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二ぶん半門前仲町、木場、越中島/日本料理、居酒屋、日本酒バー
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夜の点数:2.0
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¥5,000~¥5,999 / 1人
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料理・味 3.0
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|サービス 3.0
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|雰囲気 3.0
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|CP 1.0
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|酒・ドリンク 3.0
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[ 料理・味3.0
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| サービス3.0
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| 雰囲気3.0
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| CP1.0
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| 酒・ドリンク3.0 ]
三分亭の残響と、二軒目のメランコリー
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2025/12/13 更新
二軒目というのは、いつだって微妙な時間帯だ。最初の店の熱気とアルコールの残響がまだ身体に残っていて、世界は少しだけ斜めに、しかし滑らかに見えている。そんな黄昏時に、僕はその店にたどり着いた。「三分亭」という都心の格式ある日本料理店を、いくらか世俗的なものにした「お値打ちバージョン」なのだという。
「お値打ち」とは、なかなか使い方の難しい言葉だ。それは、期待と現実の間に開いた、小さな、しかし決定的な隙間のことを指しているのかもしれない。僕にとっては、お値打ち感は残念ながら見つけられなかった。日本酒を三杯、それに料理を三皿頼んで、会計は5500円程度。一軒目として普通に飲み食いすれば、軽く一万円は超えてしまうだろう。なるほど、親元の「三分亭」が二万円くらいするのだとしたら、相対的には「お値打ち」なのかもしれない。しかし、財布の中身と胃袋の満足度を天秤にかけるとき、相対的な値ごろ感など、僕の孤独な夜には何の慰めにもならないのだ。
特に僕の意識の焦点を鋭く合わせたのが、魚の漬けだ。皿の上に置かれたそれは、アーモンドほどの小さな切れ端が四つ。それが、八百円。僕は目をこすってみたが、切れ端は四つのままだった。まるで、高価なジュエリーの断片を眺めているような気分だ。もちろん、味は普通だ。普通であること、それがまたこの店の静かな皮肉なのだろう。八百円という値札が貼り付けられた、ささやかな抵抗。この一皿に心から満足する人がいるだろうか?僕には想像できなかった。
日本酒も、一合の三分の二ほどの量で七、八百円。特に安いわけではない。それは、この店が「お値打ち」という言葉を、ある種の秘密の暗号として使っていることを示唆している。そして、その暗号の解読には、僕の夜の疲れた頭では荷が重すぎた。
極めつけは、本日のおすすめだった甘エビだ。魅惑的な響きに惹かれて頼んでみたが、会計を見て二度目の黄昏を感じた。十五〇〇円。なるほど、お値打ちを謳うなら、料理が持つ価格の真実を、もう少し明瞭にしておくべきではないか。客は暗号解読を期待しているわけではない。
結局のところ、この店は「三分亭」の影を引きずっているのだ。高級な本家から受け継いだ、値付けのプライドと、提供されるものの間の、埋めがたい距離。僕は、その距離を測りかねたまま、残りの焼酎を飲み干した。そして、この「お値打ち」と名付けられた静かなる不協和音を背に、夜の街へと踏み出していくしかなかった。