2回
2022/03 訪問
【バングラデシュに行け! その45】 勉強さしてもらいます
板橋から腹ごなしに歩いて4時、すいてる頃だろう。
きょうは最初から最後までベンガル語で押しとおす。
もし、日本語で返されても押しとおす。
これくらいしないと、いつまでたっても喋れるようにならない。
なんか、道場破りにきたような気分だ。
「アッサラーム・アライクム」(たのもーっ)
バングラにいさん、俺のほうに顔だけ向けて、固まった。
「バングラ飯はどれ?…きょう作ったのはどれ?」
目を見ながらいく。
「……ゼンブソーダ!ナニガタベタイ?ナンデ、ベンガルゴ、シャベッテルンダ?」
きたきた、10倍返しな勢い、そうこなくっちゃいけねぇ。
だけど…
ゆっくり喋ってくれって言っているのに、ヒエー、ぜんぜんゆっくりにならない。
その気にさせてしまったようだ。
まぁ、だいぶ聞きとれないが、大事なところは反復確認で補正。
ヨレヨレだけど、一応オーダーがとおった。ちょっとうれしい。
テイクアウトができるのを待つ間、バングラスイーツをつまみながら自己紹介。
「Language discount」ということで勘定が100円安くなった。
その日の夕飯、
ごはん、生タマネギ、冷凍庫から青唐辛子を1本出して準備完了。
同朋客がイートインしている期待からのおためし感覚。全部で1,500円。
●野菜カレー(ショブジ)
雑なかんじにダイコン、キャベツ、ブロッコリーなど。
野菜の甘みが溶けでた半透明グレイビーに青唐辛子がビュンビュンきいたバランス。
非常にフレッシュなかんじがする。
●チキンカレー(ムルギー)
500円ぐらいなのにもかかわらず、しっかりした骨付きのが3ピース。
シナモンを思いっきり立たしたsuper hotの、こっちもバングラ庶民派テイスト。
●シンガラ(バングラのサモサ)
マッシュしてる部分としてない部分とツルンとしたニンジンの食感。皮はガシガシ。
1個150円と値段的にもちょっとつけたすのにいい。
生きた教材としてテイクアウトしたら、すげえキレキレ。
さすがはバングラコミュニティーご用達。だいぶ感動している。
ここで日本語を喋ることはもうないだろう。
旨かったらまた来ると言ってあるので、また勉強さしてもらいたい。
野菜カレー:日本の野菜でもちゃんとバングラの味になっていることにだいぶカンドー
チキンカレー:めったにお目にかからないレベルのスパイシいさ
シンガラ:同朋のおやじがママチャリをキッて止めて買い食いしていく人気商品
ロシュマライ(バングラスイーツ):小分けがうれしい 3個300円
2022/04/03 更新
タイガーのつづき。
H(さっき知りあったイケイケバングラ人青年)に連れられてPFCに来た。
Hは行き会うバングラ人すべてに声をかけていて、どこまでが知り合いなのかさっぱりわからない。
「センゲツハ、50ニンキタ。チイサイダカデス。」とHが言う言うように、目にも耳にも急速にバングラ濃度が濃くなってきたのを実感する。
シラフで行きずりの外国人におごられるだけでも、日本の感覚ではあり得ないことなのに(バングラでは普通)、もっとビックラこくことが…
中をのぞくと、席がうまっており、「あー、わたしもう帰らなくっちゃー!」と品のいい日本人マダム(75)が、ベンガル語で勘定をしていた!!!
俺はうれしくなってしまって、完全に彼女にロックオン!
「バングラ人の奥さんなんですか?」ってベンガル語で話しかけた。
しばし人生初、日本人同士のベンガル語でのやり取りをした。
「でもね、あまりしゃべりたくないの。この人たち歯止めがきかなくなっちゃうから(笑)」
当然、近所の人かと思いきや…
「東京に用があったんで、寄ってみたんです。あっちの人たち(もちろんバングラ人)に聞いたら、ここがおいしいって言うので。前はチッタゴンに住んでいました。」だって。
この滲み出る教養、躊躇の無さ、何か公的な仕事をしてきたひとなのだろうと思った。
いろんなことが起こるなぁ今日は…
開けはなった店内で、さっきHが発注したフスカをありがたくちょーだいする。
どんより覆いかぶさってくるような湿気。
耳をなでるベンガル語。
ここにあの鼻をつんざくような川の臭いが加われば、もう完全にダッカだ。