レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
2位
1回
2008/02訪問 2019/01/25
久々に感動の晩餐。少しずつ春めいてくるなか、もうすぐ河豚も終わりだと思い、どうせなら美味しい河豚を食べに行こうと、このミシュラン二つ星の山田屋を訪れた。
西麻布の交差点から少し歩いた閑静な住宅街。表札を頼りにわき道を入ると、高級そうなマンションの地下がホールのような吹き抜け空間になっている。そのホールの右側が鉄板焼きの馨、左側がここ山田屋だ。
この地にできて一年ちょっとの新しいお店だけに、店内はほのかに白木の香りがする。にじり口の個室はそれ程広くはないが、奥行きのある床の間付の綺麗な和室。掘りごたつのテーブルは白木で高級感溢れ、これからの食事に自然と期待が高まる。
コースは白子焼きや唐揚げのつく3万円のフルコースを予約しておいた。
☆前菜
目に鮮やかな朱塗りの盆に載った、四種の小皿。ひな祭りにちなんだ飾り付けとのことで、真ん中には梅のつぼみのついた小枝が添えられ、料理はそれぞれ大きな蛤の貝殻に盛られている。時計回りにふぐの煮凝り、蛤の酢味噌和え、筍とぜんまいの煮物、烏賊と青菜の水煮。それぞれに丁寧に造られており皆美味しい。ビールのあてとしても、次の料理への期待感が高まる美しい前菜だ。
☆すり流し
見ただけでは何かわからなかったのは、なんと白菜のすり流し。まろやかに少し甘い、何とも言えず美味しいすり流しは牛乳を使ってコクを出しているそうだ。中には魚のすり身のさつま揚げが入り、蕎麦の実が散らされる。
☆てっさ
ひれ酒に切り替えたところで、大きな皿に美しく盛られたてっさが登場。ふぐは「新鮮なほど薄く切るのが難しい」のだそうで、ここのふぐ刺しは少し厚みのあるものだ。臼杵名産のカボスが添えられる。透明に輝くふぐ刺しを、大分産の醤油を使ったポン酢につけて頂く。くにゅっと、しこしこした歯ざわりの身を噛み締めると、じわっと河豚の旨味、甘さが口中に広がり、まろやかなポン酢と混然となる。添えられた鞍肝を身に乗せて食すと、これまたうなるほどのうまさ。とらふぐの美味さを直に味わえる。
☆白子焼き
これもやばい。表現力が乏しいのだが、表面の薄皮がぱりっと焦げ目がつくくらい綺麗に焼き上げられた白子は、噛むと中からトロリと溶け出し、口いっぱいにコクと香りが広がる。中まで熱々なのにトロトロで、薄塩の味付けもうれしい。うーん、なんでこんなに美味しいのだろう。しばし皆、静かになるほどの美味しさであった。
つぎ酒は写真のように、注ぎながら火をつけてアルコールを飛ばす。青い炎が綺麗なパフォーマンス。大きなひれが2枚入っているひれ酒もたまらない美味さで止まらない。
☆から揚げ
まず身が大きいのに驚く。お店独自の揚げ粉はカリっとした歯ざわりにふぐを包み込む。かじった瞬間、ころもの中からほわっと湯気が立ち、白くて柔らかいふぐの身が現れる。うまい!ふぐのから揚げがこんなに美味しいものだとは。身がたっぷりなのに、骨をしゃぶるように食べてしまった。
☆ふぐ握り
白子寿司が食べたかったのに、残念ながらふぐの身の寿司であった。くちなしの実で黄色く色づけた郷土料理の黄飯をシャリにふぐを握った寿司。塩昆布が入るので、ひと味違ったふぐの味わいだ。
☆ふぐ焼き
照り焼きはまた違った趣のふぐの味わいを楽しめる。白身魚よりも弾力のあるふぐの身は、照り焼きにしてもとても美味い。出汁で煮た大分の紫大根とじゃが芋の胡麻和えが添えられた。
☆ふぐちり
仲居さんにおまかせで食べる。一の椀は中骨、尾の身、豆腐、葱、春菊、人参。二の椀はふぐのあら、皮、腹身に椎茸、葱、そして最後は丸餅を食べた。ふぐ自体が大きいので、身がたっぷり。いい具合に火の通ったふぐの白身は、ほくほくしてとても味わい深い。ポン酢もまろやかで美味しい。
☆雑炊
ふぐちりを食べたら、雑炊は楽しみなものだ。厨房で板さんの手で造られた雑炊は、卵の黄色が美しい。ほのかに塩味がきいており、ふぐの出汁の味がご飯に染み込んでたまらなく美味い。一杯たいらげて、さすがにもうお腹いっぱい、と思ったが、「おかわりいかがですか?」と言われると、どうしてももう一杯食べたくなってしまう。二杯目は少しポン酢をたらして食べたら、これまたすごく美味かった。
デザートを食べてフルコースは終了。結局ひれ酒を4杯ものんでしまった。臼杵ふぐと呼ばれる大分産のふぐの素材が良いのに加え、一品一品が丁寧に造られているため、とても満足度が高いコースだ。
特にふぐ刺しの深い味わい、白子焼きの旨さ、唐揚げのふぐの滋味は、今まで食べた中で最高であると思った。
仲居さんのホスピタリティーも文句なく、最後に挨拶に来られた若女将が、とても魅力的な美人だったのも印象を良くした。通りでタクシーを拾うまで見送ってくれ、幸せな気分で店を後にした。
3位
2回
2019/11訪問 2024/03/19
大先輩のオフィスに鰻を差し入れしようと、選んだお店はご存知「野田岩」 出前してくれるんですね。
鰻重 3800円
肝吸 330円
香の物 260円
お店で食べるのと同じように、少しあっさりとした色合いの蒲焼は、ふわっとさくっと。白身魚のような上品な身に、甘味のある上品な脂。そしてタレはさらっと、これまた上品で鰻の味がよくわかる。これが「野田岩」のうなぎ。
備長炭を使い、焦げ目をつけずに繰り返し焼かれた蒲焼は見事。基本的に蒸しが強いので、余計な脂が落ちてフレークのような食感になるのが特徴。これは好き好きで、もっと脂っこい鰻が好みの人もいるでしょう。
脇役の肝吸も抜かりなく、ちゃんと肝が入った美味しいおすましでした。
最近は「野田岩」のお店に行くと、外国で食べているようだ、という話も聞きます。
出前で「野田岩」の鰻を味わうのも、ひとつの形ですね。
2階の個室を利用しました。黒光りする太い梁や、歴史を感じさせる座敷がとても良い雰囲気で、さあ、鰻を食べるぞ!という気分が盛り上がります。
うな重コースを注文しました。
まずは生ビールでつきだしをいただきます。つきだしは、鰻の煮凝り、もずく酢、鰻のそぼろです。鰻のそぼろは初めて食べましたが、佃煮でもなく、でんぶでもない、面白いものでした。味わうと甘辛い中に鰻の風味がほんのりして美味いです。
☆志ら焼き
20分以上待って、志ら焼きがやってきました。黒い蓋のついた銀のお重に入っています。よく知られているようにこのお重は湯煎で保温されています。
蓋をあけると。、志ら焼きはきれいな狐色です。まさに「白焼き」ではなくて「志ら焼き」です。表面は綺麗に焼き上げられており、箸を入れると中はホクホク。
なんとここで同行者が注文したキャビアが登場しました。「なんで白焼きにキャビア?」と思いながら、志ら焼きの上にスプーンですくってキャビアをのせ、山葵をつけて醤油をちょっとつけて食べます。
・・・・ 「うまい!」 とろっと柔らかく、まったりと脂の甘い鰻の身に、塩味のキャビアがアクセントを加え、山葵醤油がびしっと締める。鰻の香りとキャビアの風味が口の中で渾然一体となって、実に美味しい。なんと贅沢で、謂わばなんと下品な食べ方なのでしょう。しかし、これが美味しいのです。フランスにも支店を持つご主人が考え出した、究極の和仏折衷です。合わせるお酒はブーブクリコでありました。
☆茶碗蒸し
志ら焼きキャビアの興奮に浸っていると、口直しに茶碗蒸しが登場します。これがまた、鰻とふかひれが入った茶碗蒸しです。そもそも薄味の出汁を楽しむ食べ物である茶碗蒸しに鰻とふかひれを入れるという発想がすごいのですが、結構いけます。鰻と卵の相性の良さに、ふかひれが深みのある出汁を加えています。美味いです。
☆うな重
さらに20分ほど待って、ついにうな重がやってきました。綺麗な日本画の描かれた黒い漆塗りの重です。蓋を取ると、ほわっと香る鰻。こんがり狐色の蒲焼は、照りが美しく美味そうです。
重の端から、ご飯と一緒に頬張ってみました。なんと上品な味! 今まで食べていた鰻は、甘辛いタレのインパクトが強かったのですが、その期待が完全に裏切られる上品な薄味。そのため鰻の身の美味さが口中いっぱいに広がります。鰻の身はすごく柔らかく、口の中でホロリと溶けますが、脂は強くありません。その食感は今まで味わったことのないもので、ある種魚のフレークのようなもの。鰻が魚であることを思い出せてくれます。さっぱりとした味わいは、濃いタレに慣れた口には少し物足りないような気がしますが、食べ進むと、鰻の旨みが広がり、飽きが来ないのでとても美味しく食べられます。
新しい経験です。「鰻」ではなくて「野田岩の鰻」ですね。
大満足の野田岩でした。
4位
1回
2008/09訪問 2008/11/25
2008/9
窓から夜景の見える個室へ再訪しました。
やはりシェフが付きっきりになる、個室の鉄板焼きは全然雰囲気が良くなりますね。落ち着いて美味しい鉄板焼きが楽しめました。
蛤の吸物はやっぱり美味しいし、鮑も伊勢海老も最高でした。もちろん肉も。
この雰囲気と料理をリーズナブルな価格で味わえるのは評価高いです。
2008/7
個室を予約していたのに、お店の手違いで普通のカウンター席になってしまったというトラブルがあり、8人掛けのカウンターを6人貸切で使えることになった。まずはそよ風の気持ち良いテラスで夜景を見ながらビールを一杯。ビアガーデンの季節になってきたなあ。
カウンター席に落ち着くと、今日の担当は店長の小原さん。
「喜扇コース」を特上肉でオーダーした。¥21000!
・前菜盛り合わせ
・名物蛤の吸物
・向付
・活鮑又は活伊勢海老
・焼野菜
・ロースステーキ150g又はヒレステーキ110g
・お食事
・デザート
というコース。
「今半」らしく牛肉の時雨煮が美味しい前菜を食べていると、蛤の吸い物の調理を開始。鉄板の上に銅製の小さな鍋を置き、その中に蛤とだしを入れて加熱する。出来上がったら小さな鍋ごとサーブされる。大きなプリプリの蛤がパックリと口を開けているのが滑稽だが、昆布出汁とお酒が利いていてとても美味しい。
続いて鮑の踊り焼き。見事な黒鮑が鉄板の上に敷かれた昆布の上に並べられる。さすがに6個の鮑が一斉にうごめく姿は圧巻だ。蒸し焼きにされた鮑は、カットして肝と一緒に貝殻に入れられて供される。そのまま一口食べて、うんまい!とても柔らかく、昆布の香りのする鮑。とても幸せな瞬間。肝も美味しい。
向付はお造りか牛握りのチョイス。この牛握りは良い肉を使うとやっぱり美味しい。トロのような滑らかな脂の溶け具合と、牛肉らしいシャキっとした歯ごたえが最高。
珍しい沖縄の四角豆とパパイヤの焼き野菜で箸やすめをしたら、いよいよステーキだ。今日の特上肉は、鳥取産のロースと長崎産のヒレ。「今半」の目利きが産地にこだわらず、その日の最高の肉を仕入れると云うだけあり、とても綺麗な肉だ。
ロースをミディアムレアで焼いてもらった。外がカリカリ、中はふんわりの焼き加減。ボリビア産の塩をつけて食すと、脂の甘みと赤身の旨みが口いっぱいに!これは美味い!この店長、焼きの腕前はかなりと見た。
これまた美味しいガーリックライスを食べたら、デザートは再びテラスへ。満腹状態に夜風が気持ち良い。
店長がタバコ嫌いのようで、カウンターでタバコが吸える、吸えないでひと悶着あったので、サービスはちょっと減点だが、鉄板焼きは文句なしに美味かった。まあ値段もなかなかなので、美味しいのは当然かな。
5位
1回
2008/08訪問 2008/08/10
昔、ここにある系列のTOPSで、よくチョコレートケーキを買ったものだ。
今日は大切な接待で4名で個室を利用。部屋自体は年季の入った落ち着きを感じる部屋だが、畳が新しく井草のいい匂いがする。
前菜をアラカルトで数品。茄子の炭焼き、蛸の桜煮、若鮎の唐揚げ等。ここで特筆すべきはやはり「アスパラ豆腐」だろう。簡単に言うと、やさしい味の卵豆腐の中に、ホワイトアスパラが入って固められたもの。上にマヨネーズがかけられ、何とも言えない味わいだ。ここでしか食べたことのないメニュー。
さてメインはしゃぶしゃぶを、スペシャルの仙台牛¥12600でオーダー。リブロースとサーロインの2種類を両方とも切ってもらった。大きな肉の塊から、その大きさのまま薄切りされた肉は、綺麗にサシの入った素晴らしいもの。
水を張った大きな鉢がテーブルに置かれ、その上に銅製のしゃぶしゃぶ鍋が置かれる。このしゃぶしゃぶ鍋は中に炭火が内臓された特徴のあるもの。真ん中が煙突のように高くなっており、そのふたを開けると炭ががんがん燃えて、だしが沸騰する。ぐつぐつ沸騰するだしに、薄切りの肉をさっとくぐらせ、この店秘伝の胡麻だれに付けて食べると、うんまーい!適度に脂が溶けた肉は、とても柔らかく甘い。胡麻油と大蒜が入った胡麻だれは、甘過ぎず、肉の味を引き立てる。
サーロインの脂の甘さはやみつきになりそう。リブロースの方は、やや脂は薄い感じだが、どちらもとても美味しく、さっぱり食べられてしまう。ついついおかわり肉を注文してしまった。
〆に鯛茶漬けを食べ、デザートにマンゴーとアイスクリーム小豆のせまで食べて、満腹大満足。焼酎を28杯飲んで!しめて15万円也!贅沢な食事だが、満足感は大きい。
たまにはこんなのもいいだろう。
食事、サービスともに質は高い。ただひとつ注文があるとすれば、座椅子があるともっと寛げると思う。
6位
1回
2008/03訪問 2025/06/03
夜の八重洲は繁華街をはずれると、人通りの少ない寂しいオフィス街である。そんな一角、京セラビルに小さな明かりが点いている。御影石の階段を降りると、京都の庭園風の庭と、ガラス張りの明るい店内が目に飛び込んでくる。ここが知る人ぞ知る、ステーキの名店京都ゆたかである。
店内は本当にシンプル。広いフロアーにゆったりとした空間を保ってテーブルが配置されている。厨房のレンガの茶色、椅子のオレンジ色、テーブルクロスのピンク色が、見事に暖色系でコーディネイトされていることがわかる。最近の凝った造りの隠れ家風の店とは、全く対照的な、ある意味古くてダサい感じの店内は、却って虚飾を排し、美味しいものを食べさせることだけに注力してきた伝統を感じさせる。
コースも数種類あるが、やはりステーキをメインに最低200g食べたいと思ったので、アラカルトでオーダーすることにした。ここは肉の産地に拘らず、美味しい肉を仕入れる、ということを重視している。今日は前沢牛である。フィレは100gあたり¥10500、特選牛¥12600、極上¥15750というのが基本のプライス。「極上はフィレでもかなり脂が凄いです」というウェイターのアドバイスで、特選を200g焼いてもらうことにした。生ビールで食事スタート。
☆鮑のマリネ
柔らかく蒸した鮑に、極上品なドレッシングをかけたマリネ。薄味で鮑の旨味を味わえるようにしてあるのが良い。鮑の味、歯触りともに素晴らしい。でもスライス3切れで¥6800!たけぇ~!
☆オードブル盛り合わせ
穴子白焼き、鯛、帆立、サーモンと、牛ロースの刺身。ここで特筆すべきはやはり牛ロースの刺身だろう。山葵醤油につけて口に放り込むと、ねっとりとした食感は鮪大トロ。噛むと脂が溶け出して肉の甘みを感じる逸品。これはうまい。
別皿でフォアグラのテリーヌ。これも絶品。蕩けるテリーヌから、フォアグラの旨みが溢れ出てくる。しかも全然臭みがない。すっきりとした味わいながら濃厚という曲芸的な一皿だ。これで¥8400。
☆ゆたかサラダ
マヨネーズベースのドレッシングに年季を感じる。空豆、ふきのとうが珍しい。¥1890.
ここで肉に備えBordeauxの赤に切り替え。Saint-MilionのCh.Figeac 2000。まろやかながら力強い、少し甘い美味しいワイン。
☆フィレステーキ
見た目の美しさにまず感動。綺麗な茶褐色に焼きあげられた肉塊! ナイフを入れると吸い込まれるように肉が切れる。口に入れると、しっとり吸い付くような柔らかい食感。しかし噛みしめると心地よい弾力があり、肉汁とサシの甘みが溢れ出てくる。うーん、ウマ~イ!何も付けなくても良いくらいの肉の旨みだが、添えられた岩塩、辛子醤油でもまた美味い。肉塊を噛みしめる時の快感は、人間も獣なのだと思う。
あー美味しかった…
満足感いっぱいで、食後のコーヒーを飲みながら周りを見渡すと、客層は身なりのパリッとしたミドルエイジ以上のおじさま系が多い。変な出勤前のおねえさんはいない。知る人ぞ知る、京都の名店は客層も上品なのだ。
気づいたら、隣のテーブルには「寅さん」でおなじみ、Y.Y.映画監督が座っていた。
7位
1回
2008/07訪問 2008/07/09
08/7
約一年ぶりに岡半
今日は趣向を変えて、松阪牛の網焼きコース¥18900を食することに。
つきだしの卵豆腐(名前失念)、朱盃盛り五種の前菜はいつものとおり。今日はじゅん菜、茄子の煮びたし、鱧、鮪、野菜煮付け。鮪の造りにかけられたタレがピリ辛で、つまみにぴったり。
メインの網焼きは、座敷の上り口のところで女将さんが丁寧に一枚一枚炭火で焼いてくれる。脂身の少ない上質の松阪牛のヒレ肉を、醤油、酒、みりんのたれにさっとくぐらせて、炭火で表面を焼きあげる。一枚ずつ焼き上がったら皿に取って供される。
この肉、一口食べてびっくり!本当に柔らかい。箸で切れるし、口の中で溶けるよう。焼くときにほんのり味が付いているので、そのままでも肉の美味さは最高。おろしと一緒に食べてまた良し。七味、山椒、洋辛子、わけぎの薬味を好みに合わせて使うも良し。うまい!
結構厚みのある肉だが、中がレアの焼き加減で、本当に柔らかで美味い!弱火の炭火でゆっくり焼くのがいいのかも。
ひとり4枚ずつ食べれるので、量的にも満足。最近赤味系のしっかりした肉が恋しくなっていたが、こんなに柔らかで優しい肉もいいもんだと、改めて思った。さすが松阪牛の老舗。十分楽しませてくれた。
07/6
ごちそうしてくれるというので、銀座岡半へ。ここは3回目くらいか。7Fの個室は小奇麗で落ち着くし、隣の部屋の声なども聞こえないのが良い。
寿喜焼きコースを頂く。朱盃盛り五種の前菜はとても綺麗な飾りつけだが、ミョウガの寿司やジュンサイ、鮪、鱸のお造り等、あまり特筆することはない。
やはりメインの寿喜焼きだろう。目の前で仲居さんが焼いてくれるジュウジュウいう音と、砂糖と醤油の香りがたまらない。一皿目はリブロース。肉と脂身のバランスが素晴らしく甘く口の中でとろける。割り下もうまいが、醤油と砂糖の味付けもさっぱりして好きだ。生卵がとろりと絡むと一段と美味しい。
二皿目はサーロイン。リブロースより少しだけ歯ごたえがあるが、それでもとろける肉。焼酎をロックでやっていたのだが、思わず白いご飯を注文してしまった。寿喜焼きと白いご飯の組み合わせは最高!日本人でよかった。たまらずタレの絡んだ卵をご飯にかけてサラサラっと。すぐご飯のおかわりと卵のおかわりをくれるところがまた素晴らしい。
三皿めは肩ロース。一番しっかり肉らしいものの、もとが良い肉なのでこれも霜降りで甘い。二杯目のご飯があっという間になくなった。
その後しらたきやお麩、しいたけ、三つ葉等を食して寿喜焼き締め。本当はこの後ご飯ものにいくのだろうが、今日はちょっと行儀悪く?すき焼きと一緒に食べてしまった。酒飲みにはタブーなのだろうが、意外と酒を飲みすぎないからいいのかも知れない。
デザートはマンゴーにアイスを乗せて。最近美味しいマンゴーが多いなあ。宮崎産だろうか。
ご飯と一緒に食べたのもあるのか、美味い岡半の寿喜焼きが一層美味しく感じられた。さすがに値段も一流だが、やはり美味しいものは美味しい。
8位
1回
2008/04訪問 2008/04/13
北里通りを通る度に気になっていた店。前日に予約してランチに訪れた。
こじんまりした店内は、白を基調にしておりテラスから差し込む日の光で明るい。鏡を使って広く見せているものの、ただ如何せん席間が狭い。
¥2890のプリフィックスは5種類の前菜と6種類のメインから選択する4皿コース。ただしメインにジビエを選ぶと、追加料金がかかる仕組み。料理は全体的に美味しく、そつがない。
スペシャリテの「うにの貴婦人風」はつい注文してしまうが、殻に入ったウニと卵黄のコラボはとてもうまい。
サラダがわりの「25~28種類の有機野菜のプレート」はインパクトがあって楽しい。様々な種類の野菜に少しずつ手が加えてあり、食べても美味しいのは感動ものだ。
メインは「うずらのソテー」をチョイスした。骨付きの腿肉はフォアグラと合わせた濃いめのソース、胸肉の部分はやや薄めのソースで味付けされ、2種類の味が楽しめる素晴らしい一皿。
カテラリーは過去の口コミにあるように賛否両論だろうが、魚の形のナイフとフォークや、ハートの形のデザートスプーンは面白くて悪くはない。ただコーヒーカップはたしかに持ちにくかったが。
CPが良くて、気軽に市川シェフの料理を楽しめる店として、大切にしたい一軒だ。
9位
2回
2016/08訪問 2017/01/29
久々の再訪。写真追加。
本日はLady二人を連れて、誕生日祝い&結婚祝いのディナー。「ワインを飲みながらお肉」というリクエストでここPiatto Suzukiをチョイスした。お店に入る前に、誕生日の子が浪花家の鯛焼きをおみやげに買う、というハプニングもあり、鯛焼きを持って入店。評判通り小じんまりとした店内ながら、柔らかい暖色系の照明とアットホームな雰囲気はとても落ち着けて、結構気に入った。
白のグラスワインは3種類。ピエモンテやシャルドネのさっぱりしたフルーティーなものが揃えられている。オリーブをつまみにワインを飲みながらメニューを開くと、美味しそうなものがたくさん並んでおり目移りして困る。スタッフが、3人で食べるなら6皿くらいがよろしいでしょう、とアドバイスをくれたので、前菜を3皿、パスタを2皿、メインは肉をガッツリで1皿ということに決定。
☆そら豆と山羊のチーズのアミューズ
☆蒸し鮑の冷製 肝のソース
とても柔らかい鮑に肝のコクと香りが素晴らしいソース。和食っぽい中にイタリアンの味付けが新鮮。
☆カプレーゼ
吉田農場のモッツァレラ(有名?)と大分産の甘ーいトマト。
☆白子のソテー赤ワインソース
外側をカリッと焼いたふわふわの鱈の白子に少し甘めのソース。上にのったポロねぎとカリカリのチーズとの組み合わせ最高。暖かくていい香り。
☆生うにのリゾット
これははずせない一品。チーズの香りのするリゾットに海胆の甘さとほんのり磯の香りが加わる絶品。思わず皿をなめそうだ。
☆アーティチョークのタリアテッレ
スタッフお勧めの生パスタ。日本では珍しいアーティチョークが柔らかくソテーされて麺とのバランスよし。やさしい味。
白ワイン2杯を飲み終えて、赤に切り替え。95年のBarbarescoが出せるというので即お願い。これがまたブーケを感じる素晴らしいワインだ。
☆Tボーンステーキ
茨城常陸産の牛肉は、フィレはしっかりとした赤身の味わい。噛むと肉汁が溢れる。サーロインサイドは少し脂が感じられるが、深く濃い味わいが美味しい。とてもしっかりとした肉だけれど、ちょっと固いかなと思った。塩胡椒だけでもうまいが、ニンニク醤油が添えられるのも楽しい。
☆デザート
チョコレートムースのケーキ。ふんわりのチョコムースの周りがチョコで固められ、上にチョココーティングされたナッツが。全部チョコ尽くしでうまい。 お誕生日の子にはバースデープレートを。来店前に頼んでおいたら快くサプライズしてくれた。もうひとりの子はロールケーキ。チーズの香りがする上品なケーキだった。
鮑や海胆のリゾット、白子などは、和の美味しい素材に繊細に手が加えられて見事にイタリアンになっている印象。Tボーンも力強い料理なのに、塩胡椒は繊細で素材が活きている。丹念な仕事で、素材の味と香りと食感が引き立つ、上品で安らぐ料理だと思う。
ホスピタリティもアットホームなサービスは親しみが持てるし、客の様々なリクエストにも応えてくれ、常連になった気分。
カツレツや、カラスミのパスタ、鴨肉などまだまだ食べたいものがいっぱい。こりゃ再訪するしかない。
気付けば7時の来店から早3時間以上経過している。周りのお客さんはみな2回転目で満席状態なのに、我々だけこんなに居座っていて、と思ったが、幸い予約がなかったのか、ゆっくりとデザートまで笑顔でサーブしてくれて、とても楽しいディナーとなった。さすがミシュラン一つ星のリストランテ、その実力はなかなかだ。
10位
1回
2008/11訪問 2008/11/29
恵比寿在住の友人が「近くに美味い和食がある」と言うので、ついて行ったのがしら石です。とんかつ天津のすぐ近く、なんと僕のテリトリーではありませんか。
住宅街の中、ガラス張りの店内から温かい光が洩れる外観は、和食屋さんとは思えぬお洒落な外観です。ウインドウの中の色とりどりの花は、ブティックか何かのようです。
入ってすぐ左側の掘り炬燵様の個室は、前後がガラス張りで、お忍びとは程遠い丸見え状態ながら、遮音は良いので落ち着きます。まずはビールで喉を潤して(もちろんエビスです)アラカルトで注文しました。
☆お造り
赤味、みる貝、烏賊、鯛、鯖に貝柱(帆立ではなくて平貝かと思う)が盛られました。貝柱は歯応え最高で、滋味深くとても美味しい。鯖は酢締めしていない生で新鮮です。みる貝もコリコリ。どれも良いネタを使っていて、美味しいです。
☆炙り
めひかり、ししゃも、氷下魚(こまい)が出てきました。生干しの魚を軽く炙っただけなのに、なんでこんなに美味しいのでしょう。早速焼酎にスイッチとなりました。
☆炭火焼
この店の名物です。サーロイン、ハラミ、味噌漬けの三種が供されました。味噌漬けは、甘い味噌味と牛肉の脂がマッチして最高です。サーロインは岩塩と胡椒で、ハラミはおろしポン酢でいただきました。柔らかくてジューシーで、ほんのり付いた炭火の香りがたまりません。美味い!
その他、銀杏や煮込み、お新香など、脇役のつまみ類も丁寧なつくりが素晴らしい。ふたりで焼酎のボトルを空けてしまいました。
ここのもう一つの名物は土鍋炊きのご飯なのですが、相当飲んでしまったので、ちょっと軽めの鶏飯で〆ました。塩味の鶏雑炊です。これがまたいい出汁が出ていて、とても美味しくいただきました。
お洒落な雰囲気に加え、料理がとてもしっかりしており、どんどんお酒がすすむ危険な美味さであります。そんなに飲まなければ、土鍋炊きご飯と美味しいおかずで食事メインにもできるので、使い勝手はとても良いでしょう。客層も上品なので楽しく和食を楽しむことができました。
タクシーを降りると着物姿のお姉さまがふたり、どこからともなく現われて出迎えてくれた。笹の生い茂る石畳の小路を抜けると、純和風の古民家が出現する。
通されたのは離れといってもいいような、個室感の高い囲炉裏を囲む部屋。昭和の木造建築そのものの空間。壁の掛け軸、外から伸びてきて部屋の中にまで葉を茂らせている笹など、歴史を感じさせる落ち着いた雰囲気だ。
「上着を脱いでおくつろぎください」と言われて上着を脱いだら、着せられるのは名物のちゃんちゃんこ。ちょっと恥ずかしいが、殿様気分で皆打ち解けて楽しい。冷たい緑茶で喉を潤して食事のスタート。
☆前菜
紫陽花の花が添えられ、美しく盛りつけられた前菜は、烏賊キャビア、鱧小袖寿司、白瓜、平貝奈良漬、サーモンと百合根のさくらんぼ。見た目にも美しい料理は、みなビールのつまみに向く美味しい料理だ。
☆お椀
帆立と小豆のしんじょが入った潮汁。じゅん菜と小メロンが入る。薄味で美味しい。
☆お造り
鮪、巻海老、福子。福子(フッコ)は鱸の子。梅肉醤油で食べる夏の味覚。それから巻海老がすごく新鮮で歯ごたえ最高だった。
☆煮物
京茄子、冬瓜、しめじ、空豆。これは若干濃いめの味付け。酒のさかなにはなる。そうそう、もうこのあたりでは、ビールから焼酎「魔王」のロックが進んでいる。
☆囲炉裏炭火焼
わざわざ板長さんが部屋まで来て焼いてくれる。笑顔の人懐っこい板長さん。
最初は鮎の塩焼き。若鮎は長良川産。西瓜の香りとまではいかないが、全く臭みのない鮎を頭から尻尾まで丸かじりで食べた。初夏の風物、とても美味しかった。
続いては黒毛和牛の鍬焼。さすがに本物のくわではないが、鍬の形を模した鉄板で肉を焼く。どこ産の牛か聞き忘れたが、とても柔らかい肉が炭火で焼かれてまろやかな味わい。焼いた肉は固形燃料で暖められた陶板に乗せて一人一人に配られる。軽く醤油味の付いた牛肉は大根おろしで、玉ねぎと甘長はもろみ味噌でいただく。もちろん美味しい。
いやあ、焼酎がすすむ、すすむ。
☆揚げ物
ごぼう鱚巻、骨せんべい、玉蜀黍寄せ揚げ、アスパラ。薄味の出汁で。
☆くらげの酢の物、玉ねぎのプリン
このプリンは茶碗蒸しに似たものだが、綺麗で美味しくて板さんの遊び心を感じるもの。
☆冷鴨方うどん
鴨方うどんとは岡山県の手延べうどんだそうで、細くて平麺で口当たりが良い。薄口醤油の鰹出汁が冷たくて、柚子胡椒を溶かしてさっぱりといただく。結構おなかいっぱいなのに、これはするっと食べられた。うまかった。
☆水菓子、シャーベット
こうして3時間にもわたる、幸せな食事は終了。ずいぶん色々なものを食べたし、メインの囲炉裏焼きの鮎も牛肉もとても美味しくて満足した。そしてずいぶんたくさん飲んだ。
すなわちとても寛げたということだ。昭和23年からやっているという、古民家の雰囲気も素敵だし、至れり尽くせりの仲居さんや板さんのホスピタリティもさすが。そして何より皆でちゃんちゃんこを着て、リラックスムードで食事できるのが良い。
外国人、日本人問わず、こういうのが嫌いな人はいないだろう。接待には盤石のグルメスポットである。