Champagneさんのマイ★ベストレストラン 2012

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Champagneのクリスタルなサロン

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Champagne (女性・神奈川県) 認証済

マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

コメント

★振り返ってみると、「いつものお店」を訪れる率が高くなってきました。
いつもの顔ぶれが迎えてくれる安心感。
いつもの好みを、さりげなく覚えてくれている安心感。
次回の予約をしてからお店も、増えています。
新しいお店にも興味はあるけれど、馴染みのお店で充分満足しているので、
新たなお店のレビューは、今年、さらに少なくなりました。

★新しいお店として注目しているのは、アムール。
センスを感じるメニュー構成と、居心地のよさ。
私の感性と、うまくマッチしているのでしょう。
まだオープン半年あまりながら、勢いを感じます。

★落着いたワインバーやバーの登場率が、例年より高かった気がします。
2軒目として、お食事の余韻を愉しむのが気に入っています。

★今後も、マイペースで素敵なお店を探しつつ、好きなお店を訪れたいと思っています。

マイ★ベストレストラン

1位

アピシウス (日比谷、有楽町、銀座 / フレンチ)

2回

  • 夜の点数: 4.3

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 3.3
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 昼の点数: 4.9

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥20,000~¥29,999

2017/08訪問 2018/01/01

歴史と文化を感じる老舗

<2011年12月>
年の瀬のお約束。
どうも、アピシウスを愉しまないと終わりません。

いつもの、落ち着き。
いつもの、あのメニュー。
いつもの、サービス。

そんな「いつも」が揃っている安心感。

「海の幸、野菜、クスクスのタブレ」。
「小笠原母島の海亀のコンソメスープ シェリー酒風味」。
「フランス産仔鳩のジャンポネット、アニスエトワールの香り」。


またまた、いつもと同じようなアラカルトのチョイス。
その中でも特に、メインの仔鳩の素晴らしさは感動もの。
肉の状態、火入れ、ソースのコク。
ワインをゆっくりと愉しみながら。

そんなお食事の余韻を振り返りながらの、フロマージュと、デセール。
至福の時間です。

この年も何とか終わり、次の年も元気に迎えられるよう、
そんな想いを胸に、お店を後にしました。

<2011年2月>
キャンセルが続出するくらい悪天候で寒かった、この日。
がんばりました。がんばりましたとも!
ダイニングに入ってしまえば、いつもの静けさと軽い華やぎ。
雪など、どこ吹く風。

テーブルにはすでに、「PJ」のマークをお花模様で囲んだシャンパングラスが。
ならばこれでしょう。
ペリエ・ジュエのベルエポックで、エレガントな時間のはじまり~。

今回一番楽しみにしていたのが、黒トリュフ。
ちょうど季節です。
お店では、トリュフの魔術師であるペベイル氏の採取する、フレッシュトリュフのイベントがあったばかり。

「フランス産カオール地方のフレッシュ黒トリュフの丸ごとパイ包み焼き」。
クラシックなこのメニュー。
素晴らしく上質なバターを使って、折りたたんだパイ。
実にきれいな色に焼き上がっています。そして、立ち上る薫りがすごい。
パイがナイフが入れられるのを、今か今かと待っているよう。
艶やかなソースは、芸術品。
サクっとナイフを入れると、中にはちょこんと黒トリュフ。
一緒に、そしてソースを少し付けて口にすると、広がるトリュフの薫りが。
幸せ過ぎます…。

「海亀のコンソメスープ シェリー酒風味」。
こちらもスペシャリテ。オーダーせずにはいられません。
澄んだスープが舌に乗ったあとは、至福のひととき。
喉に流れて行ってしまうのが、惜しいほど。
添えられたチースパイは、ときどきサクサクと。

「フランス産仔鳩のロティ スパイスを効かせた赤ワインソース」。
しっとりとキメの細かい、非常に上質のフィレ。
モモは適度に脂が乗り、こちらもジューシー。
旨みをきれいに閉じ込めたロティ。
赤ワインソースには、色んなスパイスをじゃまにならないよう上品に加えて。
これだけ美味しい鳩は、初めてかも。

「フロマージュ」。
ラッキーなことに、例のトリュフを使ったブリーがありました。
もちろんお店で、大きな丸ごとをスライスして、挟んで。
少し温めてもらい、トロンとした状態で。
これがまた、絶品。
ゆっくりと、しみじみと、ワインと。

「ジャスミンのババロワとリコッタチーズのムース 柚子のジュレとアイスクリーム添え」。
実はこちらのデザートワゴンも好きなのですが、目が欲しくなって頼み過ぎた挙句、後悔することもしばしば。
ところが、時々いただいている、一人分づつ手をかけたデセールがなかなかに優秀なのです。
今回は、食後の締めくくりに相応しい爽やかなデセール。
こんな感じ、好きです。

安定したサービスは、どんなシチュエーションでも対応可能。
委ねていて、安心感があります。
ハプニングにも的確に対応されているところを見て、感心。

余談ですが…最初から最後まで、色んな場面で目にする大倉陶苑のお皿。
日本が誇るチャイナ。
元々いくつか我が家にもありましたが、こちらで何度も目にするうちにどんどん欲しくなり、
とうとう色んなものを購入してしまいました。
和のテイストが入った、上品さがたまりません。

アピシウスワールド、結構ハマってて、年に何度か訪れてしまいます。

<2009年12月>
秋冬にぴったりのグランメゾン、それはこのアピシウス。
ダイニングに案内された時はすでに、ほとんどのテーブルが埋まっており、
賑わいが華やかさを添えていました。

今回はアラカルトで好きなものをチョイスしてみたくなりました。
幸い、ほとんどのお皿にスモールポーションが用意されています。

「ウミガメのスープ」。
あくまでも澄んだコンソメ。
口にすると、得も言われぬような深い味わい。これは一体!?
微妙にトロみがあるのは、甲羅のコラーゲンでしょうか。
初めての体験。
最初からガツンと、やられました。

「冬の海の幸をエテュベ、その日のシェフのソースで」。
海老、帆立、鮑、北寄貝、白身魚、アスパラ。
バターとクリームのソースには生青のり。
これが磯の香りを上品に引き立てます。
想像通りの一皿。

「茨城県稲敷市真鴨のロースト シャンピニオンデュクセルのファルシとそのジュ」。
キノコとその薫りに囲まれた真鴨。
じっくり噛み締めると、その旨みがどんどん増してきます。

「林檎と柿のキャラメルソテー ヨーグルトのソルベと蜜柑のジュレ」。
せっかくアラカルトなので、きちんと作り込んだデセールを。
クラシックに登場するのかと思いきや、こちらはイマドキのプレゼンテーション。
そして…キャラメリゼされた林檎と柿の甘みと酸味。素晴らしい!
至福のひとときを締めくくります。

いつもながら、話が盛り上がっている時は静かに、こちらが矛先を向けるとフッと
話に加わってくれるタイミング、絶妙なサービスは健在です。

質感の極めて高い絵画や家具、食器に囲まれてのお食事。
歴史があるからこそのクラス感。
貴重なお店です。

<2009年1月>
昨年秋からずーーっと訪れようと思っていたのに、
なかなかチャンスがやってこなくて、とうとう年明けになっちゃいました。

こちらは私の中で、「秋&冬」のイメージなのです。
ですからもちろん、今回はジビエが入っているコースをオーダーしてみました。

「鮪、コルニション、オリーブ、アボカドのタルタル仕立て わさびソース」。
きれいに、お皿の真ん中に盛りつけられたタルタル。
周囲には小さく丸くわさびソースを置き、イクラ、オリーブ、ハーブをあしらって。
爽やかな前菜に、シャンパンが進みます。

「カナダ産オマール海老のヴァブール エストラゴンの香る軽いアメリケーヌソース」。
たっぷりのオマール海老のきれいな肉に、グリーンアスパラ添え。
濃厚なオマール自体の味わい、ソースの上質さは格別。
ここまでオマールを美味しいと思ったのは、はじめてかも。

「狩猟真鴨のロースト サルミ風ソース 栗と芋セロリのピュレと共に」。
羽付きのまま1週間熟成させて下処理。きれいなセニャンにロースト。
ソースは真鴨のガラと赤ワインでジュを取り、真鴨の血でつないでいるそう。
目の前にお皿が置かれた瞬間、「お~!」。
こんなにしっかりとしたソースは、近年久し振り。
こっくりとしたソースには照りがあり、ピカピカと光っています。
薄くスライスされた鴨を口にすると、ジビエらしい滋味溢れる肉質。
一口、一口、大事に噛みしめて、この季節に訪れることができた幸せを実感。
途中のお口直しに、別添えの栗と芋セロリのピュレを。
ピュレの素材そのものの味を感じ、また鴨に突入、の繰り返し。
おかげで、赤ワインが進むこと、進むこと!
フロマージュのためにとっておかなくちゃ、なのに~。
これこそワインに合うお料理!!です。

デザートは最近では珍しくなった、ワゴンサービス。
たっぷりといただきました。

ワインはいつものように、熟練の素晴らしいサービスとアドヴァイス。
チーズは専門の資格を持った方のサーブで、説明もわかりやすく、
思わずたくさんお願いしちゃいました。
そして、以前からお馴染みの方が今年からこちらにいらしていて、うれしい再会。

シェフは少しづつ、3代目の岩元シェフに移行している最中だそうです。
2月に行われる「センセーショナルなトリュフの夜」で、センセーショナルにデビューを飾るのでしょう。
このフェアのために、森社長と岩元シェフが2月初旬にトリュフを買付けに渡仏するそうで。
今年のものは、かなり期待できるようなので、都合がつけばぜひとも参加したいフェアです。

今回も、とてもリラックスした至福のディナーを、ゆっくりと過ごさせていただきました。
次はいつ?と、思わず考えてしまう、愛すべきお店です。

<2008年5月>
ゆるやかな段差の、黒い石の階段を下りきった左側。
どこから見ていたのか、タイミングよくスタッフが扉を開けてくれます。
ウェイティングバーを左に見て、メインダイニングへ。
すでに賑わったダイニングに一瞬躊躇するものの、
案内された絵画の前のテーブルへ。

以前使ったことのある個室は、上からのシャンデリアが明るめ。
メインダイニングは、テーブルに当たったダウンライトが反射し、
女性の顔がきれいに見えるという、うれしい女優効果があります。

少々蒸し暑いこの日。
グラスではもの足りない…ということでシャンパーニュはデミにて。
シェフ・ソムリエが手際よく、エレガントな所作で開けてくれます。
味わいを感じられる、ちょうどよい温度。
バカラのアピシウスマーク入りのグラスにて。

まずは種ありの黒オリーブと、アンチョビを詰めたグリーンオリーブが置かれます。
どこで食べたものよりも、旨みがほとばしるジューシーさ。

さて、ワゴンで8種類ほどのお水がやってきます。
その中でも、やはりシャテルドン。
お料理やワインと合わせるのに、この数年一番気に入っています。

アミューズは「ヴィシソワーズ」。
中にはフラン。一口だけのお楽しみ。

「北海道産有機栽培のレタスとアスパラガスのシンプルサラダ」。
白アスパラを縦にきれいにスライスし、周りにトマトと一緒に敷き詰め、
真ん中には新鮮そのもののレタス。
白アスパラは薄切りながらも、北海道産なので歯ごたえ充分。
シンプルながら、上品にして、感嘆の美味しさ。

そろそろ、お楽しみのボルドーの出番。
バカラの、カッティングが煌くデキャンタで待ち構えています。

「栃木牛のロースト」。
肉質の旨みは充分。胡椒をピリっと効かせて。
フォンをたっぷりと使った濃厚なソース。
まさにボルトーとのマリアージュ。

まだまだ残っているワインと共に、フロマージュを。
ワゴンから色々選ぶ幸せ。
まだ若いチーズソムリエが説明してくれます。

次にやってきたワゴンはデザート。
ここでデザート用の薄いパープルのリネンに替えられます。
ケーキ類が何種類も。
その中でもタルトタタン、パリブレスト、マンゴーのムースを。

と、またワゴンがやってきます。
デザートワインが8種類ほどだったか…。
タルトタタンに合わせたものを1杯。

デザートは見た目、ごく普通。
なのに口に入れると、素材の上質さと完成度を感じます。
特にパリブレストのクリーム、マンゴーの素材。
久しぶりに、こんな美味しいケーキをいただきました。

デザート用のカトラリーはクリストフルの金メッキ。
お誕生日用のお皿は、薔薇の模様の大倉陶園。
ホワイトチョコーレートのプレートが、そっと添えられています。

サービスは、さすがのベテラン揃い。
すべてを委ねていれば、リラックスできるお食事が約束されています。
年齢層の高さも、落ち着きと安心感を覚えます。

ワイン、特にボルドーのリストの揃えと価格はグランメゾン随一ではないでしょうか。
それも歴史と心意気のあるお店だからこそできること。
数々の美術品に囲まれた店内は、美術館さながら。文化を感じます。
それに相応しい客層が華を添えています。

昨年ミシュランの星を獲得したフレンチのお店は、バターやソースを控え、
作りこまれたフレンチが大多数。
しかし、こちらのお料理はいかにも「The フレンチ」。
そう、近頃こんなフレンチが食べたかったのだ、と、改めて新鮮に感じます。
今後もポリシーを曲げずに、このまま文化を伝承していって欲しいものです。

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2位

コムシコムサ (東山、三条京阪、三条 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥6,000~¥7,999 ¥5,000~¥5,999

2014/03訪問 2015/05/11

心からの笑顔が溢れてしまうフレンチ

<2008年9月>
いつもいつも、最大の笑顔で出迎えてくださるマダム。
お料理の手を休めることなく、目で挨拶してくれるシェフ。
久し振りに旧友に会った気分にさせてくれます。

「生ハムと野菜のマリネ」。
何種類もの野菜が楽しく、やさしいお味。

「ホタテのガスパチョ仕立て」。
これもたっぷりの野菜とホタテ、そしてソースはガスパチョ。
今でも味覚が覚えている、爽やかな一品。

「かぼちゃのスープ オレンジ風味」。
オレンジとかぼちゃ?と思ったものの、見事なコンビネーション。
とても満足の冷製スープ。
一味とオリーブオイルをトップに少し。それがアクセント。

「鴨のロースト蜂蜜のソース」。
しっかりとしたソースで、みっちりとした鴨の旨味とはちみつが合います。

デザートかチーズの選択は…やはりチーズ。
少しづつ色々と盛り合わせてもらって。

以前は貸し切りになってしまうこともしばしばでしたが、
現在では、すっかり「予約の取れないレストラン」の仲間入り。
しかし、連日満席でも手放しで喜べないことがあるようです。
シェフはいつもと変わらず寡黙な勉強家。
今後もわずらわされることなく、突き進んで欲しいです。

<2007年12月>
クリスマスのちょっと前。
久しぶりの訪問に、マダムはいつものように温かく迎えてくれました。

アミューズの「京野菜のガルグイユー」はジューシーで味わいのあるお野菜ばかり。
「蟹肉をきゅうりの薄切りで巻いた」前菜は、ウニとキャヴィアを添えて。
爽やかな味わいながら、ソースは濃厚。
「フォアグラのソテーと柿」は、フォアグラの焼き具合が、なんとも絶妙。
柿の甘みとあいまって、さらに幸せになる瞬間が訪れます。
「ポルチーニのポタージュにポーチドエッグと帆立」。
ポルチーニの薫りをしっかりと楽しめる一品。崩した卵の黄身でさらに濃厚に。
「蝦夷鹿のロースト」は、赤身のしっかりしたお肉を存分に楽しめるもの。
ソースと共にしっかりと作り込んでいます。さすがのお味。

そして、食後はやはりチーズを選択。
なぜなら、お店の一番目立つところに、照明によってフローティングしているような
黒板があり、マダムが心を込めたチーズの説明が書いてあるから。
初めて見るような珍しいチーズもあり、残ったワインでゆっくりと堪能しました。

今回もゆっくりしていたら最後のお客さんとなり、
外までシェフとマダムに見送っていただきました。
京都の冬は寒さがきついけれど、心が温かくなってお店を後に。

いろんな人に薦めたいけど、本当はあまり知られたくない。
そんなお店です。

<2006年9月>
今回も心からのマダムの笑顔に迎えられて。

特に印象に残ったのは「野菜のテリーヌ」。
ズッキーニ、茄子、トマトのコンビネーションで、ハーブとオリーブオイル
のソースにカイエンヌペッパーがピリっと効果的。
ソースも最後までパンでぬぐっていただいてしまう。恥ずかしながら。
「穴子と雑穀リゾット」の穴子は香ばしい焼き具合。
前菜ながら、赤ワインともぴったり。
「ガスパチョ」はトマトがベースでメロンのスープを彩りよく配置。

やはり赤ワインをいただいてしまったので、変りご飯は未体験。
今回は珍しいベルギーのウォッシュチーズも揃えていました。
いつもながらのシェフの優しいお料理に、こちらも優しい気持ちに。
こんなお店が近所にあったら、通ってしまうに違いありません。

<~2006年3月>
岡崎公園や平安神宮からほど近く。フランス国旗が目印の小さなお店です。
ドアを開けると、あふれる笑顔のマダムが迎えてくれます。
寡黙なシェフが勉強熱心なことは、一目瞭然。目を見ればわかります。
本当に真摯な気持ちで、フレンチに取り組んでいる職人です。
このお2人のコントラストが、実は素材とソースのようにマッチしています。

テーブル席とカウンターがありますが、広々と設えたカウンターが落ち着きます。
時には和服を着こなしたご婦人がいらっしゃるのも、京都ならでは。
カウンター内には間接照明を生かして、グラスがディスプレイされています。
生花もあしらわれ、素敵な空間を演出。
センスのよさが、うかがわれます。

ワインリストは試行錯誤されているようですが、掘り出ものが
見つかることもあります。
お料理はシェフの心がエッセンスになっているものばかり。
ビストロと名が付くと、ただ骨太なイメージですが、
裏腹に繊細でいて、計算されている。
心からくつろいで、「美味しい…幸せ」とつぶやいてしまうような、
そんなお料理の数々です。
サーブしてくださるマダムの笑顔も、スパイスのひとつ。
その何気ない会話が、楽しいひとときに華を添えてくれます。
コースの最後には、変わりご飯かチーズを選択できます。
マダムが揃えたチーズが、ワイン好きな私には楽しみです。

京都に行くと、必ず訪れてしまうこちらのお店。
いつでもウエルカムと出迎えてくれる友人のような、大事な存在。
贔屓目かも知れませんが、掛け値なしに満点にさせていただきます。

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3位

Shin Harada (銀座一丁目、銀座、有楽町 / イタリアン)

1回

  • 夜の点数: 4.3

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 3.3
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - -

2015/11訪問 2016/01/25

驚きと感動と薫りと。

<2015年4月>
おまかせコースの完成度が素晴らしいものでした。
そのとき手に入る最高の食材を、感動的なお皿に。
渾身のメニューです。

最初の一皿(うなぎとキャヴィア+カルダモンの薫り)
軽く燻した初鰹のカルパッチョ仕立て フレッシュトマト風味
伊勢海老のヴァボーレ アジアの薫り
春の薫りを少し(筍のスープ)
The ヴォンゴレ ビアンコ(大蛤のヴォンゴレ)
ホワイトアスパラガスのシンプルリゾット
石鯛の炭火焼 トマトとにんにく、オレガノの薫り
柑橘のシャーベット
子豚のヴァリエーションと春野菜
野菜のココット(新玉葱)
お楽しみのお皿(チーズ)
食後のお飲物

新しいサービスチームも頑張っています。
リラックスしてお食事させてくれる、抜き加減が上手。
どんなふうに進化していくのか、これからも楽しみです。

<2015年2月>
長年アロマフレスカのサービスを担っていた方が、このたび卒業されました。
新しいサービスチームが素晴らしいサービスを引き継ぐことを願ってやみません。
今まで、ほんとうにお世話になりました。
新天地でもお元気で。

<2012年4月>
銀座に移転後、2カ月ほどで訪れてみたものの、
そのときはサービス体制の弱さを感じて、しばらくご無沙汰。。
お料理が完璧なものだっただけに、残念な思いでいっぱいでした。

ところが最近、サービス陣が強化されたことを耳にし、「ならば!」と予約。
約1年半ぶりでしょうか。
予約確認の電話でメニューを確認し、「季節のメニュー」をお願いしました。

最初は、プロセッコのサービス。
細いグラスの淵には、お砂糖があしらってあり、カクテル気分。

「最初の一皿」。
もちろんいつもの「ウナギとキャヴィア」。
カルダモンの薫りも軽やかです。

「車エビと春の苦味」。
ガラスの器に濃厚でクリーミーなソースを敷き、
プリップリの、きれいで見事な車エビが躍ってます。
周囲には、フキノトウの芽の苦み走った部分を素揚げして。
春を感じる一皿。

「ホワイトアスパラガスとポーチドエッグ ミモレット風味」。
お皿は、細かく削ったミモレットの雪が降ったよう。
目の覚めるようなオレンジ色が鮮やか。
焼いた薫りがフワっと立つホワイトアスパラは、食感が心地良く。
さらに、濃い黄身のポーチドエッグとミモレットをソースにすると、
非常に濃厚。
ミモレットのコクと塩気で、アスパラに旨みを増して。
今まであるようでなかった、素晴らしい一皿。

「初春の香りを少し」。
新筍のスープは、この時期のお約束。
ややエグミのあるスープを先に、筍を最後に一口で。

「空豆のスパゲッティ アーリオオーリオ」。
空豆のピュレで、お皿全体のグリーンがきれい。
基本のアーリオオーリオは、ピリっとオイルベース。
空豆が優しく全体をまとめています。

「蛍烏賊の黒いリゾピラフ」。
イカスミのリゾピラフのトップに、蛍烏賊が。
添えられたトマトのピュレを混ぜて口にすると、酸味がポイントに。
想像通り、というか、想像以上に濃厚で満足感ある一皿。

「甘鯛のうろこ焼き 黒キャベツと香草風味」。
ナイフを入れるとパリパリと音を立てる、この瞬間。
厚めカットの身は、ふんわりとしっとり。
添えてある野菜たちと、深いグリーンのソースと共に。

「柑橘のシャーベット」。
「酸っぱいです」と置いて行かれた、定番の目が覚めるようなシャーベットでリフレッシュ。

「仔豚のヴァリエーション」。
3種類の調理で、香草を加えた賑やかなお皿。
皮がぱりっとアメ色に焼かれたものが、私にとってのベストでした。

「野菜のココット」。
本日は、新タマネギのココット。
一見、皮は真っ黒で衝撃的。
ところが、半分に割ってある白い中身をスプーンですくうと、甘い!
ホントに熱々なので、火傷しないように。

「お楽しみの一皿」。
チーズ、パスタ、シャーベットからお好きなものを。
というわけで、少しワインが残っていたので、チーズを。
4種類のチーズを甘く煮たフルーツや、ナッツと共に。

「ドルチェ」。
6種類から選択。
今回は定番の「あまおうのスープ」を。
トップにはふわふわの綿菓子。
あまおうの甘みと酸味を、ぎゅっと閉じ込めたスープ。
ジェラートと共に。

噂通り、サービス陣は4名+αの体制となり、目配りも充分。
オペレーションは、完璧となりました。
ようやく、銀座の様々な高級店と肩を並べられるようになったかと思われます。

この日は記念日を祝うテーブルが多く、
お店の空気を、さらに華やかなものにしていました。

本場のイタリアンとはだいぶ異なるとは思うけれど、
口にすると、「素直に美味しい!!」と、思わず口にしてしまう、驚きと感動は健在。
さらに、グランメゾン並みの設えと、サービス。
時間をかけて、出来上がってきたようです。
新しいアロマフレスカが。


<2010年10月>

銀座に場所を移して3ヶ月目。
ようやく訪れる機会が巡ってきました。

12階のエレベーターの扉が開くと同時に、名前を呼ばれてのお出迎え。
流れるようにダイニングへ。

さほど広さはないけれど、四角い空間。
まん中に大きなお花が活けてあり、周辺の床には大きな丸いペルシャ絨毯。
見事がカサブランカが、華麗にダイニング中に香ります。
高い天井のまん中には、吹きガラスの飾りがキラキラと輝くようなシャンデリアがお花を照らします。
まるで、ホテルのメインダイニングのよう。

中央通りとは反対側のため眺望は望めず、その代わりなのか、窓には木があしらってあります。
ところどころには、観葉植物も。
緑が多かった麻布十番の時を、彷彿とさせるような部分。

テーブルは7卓。以前より1卓多いでしょうか。
サービスは1人増えて、3人。

調度品などはイタリアからのものと思われます。
中でも、私にとって大事なのは、お食事の時間を共にする椅子。
以前と異なり、幅も奥行きも大きいもの。
脚の長さは日本仕様にしてあるのか、椅子全体のバランスから言って、短め。
肘かけはありますが、座面は幅広。
体の小さい私は、どっちに寄ってもグラグラ。
姿勢が何となく落ち着かない。

メニューは、予約確認の電話で決めておくシステム。
予約時は1週間ほど前に連絡するとの話でしたが、実際は2日前に着信が。
今回は「季節のメニュー」をオーダーしておきました。

まずは「アルコールが大丈夫であれば、ご挨拶がわりに」、と小ぶりのシャンパングラスに
パッションフルーツのカクテルの仕掛け。
「もちろんです!」、とシュワシュワと泡を目の前で注いでもらいました。
いつもワインをいただいている、という履歴は、どうやら残っていないようです。
カクテルは目新しくてよかったけれど、やはり、スプマンテのワゴンがゴロゴロとやってきて、
今日はどれにしようか、と考えるほうが楽しいかも。

自家製オリーブは一人一人に、ガラスの小さな器で。
パンはグリッシーニ、ゴマのパン、フォッカッチャ、バゲット。
そこからはテンポよく、コース料理が供されました。

「最初の一皿」。
いつもの、小さな鰻とキャビア。
これをいただくと、アロマフレスカに来た、という気分にさせてくれます。

「赤座海老のクルード」。
以前にもお目にかかったことがあるメニュー。
フレッシュトマトのソースや香草に囲まれた、限りなくレアに焼きあげた赤座海老。
お皿全体の色彩がとってもきれい。
照明がテーブルには当たっていないので、実際よりも暗い色に感じてしまうかも。
ミソまでパンで。

「フレッシュポルチーニの炭火焼き」。
一瞬、どんこかと思しき肉厚のポルチーニはとってもジューシー。
口に含むだけで、満足。
下にはフォアグラのソテーがあしらわれ、コクを増してはいるけれど、なくても充分。

「冷たいスープを少し」。
以前もいただいた味、ポルチーニと鮑のスープ。
ガラスのお皿が以前よりも、少し浅いものに代わりました。

「海の幸のリゾット アロマフレスカ風」。
様々な海の幸が口の中を駆け巡り、幸せな時間を実感。
リゾットの米粒よりも、海の幸のほうが多いほど。すごい!
今回で一番のお皿。

「白トリュフのパスタ」。
こちらは別のパスタ料理の予定でしたが、プラス料金で差し替え。
恭しく、ロイヤルコペンハーゲンのお皿に鎮座する白トリュフ。
ガラスの蓋をちょっと開けてもらうと、薫りのパンチ。
オーダーせずにはいられないんです…。
リングイネが少し縮れたようなパスタに、よく絡みます。
ちなみに、離れたお隣りのテーブルからも薫るほどの白トリュフは、今だかつてないほどの最上級品。
が、白トリュフを削るパフォーマンスがあるにせよ、パスタがやや冷めていたのが残念。

「スジアラの炭火焼 パッシート風味」。
ハタの一種だというスジアラは初めていただきました。

「柑橘のシャーベット」。
いつもの、目が覚めるほどの酸味のシャーベット。

「和牛のビステッカ」。
初心に帰って、定番メニューをオーダー。
色んな味が添えられるけれど、やはり一番好きなのは、イギリスの岩塩でシンプルに。
今日のストウブの調理は、大きな茄子。甘みを感じます。
そう言えば、今回はポーションを聞かれなかったので、ここら辺でかなりお腹いっぱい。

「お楽しみの皿」。
パスタ、チーズ、マンゴープリンの中から選択。
まだワインが残っていたので、迷わずチーズを。
自家製ドライフルーツと共に。

「スフレ」。
だいぶお腹いっぱいになっていたので、小さめサイズでお願い。
Goサインの問題か、まだチーズを楽しんでいる最中に出てきてしまったのは、ご愛嬌。
もちろん、改めてのご登場となりました。
熱々のまん中を割り、別の器で添えられているカプチーノのクリームをポトっと落として。
シュワシュワと口溶けがいいので、軽く食べられてしまう。
新たなるヒット。

「ドルチェ」。
6種類の中から、いちじくのコンポートとアイスクリームを。
コンポートの中には、フレッシュチーズが。

食後のお茶と共に、小菓子。
一人一人、お皿に3種類づつ。
ピスタチオやビスコッティがたっぷりと入った、大きなポットを囲んでのお茶が、懐かしい。

ワインリストは、内容充実、価格抑えめで選びやすくなりました。
ハーフボトルの品揃えも多くなり、2人でもボトルオーダーしやすいよう考えられているよう。

サービスは、まだバタバタ感は否めない部分が色々。
自然体で素晴らしかったサービスは「人」によるものだったのか、と、改めて実感。
今のサービスも悪くはないのですが、そこは私の好みの問題。
チームワーク、経験、お互いの慣れ、が必要かもしれません。

食材選びは、明らかにパワーアップ。
以前のメニューも取り入れながら、新しい形にも挑戦。

ただ、お値段もかなりアップ。
フレンチのグランメゾンと、同等クラスの価格帯。
目指すところは、そこ。
「銀座進出、グランメゾン並み」、だったのですね。

でもでも、アロマフレスカって、そのようなお店ではなかったはず。
麻布十番の時は、邸宅に招かれたような、あの空間でのおもてなしが大好きだったし、
開店当時の広尾の頃は、半地下で厨房スタッフの顔が見える、そんなお店だった。
同じこれらのお料理でも、以前の空間のほうが、鼻をくすぐる薫りが元気よかった気がします。

出世魚のように名前も新たなお店ならば、それはそれで納得。
今の時点では、アロマフレスカのお料理を、以前の空間でいただきたい気持ちでいっぱい。
お料理と、空間と、サービスは、どれが欠けてもいけない、私にとっては一体のものだということがわかりました。
もう、叶わないけれど…。

最後にひとつ、お化粧室。
アロマフレスカ専用ですが、お化粧スペースとしては使い勝手が物足りなく、
手拭き用のタオルもない。ティッシュペーパーのみ。
最近のお店では当たり前の、アメニティー類も皆無。
グランメゾン並みを目指しているのなら、こんなところには気を遣ったほうがよろしいかも。

そんな色んなことを、一抹の寂しさと共に考えた一日。
次回の訪問は…無期お休みです。

※以前からのレビューが、ごく最近 「移転前」の麻布十番のほうへ丸ごと移動されたので、
銀座移転後のレビューのみ、こちらにお引っ越ししました。
ご参考までに、2006年からのレビューや、皆さまの粋なコメントの数々はこちらです。
↓              ↓             ↓              ↓
http://r.tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13004586/dtlrvwlst/81615/]

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4位

カンテサンス (白金台、目黒 / フレンチ)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    - -

2011/12訪問 2011/12/17

カンテサンス交響曲

オープン当初から、とにかく電話がつながらない。
そのうち、ミシュラン3つ星を獲得。それも連続3つ星。
「このお店には縁がない」と、私の中では圏外となっていた当店。
ところが・・・機会は訪れたのでした。

白金台駅から、歩くことしばらく。
緩やかなカーブを描いた坂に差しかかったあたりの、出光石油GSが目印。
超えたところの路地に、ちょっとお洒落なビルが。
「さて、このあたりだったはず」、と目を凝らして見ると、ありました!
ガラスの扉の内側の壁に、お店のサインが。
迷わなかったフリをして扉の中へ入ると、そこはもうウエイティングスペース。

店内はブロンズ色の壁、黒いレザーの椅子、真っ白なテーブルクロス。
そんなシンプルでシックなダイニングを抜けて、奥の個室へ。
そこは、ぴったり6名入れる個室。
テーブルの幅が狭く造られているので、全員で会話をするのにちょうどいい距離感。

レアなシャンパーニュで喉を潤してると、手渡されるのはメニューブック。
開くと、内容はすべて意表を突く白紙です。
これが、有名なアレなんですね。

その日のお任せコース。

「自家製ボラコのサブレ」。
ぱっと見、小さなフィナンシェのよう。
中に隠れたカラスミ。
まさに酒の肴、カンテサンス版。

「ガルビェール ジャポネ」。
小さなスープ。
これからのお皿の期待が高まります。

「塩とオリーブ油が主役 山羊乳のバヴァロワ」。
これが、かの有名な一品。
滑らかな、優しいバヴァロア。
上品な薫りが豊かに広がる、オリーブオイル。
ゲランド産の、旨みのある塩をピリっと効かせて。
一緒に口にすると、フワっと鼻腔をくすぐられる。
トップにあしらった百合根の食感が、思いもよらない効果を生み出します。

「ポロ葱とエビ」。
ボタン海老はトロリと甘みを帯びて、ボトムにポロ葱。
コンビネーションの面白さと、味わいの融合。

「アーティショーのベニエと羽田のアナゴ」。
贅沢に、美味しいところだけを使ったアーティショーの食感が印象的。
穴子はフワっと蒸し、香ばしく焼きの2種類。
蛤のエスプーマで蓋をして。

「ブーダンのタルトとフォアグラ」。
薄い層を重ねたブーダンノワールとリンゴのタルト。
まるで、スティック状に作ったミルフィーユのよう。
あまりにも芸術的なブーダンノワールは、とても優しく、限りなく滑らか。
フォアグラは上質で、見事な焼き目。

「北海道のキンキ ヴェントデスターテとケッパー」。
火入れがちょうど、好み。
波のようなソースの置き方は、キンキが海の中を泳いでいるよう。
絵画のようなお皿。

「蝦夷鹿の3時間ロースト」。
何度も何度もオーブンから出したり、入れたりすること3時間。
これが、カンテサンスのキュイソンなのですね
絶妙の大きさにカットされて、お皿へ。
手間を惜しまず出来上がったローストは、ナイフを入れると深いロゼ色。
肉の弾力は申し分ない。
咀嚼するのが、楽しい。
私の蝦夷鹿史上、最高の火入れ。そして塩とスパイス。
濃厚なソースを添えて。

「洋梨とカルヴァドスのシャーベット」。
「柿と蜜柑 ミラベル風味のサバイヨン」。
「丹波産 栗のガレット」。
「メレンゲのアイスクリーム」。

お食事の余韻を楽しむ、デセールの連続技。
特に!メレンゲのアイスクリームは非常に印象的。
ピリッと塩、クッキークランチの2種類を楽しませていただきました。

ワインはすべて、デギュスタシオンにて。
お皿に合わせたワインのマリアージュの紹介がとてもわかりやすく、すべてが「おっしゃる通りです!」。

サービスは申し分なく、お料理の説明もワイン同様、詳しく、そしてわかりやすく。
初めて来店の私を、招き入れてくれるよう。

お料理は、塩の効かせ具合、スパイス、食材の組み合わせの妙が印象的。
素晴らしい素材を、強弱しっかりと輪郭を付けて。
まるで、色んな楽器が奏でる、オーケストラの交響曲。

壮大なコンサートの帰りのような、そんな気分でお店を後にした夜でした。

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5位

Felicelina (中目黒、代官山 / イタリアン、パスタ、肉料理)

1回

  • 夜の点数: 4.0

    • [ 料理・味 4.0
    • | サービス 2.5
    • | 雰囲気 3.8
    • | CP 3.8
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2013/10訪問 2013/05/19

裏中目に新しいカタチのルーキー出現。

<2011年10月>
気に入ったお店は、あまり間を置かずに再訪。これ、私の鉄則です。
1回目の感動を、もう一度味わいたくなっちゃうのです。
そのときが、夢か幻ではなかったことを願って。

「子持ち鮎のコンフィ 野菜のケッカ風ソース」。
パリっと骨までそのままいける鮎は、ホクホク。
下には細かくカットした野菜のケッカと、ヴィネグレットがピリっと効いたソースと共に。

「えぞ鹿の温かいカルパッチョ」。
きれいな赤身のカルパッチョがお皿に載って登場。
その上から、たっぷりとウンブリア産白トリュフを削っていただいて。
濃厚な薫りが、たまりません。
えぞ鹿は、内腿の一番柔らかい部分を、ちょうどいいスライス具合で。
キメ細かい肉質は限りなく上品でいながら、野性味を帯びて。
スパイス使いも見事。
すべてのコンビネーションがピッタリと決まった一皿に、感嘆。

「伊勢海老のスパゲティ サフラン風味 ペスカトーラ風」。
焼きの火入れが見事な伊勢海老は、プリップリ。
サフラン風味とマッチするムール貝。
マイルドなトマトソースと、元気なフレッシュハーブを上から散らして。
豪快に、そして、おのずと無言になってしまう、うれしい一皿。

「和牛イチボのタリアータ ほろ苦野菜のサラダ添え」。
締まった赤身のイチボは、優しいカブのソースや西洋わさびを添えて。
ほろ苦野菜は太陽をたっぷり浴びた証拠。

「チーズの盛り合わせ」。
ワインがまだ残っているので、ドルチェまでの間に一呼吸。
4種類のチーズと、トーストしたドライフルーツ入りのパン、栗のハチミツを添えて。
状態もいい具合です。

「焼きリンゴとヴィンサントのジェラート」。
焼きたてのリンゴは甘酸っぱさがたまらなく美味しく、
作りたてのジェラートがトロトロと溶けてソースに変わっていく。
そんな食後の幸せは至福のひととき。

今回も、期待を裏切るところか、新たなる感動や悦びを噛み締めながら、
4時間ほどのディナータイムは素敵な時間となりました。

開店1ヶ月ほど経った今回、変わっていたことがいくつか。

①予約電話受付時間を設定してあります。
11時から12時、16時から17時30分のみ。
これで営業時間内は、調理に専念することができます。
大英断!これでいいんです。
くれぐれも、予約した皆さまが道に迷ったりしませんよう…。
営業時間内は、お店に電話しても誰も出ませんから。

②お水のお代わりは、デキャンタで目の前に用意。
これもいいんです!
ワインだって、ちょうどいい温度になっているボトルならば、
テーブルに置いて「Help yourself」でいいんです。

そんなこともあり、サービスにだいぶ余裕ができました。
色々工夫して、いい方向に向かうよう成長中です。

シェフ2人、カウンターのみ。
一皿づつ感動の内容で、ビックリのお値段。
目指すものは銀座のグランメゾンではなく、広尾にあった頃の初期のアロマフレスカ。
あの活気と、美味しいものが食べられるオーラを放った空間を見事に再現しています。

サービス体制やカウンターの造りからして、グループや接待には向いていません。
私としては、食べ終わったお皿を自分で下げてもいいくらい!
このお店のサービスに評価を下すなんておこがましいので、サービスの★は空欄にしてあります。

<2011年9月>
プロフィールは、アロマフレスカ出身のシェフ2人。
場所は、いまアツいスポット、「裏中目」。
もちろん、開店早々に予約。
ようやく待ちかねた当日です。

店内は、L字型の窓側にローカウンターと、内側にある厨房が見渡せるハイカウンター。
ダークな木目のテーブルはシック。
ローカウンターのどっしりとした椅子は座りやすく、くつろいでしまって根が生えそう。
上からの照明は、やや明るめ。
テーブルにはランチョンマット、ガラスのレストにはクリストフルのカトラリー。
ナプキンリングには、真白な布ナプキン。
ますは、おしぼりが渡されます。

すでにテーブルに置かれているのは、ドリンク、ワインリスト、ドルチェメニューが1冊になっているアルバム。
表紙にはお店のロゴと共に、予約したお客さんの名前が書かれています。
そんなサービスは、アロマフレスカを彷彿とさせる部分。

ところで、このワインリストのセレクションは、なかなかスゴい!
こんなの飲みたい、と思わせる銘柄をチョイスしていて、さらにリーズナブル。
価格別に載っているので、ワイン初心者でもわかりやすく、
それぞれの説明文を読めば、イメージできるようになっています。

手書きのメニューは、アクリルの額に入って目の前に。
日付入りなので、仕入れによって毎日更新しているよう。
ディナーはアラカルトのみ。
アンティパスト1600円、パスタ1800円、セコンド2800円の基本で、
メニューによってはプラス料金。
2人だと、2皿+2皿+1皿でちょうどいい量だと説明がありました。
今回はやや軽い感じで。

「本日築地より 極太アスパラガスと魚介のサラダ仕立て」。
今日の魚介は鬼海老、シマアジ、シロイカ。
特に、鬼海老の絶妙な火入れの具合と、焼きの香ばしさは格別。
小さいけれど濃い甘みと旨みのある身。初めて口にしました。
頭をパリっと手で割って、ミソはパンで。
直径2センチ以上もあるグリーンアスパラは、しっかりの塩で茹でてあり、歯応えも上々。
ハーブやペッパー、オレンジも添えられていて彩りよく。
これは白ワインなしにはいられません。

「鱧のセモリナ粉フリット 野菜のケッカ風ソース」。
パリっと揚げた熱々の鱧は、サクっと。
下には、彩り野菜の小さなキューブが隠れています。
優しい鱧と、ピリっとしたビネグレットの野菜。パンチが効いてます。
リコッタチーズやオリーブのペーストなども一緒に。

「ぶつ切りオマール海老のキタッラ フレッシュトマトソース」。
ますは、目の前にお皿が置かれてビックリ!
なぜなら、白いお皿を覆い尽くすのはオマール海老だけに見えたから。
パスタメニューなのに、オマール海老のパスタ添え?って思っちゃうほど堂々の主役。
「おしぼりはいくらでもありますから」、との心強いお言葉に、手でバリバリ。
身は、しっとりとジューシーで甘みと旨みたっぷり。
ホロっときれいに外れます。
焼きの薫りと、ハーブと、トマトソースと。
何も言うことはありません。

「ブレス産仔鳩の丸ごとロースト たっぷりの黒トリュフ添え」。
鳩の色んな部位は、ロゼの焼き具合。
ラギオールのナイフを入れると、赤く肉汁が滴ります。
鳩の旨みと脂、滋味深い肉質を生かしたロースト。
ポルチーニと、たっぷりトリュフの量もサプライズ。
シンプルながら、相当ゴージャスな一皿。

「いちじくのソテーとバニラアイスクリーム」。
温かいイチジクにアイスクリームが溶けてまみれて。
トップにはシナモンやカラメルソース。
とろけます~。

シェフ2人ですべて行っているので、お皿出しに時間がかかるのは想定内。
全員同じおまかせメニューにしたら楽なのに、アラカルトにしてるなんてエラ過ぎ。
なのに、クーラーのワインは空になる前に注いでくれるし、おしぼりは取り替えてくれるし、
不足は感じません。
ただ店内は狭いので、魚介や肉を焼いている薫りや煙、フードプロセッサーの音などなど、
五感的に賑やかです。

すべてカウンターなので、2人で訪れるのがベスト。
そして必須条件は「のんびりとできる日に、話の弾む、気の置けない相手と」。
全般にしっかりとした味付けなので、「ワインが楽しめる」ことも重要。

アロマフレスカ出身のシェフ2人がタッグを組んで、さらに個性をたっぷり振りかけて、理想形のお店を完成。
季節のよい素材を生かして、最高のものを大胆に、そして丁寧に心を込めて作る。
そんな贅沢なことを、何なくやってしまうってすごい。
やや荒削りではあるけれど、勢いがあるエネルギッシュさが非常に心地よく感じられます。
私の感動の余韻は、なかなか冷めない気配。

帰り道・・・何となく、初めて広尾のアロマフレスカを訪れたときの感動を想い出しながら、帰宅しました。

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6位

ICARO miyamoto (中目黒、祐天寺、代官山 / イタリアン)

1回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 5.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥10,000~¥14,999 -

2012/08訪問 2012/09/01

心地よい空気感を感じる、高レベル店。

この数年の課題店でしたが、なぜか未訪。
やっと機会が訪れました。

中目黒の駅からしばらく。
商店街を抜けて、路地に入って。
こんなところに人気イタリアンがあるのか?という場所にありました。

エレベーターで4階へ。
店内に入ると、すぐ右側にワインセラー。
カウンター越しに広めのオープンな厨房。
ゆったりとしたテーブル配置。
ウッディなカラースキーム。
窓際には、おやっと思わせてくれるワインの空ボトルがぎっしり。
なんだか落ち着く予感です。

グリッシーニとスプマンテで、メニュー選び。
やや軽い感じで。

「フレッシュポルチーニのインパナート アイオリソース添え」。
ポルチーニをフリットした、最初の一皿にふさわしいもの。
フリットの軽やかな油と、ポルチーニのコリっとした歯応えと薫りを愉しみながら。

「イワシのコンフィとナスのオーブン焼き スカモルツアチーズ」。
パリッとしたコンフィに、トロっとした茄子とチーズ。
しっかり目の塩で、ガツンと。

「パッパルデッレ 蝦夷鹿の煮込みソース」。
幅広のツルンとパスタに、濃厚な蝦夷鹿のソース。
蝦夷鹿の野性味が生きた、しっかりとしながらもホロっとした食感。
忘れられない一皿。

「フランス産 うずら一羽のロースト フォアグラとポルチーニ茸のリピューノ」。
いい具合のローストに、鉄板の組み合わせであるフォアグラとポルチーニのソースを絡めて。
こちらも素晴らしい!

「バニラジェラート アッフォガート」。
しっかりとしたお料理を楽しんだ後は、ちょっとクールダウンが必要。
そして、別腹。
自分でエスプレッソをかけて、とろりんと苦み走ったスイーツを。

ワインは好みを指さして、そのあたりのものを。
まさに、好みのど真ん中をチョイスはお見事。

活気のある店内と、朗らかなオーラのあるサービス。
心地よい空気感のある、すべてのバランスの取れたお店、とお見受けしました。

今まで来たことがなかったことを後悔しつつ、次回を楽しみに。

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7位

サーラ アマービレ (銀座一丁目、銀座、有楽町 / イタリアン)

2回

  • 夜の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.8
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 昼の点数: 4.5

    • [ 料理・味 4.5
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 ¥6,000~¥7,999

2017/05訪問 2018/01/01

アロマフレスカ的サロン。

<2011年12月>
クリスマス期間の銀座を味わおうと、ディナーはこちらへ。
すでにクリスマスメニューのみとなっていましたが、どんな内容かも興味を持ちながら。

入り口には大きなクリスマスツリー。
テーブル上にはひとりひとりに、ユニセフの素敵なクリスマスカードが。
その中に、メニューが書いてありました。
さすが、さりげなく演出上手です。

最初の一口、二口の前菜は、いつもより食材をパワーアップ。
心に残ったお皿は・・・

「キャビア オシェトラのカッペーリーニ」。
泡のソースはクリスマスらしく、フォークで一口。

「甘鯛のうろこ揚げ 黒キャベツとトリュフ風味」。
皮目のパリっと具合と、トリュフの妖艶な薫りがたまらず!

「帆立貝とピエブルーのソテー きのこのデュクセル」。
フルポーションで食べてみたい、鮮度よく火入れが最高な帆立。

どれも華のあるメニューです。

「タラバ蟹と菜の花のタリオリーニ」。
パスタはさすが!としか言いようがない一皿。
ガツンと王道です。

ドルチェやお茶菓子まで、ゆっくりといただいて、ちょうどいい量。
この日はジャズのピアノ演奏で、ところどころにクリスマスらしい曲を織り交ぜながら。

サーラ・アマービレ「らしい」クリスマスを堪能させていただきました。

ところで、以前から気になっていた1階エントランス。
すでに秋頃(?)から「ミュウミュウ」がオープンしていて、
ようやく、ビルエントランス付近の雰囲気がよくなりました。

<2011年8月>
本当に暑かった一日。
その終わりに、涼やかさ120%のコチラへ。

キンキンに冷えた、青リンゴのようなスプマンテをウェルカムドリンクとしてチョイス。
この日は軽く、小皿のコースだけにしようかと思っていたものの、
少しパスタが欲しくなり、基本コース+パスタ、リゾット、ドルチェの「Menu di Ottima」を。

「オマール海老のパスタ」。
想像通りながら、想像以上。
とびっきりの一皿。

「とうもろこしと牛頬肉のリゾット」。
甘いとうもろこしと、お米。この食感が合うんですね!
さらにほろほろに煮込まれた、ホロホロの牛頬肉がアクセント。
この組み合わせの妙…。すごいです。
少量ながら、満足感の高い一品。
最後までソースをパンで楽しんで。

「桃のドルチェ」。
暑い日のための、冷たい食感を大切に。
こういう一皿が、とってもお得意。

夏の宵の口。
ピアノの演奏が始まる前に退散。
お店選びは大正解でした。

ただひとつ。
お店には関係ありませんが、この「銀座トレシャス」っていうビル。
いつになったら1階の工事中の囲いが取れるんでしょう。
下層階に「ミュウミュウ」が入ることになっているのに、頓挫したまま1年。
さらに、3基あるエレベーターのうち、1基は荷物用と兼用で、
「寄りかかると服が汚れる恐れがある」と書いてあるとは。
テナントのお店は、困惑してるのではないでしょうか…。

<2011年7月>
ふと思い立って予約。最近はそんな使い方。
夜の時間帯は、案外希望が叶います。

夜は、ピアノの生演奏が入り、シャンデリアが映え、
ランチとは全く雰囲気や装いも異なります。
いうなれば、大人のラウンジ、でしょうか。

さて、最近になって、メニュー構成が変わりました。
小皿とバーニャカウダの定番コース5000円。
パスタやリゾットを加えた7500円コース。
パスタとメインを加えた9500円コースができました(すべてウェルカムドリンク付き)。
お料理を選択しやすくなったのは、エラい!

今までは定番コースをいただき、そのあとアラカルトをどうしようか考える、というパターン。
何度もオーダーが入って、厨房の混乱もあったのかもしれません。
今度のシステムは、お店側にとっても突然のアラカルトのオーダーが入るより、
スムーズに仕事が進んで、お互いのためにHappyでしょう。

印象的なお皿をいくつか。

「うなぎとキャビアとジャガイモのフィルム」。
まず一口。これがなければ!

「サマーポルチーニのソテー」。
非常に薫りよく、歯応えも残して。

「和牛のビステッカ」。
お馴染みのお皿がプチヴァージョンで。これってうれしい。

「仔豚のポワレ」。
皮目が非常にパリっとした仕上がり。
パリっと揚げたアーティチョークと共に。

「メロンのセミフレッド」。
お皿のドルチェのレベルは最高。
フルーツ使い、素材選びが本当に上手。

どれも、私にとって焦点がぴったりと合ったお皿ばかり。
やはりシェフの目が行き届いた、完成度の高い味が好き。

今回のピアノ演奏は軽いタッチで、お食事と雰囲気を盛り上げてくれてOK。
以前訪れたときは、時間によって奏者が異なり、ピアノの発表会みたいな選曲も。
自分でも弾けちゃいそうな曲目は、あまり聴きたくなかったりします。

サービスもだいぶ落ち着き、安心して委ねられるようになりました。
色んなアロマフレスカグループでお目にかかったサービス陣がいると、ホッとします。
使い勝手もグッとアップして、このお店…進化中です。

<2010年12月>
このシーズン、集まる機会が多く、ヘビロテ中。
明るい日差しの中、ソファ席やゆったりとしたテーブル席でのくつろぎ感はなかなかのもの。
グループ利用も多く見受けられ、皆さん思い思いにワインをたしなみ、ドルチェの後には足元が…という方も。

初めてコチラのお料理を口にした人々に接すると、皆、一様に感動していて、
こちらもうれしくなってしまいます。
食材の組み合わせや、食感、薫りが大事にされているのはいつものこと。
それは、小さくてもlひとつひとつのメニューの完成度の高さがあるから。
食材のレベルの高さと、新鮮さも、並々ならぬものがあります。
このところすっかり慣れ切ってしまっているので、改めて新鮮な思いです。

印象的なお皿をいくつか。
まずはベスト3。

「車エビのフライ」。
カダイフを纏った海老のサクっと感が病みつきになりそう。

「石川芋のフォアグラ風味」。
ねっとりとしたお芋に絡みつく、濃厚なソースがたまらない。

「真鱈白子の天火焼き」。
ふわふわした白子が香ばしく焼かれ、後を引くのに、もう…ない。

「ズワイ蟹の冷たいカッペリーニ」
「スパゲッティ フレッシュトマトのアマトリチャーナ」
「ボロニチューゼと黒キャベツのタッコツェッッテ」
「十穀米のリゾット フォアグラのソテー添え」。

これらのパスタも秀逸。
どれも、楽しい。

そして、ドルチェの数々はどれを選んでも、ハズレなし。
食後の小菓子も、手抜きなし。

フリードリンクののワゴンサービスが省かれたり、ハーブティーがポットサービスではなくなったり。
そんな変化もあるけれど、やはり優秀なランチであることに間違いはありません。
小皿のみのオンパレードにも慣れてきました。そういうものだ、と。

店内の活気を感じながら、外の青空を眺めながら、至福の時を過ごしました。

<2010年11月>
訪れたのは、急に寒くなった一日。
銀座をしばらく歩いて、体は冷え切っていました。
今回は窓側のテーブル席。
2人で訪れると、90°の角度で座らせてもらえるので、ゆっくり会話をするのに向きます。

スパークリングワインをオーダーし、色々と並べられた小皿をいただくも、体は冷え切ったまま。
ほんとうは、ホットワインや、最初に体が温まる一品があると寒い時期はうれしいかも。

バーニャカウダ
カルパッチョ
うなぎとキャビア
ニョッコフリットと生ハム グアンチャーレ サラーメ
車海老フライ
石川芋のフォアグラ風味
カッペリーニ 帆立貝の冷たいジェノベーゼ
真鱈白子の天火焼き
高坂鶏レバーのムース 胸肉の生姜風味
本日のお楽しみの小皿
スパゲッティー 黄ニラとカラスミのアーリオオーリオ
アンコウとドライトマト、けっぱーのスパッカテッレ
仔ウサギの煮込みと京春菊のタリアテッレ
フォンティーナチーズのリゾット秋トリュフ添え
栗のドルチェ

実は…最後のハーブティーでようやく体が温まった気がします。

この雰囲気や設えとお値段構成は、女子会にはうってつけ。
グループで訪れたとしても、別オーダーをしない限り、幹事さんはラクラク。
アロマフレスカの厨房で作られた、最高のラウンジ小皿の数々。
真冬はどんなメニューになるのか、それも楽しみです。

<2010年8月>
新生アロマフレスカの予約まで、待ちきれない!
というわけで、まずは軽くコチラでランチを。

銀座トレシャスはワンフロアが狭めの、エンピツ型ビル。
エレベーターで12階へ直行。
ドアが開くと、知った顔のお出迎え。
これだけで、ホッと和みます。

店内は窓が大きくて明るく、壁はイタリア大理石を使ったと思われるゴージャス感を演出。
天井には小ぶりのシャンデリアが並び、夜はきっと煌びやかなんだろう、と想像させてくれます。
軽やかなイメージのラタンの椅子のテーブルの席と、ややローテーブルのソファ席と。
ファブリックはベージュとブルーグリーンがスキームカラー。
ソファ席の前にはグランドピアノ。夜の時間帯に奏でられるそう。

ランチはスパークリングワイン、白、赤、ビール、ソフトドリンクのフリーフロー付き。
まずはワゴンでゴロゴロとやってきたシャンパンクーラーの中から、キレのあるプロセッコで喉を潤して。

テーブルには小ぶりのナイフとフォークがレストの上にセットされ、
次々と小皿が登場して、あっという間に賑やかに。

「バーニャカウダ」。
うすーくスライスした彩りよい野菜の数々。
北海道産のとうもろこしの甘みが印象的。
残ったソースはパンできれいに最後まで。

「サーモンのカルパッチョ サルサ バニェット添え」。
オリーブオイルがキラキラと明るく輝くサーモン。
ハーブを効かせて。

「ウナギとキャビア」。
定番中の定番。
というわけで、この一品から手を付けてしまうのは、もう習慣としか言いようがなく…。

「ニョッコ フリットと生ハム グアンチャーレ サラーメ」。
3種類の生ハムの中にパリっと揚げられたフリットが。
生ハムの脂の旨みの違いを食べ比べ。

「ポルチーニ茸のスープと蒸し鶏」。
お猪口くらいの小さなガラスの器に、濃厚なポルチーニのスープ。
蒸し鶏はピックで。
鶏を組み合わせなくても、一口スープとして充分な一品。

「ミモザサラダと焼きパルミジャーノ」。
お花畑のように色んな種類の野菜たち。

「金華豚のソテー」。
シークレットの1皿。
ほんの一片ながら、本日の中で一番印象に残るお味。
赤身と脂の旨みがギュっと詰まった金華豚。
それが口の中に広がる瞬間ったら!

「パン」。
ブルーの手作り感溢れるガラスの器に盛られて。
お馴染みのグリッシーニとゴマのパンは自家製。
そしてバゲットとチャバタは『シニフィアン・シニフィエ』のもの。
特にもっちり、しっとりとしたチャバタが魅力的。

「花咲蟹の冷製カッペリーニ」。
お得意のカニ系パスタは言わずもがな。

「旬魚のフリット 青トマトとライム ミント風味」。
ミント風味の泡に包まれたフリット。
今回のお皿の中で、一番謎めいた印象。
直球ではないメニューを、模索中か…。

「高坂鶏のディアボラ風」。
フォークに刺さったソテー。
鶏だけでも充分美味しいものながら、ソースに技あり。
これも変化球の一品。

「里芋と白トリュフ」。
お芋がトリュフのドレスを纏っている、セレブなお姿。

「スパゲッティ焼きとうもろこしのアーリオオーリオ」。
とうもろこしの甘みが焼くことによってさらに倍増。
アーリオオーリオのソースと主張し合って。

「海の幸のフレーグラ」。
帆立、車エビと王道の海の幸を惜しげなく使った一皿。
直球中の直球。

「仔牛の煮込みのラガーネ」。
幅広の手打ちパスタ、タマネギの甘み、トマトと共に。
スパイスやハーブの薫りが、「らしい」。

「カボチャのリゾット 牛頬肉の煮込み添え ゴルゴンゾーラ風味」。
甘みと薫りの〆リゾット。

「ドルチェ」。
焼き菓子のワゴンか、3種類のお皿から選択。
今回はフレッシュマンゴーのお皿を。
皿盛りドルチェに限っては、完全にフルポーション!
これぞ、『アロマフレスカ』の味。

お茶はハーブティーを。
フレッシュミントとレモングラスは、薫りよく。


ところでフリーフローのワインは、というと、きらりとセンスが光ってる。さすが。
市販価格が1000円台のものと思われるけれど、ソツなく、どんなお料理にも合わせられる、
グラスワインのセレクションとしては秀逸。
もちろん、これでは物足りない向きには、ワインリストからグラスなりボトルなりをオーダーすれば問題なし。

目に付いたのはワインセラー横にずらっと並んでいる、布袋にはいったボトル。
聞いてみると、グラッパのボトルキープだそう。
夜はラストオーダーが1時。そんな使い方もよさそう。

このお店はあくまで、『アロマフレスカ』が展開する、サロン。
フィンガーフードやビンチョスだけでも、全くおかしくないのに、
少量多皿で『アロマフレスカ』の料理が食べられるのは、ラッキー。
お皿によっては、今までになかったような変化球もいくつか。
こちらで果敢に色んな挑戦をして、『アロマフレスカ』のコースメニューに組み入れていく、というのもありでは?
今後の展開に期待が持てます。

特にランチは、この場所で、この内容で、この価格で、このサービスで、
さらにフリーフローとは驚くべきこと。
ソファ席の居心地のよさも、特筆もの。

銀座の新しいカタチのはじまり、を感じました。

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8位

カンブーザ (横浜、神奈川、反町 / イタリアン、ピザ、パスタ)

2回

  • 夜の点数: 4.6

    • [ 料理・味 4.6
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.2
    • | CP 4.7
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 昼の点数: 4.8

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 4.2
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥8,000~¥9,999 ¥4,000~¥4,999

2017/03訪問 2018/01/01

伊太利亜食堂

何度か訪れているけれど、なぜか初レビュー。
たぶん、私にとっては身近な伊太利亜食堂だから。
とはいえ、人気店。
行きたい時に行かれない、もどかしさ…。
予約できる勝率は、たぶん、3割程度です。

開店時間少し前に到着すると、まだ「Close」のサイン。
振りかえると、周囲には待ち人何組か。

順々に案内されて、テーブルへ。
広いとは言えない空間ながら、上手にテーブルを配置して、
ランチでもクロスがかかっているのが、うれしいところ。
センスよいお花が、テーブルを飾っています。

スプマンテをオーダーして、メニュー決め。

トップにチーズをあしらった、「かぼちゃのスープ」が突き出しで。
バランスの取れた味に、期待が膨らみます。

「前菜盛り合わせ」。
ひとつひとつ、実に丁寧に作られた前菜の数々。
特に魚介の新鮮さが群を抜いています。

「ピッツァ」は、お気に入りのリモーネ。
ディナーメニューにあるオリジナルはパンチェッタを使っているけれど、今回は、自家製サルシッチャ乗せ。
パンチェッタよりも、脂多めに感じるけれど、レモンの豊かな酸味で中和されて、どんどん食べ進んでしまう。
でも、パンチェッタの鋭いアクセントがあったほうが、インパクト大で、私の好み。

「トマトとアサリのパスタ」。
お皿が置かれた瞬間。オリーブオイルがフワッと薫ります。
アサリはふっくり、フレッシュトマトはしっかりとした甘みと酸味で、ちょうどいいコントラスト。
パスタはちょうどよくアルデンテ。張りがあって、フォークに巻きつけるのが、難しいくらい。

「大山地鶏のグリル」。
テーブルにはスリムなフォルムのsambonetのカトラリーが置かれて、主役が来るのを待機。
ちょうどいい色に焼けた大山地鶏と、色とりどりの付け合わせ野菜。
皮目がカリっと、肉はジューシー、と火入れが完璧。
ピリっとした塩が利き具合が、絶妙。
野菜たちの甘みが、大地を感じる。

「ドルチェ」はしっとりしたチョコレートのケーキ。
カカオが香ばしく、小ぶりな大きさがちょうどよい。

「カプチーノ」。
クレマがキメ細かく、しっかり。
お砂糖を入れて混ぜても、口にしても消えないキュートなラテアート。
最後まで楽しめました。

グラスワインは楽しいものが、常に赤白3種類くらいづつあり、実際にボトルを見せてくれます。
お値段が書かれているので、気兼ねなくオーダーできるのが、やさしい心遣い。

カジュアルながら、丁寧なサービスもちょうどいい加減。
いつもくつろいでお食事してしまいます。

オープンは今年の4月。
なのに、すでに料理もサービスも安定しているのは、スゴイです。
上り調子の、元気なオーラが店内に溢れている。
そんな、旬なお店。

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9位

モノリス (渋谷、表参道、明治神宮前 / フレンチ)

2回

  • 夜の点数: 4.2

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 3.6
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.2
    • | 酒・ドリンク 3.5 ]
  • 昼の点数: 4.6

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.3
    • | 雰囲気 4.3
    • | CP 5.0
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥15,000~¥19,999 ¥15,000~¥19,999

2017/08訪問 2018/01/01

きっと進化し続ける…

<2015年4月>
店名に違わず、進化を続けています。
店内が改装され、明るい雰囲気に。
煌めきがある照明器具や丸テーブルも入れて、華やいだ雰囲気になりました。

それに合わせたように、お料理も進化しています。
進化系の定番や、新しいメニューや、楽しい、美味しいのオンパレード。

シェフ、乗ってます。
ネオ・モノリスに期待度が高まります。

<2011年8月>
今年に入ってからも、何度かディナーに訪れていましたが、
ランチは初めて。
事前にHPでランチメニューは確認していたものの、やはり「ムニュ・モノリス」に決まり。
そのお店の定番メニューも好きだけれど、シェフの挑戦が感じられる月替わりのメニューって、楽しい。

「トマトのジュレムース」。
爽やかな酸味とジュレ。バランスが絶妙。
ムース系はシェフの得意とするところ。
さすがです。

「山口県宇部港より直送 鱧のポッシェ 焼き茄子 オクラと共にジュレ寄せに仕立てて」。
香ばしく焼きあげた鱧と焼き茄子。
オクラとジュレに紫蘇の葉を加えて、和のテイスト。
なんて合うんでしょうね。
日本の食材とフレンチとの融合を感じます、ホントに。

「フォアグラのポワレ 花ズッキーニのファルシをフリットにし、とうもろこしのピュレを添えて」。
マデラ酒を用いたソースは良質のフォアグラの旨さを引き立てます。
私は、もう少しだけ表面がカリっと香ばしいフォアグラが好きかも。
花ズッキーニのフリットにはモッツアレラ、トマトコンフィ、バジリコが入っているという仕掛け。
とろーり具合が何とも!
一皿でどれだけの手をかけているのやら。色んなサプライズが楽しみ。

「鮎のふわふわ焼き その肝のソース」。
鮎の姿をしているけれど、中は帆立のふわふわムースがサンドしてあり、新しい感覚。
添えてあるスイカの青さや甘さとぴったり。
鮎の主張は少ないけれど、添えてある肝のソースが存在感大。
苦みが何とも美味しく、大人でよかったと思う瞬間。

「イベリコ豚のセクレタのグリエ 野菜のファルシーとスペッツレ添え」。
脂が何とも旨いセクレタは、肩肉の下に隠れていている美味しい部分だそうで。
サクっとナイフを入れるのが楽しい。
口の中で咀嚼するのが楽しい。
飲みこんでしまうのがもったいない。
スペッツレって何かと思えば、お肉の下に敷いてあるパスタのような、チーズのような?
ガルニには茄子に枝豆やムカゴ、茸を乗せて実に彩りよいグラタン。
そして万願寺唐辛子の茄子のペーストを詰めたもの。
さらに、ミニパプリカにバジル風味のリコッタチーズを詰めたもの。とろりん系です。
厨房を見る限りでは、以前よりも人数も増えたよう。
それで、手の込んだお皿が可能になったのですね。

「奄美大島産パッションフルーツとスイカのシャーベット」。
キューーンと酸っぱいパッションフルーツで、目が覚めます。
デセールの始まりなのです。

「桃のブラマンジェ」。
フルーツたっぷりのお皿。
満足感でいっぱいです。

「温かいフィナンシェ」。
ランチのミニャルディーズはこちら。
バターたっぷり。周りがカリっと、中がふんわり。
お願いすれば、テイクアウトもできます。

コーヒーもきちんと美味しく、そのあとに冷たいハーブティーもサービスされます。

以前よりもサービスは落ち着いたかとは思いますが、まだ遠慮がち。
シェフの100%のお料理を120%まで引き上げるような、積極的な姿勢がもう少し欲しいところ。
会話で、そのお皿の魅力、お店の魅力は、さらにアップするのです。
そんなエッセンスを大事にすれば、気分よく訪れるリピーターが増加すること請け合い。
シェフの実力は、揺らぎないものなのですから。

<2010年12月>
クリスマスディナーをのんびりといただける日があり、興味が湧きました。
2回転の落ち着きのなさが苦手な私には、うってつけ。

実は毎月のように訪れてはいるのですが、満席の日に居合わせるのは初めて。
開店して以来、だんだんと登り調子になってきたモノリス。
お料理、サービス、共に満席だとどうなるのか…。

新たにソムリエールさんを迎え、これからワインを強化していく姿勢が見られます。
そのためか、12月からサービス料もかかるようになりました。

店内は訪れるごとに色んな変化があり、進化しているのが手に取るように分かります。
壁に絵が飾られたり、新しい食器が増えたり。
さらにアミューズやミニャルディーズにも色んな工夫が。

まずは、うれしい瞬間、グラスシャンパーニュ。
あらら、なぜか少なめです。テイスティングかしら?
最初のひと注ぎで泡が少し立ったので、もう一度注ぎ足してくれるのかと思いましたが…あれ?

「アミューズ」。
シャンパンと共に勢いよく食べてしまい、何のムースだったか失念…。
しかし、中にたっぷりと入ったキャヴィアの塩気を充分に計算した味付け。

「カリフラワーのスープ カニのフラン ウニ添え」。
カニの茶わん蒸しの上にカリフラワーのスープ、クルトン。熱々。
脇にはレンゲ型のガラスのスプーンの上に、たっぷりとウニ。
少しだけウニを口にしてみると、これだけで充分美味しいもの。
それをスープの中に混ぜてみると、コクが増して何度も楽しめる。
美味しいものをたっぷり。そんな満足感のある始まり。

「オマール海老と野菜のエチュベ トリュフ風味」。
プリプリのオマール海老。
色んな野菜の中にはオマール海老が。
彩りよく、素材を楽しめる一品。

「金目鯛のポワレ ムール貝のリゾット マリニエールソース」。
カリっとした皮目が印象的な金目鯛。
添えられた蒸しアワビは柔らかくて美味しい!
ミルクのリゾットは優しい味。ムール貝が中に隠れています。
材料だけ聞くと、とても濃厚過ぎる気がするものの、実際はあっさり。

「特選和牛フィレ肉のグリエ ロッシーニ風」。
那須牛は、グリエの薫りが見事。
素材を最大限に生かした火入れ。
クラシカルなメニューをシェフならではのアレンジで、芽キャベツのキャラメリゼを添えて。
ソースの照りツヤはとてもきれい。
若干の甘みはハチミツでしょうか。

「ヨーグルトのムース 三種のベリー ジュレ寄せ」。
アヴァンデセールらしく、酸味をと爽やかさを添えて。

「出来立てモンブランにキャラメルアイスを添えて」。
まずはお皿の淵にちょこんと乗った、イチゴでできたサンタさんがかわいい!
王道のモンブランはデセールならではの作り立て。
大満足です。

クリスマスディナーらしい、誰もが美味しいと思える、そんなメニュー構成。
高級食材をあちこちにちりばめて、上質の乳製品を色んな場面でたっぷり使って。
シェフは、好きなものをたっぷりと食べたい方なのだと、想像できます。
加えて、お皿ひとつひとつがとってもきれい。
料理センスに加えて、天性のセンスのよさが、私のココロをつかみます。

メニューには含まれていないチーズは、あまり回転していないらしく、
チーズプレートに乗せるには、やや熟成が進んでいるものも見受けられました。
実はちょっとくらい刺激を感じるもののほうが、好きだったりするんですが。

開店以来、お店側とお客さん側がだいぶ歩み寄ったかとは思われます。
ただ、今回のように満席になると、いくつかの部分で取りこぼしも時には感じられ、
まだこれから、といったところ。
ワインの薦め方も含めて、もう一歩近寄ったサービスでもいいと思います。
サービス料がかかるようになったので、ちょっとキビシめです。

とは言っても、大好きなお店のひとつ。
来年もどんなモノリスを見せてくれるのか、とても楽しみです。

<2010年4月>
まだ開店して1カ月程度。あまり情報もありません。
モナリザ丸の内店のシェフが独立開業…その程度。
でも、基本がしっかりしていれば間違いはないはず。同じ出身のラシェリールしかり。
「えいやっ!」と訪れてみました。

渋谷から宮益坂を上り、青山学院大学の手前を右折。
ローソンを過ぎたすぐの道、つまりワイン好きの聖地(?)バーガンディとの間の道を右折。
少し進むと右側にドミノピザがあるので、そこを右折。
すると左側にすぐ見えます。

重いガラスの扉を開くとシックな店内。
奥に細長く、ダイニングに入る時にもう一回扉を入ります。
ダイニングは片側ベンチシートで両側に。さほど広くはありません。
ベンチシートの後ろ側は間接照明で、木目調の壁をほんのり照らします。
上からの照明はダウンライトが真白なテーブルクロスを照らし、
それがレフ板代わりとなるのは女性にはうれしい限り。
カーペットもダークな色合いで、大人のスペースと感じます。

オープンキッチンではないけれど、厨房はガラス張りとなっているので、
ディジェスティフのボトルの隙から、シェフはダイニングが確認できるようになっています。
つまりダイニングからも、厨房の雰囲気が伺える、
でもオープンキッチンのように騒々しくはない、ちょうどいい塩梅。

ちょうどデッドスペースに当たるテーブルには、フラワーアレンジメント。
そして、テタンジェの大きなシャンパンクーラーにシャンパン1本と
グラス用の白ワインが3種類ほど入っています。

テーブルには小さなガラスの器に入った、小さなバラの花。
セッティングされたカトラリーは、まだピカピカ。
通常使用するものは、エレガントなテイスト。
ラッキーウッドのティアラシリーズでした。

コンセプトコースである、月替わりの「ムニュ モノリス」をオーダー。

食前のシャンパーニュと共に、「グリーンピースのムース」。
上にはカリフラワーのムース。
口の中いっぱいに広がる滑らかなムース。ブイヨンとクリームが美味…。
これは、これからのお皿に期待が持てます。
黒白のゴマを散らした、チーズストローを添えて。

「蟹のラビオリ」。
テーブルに置かれた瞬間、彩りのきれいさに感嘆。
少し泡だてたバターソースをたっぷりと纏ったラビオリ。もっちりとした生地。
サイコロ状にカットした野菜やサーモンに囲まれて。

「ブーダンノワール」。
テリーヌ状のブーダンノワールが二切れ。海老も添えて色合いもよく。
グリーンピースとエスプーマのソースで。
熱々のブーダンノワールは、豚の色んな部位がコリコリと、食感もよく。

「鰆のポワレとホタルイカ」。
ホタルイカから取ったソースと、トマトのピュレと共に。
付け合わせには、サクっと揚がった春野菜の天ぷら。
淡泊で、しっかりと厚身の鰆。
プチっと弾ける、新鮮なホタルイカ。

「鶉のロースト バニラの香りのソース」。
厨房からいい香りが漂ってきた…と思ったら、大き目のストウブのお鍋がしずしずとやってきました。
蓋を開けてもらって覗き込むと、ちょうどいい具合にできあがった頃。
「お皿に取り分けてまいります」と、ひとまず退場。
フワっとしたバニラの残り香に、期待が高まります。
お皿にきれいに取り分けて登場。
まずは主役の鶉は、しっとりとジューシーなきめ細かい肉質。極上の素材選びのこだわりを感じます。
そして、完璧な火入れに声もなく…。最後は骨までしゃぶって。
手長エビは半身を殻ごと。プリっとした身は、きれいに殻からはずせます。
ガルニは、ホワイトアスパラ、じゃがいも、ニンジン、青菜など。
クラシカルなソースはバニラ棒の香りで、シェフならではのアレンジ。
こんな素晴らしいお皿には、久しぶりに出会ったかも。

「アプリコットのムース」。
アヴァンデセール。
酸味が強いかと思いきや、かなり甘め。食後にガツーンと。

「マンゴーとソルベ アールグレーのジュレ添え」。
グランデセール。
ソルベはアロマフレスカのグラニテもびっくりの酸っぱさ!
マンゴー、ムース、アールグレーのジュレで中和して。

パンは自家製のプチサイズのフランスパンが熱々で。
生地は粉の旨みが感じられる、もっちり感が楽しめるもの。
冷めても美味しくいただけるのは、ポイント高し、です。
お代わりをお願いすれば、別の種類のものが供されるかも知れませんが、
今回は未確認です。

お料理全体、今後も相当期待できる!と確信しました。
彩り、プレゼンテーションはモナリザ出身だけあって女性好みながらも、
基本をベースにしてきっちり、しっかりと作ってあるところが好印象。
このお値段で、このお料理…。コストパフォーマンスが良すぎです。

ワインリストはオーダーしやすい価格帯のものが多数。
高級ワイン好きにはちょっと物足りないかもしれないので、
お食事中心のお店と言えるでしょう。

特筆すべきはサービス料がかからない、ということ。
確かに、さほどこなれたサービスとは言えないので、これからに期待、といったところ。 

帰りは外までシェフとギャルソンがお見送り。
忙しい時間帯なのに、角を曲がるまでずっと。
それって、とても大事!最後の印象が心に残るものです。

この1年くらいにオープンした他店と同様、内装などにあまりコストはかけていないけれど、
それをうまく生かして、料金に反映させているのは素晴らしい。
きっと、近いうちに再訪あり、です。

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