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入口
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【先附け】
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【八寸】
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掛け軸と生け花
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【八寸】 薩摩芋と海鼠腸
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【椀】
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【造り】
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【焼き物】
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【蒸物】
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【酢物】
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【食事】
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【食事】 香箱蟹の炊込み御飯
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【食事】 味噌汁
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【食事】 香の者
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【果物】
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上生菓子と抹茶
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二階の和室
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外観全体
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【2015/02/25】 つる幸
お昼には懐石料理を頂こうと考えた。ちょっとした内祝いでもあり今回の金沢旅行の食のメイン・イベントでもある。金沢には15軒ほどの料亭があり何処にしたものかと迷ったが、過去に昔からある料亭の幾つかには夕食に訪れた事はある。今回は子供連れでしかもお昼に伺うのは初めてなのでどういうお店にすれば良いか迷ったと言う事だ。格式と伝統の料亭で金沢伝統のお料理を頂くのも一つの案だし、比較的新しいお店で新しい食材を使ったお料亭と金沢の伝統のお料理を上手く採り入れたお料理を出してくれそうな料亭で頂くと言うのも案として良いと思う。
迷った末、まだ訪れた事がない料亭の「つる幸」に決めた。
理由はHPに「伝統と挑戦に培われた味、技、粋を心行くまでご堪能ください」とあったからで金沢の今の食を経験させるにはいいと思った次第。
予約は一週間前に電話で行った。お昼食の“雪”にした。
2月の下旬。金沢ではいろんな食材が入れ替わる時期ではあるが、どんなお料理が出されるのか楽しみだ。
武家屋敷跡を散策してやがて旨い具合にどお約束の12時にお店に着いた。名前を伝えると二階の個室に案内される。二人では贅沢の個室だったが、今回は上座に子供を座らせ対局に私が座る。何度か京都の料亭には連れて行っているが料亭の個室と言うのは初めてで、子供が些か緊張している感じが読み取れた。
最初にあられ茶とお手拭が持って来られ、飲み物を決めて伝えます。
さあこれから約2時間の食事が始ります。
【先附け】
鯛昆布〆、菜の花、キャビア、鰹出汁
昆布締めされた鯛と菜の花、キャビアを合えた物です。
【八寸】
香箱蟹(甲箱蟹、ズワイガニの雌)、ハタハタ(鰰)のぬた(饅)、茶碗蒸し。フォアグラの煮こごり、五色豆、キンカンの甘煮、薩摩芋と海鼠腸
この八寸。一品一品のお器も美しいし料理の内容も面白い。しかもビックリするやら美味しいやらでまだコースが始ったばっかりなのにもう「つる幸」のお料理に魅了されてしまった。
まず香箱蟹。仲居さんに「香箱蟹は獲っても良い季節が終ってしまっていて食べられないと諦めていました」と言いましたら、「新潟からのものを使いました」と言うお答えだった。雄のズワイガニは5月まで食べられるが雌の香箱は11月初旬から1月の初旬までの短い間しか解禁にならないので獲る事が出来ない。ちょっと季節を外して金沢にやってくる観光客に対する心遣いを有り難く思ったしビックリもした。蒸した蟹の足の身、内子、外子、味噌を甲羅に入れて食べる食べ方。三杯酢で頂く。感激的に美味しい。
ハタハタは秋田県の名産と思っていたが石川県も秋田県に負けない漁獲高があるそうだ。2月はブリコが終っているのでシロハタをぬたにしたのだろうか。
この茶碗蒸しは凄かった。カニの身の具沢山で熱々の茶碗蒸しの上に凍らせた蟹味噌を乗せてあり、スプーン混ぜながら食べると言う趣向です。熱い物と冷たい物が合わさり、徐々に溶けて行く蟹味噌の香りが立って凄く美味しい。
おかめの器に入れられていたのは薩摩芋と海鼠腸(このわた)と言う意外な取り合わせのお料理。薩摩芋は加賀野菜の中に入っているが砂丘地帯で栽培していると聞くと納得できる。それよりも海鼠腸は私が子供の頃から食べられない数少ない食材の一つだったのだが、子供がいる手前食べてみると美味しく食べられたのでちょっと驚いた。ストレートに海鼠腸を食べるのではなく薩摩芋の甘さと一緒になったために食べられたのかも知れない。この海鼠(ナマコ)は能登半島の珍味で金沢でもちょっと高級だな店だったりすると出て来るし、冬は旬だった事を忘れていた。
【椀】
すっぽんの真薯(しんじょ)とアワビ茸の椀。
椀の出汁は京都の出汁より濃い出汁を使っていると思った。地域差かそれともお酒を飲む人用なのかは判らなかった。
【造り】
鰤、鰹、ガス海老、バイ貝、甘エビ、鮪、いか
鰤と鮪(大トロ)は拍子木切りで大きな塊の刺身。東京の薄っぺらい刺身は大嫌いで噛んで美味しい刺身に満足。鰤もイカも表面に細かな包丁が入れられ、甘エビにはラー油が塗られていた。甘くねっとりした海老に辛いラー油の取り合わせが面白い。甘酢付け菊花が添えられていた。甘エビは2月末まで、蛍イカは3月1日から解禁。
【焼き物】
鰤(ブリ)の塩焼き、海老芋の炊いたものに片栗を付けて揚げてらしい物を台にして、白子を擦ったものを引いてある。焼いた鰤に白子を絡めて頂く。凄く美味しい。
【蒸物】
加賀れんこんのれんこん餅、ホタテ、雲丹、大根源助(普通の大根?)、たらの芽の揚げ物
ホタテは少し炙ってあって、お出汁の餡を掛けてある。ノリのいい香り
輪島塗りの爪楊枝入れや盆も素晴らしい。
【酢物】
ゴリ揚げに甘酢餡掛け、海鼠(ナマコ)の酢の物
ゴリは金沢郷土料理で以前は浅野川や犀川で獲れていたそうだが最近は獲れなくなって長野で養殖されているものを使うそうだ。
また海鼠だ。今度は酢の物にして大根下ろしと敢えてある。また難なく食べる事が出来た。
【食事】
香箱蟹の炊込み御飯、味噌汁に色鮮やかな香の物。紫色はカリフラワーを何の紫色で染めた物。それに何故か燻した沢庵。“いぶりがっこ”は秋田名物じゃなかったっけ?
【果物】
グレープフルーツ、イチゴ、パイナップル、ベリー、キウイなどのフルーツのジュレとヨーグルトを合わせた物。。
上生菓子と抹茶(お薄茶)
以上でお食事は終わり。ちょうど食事が始って2時間になっていた。丁度良い量と美味しさで子供共々大満足だった。
食べ終わってみて。流石にこのお値段だと加能ガニとか治部煮(鴨)は出てこなかったが、それ以上に旬の物や地の物やその組合せを頂けて十分に愉しめた。お料理の美しさはその下処理が丁寧になされているからこそだし、それに使われている器も漆器もさすが加賀と言うだけあって素晴らしい。
一つだけ注文を付けるとしたら、知識が浅い私にこれから頂くお料理の名前と食材を書かれたメニューを先に頂ければと思った。
帰り際、御主人、女将さん、仲居さん方々に玄関でお見送りして頂いた。お料理の事、新幹線開通の事、などについて言葉を交わし、また訪れる事を約束して店を辞した。
次回はもっと九谷焼、輪島塗、山中漆器、金沢漆器や金沢の魚介の旬と金沢野菜などの食材について勉強してから訪れたいと思った。しかも季節季節に。夕食も。と、好奇心と欲望は膨らむ。