最近なんだかぼくもいよいよ高齢化、じゃなかった、ぼくの中では恒例化しつつある、「演劇集団キャラメルボックス」(以下、CB)の芝居通い。
ひょんなことから同劇団の製作総指揮&音楽総監督のKさんと知り合った昨年来、そのKさんの有難き伝手もあり、新作が掛かればほぼ毎回欠かさず観に行かせてもらっています。
現在公演中の最新の演目は「Bye Bye Blackbird」。
今回も、毎度いつもの通り、Kさんから破格のお取り計らいを賜り、マイミクの友人夫婦2人と一緒に池袋サンシャイン劇場に。
本来なら5月15日(土)が初日のところが、その前夜2晩を、特別に「前夜祭」と銘打って。
この「前夜祭」ふた晩に限っては、終演後は特別に、そのKさんの司会で、本演目の作・演出を手掛けた同劇団の作家Nさんや主演のキャストも加わってのトークショーもあるという、オイシイ企画。
ぼくらは、その前夜祭初日の13日(木)夜の公演にお邪魔させてもらいました。
ぼくは、今回が4度目のCB公演。
毎度感心するのは、その緻密な構成と、それを破綻無くダイナミックに演じ切るキャストたちの練度の高さ。
これはなんと云うのだろう。
誤解を恐れずに云っちゃうならば、ある意味、
小さな子供から大人まで安心して愉しめるNHK教育番組ちっくな舞台劇。
とは云いつつ、CBの舞台がスゴイ!と思うのは、それがちっとも子供騙しじゃないこと。
大のオトナたちが本気で大真面目に、ちょっと大袈裟に云うなら、それこそ命懸けで、小さな子供でもわかるような、なんとも解り易くストレートなメッセージのストレートプレイに取り組んでいるところ、だろうか。
ただ今回は、これまでに観た3本に比べると、全体にどうも今ひとつ物足りなかったのも事実。
例えば、初めて観た「風を継ぐ者」では、幕開けからエンディングまで、観る者を終始ぐいぐい引っ張って行く疾走感溢れるテンポ。
二度目に観た「エンゼル・イヤー・ストーリー」では、未だかつて見たことのない、なんとも斬新かつ実験的な台詞の表現方法に度肝を抜かれたことも記憶に新しい。
そして前作「クロノス・ジョウンターの伝説」では、斬新なタイムマシン譚としては今や古典(?)とも云える映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を凌ぐとも思える斬新なアイディアとスケール感。
これらそれぞれ、その都度大いに驚かされ、目を見開かされた前作3本に比べると、本作は、そのテーマがより、主人公や周囲の人物の内面描写の掘り下げにあったようにも思え、その分、形而下的なインパクトにはやや欠けた、ということなのかも知れない。
しかし一方、裏返すなら、同劇団の懐の深さを思い知らされた1本、とも云えるか。
今回観た本作は、過去に観た3本のいずれとも、斯くも大きく違ったのだから。
となるとやっぱり、次回の新作を観るのがまた楽しみになってしまう。
てなことで、今やすっかりCBの術中にハマってしまっているワタクシでもあるワケだ。
さらに今回は、前述した終演後のトークショーで、Kさんがわざわざ気を遣ってくれたのか、ぼくがアンケートに書いた「CBへの質問」を選んで下さり、本作の作・演出のNさんや主演のお二人に聞いてくれたのもまた、思いがけぬことで、すっげー嬉しかった♪
本公演、東京公演は来月6月6日(日)まで。
まだまだやってます。
ご興味持たれた方、CBの芝居を未だ観たことのない方は、是非ぜひ足をお運びあれ!