ちゃいりーさんが投稿した焼き鳥 津田(東京/不動前)の口コミ詳細

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ちゃいりーの短編飯

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焼き鳥 津田不動前、大崎広小路、五反田/焼き鳥、居酒屋

1

  • 夜の点数:3.8

    • ¥6,000~¥7,999 / 1人
      • 料理・味 3.5
      • |サービス 3.5
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 3.5
      • |酒・ドリンク 4.0
1回目

2025/12 訪問

  • 夜の点数:3.8

    • [ 料理・味3.5
    • | サービス3.5
    • | 雰囲気4.0
    • | CP3.5
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥6,000~¥7,999
    / 1人

新聞販売店の残像と、鶏の根源的な滋味

かつてそこには新聞販売店があったという。毎朝、何千という言葉がインクの匂いと共にそこから街へと吐き出されていたわけだ。その建物は、街の風景にあまりにも自然に溶け込みすぎていて、意識的に注意を払わなければ、うっかり通り過ぎてしまいそうになる。 しかし今のその場所は、無機質な引き戸によって外界から閉ざされている。パッと見ではレストランには見えないその扉を開けるとき、僕は少しばかりの緊張と、これから始まる時間への静かな期待を覚える。

店内に足を踏み入れると、外見の素っ気なさとは裏腹に、そこには温かみのある賑やかな空気が満ちていた。僕はキッチンのライブ感を独占できるカウンターの端、焼き台を真横から眺められる特等席に腰を下ろした。テキパキと働く二人の男性の動きは、無駄がなく、見ていて気持ちが良い。

僕はまず、芋焼酎のソーダ割りを注文した。焼き鳥には芋焼酎のソーダ割りを合わせるというのが、僕の長年の個人的な規律になっているからだ。メニューに価格の記載はないが、そこに不安を感じる必要はない。アラカルトで注文できる自由さは心地よく、白レバーパテをハーフサイズにしてくれる配慮は、僕のような孤独な食客にとっては、夜の海を漂う船乗りに差し伸べられたロープのようにありがたいものだ。 そのパテには、ほのかに爽やかな甘みと、何か遠い異国のスパイスのような複雑な響きがあった。

焼き鳥に関して言えば、タレの主張は控えめで、鶏肉が本来持っている、静かで深い、本質的な滋味がダイレクトに伝わってくる。正直に言えば、脳裏に焼き付くような強烈なスペシャリテはそこにはないかもしれない。しかし、その「突出した何かがない」という事実が、かえって全体的な調和を生んでいるとも言える。どれも均質に美味しく、日常の延長線上にある幸福な味だ。

焼酎のあとには、赤ワインのリストを見せてもらった。1000円前後で質の良いグラスワインが選べるというのは、良識ある大人のための店である証だ。僕はイタリアのプリミティーヴォを選んだ。香り高く重厚なその液体は、焼き鳥の脂を優しく受け止めてくれた。

帰り際、焼き場に立つ店主の津田さんと言葉を交わした。美味しいと伝えると、彼はふわりと微笑んだ。その物腰の柔らかさと人柄の良さが、この店の料理の味を最終的に決定づけているのだと、僕はその時確信した。

2025/12/13 更新

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