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1回
昼の点数：5.0
2015/07 訪問
宇宙に唯一つ
久しぶりに「ゆかり」を食べた。来客手土産を職場で分けて、配給されたのは一枚のみ。個別包装の上から、まずは4つに割る。そして開封し、割れた１ピースをつまんでは食べる。愛でるように。美味い。これ以外の形容詞なし。ゆかりを食べるたびに思う。これはせんべい界ならびに、エビ加工食品界のノーベル賞に値すると。世に「えびせんべい」と呼ばれるものはゴマンとある。が、食べて本当にエビの味がするせんべいは、いかほどあろうか。たとえば、かっぱえびせん。エビ風味はする。でもそれは、そこはかとないもの。主体は米粉や小麦粉の味。たとえば、エビ一尾がせんべい上にプレスされて平面カエルならぬ、平面エビとなったせんべい。エビの部分を齧ればエビの味がする。当たり前だ。エビ食べてるんだから。しかし、それ以外の部分は単なるせんべいに過ぎない。いわば部分的えびせんべい。たとえば、エビに薄くメリケン粉つけて、そのままプレスしたもの。これはまさしくエビそのものの味。しかし「せんべい」じゃない、「のしエビ」だ。ゆかりは違う。結論から先に言うと完全えびせんべい、もしくは１００％えびせんべい。外観にはエビの存在感ゼロ。ゴツゴツした薄い固焼きせんべいにしか見えない。しかし、それをガリっと齧った瞬間から、口の中はエビ一色となる。咀嚼中も嚥下中も、感じるのはエビの味のみ。そしてそれはせんべい一枚の最初の一口から最後の一口まで変わることがない。ではそれが、エビそのものを食べてる感覚かというと、そうではない。あくまで「えびせんべい」なのである。これがゆかりの偉大さであり、他の追随を許さない個性なのだ。えびの味がするえびせんべい。このわずか13文字が内包する深遠かつ厳然たる真理。それを125年前に完成させた坂 角次郎なる人物、教科書に出してもよいくらいだ。えてしてこういった菓子の類は、パクリ商品が当然の如く出現するもの。しかし、ゆかりの類似品があるという話は聞いたことがない。もうそれ自体がスゴイこと。真似しようにもできないのだ。ゆかりの前にゆかりなし、ゆかりの後にゆかりなし。一人でも多くのかたが、このえびせんべいを賞味されんことを。**********************************************************************※戴き物のレビューは、それが買える本店に書き込むべきだと思ってますので、食べログ内の坂角総本舗さんの本店ページを探すも未登録でした。「本店」は発祥の地にちゃんとあります。ゆえに新規登録いたしました。
2015/07/15 更新
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久しぶりに「ゆかり」を食べた。来客手土産を職場で分けて、配給されたのは一枚のみ。
個別包装の上から、まずは4つに割る。
そして開封し、割れた１ピースをつまんでは食べる。愛でるように。
美味い。これ以外の形容詞なし。
ゆかりを食べるたびに思う。これはせんべい界ならびに、エビ加工食品界のノーベル賞に値すると。
世に「えびせんべい」と呼ばれるものはゴマンとある。
が、食べて本当にエビの味がするせんべいは、いかほどあろうか。
たとえば、かっぱえびせん。
エビ風味はする。でもそれは、そこはかとないもの。主体は米粉や小麦粉の味。
たとえば、エビ一尾がせんべい上にプレスされて平面カエルならぬ、平面エビとなったせんべい。
エビの部分を齧ればエビの味がする。当たり前だ。エビ食べてるんだから。
しかし、それ以外の部分は単なるせんべいに過ぎない。いわば部分的えびせんべい。
たとえば、エビに薄くメリケン粉つけて、そのままプレスしたもの。
これはまさしくエビそのものの味。しかし「せんべい」じゃない、「のしエビ」だ。
ゆかりは違う。
結論から先に言うと完全えびせんべい、もしくは１００％えびせんべい。
外観にはエビの存在感ゼロ。ゴツゴツした薄い固焼きせんべいにしか見えない。
しかし、それをガリっと齧った瞬間から、口の中はエビ一色となる。
咀嚼中も嚥下中も、感じるのはエビの味のみ。
そしてそれはせんべい一枚の最初の一口から最後の一口まで変わることがない。
ではそれが、エビそのものを食べてる感覚かというと、そうではない。
あくまで「えびせんべい」なのである。これがゆかりの偉大さであり、他の追随を許さない個性なのだ。
えびの味がするえびせんべい。
このわずか13文字が内包する深遠かつ厳然たる真理。
それを125年前に完成させた坂 角次郎なる人物、教科書に出してもよいくらいだ。
えてしてこういった菓子の類は、パクリ商品が当然の如く出現するもの。
しかし、ゆかりの類似品があるという話は聞いたことがない。
もうそれ自体がスゴイこと。真似しようにもできないのだ。
ゆかりの前にゆかりなし、ゆかりの後にゆかりなし。
一人でも多くのかたが、このえびせんべいを賞味されんことを。
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※戴き物のレビューは、それが買える本店に書き込むべきだと思ってますので、食べログ内の
坂角総本舗さんの本店ページを探すも未登録でした。
「本店」は発祥の地にちゃんとあります。ゆえに新規登録いたしました。