕎麦餡仕立て

  • 更級変わり蕎麦柿の胡麻和え

  • 帆立貝柱と根菜とおこげの茸のあんかけ

  • 力強い二八蕎麦

  • 二八蕎麦

  • 蕎麦つゆ

  • 蕎麦湯

  • 蕪の葉とおじゃこの蕎麦ごはん

  • 赤だし 六甲味噌仕立て

  • 蕎麦の柿餅 蕎麦短冊を添えて

  • 蕎麦柿餅アップ

  • 蕎麦茶

  • 京都リーフに紹介された記事

  • 人恋月のお献立

  • 品書き①

  • 品書き②

  • 品書き③

  • 一番出汁

  • ぬちまーす

  • 沖縄の海塩ぬちまーす

  • 岩塩

  • 蕎麦を塩で

  • 木製トレイ 千鳥の螺鈿象嵌

2012/11/15 更新

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