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昼の点数:5.0
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¥6,000~¥7,999 / 1人
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試餅(こころみのもち) 京都旅行 その32
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店内の暖簾
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箱 開けた所
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試餅
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試餅を切った所
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外観
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袋
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箱(一個入り)
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説明書
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2012/03/20 更新
【2011/12/30】 川端道喜
京都で正月に頂く和菓子の一つに“葩餅(はなびらもち)”があります。関東に移り住んで30年近く、“花びら餅”は毎年東京に支店を持つ京都の和菓子屋で買い求めていました。“花びら餅”ともう一種類の二種類の和菓子を購入し、一日には“花びら餅”を、二日以降は他の物を頂くという習慣になっていました。今回は、久しぶりに京都の「川端道喜」に行き“試餅(こころみのもち)”を購入する事として、先に予約をして置きました。(今年は4日間)
「川端道喜」と言えば“粽(ちまき)”です。子供の頃は5月の節句、6月の旧節句、7月の祇園祭の季節が来ると毎年のように食べていました。京都という所は、例えば羊羹と言えば、どこどことの物、次にどこどこと言うように、品物によって店が決まり、それに加え店の序列が決まっているような所があります。そんな事は全く知らない子供の頃なので、“粽”と言えば「川端道喜」と言う事を知ったのはもっと後の事です。「川端道喜」の店の暖簾にも「御ちまき司」とあります。
「川端道喜」と“葩餅(はなびらもち)”正確には「御菱葩・おんひしはなびら」の事について語ると、話は室町時代まで遡るようです。詳しくは他のレビュアーが「試餅・こころみのもち」 を購入した際、添付されてくる説明書を転記してくれているようですのでそちらをご覧下さい。私も最後の写真に説明文のオリジナルを入れておきました。「オリジナル写真」でご覧いただくと読めると思います。
簡単に説明してしまうと、室町時代より営々と御所御用の出入り商人として餅や粽や御菓子の御用を務めていたのですが、明治に世が代わって天皇家が東京に遷都した後、一緒に東京に移らなかった 「川端道喜」に対し裏千家の家元が「川端道喜」に花びら餅の創作を依頼します。様々な試行錯誤ののち、現代のような白味噌と牛蒡の入った桃色の餅が作られました。同時に裏千家の初釜用の御菓子となって行きます。
一般人が予約して購入できるのは「試餅」というものです。「川端道喜」は1月5日より裏千家や他の家元の一か月に及ぶ初釜用の「御菱葩」を作り続けるわけですが、その非常に繊細な“御菱葩”を手作りする際、使われる材料などが年によって産地が違ったり、出来が違ってくるようで、その為に作り方の「試み」を行うわけですが、その時にできる物を「試餅」(試供品ですね)と言います。それを分けて貰った人から評判が上がり、一般に年末の数日だけ少量を予約販売するよう事になったようです。
私が初めて 「川端道喜」の“葩餅”を食べたのはもう40年近く前の事だと思いますが、「御菱葩・おんひしはなびら」「試餅・こころみのもち」について初めて知ったのは今から約20年ほど前の1990年に発行された「和菓子の京都」(川端道喜著/岩波新書)第十五代道喜の著を読んだ事によってでした。その歴史、作り方についてはこの本の「第二章 葩餅、肴から茶菓子へ」をお読みになれば詳しくかつ面白く判ると思います。京都の和菓子の歴史、宮家、裏千家と菓子の歴史、“葩餅”、“粽”の製法、祇園について知りたいと思われる方は是非この本を手に入れられ読まれる事をお勧めします。
今年になってレビューを書く資料として、この本を書棚から取り出して読み返してみると、「川端道喜」の“試餅”について評価をするなどと言う事が如何に(言葉はなんですが)恐れ多いと言うか不遜な事と言う事を改めて思いました。このレビューも何度も書き直しました。総合評価は☆5としますが、本来私共に評価ができるお店でも品物でもない事は確かです。
購入時に取扱いに注意する事を言われましたが、無事、味噌が餅を破って出てくることもなく家まで持って帰る事が出来ました。味に関してはかつて食べた時と味の変化はあまり判りませんでした。それはもう美味しいものですとしか言えません。見た目の違いがありました。牛蒡が以前は横にも突き出ていたように記憶しますが、今回頂いたものは牛蒡は短く餅の中に納まっていました。
現在の「川端道喜」の代は第十六代になっています。予約の際に丁寧に応対してくれたお若い人、受け取りに行った際に対応して頂いた若いお二人のご兄弟と見受けられた方々が、「川端道喜」の第十七代を継がれることと思いました。次の世代に無事世襲されていくと思い、安心致しました。
まだまだ知りたい事はあります。明治になってなぜ「川端道喜」と「松屋常盤」は「虎屋」や「塩瀬総本家」のように皇室を追って本拠を東京に移す事をしなかったのかと言う事などがあります。恐らく材料がその原因かなと思いましがまだ私には判っていません。
次回は“粽”を予約して買いに行きたいと思います。