レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
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1位
1回
2016/01訪問 2016/01/26
【再訪2】:未知の世界への誘い~part2~
【単なる備忘録では終われない備忘録Rve】
昨年11月、親愛なる淑女にお誘いいただき、殆ど縁がなかった「未知の世界」へ誘われた。その時の印象が素晴らしく、次回は是非ともDinnerに訪れたいと『レフェルヴェソンス』に予約を入れてから2か月、遂にその日がやって来た。
昨年、結婚25周年のMemorial Yearだったが、多忙で旅行にも連れて行くことが出来ずにいたため、これまで苦労を掛けた妻にも、素晴らしさを体感させたいと、今宵は二人でお洒落をして表参道から歩みをすすめる。
予約の時間には少し早めに着くが笑顔で出迎えを受け、前回と同じ半個室のテーブルで贅沢な時が幕を開ける。
■今宵(2016.Jan)Dinner Course
Une belle rencontre inattendue
おもいがけない美しい出逢い
Botan-ebi crevette, oursin, chou fleur / mandarine, bière
ぼたん海老、雲丹、カリフラワー / みかん、ビール
Comme le chausson aux pommes #22~
Foie de lotte, kumquat, potiron, laurier
アップルパイのように #22〜
あん肝、金柑、南瓜、月桂樹
L’ombre~
“Tagliatelle” de calamar aori-ika et “tagliolini” de chou-rave fermenté,
yuzu, chou de Bruxelles, huile d’olive noire
陰翳〜
アオリイカの「タリアテッレ」とコールラビの発酵「タリオリーニ」、
柚子、芽キャベツ、黒オリーブオイル
Un point fixe~
Navet cuit entier et persil, jambon basque de porc Kintoa & brioche
定点〜
蕪とパセリ、キントアハム、ブリオッシュ
Comme les feuilles mortes~
Nodoguro saute et sabayon au kabos, purée de bardanne, bulbe de lis, chou noir
枯葉のよう~
のどぐろのソテとかぼすのサバイヨン、滝野川牛蒡のピュレ、ユリ根、黒キャベツ
Contraste~
Topinambour croquant, moule fumée, sauce au fromage Comté
コントラスト~
菊芋のロティ、ムール貝の燻製、コンテチーズソース
L’apaisement~
Crème d’œuf consommé de faisan & jus de shijimii, prune salée
安らぎと〜
ちいさな茶碗蒸しと雉のコンソメ、しじみのジュ、梅干
La cheminée, dans le silence de la nuit~
Entrecôte de bœuf “Aka-ushi” rôti à la braise, jus de champignon de Paris,
trompette de la mort, taro, petit-vert, truffe noire
囲炉裏、静かな夜の~
短角牛のサーロインを薪で炙り、シャンピニオンのエキス、トランペット茸、
里芋、プチヴェール、黒トリュフ
Est et Ouest~
Notre sélection de fromages ou notre assortiment de légumes
西と東と〜
チーズたち あるいは お野菜たち
Il neige~
Poire légèrement compoté, cake au fromage bleu, glace au wasanbon,
mousse au amazaké yoghurt, meringue citron vert, neige de saké
雪が降る~
洋梨の軽いコンポートとブルーチーズのケック、和三盆アイスクリーム、
甘酒ヨーグルトのムース、ライムのメレンゲ、お酒の雪
La ferme du paradis~
Glace d’olive d’automne, crêmet d’Anjou, poire de terre, citronnelle
天国の農園~
グミの実のアイスクリームとクレームダンジュ、ヤーコン、レモングラス
Mignardises & thé matcha
ミニャルディーズ & お薄
”World Peace”
~L'Effer vescence~
■今宵(2016.Jan)Dinner Drink
*食前酒「日本酒(九平次: 愛知県名古屋市 萬乗醸造)と白ワイン」のカクテル
*食前酒「Champagne」
*料理に合わせたPairing Wine 6種
*一白水成「秋田県南秋田郡:福禄寿酒造株式会社」
*醍醐のしずく「千葉県香取郡:(株)寺田本家」
_____________〆て¥74,600.- 也 (Dinner Course ¥18,000.-税さ別はCP佳し)
この時期は”冬の風物詩”である鴨料理がお奨めとのことで予約を入れたが、今年は鶏インフルの影響でフランスからの空輸が出来ず、代わりに普段は余り使用することがない岩手短角牛のサーロインを薪で炙り、黒トリュフと合わせた肉料理や、菊芋のロティ、ムール貝の燻製をコンテチーズソースで味わう志向が施された。
「次回は是非、冬の鴨を味わいに来てください」とのお誘いを受けての予約だったため、残念な思いは拭えないが、考えようによっては普段は食べられない料理を愉しめると前向きに捉え、優雅なCourseをChampagneから始める。
Courseは”World Peace”を含め全12品。
先ずはCourseの前の”予行演習”とのことで、グリーンオリーブ2種が供される。見た目は全く変わらないが味に変化を持たせているという。その違いを試され、ひとつにはココナッツが仕込まれていることを感じる。横では相方の緊張も解れ、徐々に雰囲気を愉しんでいるようだ。
料理にはひとつひとつに"お題"が付いている。「アップルパイのように#22~」あん肝、金柑、南瓜をパイで包み込み月桂樹の香りを纏わった逸品。「陰翳~」アオリイカをパスタ「タリアテッレ」の如き細切りにし、柚子、芽キャベツ、黒オリーブで和えた逸品。生江シェフが繰り出す芸術に、自然と笑顔がこぼれる。
そして名物的な料理のひとつ「定点~」
蕪をじっくりと4時間火入れし、パセリ、キントアハム、ブリオッシュと共に焼き上げた逸品。寒い冬は蕪が自らの栄養を貯めるために甘みが増すのだという。同じ料理でも季節によって味わいが変わる事を感じて欲しいとの想いから「定点~」と名付けられているが、そのためには最低でも年に4~5回は通わなければならないだろう。
代案の「菊芋のロティ」や「囲炉裏、静かな夜の~」短角牛のサーロイン炙りも絶品で文句のつけようがない。
でも…やはり鴨を食べたかった。来年の冬に愉しみに取って置く事にしよう。
未知の世界への誘い~part2~
此処に来るたびに新たな感動を味わえる。次回は春~夏の季節に…一体どんな世界が待っているのだろうか?
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【初訪】:未知の世界への誘い
【単なる備忘録では終われない備忘録Rve】
先月、親愛なる淑女から予約困難な『フロリレージュ』のお誘いを頂戴し、間違いではと想いながらも同席させて貰い素敵なひと時を共有いただいた。
あの夢か幻の如き事は2度とは巡って来ないと想っていた所、素敵な天使から再度のお誘いMSGが”場違い親爺”に届けられた。
しかも指定店を検索すると2015/Nov.時点で「食べログ」TOP10にランクインする『レフェルヴェソンス』だという。
フレンチに造詣がない私は店の名前も聞くのは初めてなら、現在でも空で店名が云えない(笑)前回の「フロリレージュ」も訪問時TOP100ゆえ、普段着のジーパン/Tシャツからブレザー/チノパンに変え訪問したことからすると、今回はタキシード姿を披露しなければならない。かも…
ショボくれ初老親爺には似合わない”ハロウィン色の表参道”から、カレーの評判店「シターラ 青山」が入る小笠原会館が面する通りをアプリ頼りに歩みを進める。
六本木通りと交差する道を斜めに折れる。長谷寺という寺院が奥に見えるが、明らかに葬式でも法事でもない装いのカップル数組が私の前を歩いてゆく。案の定、目的地は同じであった。
表参道から10分強の閑静な高級住宅街の一角。ショボくれ親爺には敷居が高すぎる店が確かに其処にあった。近くに棒高跳びのポールでも落ちていたら、拾わなければ飛び越えられないほどの高敷居な雰囲気に戸惑いを隠せない。
今回のお誘いはランチコース。
MSGには¥7,000.-/¥10,000.-のコースがあるが当日まで未定との記載だったが、生意気にも「折角なので個人的には¥10,000.-を希望」との返MSGを入れると、淑女がご調整していただいたのであろう、希望通りに¥10.000.-のコース「Une Promenade/おでかけ」を予約いただけていた(感謝)
タキシードに身を包み(笑)緊張の余り予約30分前に一番乗り。店内では明らかに”わが家”と生活レベルが違うと想われる、品の良さそうなご夫妻やカップル、マダムのグループで満席。しかも慣れ親しんだ居酒屋の騒がしさなど無縁の世界。心地佳いBGMが流れ、ゆったりとした空間が広がっている。こんな未知の世界に迷い込んだ親爺は、緊張の余り”もよおし”てしまいトイレにご案内いただくと、わが家の寝室よりも広かった(笑)
お誘いいただいた淑女を含むメンバーが揃い、いよいよ「未知の世界の扉」が開く。
■当日ご予約いただいたLunch Course
Une Promenade
おでかけ
Terroir de texteme Orient-
Ormeau,radis noir,/sudachi,sake
極東のテロワール~
鮑、黒大根、胡桃/すだち、お酒
De la tete aux pieds~
Hamo dashi & Hamo grille,potiron,concombre ,vinaigre reduit,sansho
あたまからしっぽまで~
鱧のお出汁&鱧のグリエ、南瓜、胡瓜、ヴィネーグルデュイ、山椒
Un point fixe~
Navet cuit entier et persil,jambon basque de porc Kintoa & brioche
定点~
蕪とパセリ、キントアハム、ブリオッシュ
Culture-
Foie gras au naturel et muscut,
celeri au kombucha lait Koji-fermente gelee d'hydromel,citron vert et menthe
カルチャー~
フォアグラのナチュレルとマスカット、
コンプチャ漬けセロリ、麹発酵乳、蜂蜜酒のジュレ、ライムとミント
Beau paysage de champetre-
Pigeon Vendeen roti a la braise a sauce d'abats,
consomme de poireau japonais grand epeautre champignons sparassis
美しい農民風景~
ヴァンデ産鳩の炙り焼きと内臓のソース
葱のコンソメ、スペルト小麦、花びら茸
Une interpretation de sucre sale-
Figue,mousse au miso blanc & chocolat blanc,yuzu,lait de coco
シュクレサレの一解釈~
無花果、白味噌とホワイトチョコレートのムース、柚子、ココナッツミルク
The matcha
お薄
~L'Effer vescence~
何度も云うようだが「フレンチ」に対しての造詣もなく経験値も皆無な私ゆえ、感想を述べること自体がおこがましいが、正直いままで味わった「フレンチ」の中では間違いなくトップクラスであることは間違いない。
精一杯の背伸びをして「フレンチ」モードで期待感パンパンの私を、ある意味で愉しく裏切る「極東のテロワール~(泡のアミューズ)」からコースがスタートする。
ほんのりと和のテイストが香りのっけから「やられた感」の笑みがこぼれる。少し緊張が解れ初対面の方々ともアルコールの力も借りつつ和やかに…
しつこい様だが「フレンチ度」10%程ゆえ、自身の口コミは全く参考にならないことを自覚しつつもメモを取り、ふた皿めの「あたまからしっぽまで~」を愉しむ。ふたたび和のテイストたっぷりの逸品で素晴らしい。
「あたまから~」は、蒲焼や湯引き/ねり梅/天麩羅くらいでしか食したことがない素材「旬の鱧」を使用した料理。まず鱧から取った出汁を味わう。続いて山椒が効いたソースを纏った鱧を口に含むと中でホロリと崩れてゆく。Menuに書かれた「vinaigre reduit」が何だか判らず、帰宅後”エキサイト翻訳”で「仏」⇒「日」翻訳してみると「再ダユト銅貨酢」と出てきた。余計に何だか判らんが多分ビネガーの名称なのだろう(笑)
初めて経験するものばかりで感動Max。未知との出逢いに喜びをどう表現すれば佳いのか悩みに悩む。そんな素材を前にして、一番の驚きは…何と和食定番野菜「蕪(かぶら)」を使用した料理であった。
これから冬に掛けては甘みが増し、煮物や酢の物、最近は「サラダ蕪」など生でも美味しく食べられる品種まで登場した「蕪」、それが此処まで進化するとは…
初訪なので想像だが、料理名が「定点」から定点観測の意味合いがあり、季節ごとに工夫が凝らされた料理になるのであろうか?「フレンチ」の基本中の基本であるブイヨン(しかも極上ブイヨン)を芯まで纏った蕪は正直言葉を失う。「フレンチ」を食べに来て「蕪」が一番美味かったとは、また「バカ舌」呼ばわりされるのが明白だが「素材をこれ程までに進化させた逸品に出会うのは何年ぶりのことだろう」との想いが頭をよぎる。
その他、フレッシュなフォアグラや「フレンチ」では定番の鳩も絶品だった。もう一度あの「蕪」に出会いたい一心で再訪を誓うショボくれ親爺が居た。気持ちの佳い接客と温かみを感じる空間、そして何といっても驚きの料理に納得の★5.0を冠したい。
未知の世界への誘い。
人生知らない事を知る喜びを、この歳になってようやく気付いた。先日受験した国家試験も、それまで全く未知の分野だったが、毎日接していると知識を習得することに喜びを感じ。気が付けば休日は1日10時間以上も机に向かっていた。でも全く苦痛ではなく愉しくて仕方がなかった。
「フレンチ」という私にとっての「未知の世界へと誘って」くれたメルモちゃんに感謝するとともに、ド素人の私に色々とレクチャーを戴いた紳士お2人に、この場を借りて御礼を申し上げたい。
(追記)
因みに当日のお会計は、料理とのペアリングのワイン代込で¥19,300.- 也であった。毎日は行くことは出来ないが月に1度位なら可能な価格帯。内容的には非常にCP佳し!
2位
1回
2015/05訪問 2015/06/05
(序章)
1990年5月某日 (友引/快晴)
娘は父と腕を組み、真っ赤なバージンロードを俯きがちに歩いてゆく。
祭壇の前では、青年がこれから宣誓しなければならない「誓いの言葉」を、頭の中で繰り返し復唱していた。
「我、神の定めに従いて汝を娶る…」
神父の前に跪き、神の祝福を受けた娘は…先程、父と歩いた道を青年に寄り沿い…
ライスシャワーが降り注ぐ”聖マーガレット礼拝堂”の階段。はにかみながら投げたブーケが、親友の胸に収まり2人は晴れて夫婦となった。
あれから25年…娘は穏やかお婆ちゃん に、青年は頑固な爺さんになった。
(閑話休題)
爺さんは「誓いの言葉」を宣誓したのを、昨日の事のように思い出していた。
3組に1組が離婚する昨今、1度の喧嘩もないままに25年の歳月を重ね、当時の娘と青年は、この日に晴れて「銀婚式」を迎えた。娘の目尻の小皺は家事と子育ての苦労を…青年の白髪は企業戦士の過酷さを物語っている。
「ハワイがバリ辺りでゆっくりしようか?」との問い掛けに…「普段出来ない贅沢をしてみたい」と妻が応える。
彼女が望んだプランは、都内の超一流ホテルのスィートルームに泊まり、超高級フレンチのフルコースを愉しむこと。その企画に相応しいホテル/レストランをリストアップ。選んだ店は、世界的にも権威あるミシュランの常連店(★★★)『ガストロノミー・ジュエル・ロブション』である。
■25周年に選んだコース料理
~ Menu du 20ème anniversaire du Château Restaurant Joël Robuchon ~
Rétrospective des plats de 1994 à ce jour 1994 年から今日までの料理の軌跡
Pour commencer
Le Caviar Impérial en fine gelée coraillée servi en surprise
最初の一皿 : キャビア アンペリアル ロブションスタイル
Les Entrées
Le Saumon Confit avec une fine mousse au wasabi
Le Crabe avec un fondant d’avocat
Le Homard des Côtes Bretonnes et fine lamelles de navet en aigre doux au romarin
サーモン ゆっくりとコンフィし、わさびのムースを添えて
ズワイガニ アヴォカドのフォンダンと共に
オマール海老 甘酸っぱい蕪のマリネ、ローズマリーの香り
~
L’Epeautre en risotto onctueux au parmesan et morilles
L’Oursin en royale au fumet de fenouil
Le Petit Pois en velouté glacé à la menthe fraîche et sa mouillette épicée
スペルト小麦 クリーミーなリゾット ジロール茸と共に
雲丹 やわらかなフランとフヌイユのクレーム
とうもろこしのなめらかなヴルーテ仕立て カレー風味のオイルをまとわせて
~
Le Ravioli de langoustine au chou vert
L’Œuf de Caille au plat sur une galette dorée de semoule de blé
moelleuse et truffée au parmesan
La Noix de Saint-Jacques avec une émulsion végétale à l’huile d’olive
vierge, farfalles à l’encre de seiche
ラングスティーヌ ラヴィオリにし、ちりめんキャベツと共に
うずらの卵 半熟に加熱し、パルメザンチーズとトリュフの香るギャレットにのせて
ホタテ貝 ポアレし、ブラック・ファルファレでエスコート、
ホタテ貝エッセンスの軽いクリームソースを添えて
Les Poissons
Le Turbot avec une fondue d’oseille et gratiné aux algues, fèves à l’estragon
Le Bar servi avec une crème et huile de citronnelle et des poireaux étuvés
Le thé de Coquillage à la coriandre fraîche
フランス産平目 オゼイユをのせ海藻のクルートでグラチネ エストラゴンの香る
ソラマメのエクラゼと素揚げと共に
スズキ 葱のエテュベとシトロネルの香りのクレームを添えて
小柱のアンフュージョン フレッシュコリアンダー風味
Le Plat Principal
La Pintade fermière et foie gras rôtis, pommes de terre confites au jus gras
パンタードのロースト ジャガイモのコンフィとフォワグラと共に
Les Fromages de France
frais et affinés
フランス産フロマージュ
Les Desserts
Le Zebra noix de coco glacée tout yaourt, transparence d’ananas à la vanille de Tahiti
ル・ゼブラ ココナッツのグラス トリュフ仕立て、透き通るパイナップルに引き寄せられて
~
La Mangue au caramel à la fleur de sel, mousseline au fruit de la passion, tuile perroquet
マンゴー キャラメルとパッション、マンゴーのムースと共に重ね、チュイルをアクセントに
~
Le Café express ou le thé et ses douceurs sucrées
カフェとミニャルディーズ
★コースに合わせ、ソムリエに選んで貰うWine Courseをお願いする
*CHAMPAGNE/Veuve Clicquot BRUT
*Sanccsse Jadis HENRI BOURGEOIS
*alsace grande cru MUENCHBERG 2010
*Toseph Drouhin PULIG
*LOUIS BOILLOT & FILS
____________〆て¥158,000.-也(内訳:料理@¥42,000/Wine@¥30,000/他:税サ)
正直な感想「なんもいえねぇ!」
フレンチに造詣が深い方なら、ひと品ひと品詳しい批評も出来るだろう。が…口コミ数1400弱中フレンチレビュー12軒。その中で、本格的なフレンチは「オーベルジュ ド プリマヴェーラ」1軒のみ(残り11軒は街のフレンチ風洋食屋)ゆえ、供される料理全てに興味津々。その殆どが初めていただくものばかり。
どの料理も素晴らしいが、中でも「Le Caviar Impérial en fine gelée coraillée servi en surprise(最初の一皿 : キャビア アンペリアル ロブションスタイル)」と「La Pintade fermière et foie gras rôtis, pommes de terre confites au jus gras(パンタードのロースト ジャガイモのコンフィとフォワグラと共に)」には衝撃を受けた。
キャビアを食べ比べた経験などないので、今まで食べた「キャビア」が紛い物かどうか判らないが、「キャビア」がこれほど濃厚で奥深い味わいであることを初めて知る。
更には、「パンタードのロースト ジャガイモのコンフィとフォワグラと共に」 今まで人生で食べた「フォアグラ」は一体何だったのだろう?もしかしたらフォアグラではなくレバー?(笑)
フレッシュで濃厚…何と表現して佳いのか。料理を食べ「言葉を失う」とは、この様な状況を言うのであろう。フランス産フォアグラ…これを食べる為だけに再訪することも厭わないと感じる逸品。
今回は記念日ディナーゆえ、一番高いコース「Rétrospective des plats de 1994 à ce jour 1994 年から今日までの料理の軌跡」(@\42,000.-税サ別)をお願いしたが、コースは2万円台の比較的手軽なものもある。Wineを入れても2人で5~6万円程といった所だろうか?その内容でも充分に愉しめる。
訪問した日、全ての席が紳士/淑女で埋まっていたが、周りから聞こえる会話から常連が多いことに驚く。ハードルが高いと思っていた店だが、お手軽コースであれば年に1~2回程度なら、然程無理せずとも来訪できそうである。
非常に緊張して臨んだ「お上り夫婦の結婚25周年記念ディナー」 一番ドレッシーな2人は間違いなく我々だったが、男性はジャケットさえ身に着けていれば、意外とカジュアルな装いでもOK
是非次回はカジュアルな装いで「腹いっぱいにキャビアとフォアグラ」を堪能しよう。
25年前の娘と青年のフレンチデート!
30年/40年/50年…娘と青年は、いつまで「ジュエル・ロブション」に来れるだろうか?
(ウエイターさんから聞いた雑談)
オーナーのジュエル・ロブション氏は毎年1~2度来日し、料理のチェックや客の前で料理の説明をする。
ただ料理人である前に「芸術家」ゆえ、非常に武骨で気難しい。その日に機嫌が悪かったり、料理など気に入らない部分があると、客の前に姿を現さないそうである。
しかしながら「ジュエル・ロブション氏との夕べ…」と銘打って予約を受け付けている以上、彼が出てこないと契約違反になる。
その時は、提供した料理/飲物全てが全て無料になるとのこと。過去にも、そんなことが何度かあったそうだ。ちなみに、次回の来日は11月頃を予定しているそうなので「タダ飯」目指しHPをチェックしてみようではないか!!(笑)
3位
1回
2015/09訪問 2015/10/03
(只の備忘録には出来ない備忘録Rve)
ある日突然、フレンチのお誘いMSGが届いた。
「はて?何かの間違いでは…」仏料理に全く造詣がないどころか、1400件を超えるRveの中で仏料理Rveはたった3件。比率にすると0.21%しかない。
しかも読者登録をしRveを拝読しているものの、一度もお目に掛かった事がない淑女からのお誘い。
普段なら間違いなくお断りするのだが「夢の独身生活」中ゆえ、軽いアバンチュールを期待しwww快諾のMSGを入れる。
「ただ私は爺さんゆえ、お若い方ばかりだと場の雰囲気を壊す恐れがあるので…」
「ご参加の方も同年代。皆さん落ち着きのある方々ばかりなので安心してご参加ください」と優しい返信。あの~!わたし落ち着きがないのですが…(笑)
げに恐ろしきは造詣がないこと。
余り…いや全く意識せずに快諾したが、指定された『フロリレージュ』は現時点(2015/Sep)でTOP100を誇り、数々のRveもキリ番や記念Rveなどが多い。店のHPによれば「男性の短パン/Tシャツはご遠慮ください」ドレスコードもあるようだ。
会当日。普段のTシャツ/短パンから、チノパンにボタンダウン/革靴に身を包み指定場所に向かう。重厚な扉には店名表記もなく、覗き込むと美形のスタッフが中から扉を開け、笑顔で店内に誘(いざな)ってくれる。程なくメンバーの方々が揃い、挨拶もそこそこに予約席に案内された。
■当日味わったコース内容「ランチコース」
*投影:茄子
*要素:牛
*名残りとはしり:鮎
*ヘテロ:牡蠣
*分かち合う:塊肉
*艶かしい:黒糖
*お似合い:モッツァレラ
(Menuの記載はこれまでだが、他に…)
*蒸しパン
*パート・ド・フリュイ
*ハーブティ
■当日に注文した飲物
*Sanpellegrino; S.Pellegrino(伊産:ミネラルウォーター
*POUILLY FUISSE (仏Appellation Village 産)
*NUITS-SAINT-GEORGES (仏Appellation Village 産)
______________〆て@¥12,100.- 也 料理/接客/雰囲気からして◎
当店は完全予約制。昼/夜ともにワンコースのみの設定。
今回はランチコース(税サ別\6,000.-)、各自に用意されたMenuをみると7種の料理から構成されている。ただ、それが今まで凡そMenuでは見たこともない言葉で表現されている。「投影、要素、ヘテロ…」先付/焼物…水菓子が精一杯な私は興味深々雨あられ。
二科展の作品でも運んで来たのかと見紛う一品目。「投影:茄子」今迄知らなかった世界の幕が開く。
丸い小さな茄子の中に、ピューレ状の茄子が仕込まれ茄子の生地でつつんである逸品。食べるのも初めてならば、こいうった演出も経験がない。「これって茄子ですか?」と思わず質問してしまいそう。自宅のサイドボードに置けば間違いなくオブジェになるだろう。
2品目は「要素」牛肉のカルパッチョ.プラムとジャガイモのピューレを添えてどうぞ!とのご案内。生牛の下には林檎が敷かれ、爽やかでフルーティなピューレと佳く合う。
その後「名残りとはしり」(鮎のリゾット.フォアグラとのコラボ)=鮎を塩焼き/背越し/鮎めし以外で…要は和食以外で食べたのは初めて。「ヘテロ」(オカヒジキで包んだ牡蠣のフリット.レモンメレンゲを添えて…) 「ヘテロ」とは「異なる」という意だそうで、熱々/冷たい/酸味が一体感を演出し実に興味深い逸品=わたし的には、この逸品が一番気に入った。
と続き…甘い物が嫌いな私でも美味しさを感じるデザートまで、まさに時空を飛び越えて「詩集」の世界に迷い込んだが如き素晴らしさ。
料理という名の芸術品
因みにFlorilègeとは仏語で「詩集」という意味。まさに一冊の詩集を読み終え感動に浸ったように放心状態になってしまった。こんな「詩集」なら何冊でも読んでみたい。
(追記)
お誘い戴きましたメルモちゃん。そして爺をお相手して戴いた紳士の方々に感謝申し上げます。またいつか”メルヘンの世界”でお会いしましょう~♪
4位
1回
2015/05訪問 2015/06/09
記念/備忘録Rve
記念日の宿泊に選んだホテルは‥‥
都内にある超高級ホテルのスィートルームから、東京MID Town 45F~53Fの『THE RITZ-CARLTON 東京』最上階クラブラウンジ「クラブ・カールトンスィート」を選ぶ。
本当は最高峰の「クラブ・プレジデンシャルスィート」を希望するも、既に予約済みとのことで、涙を飲んで1ランク下の「クラブ・カールトンスィート」をお願いした。
とは云いつつ予約した部屋でも、リビング/ベッドルーム/ドレッシングルーム/バスetc広さ120㎡もあり自宅より確実に広い。(笑)
ルームチャージには「クラブラウンジ利用料金」も含まれるため、その気になればラウンジでの1日5回の飲食も可能だ。(朝食/軽食ランチ/アフタヌーンティ/イブニングオードブル/スィーツ&コーディアル)一般宿泊者も@\5000の追加料金を支払えば利用が可能とのこと。お得感は満載の「おすすめプラン」だ。
■Welcome Afternoon Teaの内容
*【1段目】桃のペリーヌ/季節のマカロン/パリブレスト
*【2段目】レモンスコーン/レーズンスコーン/クロテッドクリーム
*【3段目】ホワイトアスパラガスと野ばらのピュレ冷製スープ/ニース風小海老のオリーブブレッド
パルマ産生ハムとメロンのピンチョス
*Welcome Drink「木苺風味のカクテル(ノンアルコール)
*アールグレイ
*リッツカールトン東京Specialブレンド
■Barの利用
*シャンパン
*マンゴのカクテル
*ブッフェ形式のおつまみ「ブルーチーズ/カマンベール/ミックスナッツ」
■:Breakfastの内容
*ブッフェ形式「ハム/ソーセージ/サーモンマリネ/ベーコン/チーズ各種/温野菜/サラダ」
*土曜日限定ロブスターオムレツ
*ブッフェ形式パン各種
*ブッフェ形式デザート/フルーツ各種
*フレッシュジュース
*珈琲/紅茶
■宿泊の内容
*53F「クラブラウンジ/クラブ・カールトンスィート」利用
_______________〆て\180,000.-也 優雅に過ごすには…
部屋からの眺望が息を飲むほどに素晴らしい。リビングからは東京タワーが目の前にそびえ、意外と近くにお台場/ベイブリッジを臨むことが出来る。一方ベッドルームからは、手が届く所に六本木ヒルズを従える。
まさに都心の「天空の城」といった感じで、天下統一をしたような気分に浸れること請け合い。
サマージャンボ1等前後賞が含め7億円が当たったら、700,000,000÷180,000=3,888.9日(10年半)泊まれるなぁ!
「佳し!今年は気合を入れてサマージャンボを購入しよう!」
(追記)
「クラブ・ラウンジ」宿泊者には、その他様々なサービスが盛り沢山に用意されている。
一生に一度と云わず「此処に戻って来ることを目標に、また明日から頑張るぞ!」という気分になれる。
因みに、当日「クラブフロア」で元サッカー日本代表のN田英寿氏とすれ違った。もしかしたら「プレジデンシャル・スィート」に宿泊していたのは…
5位
1回
2015/09訪問 2015/09/11
(北海道遠征Rve)
新千歳空港に降り立ち、恨めしそうに鉛色の空を見上げた。
「雨は浄化。悪いものを洗い流してくれる、と思えば少し気分が楽になるよ」と親愛なる友から慰めMailが入るが、肝心な時はいつも雨降りだ。
しかも悪いもの全てが洗い流されると、私自身の存在もなくなってしまう(苦笑)
到着ゲートを抜け札幌方面のアクセス案内板をみると、3分後にバスが出発と出ている。
傘を買う事も出来ず慌ててバスに飛び乗った。今宵「祝いの宿 登別グランドホテル」で開催される同期会出席のための訪道。集合時間まで、各自様々なプランを企て道内を満喫していることだろう。
仕事柄、北海道には2~30回訪れている。取り立てて行きたい場所もない。芝刈りも腰の具合が芳しくないので断った。果ては道内で一番旨いと評判の”らーめん”を喰うことぐらいか?我乍らつまらない計画だと思う。
目指す店は札幌から地下鉄で20分ほどの”美園”という街にある。
美園という地名は知っていたが訪れるのは初めて。市郊外という場所ゆえ、札幌のベッドタウンだろう。その街に「食べログ」の評価断トツ(2015.Sep時点★4.15 700口コミ)の『彩未』という"らーめん屋”がある。
投稿された口コミを読むと、平日でも50名の行列は当たり前。週末ともなれば100名~200名の大行列になるという。東京で例えるなら、差し詰め「一燈」もしくは、往年の「六厘舎」といった所だろうか。
途中、”福住”という駅に隣接するバスターミナルに止まる。乗り換え検索をすると、此処から2駅目が目指す”美園”だ。慌ててバスを降り地下鉄の改札に歩みを進める。
構内の靴/傘の修理屋で傘を購入する。「この傘は、そんじょそこらの傘だと思ったら大間違い。米国製でどんな強風にも耐える。何処にも卸していないよ」御年80歳くらいだろうか?爺さんに奨められた傘を買う。そんな優れ物なのに¥645とやけに安い。”フーテンの寅”よろしくバッタ物だろうが、雨を凌げれば充分程度に購入したが、これが爺さんの講釈通りの優れ物。グラスファイバー製の傘の骨が、強風をもしなやかにやり過ごし、日本製の様にオチョコにならない。翌日は雲一つない晴天に恵まれたが、家族へ土産話とともに東京まで持ち帰った(笑)
GPSに誘(いざな)われ店の前まで来て目を疑う。11:00の口開けゆえ、場所だけ確認しておこうとの考えが吹っ飛ぶ。降りしきる雨の中、7人が店のOPENを待っている。「1時間も並ぶのか!」一瞬頭をよぎるが、明らかにラーメン目当てのカップルが向って来るのを目視した瞬間に心が決まった。
10分後15名。20分後30名。その後も列が伸び続け、開店15分前、早めにOPENした時には6~70名が並んでいた。(驚)
順番に店内に入ると何処に座っても佳いと云う。
カウンターの端に陣取るが、此れでは入店した順番が判らないのでは?と観察していると、客の座った席を順に憶えており、実に見事なオペレーションで注文を取ってゆく。カウンター10数席、テーブル4卓があるが、相席にすることなく見事な客捌きをしていく。1回転目から溢れた客20数名が店内で空席待ち。此方も順番にコントロールしていくのだろうな。素晴らしい。
■当日に注文した料理
*味噌らーめん
*大盛り
*叉焼トッピング
■当日に注文した飲物
*瓶ビール「EBISU」
______________〆て¥1,500.- 也 道内も内地も然程変わらず
喉が渇いた。当然SAPPORO Beerと思いきやEBISUが供される。
SAPPOROよりEBISUを選択する店主の拘りか?呑み終えた頃合いをみて、目当ての「味噌らぁめん大盛り/叉焼増」が運ばれて来る。丼ぶりの中で、綺麗に整列した叉焼が存在感を示す。他に特段変わったところはない。強いて言えば叉焼の上に載った生姜くらい?
一連の儀式(料理撮影)を終えスープを啜る。
「な・な・何だこの味は!」などのインパクトもなく、至って凡庸な札幌味噌らぁめんのスープ。続いて麺を啜る。札幌らぁめんにおける定番麺、関東で言えば「浅草開化楼」や「三河屋製麺」の如き、「森住製麺」の中太ちぢれ麺を使用している。正統派札幌らぁめんの特徴のひとつ、かん水が強く臭みが強い、これぞ「札幌らぁめん」と云われる麺だ。正統派ながら、素晴らしき凡庸さ。「森住製麺所」の麺の特質を最大限に生かした茹で具合いが絶妙。
昨今、人気のバラ叉焼「餃子にラードを加えてジュウシー」という紛い物のそれではない、肩ロースをじっくり炊いた逸品。メンマなども、ひと品、ひと品が至って凡庸。しかし凡庸の仕事を手抜きをすることなく行うことで、最高なる”尋常一様”の一杯に仕上がっている。
私が3年間通った「花の季」の如き、毎日食べても飽きの来ない”味噌汁”の様な味わい。「素晴らしい!」言葉が見付からない。
尋常一様という素晴らしさ!
これがなかなか出来そうで出来ない。料理も…人も”尋常一様”の素晴らしさに適うものなし。しかし、裏打ちされた仕事(経験/努力)があればこそだが…紛い物が多い昨今において感動的な一杯であった。
6位
1回
2015/03訪問 2016/01/15
素晴らしき"蕎麦前"の世界!「熱もりせいろ」に蕎麦の世界の奥深さを感じて…
(渋谷/原宿街歩きRve)
週末の街歩き。本日は単独歩となり渋谷を起点に、今夕の食事会の地「千駄木」まで歩く計画。
単独だと少し淋しい反面、好きな場所へ、好きなペースで歩ける利点もある。
まずやって来たのは、以前から「是非訪れてみたい店」の筆頭、蕎麦の評判店『玉笑』 蕎麦喰いの間では「超」が付くほど有名かつ、訪れた時点の評価TOP500 (★4.17)は「ふじおか」「手打ち蕎麦 じゆうさん」に次ぎ、蕎麦ランク全国3位に君臨する。
渋谷から原宿方面に歩くこと10分足らず。駅前の喧騒からは想像できない閑静な住宅街の一角に目指す店はあった。
口開けは11:30。いつもながら余裕を持ち20分前に到着。外観写真を撮ったり周辺を散策したり…(行列店の場合は当然並ぶ)
開店10分前、ひとりの初老男性が店に入って行く。店の方なのだろうか?と見ていると、中から花番さんが現れ「ご予約のお客様ですか?」と声を掛けられる。予約はしていない旨を告げるが、時間前にもかかわらずカウンターに案内された。(平日、口開け15分で予約客/フリー客で満席となる。予約をするのが確実=経験者は語る)
店内は壁に面したカウンター7~8席とテーブル数卓。静寂の中に凛とした空気が流れ、嫌がうえにも期待感が高まる。
「生ビール(アサヒ特線)」で喉を潤し、口コミで注文率が高い「海老の味噌漬け焼き」をお願いするが「海老」の入荷がないとのこと。残念だが第2希望の「つまみにしん」「焼き味噌」を頼もう。
■当日注文した料理
*お通し「山葵の醤油漬け」
*つまみにしん(6日間炊き上げた逸品)
*焼き味噌
*そばがき(ハーフ:焼き畑農法で栽培し、手刈り天日干しの蕎麦の実で作られた逸品)
*熱もりせいろ:◎
★当日注文した飲物
*生ビール(アサヒ特撰)
*「白隠正宗純米山廃」(静岡沼津市:高嶋酒造)
*「渓流どむろく」(長野須坂市:遠藤酒造所)
_______________________________〆て\6,804.- 若干高めだが充分に価値あり!
来店客は常連か蕎麦好き、一部「食べログ」バカ(笑)
蕎麦だけを愉しむ方は少なく、殆どの方がひと品、ふた品と料理を頼んでいる。生ビールとともに供された「山葵の醤油漬け」を齧る。ピリリとした辛味と爽やかな風味がいい。
「白隠正宗純米山廃」(静岡沼津市:高嶋酒造)を追加する頃、タイミングよく「つまみにしん」が供される。
6日間じっくりと炊かれたという「身欠きにしん」は、箸で持ち上げるとホロリと崩れるほどに柔らかい。身を崩さずに弱火で炊いているのだろう。芯まで味がしっかりと染みているものの塩気が強くなく、実に繊細な味わいだ。
「焼き味噌」も香ばしい味噌の中に蕎麦の実が入り、昼酒にもかかわらず杯がグイグイと進んでしまう。
隣に座った御仁に感化され「そばがき」をハーフで頼む。焼き畑農法で栽培し、手刈り天日干しの蕎麦の実で作られたという「そばがき」が絶品。
此処に伺う前、信頼する蕎麦好きの方から「玉笑は”熱もりせいろ”がお奨め!」とのアドバイスをいただき、それに従い「初!熱もりせいろ」を注文する。
すると花番さんが「熱もりせいろの召し上がり方」を持って来てくれた。見れば「生たまごを溶いて、出汁を少しずつ加えながら熱々の蕎麦を食す」らしい。
せいろの蓋を開ける。湯気が立ち上り蕎麦の風味が香り立つ。
まずはそのまま…しっかりと腰があり風味豊かな蕎麦の存在感が素晴らしい。次に出汁を足したつけ汁に浸して…今まで体験したことがない蕎麦の世界が其処にはあった。美味い!正直、蕎麦にこんな食べ方があったのか!と感動をする。
素晴らしき"蕎麦前"の世界!「熱もりせいろ」に蕎麦の世界の奥深さを感じて…
最近、様々な店で「蕎麦前」を愉しんで来たが、ここまでの感動を味わったのは初めてたっだ。次回の訪問が心から愉しみになった早春だった。
7位
1回
2015/05訪問 2016/01/15
素晴らしき"蕎麦前"の世界!「板わさ/あい焼き」〆はキリリと「なめこおろし」で…
*「食べログ」サポートより文章の一部削除要請があり修正致しました。空投稿ではございません(笑)
【再訪2】:素晴らしき蕎麦前の世界!「板わさ/あい焼き」〆はキリリと「なめこおろし」で…
(蕎麦前行脚Rve)
最近「蕎麦前」にハマり、週末は都内を中心に様々な店を訪ね歩いているが、数ある店を置いてでも【再訪】したい『吾妻橋藪蕎麦』、家人にも感動をお紫蘇分けしたく1ヶ月ぶりの訪問となった。
春らしく街歩きの人で賑う浅草。
昼過ぎゆえ、店頭に3~4組。店舗内に更に3組が待っているが30分ほどで席に誘(いざな)われる。
汗ばむ季節、瓶ビールが旨い季節になってきた。個人的には麒麟/サッポロ赤★などのラガー系が好みだが、「ウ◎コビル」のお膝元ゆえ、ビールはSuper Dryしか置いていない。
■当日に注文した料理
*お通し「蕎麦味噌」
*板わさ(お品書きには「かまぼこ」表記)
*あい焼き
*なめこおろし蕎麦
*せいろ(小)
■当日に注文した飲物
*瓶ビール(大)
*菊正 上撰「ぬる燗」(兵庫県神戸市:菊正宗酒造)
________________〆て¥4,800.- 也 相変わらず素晴らしい。
前回(初訪)時は「せいろ」で〆たが、今回は「種もの」にしようかと迷ったが、やはりキリリと〆った蕎麦を手繰りたく「なめこおろし蕎麦」をお願いする。
鈴廣謹製「板わさ」深谷ねぎの甘みと合鴨の脂の甘みのコラボを愉しみ、菊正で佳い心持ちになった所で〆に移る。
「かけつゆ」は如何なものか?と思ったが、「せいろ」より若干甘味が立っている感じ。辛口であるが「なめこ」と「大根おろし」の汁けと相まって絶妙な味わいをみせる。蕎麦の甘みが更に際立ち秀逸さを再確認した。
家人も「せいろ」(小)をペロリといただき「(中)にしても佳かったかな?」と満足げに微笑んでいた。
素晴らしき"蕎麦前"の世界!「板わさ/あい焼き」〆はキリリと「なめこおろし」で…
今年、この店に何度通うことになるのであろうか?次回は…今から頼むものを決めておこう(笑)
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【初訪】:素晴らしき"蕎麦前"の世界!「伝統」に胡坐を掻かず和の心を感じさせる佳店
(蕎麦前行脚Rve)
春のうららの隅田川~♪ のぼりくだりの舟人が~♬
日本が世界に誇る大作曲家「瀧廉太郎」の名曲「○○○」である。さて問題です。この曲の名前は何でしょう?
「隅田川」と答えた方…Boo~♬ 正解は「花」、単独の曲と思われがちだが、本来は歌曲集(組歌)『四季』の第1曲である。曲名も本来「花盛り」であったが、第3曲「月」第4曲「雪」と合わせるために「花」にした(雪月花)そうだ。
そのメロディを自然と口ずさんでしまうような、正に「春うらら隅田川の畔」、4月某日かねてから一度は訪れたいと思っていた「藪系統」の名店『吾妻橋 藪蕎麦』の暖簾をくぐる。
浅草駅から雷門前を曲がり藪御三家「並木藪蕎麦」を横目で見つつ駒形橋を渡る。駒形橋の脇にありながら、何故?「吾妻橋 藪蕎麦」なのかは疑問???…
口開けは11:30、店頭で待つこと10分。まだ開店の5分前なれど、女将さんの明るい対応で店内に促される。熱いおしぼりが運ばれ、先ずは瓶ビールを頼みお品書きに目をやる。かまぼこ(板わさ)/焼きのり/抜きなど「蕎麦前」定番もあるが、今回は「鳥わさ」「鴨抜き」をお願いし喉を潤す。
■当日に注文した料理
*お通し「蕎麦味噌」
*鳥わさ
*鴨抜き
*せいろ(小)
■当日に注文した飲物
*瓶ビール(小瓶)
*諏訪泉 特別純米(鳥取県八頭郡:諏訪酒造株式会社)
______________________________〆て¥3,500.- 素晴らしい!
瓶ビールは小瓶と大瓶。中瓶は置いていない。小瓶だと物足りないが大瓶だと後の酒が入らない。
小瓶で軽く喉を潤し、鳥取八頭の銘酒「諏訪泉 特別純米」を冷で頼む。最近は袴を履かせず徳利だけで供される店もあるが、流石に此処は「徳利袴」で供される。
「肴」は鳥わさ。軽く湯通しした鶏の笹身を冷水で〆、山葵醤油で和えてある。自宅でも家人に作ってもらうが、鮮度がいいのだろう、甘味さえ感じる逸品。量もあり、此れだけでも充分に愉しめる。これで500両は素晴らしい。
「抜き」は「天」か「鴨」か迷ったが、鳥被りを失念し「鴨抜き」をお願いしてしまう。鰹が効いた出汁に、小ぶりながら脂の載った鴨と焼かれて香ばしい葱、三つ葉が添えられている。柚子の香りが心地佳く「江戸の粋」を感じる。次回は是非「天抜き」で…
〆はもちろん「せいろ」
此処では小・中・大と3種類の量で供されている。「藪系統」ゆえ、久々に御三家にも寄ってみたくなり(小)をお願いしたが、普通に量がある。
先ずは「蕎麦つゆ」を口に含む。辛い!この辛さが「藪」伝統の辛さだ。舌の記憶が曖昧で「並木藪蕎麦」との比較が想い出せないが、この辛さが「江戸伝統の藪」だと確信。池波正太郎が絶品とした「藪」の味が此処にはあった。
蕎麦を手繰る。蕎麦の色合い、香り、喉越し…見事な仕事ぶりがうかがえる。「蕎麦つゆ」に蕎麦の先だけを付け、づづっ!と手繰る。蕎麦の香りを感じた後から「つゆ」の辛さが追い掛け、口の中で一体感を醸し出す。
参った!
素晴らしき"蕎麦前"の世界!「伝統」に胡坐を掻かず和の心を感じさせる佳店
好みは色々あれど、やはり「藪系統」の辛めの「つゆ」で味わう蕎麦は最高。さて、駒形橋を渡り御三家でもう1枚「せいろ」を手繰ろうか!
(*残念ながら物凄い行列ゆえ、この日は「並木藪蕎麦」は断念。浅草から約20kmを歩き、月島へと向かったのであった)
8位
1回
2015/04訪問 2016/01/15
素晴らしき"蕎麦前"の世界!若き天才蕎麦蕎麦職人が腕を揮う「隠れ家」
(下町街歩きRve)
浅草の名店「吾妻橋薮そば」で「江戸の粋」を愉しんだ後、浅草~向島~両国~深川~森下~門前仲町~月島と、3時間半掛けてゆっくりとお散歩を愉しむ。
(この日は結局、25,107歩 19.6km 消費kcal 864kcalに終わった)
夕方、親愛なる友が、名店「流石のはなれ」で腕を揮っていた、若き天才蕎麦職人の矢守氏が開店した店の予約を入れてくれ、喜び勇んで待合わせ場所へと向かう。いつもの人懐っこい笑顔の友と合流、一杯だけ喉を潤し友の先導で「隠れ家」へと歩(あゆみ)を進める。
通称「もんじゃ通り」から、猫がのんびりと腹を出して寝転んでいるような路地に、目指す店『由庵 矢もり』はあった。
店内には白木の高級感が漂うカウンター。奥には厨房と手引きの石臼が置いてあるのがみえる。店主と笑顔で挨拶を交わす友。予定より早い時刻の訪問だったが、返ってゆっくり愉しめると「赤★」を早速開けてもらい…
料理はコースのみ。何件かのブログや口コミ投稿からの予習に寄れば、「蕎麦前」数品と蕎麦料理が3品ほど供される様だ。
■当日に供されたコース内容
*お通し「酢だいず」
*蕎麦の実雑炊
*独活の梅浸し、きゃらぶき
*大根葉と平茸の御浸し
*桜えびの卯の花
*わらびと油揚げの煮物
*生蕎麦の実
*そばがき
*鰊/自家製蒟蒻/湯葉/筍/せりの「炊き合わせ」
*蕎麦サラダ
*蕎麦味噌
*あさりそば
*せいろ
*蕎麦蒸し羊羹
★当日に愉しんだ飲物
*SAPORRO赤★
*三千盛 大吟醸(岐阜県多治見市:(株)三千盛)×2
*伯楽星 純米吟醸(宮城県大崎市:(株)新澤酒造店)
*萩の鶴 極上純米酒(宮城県栗原市:萩野酒造(株))×2
*扶桑鶴 純米吟醸(島根県益田市:(株)桑原酒場)
*天遊琳(三重県四日市市:タカハシ酒造)
_______________________________〆て¥22,000.- 也 (@\11,000.-) 大満足な宴
当日は座敷に1組と、我々以外はカウンターの1組だけゆえ、店主との距離も近く会話を愉しみながら酒肴(蕎麦前)を愉しめた。
いずれも丁寧な仕事ぶり伺える料理の数々。薄味ながら出汁がしっかりと効いて秀逸な出来栄え。
店主曰く「うちは客と話をしながら愉しんでもらうタイプ。しかし幾ら此方から話し掛けても、相槌程度で話しに乗って来ない方もいる。挙句に「食べログ」上に打ってもいない”田舎そば”とか書かれてしまって(苦笑)」*誰ででょう?(笑)
「食べログ」に投稿している方々の多分9割以上は「ズブの素人」(当然私自身も)なので、店主の苦悩も判るような気がする。
「判らなければ聞いてくれればいいのに!適当に書かれると本当に…」気を付けよう…(自己反省)
蕎麦の産地も教えてくれたが、他の会話に埋もれて失念。
蕎麦料理は3品が供された。季節の野菜と合された「蕎麦サラダ」、出汁が上品な温かい「あさりそば」、そして〆は「せいろ」だ。天才と言われるだけあって、蕎麦は香りも高く喉越しも佳い。実に秀逸な出来栄えだ。
日本酒の品揃えも豊富。初めて呑んだ酒もあり愉しい愉しい3時間。
素晴らしき"蕎麦前"の世界!若き天才蕎麦蕎麦職人が腕を揮う「隠れ家」
敷居が高そうで、初めてだと緊張してしまうかも知れないが、店主の優しいお人柄とトークを愉しめる店。近々、家人と再訪を企てよう!
9位
1回
2015/06訪問 2015/06/29
創業明治12年「江戸前寿司の総本山」で江戸っ子の「粋」を感じて…
(日本橋街歩きRve)
週末の街歩きで久し振りに日本橋を歩く。
銀座/京橋/日本橋…昨年100周年を迎えた東京駅を背に、日本橋高島屋の裏通りまでやって来た。
目指すは江戸前寿司の総本山『吉野鮨本店』 昼を少し廻った時間に訪れると、店内は周辺サラリーマンを中心に満席に近い状態。流石の人気ぶりに何故だか嬉しくなってしまった。
今更、説明不要の老舗中の老舗。江戸前寿司の総本山的存在の『吉野鮨本店』は明治12年の創業。今年で136年の歴史を刻み、現当主で五代目になるそうだ。
マグロの脂身部分を「大トロ/中トロ」などと普通に呼んでいるが、「トロ」という言葉は、この店の二代目店主が大正時代に命名したことでも知られている。
江戸時代から寿司ネタで食べられていたマグロだが、脂身が多い部分は傷みやすいという理由から「ねぎま」などに調理され食べられていた。
ある時、新鮮なマグロの脂身を握りにして出したところ、旨いと評判となり、トロッとした食感から「トロ」という呼び名が定着し語源となったのだという。
また、今では高級魚の代表格である「本鮪」だが、当時は日持ちのする「かじきマグロ」より価値がない魚だったというから驚き。そんな謂れをものの本で読みながら、昼のお品書き(ランチ用のにぎりずしは\1,575、\2100、\2310、\3150の4種類)から「特上にぎり(¥3150)」をお願いする。
■当日に注文した料理
*摘み「江戸前焼き穴子(甘辛たれ)」
*摘み「焼き烏賊げそ」
*特上にぎり寿司「鮪(赤身/中トロ)/才巻海老/鯵/帆立/鯛/いくら/平目/たまご」
「巻物:烏賊/鉄火/かっぱ」
*追加にぎり寿司「小肌/赤貝/雲丹」
★当日に注文した飲物
*瓶ビール「麒麟クラシックラガー」
*桜正宗 特別純米 宮水の華(兵庫県神戸市:桜正宗酒造)
______________〆て¥12,420.-也 素晴らしいCPに脱帽!
カウンターでは常連とおぼしき、白髪の御仁が、穴子を肴に麒麟で喉を鳴らしている。
郷に入れば郷に従え…家人の呆れ顔をよそに、「江戸前の焼穴子/焼き烏賊下足」を肴に麒麟を頼む。カウンター内には職人が4~5名寿司を握るが、次々入る注文にてんてこ舞い、オフィス街の昼時はまさに戦場の様だ。
「江戸前焼穴子」はタレもしくは塩で食せるが、家人の希望でタレをお願いする。
フワフワの穴子は、箸で持ち上げるだけで崩れてしまうほどに柔らかく、甘辛いタレも歴史に裏打ちされ見事な塩梅を醸し出す。「焼き烏賊下足」も塩味が施され、そのままいただける心配りは老舗ならではの「おもてなし」だろう。
2本目の「桜正宗」がなくなる頃合いを見計らい「特上にぎり寿司」は運ばれる。
「下駄」と呼ばれた「特上にぎり寿司」は、カウンターでも「下駄」に似た”寿司下駄”で供される。
その日の仕入れにより多少の違いはあるものの、「特上」は握り14貫に巻きもの3巻とボリュームがあるが、シャリばかりが大きい新興の寿司屋とは違い、口に含むとホロリと崩れる大きさ。全てのネタに煮切りが塗ってあるのも、伝統の技が息づいている印象を受けた。(この日のネタは、鮪(赤身/中トロ)/才巻海老/鯵/帆立/鯛/いくら/平目/たまご/”巻物”は烏賊/鉄火/かっぱだった)
じっくり味わい!と思うも、余りの旨さにパクパクと平らげ、追加で「小肌/赤貝/雲丹」を食し大満足。
江戸前寿司の総本山に触れ、江戸っ子の「粋」を感じた…こんな店が残っているお江戸日本橋を改めて見直し、後ろ髪を引かれる思いで店を後にした。梅雨の中休み6月の暑い午後だった。(了)
10位
1回
2015/05訪問 2015/05/25
(記念Rve)
1995年5月某日明け方、ひとりの玉の様な女の子が神様から生を受け天から舞い降りた。
女の子は「花」と名付けられ、両親・祖父母の愛情を一身に受けすくすくと成長した。武骨な父、優しい母から、意志の強さと朗らかな性格を受け継ぎ、3つ歳上の兄とともに家族に笑顔を運んでくれた♥
3歳の頃、兄と3人でお風呂に入っていた時。
「パパ!花にも”おちん○ん”生えてくる?」
「生えてくるよ!”花”も大きくなったらパパやお兄ちゃんと同じように、立派な”おちん○ん”が生えてくるよ」
「わぁ~い!(*^o^*) はやく”おちん○ん”生えないかなぁ」
数年後、彼女は大好きな母を追い掛け、彼女の母校に入学する。中学/高校と陸上部に所属し、都大会でも活躍する活発な少女に成長する。
天才肌の兄、努力家の妹、正反対の二人だが大病もなく今年5月「花」は20歳の誕生日を迎えた。そんな彼女だが、まだ”おちん○ん”は生えてこない。(笑)
(閑話休題)
娘の20歳のお祝いをしようと、彼女に何料理が希望かを聞くと「和食」との回答。
普段から脂っこい料理が苦手。刺身/寿司が大好きな彼女らしい選択だ。東久留米周辺には個室がある評判の佳い店がないことから、以前に親愛なる友が訪問し、高評価を付けていた練馬の『日本料理にわの』に予約を入れる。
娘の20歳の祝いの旨を伝えると、祝いの言葉と共に嗜好など細かなことを聞いてくれる。こういった配慮は店の信頼度を高め、安心して訪問できる。
■当日に注文した料理
*会席料理「花」
・食前酒「ブルーベリー酒」
・お通し「じゅんさい三杯酢」
・前菜「温泉たまご/生うに/青のり」
・椀物「赤飯蓮根餅/緑豆/葉山椒の吸物」
・煮物「里芋/蛸/鯛の子/隠元の炊き合わせ」
・お造り「真鯛の松皮造り/蛍烏賊/帆立/蛸/穂紫蘇」
・山のもの「ますのすけの西京焼き/酢蓮/ストロベリートマト」
・含肴「白子豆腐/若布/胡瓜/茗荷」
・食事「鯛めし」「あさり汁」「香の物」
★当日に注文した飲物
*生ビール「エビス生ビール」
*黒龍 純米吟醸(福井県吉田郡永平寺町:黒龍酒造株式会社
*開運 純米吟醸(静岡県掛川市小貫:株式会社土井酒造所)
*南 純米吟醸( 高知県安芸郡安田町:有限会社南酒造所)
*季節の果実酒(花梨酒)
*発砲日本酒 生ビール×5、日本酒×2
_________________〆て \39,350.- 也 良心的な価格
店の間口は小さく一見小料理屋のような佇まい。
真っ白い清潔感がある暖簾をくぐり店内に入ると、6~7名サイズのカウンターに初老のご夫婦が並び、愉しそうに食事をしている。
店奥の半個室(今回は5名で利用/隣りは3名のセットがされていた)に誘(いざな)われ、女将の優しい対応に胸をなでおろしながら「お祝いの宴」をはじめる。(前日の「江戸銀」の女将が酷かっただけに軽いトラウマ:笑)
「はやいわねぇ~♬パパの後を追い掛け、ヨチヨチ歩いていたのが昨日の様ね」義母がお決まりの台詞云い涙ぐむ。昔から「花」はパパが一番好きだった。そのうち2番になり、3番となり、いつかお嫁に行ってしまうのだろう。
小さい頃の話で懐かしんでいると料理が運ばれて来た。
会席料理も「花」コースを択んだ。特別会席もあり其方を希望するも、店主から「花」コースでも充分とのアドバイスをいただく。儲け主義で、値段の高いコースに誘導する店が多い中、義母への配慮からコース選択をしてくれ好感が持てる。
料理は京会席を基本に、目にもあでやかな料理が並ぶ。
料理は京料理らしく出汁が効き、初夏らしい季節料理が涼やかだ。「祝い」の宴ゆえ、赤飯を使った「赤飯蓮根餅/緑豆/葉山椒の吸物」など、「祝い膳」や初めて食べる料理に「花」の頬も緩みっぱなしだ。
日本酒の品揃えも豊富、純米酒(吟醸)のみも日本酒好きには嬉しい。20歳になった「花」は初の「お酒」に季節の果実酒を選択する。「父譲りで強いだろう」と義母が微笑む横でクイっ!(笑) 想い出に浸り、子供の頃の話に花が咲き、これからの彼女の幸せを願い、父はつい呑み過ぎてしまう。
〆は土鍋で炊かれた「鯛めし」(以前、荻窪の「坂ぐち」でも戴いたが甲乙付け難しの旨さ)
今まで何度かいただいた料理だが、調理法を間違うと嫌な臭みが出ることがある。此方の「鯛めし」はほっこりと炊かれ、味付けも控え目で秀逸。普段は余りご飯物を食べない息子が3杯お代わりをしたほど。残った「鯛めし」は「おにぎりに致します」まるでコンビニで売っているようなパッケージで渡され驚きと共に印象が佳い。
店構えは小さいが料理に対する大きな奥行を感じる佳店
練馬でまた1店佳い店を見付けた。次回は家内とふたりカウンターで…そんな気分にさせる佳店だった。
わたしにとって2015年は新しい出会いの1年だった。
年初に占った「0学占い」によれば、目標に到達するには根気よく関わっていくことも大事だが、他の道を探した方が自分の能力を存分に生かせる場合もある。こだわっているものや縁があるならば、それが障害となって全体的なマイナスを生み出していかないか…冷静に判断していく時期。
不要なものを排除することによって、翌年の「開拓」運を早めに呼び込むことができる。また、新しい環境の中に身を置きたいという、意欲もわいてくるようになる。
自分の決めた道を貫きたいという強い信念を持つ生まれだが、柔軟に状況に合わせて変化していく姿勢は、これからの時代必要不可欠なもの。客観的に判断できないなら、信頼のおける人に意見をもらうといい。いわば「清算」の1年。
1年前に文系脳から理系脳への転換を言い渡され、勉強につぐ勉強で「食べログ」を2ヵ月半休止した。
そんな変化に飛んだ1年。次年度の「開拓」に向け、まさに新たなるジャンルとの出会いがあった2015年であった。
今年1年で初めて訪問した店から「ベストレストラン2015」を選定した。
この1年で新たな世界に足を踏み入れたジャンルは…
ひとつには「蕎麦前」、信頼できる方の口コミを参考に「江戸三大蕎麦」ならず、都内の様々な評判店を訪れ「蕎麦前」を愉しんだ。「玉笑」「吾妻橋藪蕎麦」など秀逸な世界を体感した。
もうひとつは「フレンチ」結婚25周年の記念に行った「ガストロノミー・ジョエルロブション」、都内の人気フレンチにお誘いを受け、全く知らなかった世界を体現した。
今回選定しなかった再訪店も含め、★4.3以上の店が多数存在した。
来る2016年には、一体どんな世界が待っているのだろうか?