今年も例年の通り12月の初旬の週末2日間金沢を訪れた。
約一か月前に例年と同じようにホテルと列車のチケットを手配した。
コロナ渦の環境の中なのでホテルは直ぐに予約が取れると思っていたが、意に反して石川県県民向けの旅行応援事業対象プランが多くて、思ったように宿泊先を決める事が出来ないでいた。特に広い部屋などが県民割りの対象になっていた。
結局、過去に泊まった事があるホテルに宿泊する事になった。
予約はもう一つあってはランチとディナーの予約だ。
12月10日は生憎な事に金曜日で公務員のボーナス支給日になっていて言わば最悪の日た。
でもランチは予約が取れるだろうと思っていたが、一番望んでいたお店でのランチの予約が取れなかった(非常に残念)。
それに加えて例年の通り金沢では12月の初旬から忘年会のシーズンが始まり、金曜日のディナーは予約が取り難い。
結局、事前に予約が出来たのは土曜日の昼食の鮨屋さんだけに留まった。
従って、一日目のランチ、ディナー、二日目のランチは予約なしで金沢に向かう事になった。
12月10日(金曜日)
金沢に着いて新幹線を下りたのは12時少し前。
駅から以前から気になっていたお蕎麦屋に電話を掛け直前に予約を取る。
場所は「ひがし茶屋街」の奥にある卯辰山の中腹にあるお蕎麦屋さん。
「ひがし茶屋街」から歩いて昇るのは大そう辛そうなので、駅からタクシーを使っていく事にした。
行ってみると先客はなく空いていた。
食事が終わって金沢市の眺望点の一つになっている宝泉寺から「ひがし茶屋街」や金沢市を眺め、古来坂と言う坂を下りてひがし茶屋街の端っこに降りて来た。ちょっと寄り道をして茶屋街の中心は観光客で混んでいそうなので街の端を通って城北大通りに辿り着き、タクシーを拾って目的地まで行く事になった。
目的地は流しのタクシーを拾う事はほぼ不可能な場所にある。
そこで今回大いに役立ったのはタクシー配車アプリだった。
金沢には地下鉄はない。従って市民や観光客が利用する交通手段は路線バスと観光バスが主になる。
交通系ICカードを利用出来るのはJR系のバスのみ。もう一つの路線バスの北国鉄道バス系はICaという名の独自カードしか使えなくて交通系ICカードは使えない!何たる不便。しかも観光客が使う1日フリー乗車券は駅で買う事が出来るが路線を理解するのは路線マップを持っていないと難しい。
今年はタクシー配車アプリを使う事にした。
任意の場所に呼び出せるし、カードでも現金でも運賃を支払える。バス停を探す事も必要がないし路線マップを知っておく必要もない。但し迎車の料金は必要になる。観光で利用する範囲なら最大でも2000円位しか掛からないので遠くの移動はタクシーの利用が一番かと思う。
目的地で所用を済ませスマホのタクシー配車アプリでタクシーを呼ぶ。ほぼピンポイントで乗車予定の位置を指定出来、しかも行きたい目的地も事前に知らせる事も出来る。クレジットカード払いだと目的地に着いたらタクシーを下りるだけで事は終わる。
今度の目的地は近江町市場だ。
いつもここで蟹を発送する。
所が例年と違って売られているズアイガニが少なかった。香箱カニも甘エビも殆どない。北海道産ロシア産カナダ産も殆ど売られていない。こんな事はここ6年程で初めてだ。しかも売られていたズアイガニの値段は例年の1.5倍以上した。特に金沢港で捕れる加納カニは極めて高かった。それでも何とかズアイガニを2杯購入し関東に発送した。余談だが、2杯と言うのは茹でた蟹と言う意味で蟹が生きていると2匹と数える。
蟹を購入するのに疲れたので珈琲を飲みに専門店まで歩いて行く。
ここで喫茶店の話を一つ。私が学生の頃、いまから50年近く前には人口に対しての喫茶店の数は京都が一番で金沢が二番だった。その頃秋の11月3日の文化の日は金沢大学の文化祭の日で、毎年のように金沢まで来ていた。当時の金沢大学の校舎は金沢城の中にあり、昼間は喫茶店に行き、夜は居酒屋で飲む日々を送っていた。たまには内灘砂丘まで足を延ばし低い重たそうな雲を長時間見てやっぱり金沢には住めないなと思っていた。そんな思い出が多い金沢でも喫茶店の数は激減しているように見える。市内にお気に入りの喫茶店、カフェは3軒もなくなってしまっている。
旨い珈琲を飲みホテルにチェックインをしに行く。
今回利用するホテルは2年前にも泊まったホテルだ。新しいホテルで最上階に大浴場があるので日没前に行くと金沢の町と北の山が良く見える。ただ朝食バイキングがもう一つなのが小さな不満だ。
ちょっと休んで夕食を頂きに再び街に出る。
なんか疲れていて片町の方向におでんやふぐを食べに行く元気がなかったので近場で済ますことにした。
事前にGoogleMapで選んでいた居酒屋と言うか日本料理屋だ。
そこで今年初めて香箱カニを頂く。ズアイガニは予約しないと食べられなかった。
お店の方にお聞きすると今年の蟹は例年の3,4倍の値段がするとの事。これもまた中国の影響だろうか。最近、都合の悪い事が発生するとみんなみんな中国のせいにするがあながち間違っていないのが怖い。
そのお店だは全然期待していなかったが、結局大満足で夕食を終える事が出来た。
12月11日(土曜日)
翌日の朝、朝食を頂きにラウンジに降りて行くと満員だった。
ネームリストに名前を書き入れ順番を待つはめになった。
所が朝食バイキングの味はと言うと、機体していなかったが前回よりお味が良かったのだ。
金沢での定宿にしていたホテルの朝食がコロナ渦対策の為か酷く質が落ちたので2年前にも泊まったホテルに宿泊する事にした。しかしその朝食バイキングが美味しくなっていのは予想外の事だった。
ホテルをチェックアウトして、
お濠通りを通って「武家屋敷 寺島蔵人邸」に行ってみる。前田藩の中級節の邸宅の跡だと言うが大相なお屋敷で、そのお庭を見ながら午前中を過ごした。江戸時代当時の建物・敷地の約半分位しか現存していなかったが十分広く良いお屋敷だった。
今度は予約を入れていたお店に行くためにタクシー配車アプリでタクシーを呼び出し向かう事になる。配車アプリは本当に便利。
ランチはお鮨。
決して高級鮨店ではなく庶民的な価格のお店なんだけど予約は取り難い。
若干の不満はあったが美味しくかつ楽しくランチを頂けた。
次はデザートでお鮨屋さんと同じ列にある「つぼみ」。ずっと以前から訪れたかったお店だったがやっと訪れる事が出来た。
ここは大満足だった。これからも機会があれば寄ってみたいお店の一つになった。
犀川に向かうがお目当てのお店が満席で入れなかった。
仕方がなく「にし茶屋街」に向かい、甘納豆の専門店を訪れる。店としての伝統は浅いが良い雰囲気で、カフェでお茶をして帰りに甘納豆を買って帰った。
後は金沢駅に行って新幹線に乗るだけだ。
いつものように金沢百番街あんとに行って好きな生姜のおせんべいとお弁当を買う。
金沢百番街あんとは金沢の有名処の支店が入っているのでお土産を買うには便利だと思う。
蟹について
JFいしかわ かなざわ総合市場 市況情報(
http://www.ikgyoren.jf-net.ne.jp/sanchishikyou.html)を見ると、今年のズワイガニの水揚げ量が例年並みだと言う事が良く分かる。だったら何故近江町市場であれほど蟹の数が少なかったのだろう。不思議だ。誰かが買い占めたか良い値段が付く市場に流れて行ったのだとしかか考えられない。そもそも論をするともともと石川県金沢市はそんなに蟹が獲れるところではない。ズワイガニの漁獲量のランキングで言うと
1位 鳥取県岩美町
2位 兵庫県新温泉町
3位 北海道紋別市
4位 兵庫県香美町
5位 福井県越前町
6位 兵庫県豊岡市
7位 北海道森町
8位 鳥取県鳥取市
9位 石川県金沢市
10位 島根県隠岐の島町
13位 石川県輪島市
16位 石川県加賀市
18位 石川県珠洲市
と石川県はやっと9位に顔を出してくるだけだ。
しかも漁獲量は石川県全体を加算しても4位の越前町の量位になっている。
結論から言うと蟹を食べたいのであれば、北陸新幹線がまだ伸びていない福井の越前町に行く方が良さそうだ。
関西に住んでいるなら、鳥取県岩美町、兵庫県新温泉町、兵庫県香美町、福井県越前町、兵庫県豊岡市は車で3時間圏内だし、現に関西に住んでいた時は、越前海岸とか城崎温泉に蟹を食べに行ったものだ。
来年は福井に行ってみようかなと思う。敦賀まで新幹線が開通するのが2023年度になっているので新幹線が開通する前に訪れて蟹を食べるのが良さそう。京都の丹後半島の根本に間人(たいざ)まで行くと間人蟹と言う幻のカニを食べる事が出来るのだが。今から30年程前に一泊で行った事があり一人当たり3杯の蟹を頂いたが今はどうなっているのだろう。一財産が必要になりそう。