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この口コミは、Champagneさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。
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2回
夜の点数:4.3
昼の点数:4.9
2017/08 訪問
昼の点数:4.9
2018/01/01 更新
2014/01 訪問
夜の点数:4.3
昼の点数:4.8
歴史と文化を感じる老舗
2014/12/21 更新
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<2011年12月>
年の瀬のお約束。
どうも、アピシウスを愉しまないと終わりません。
いつもの、落ち着き。
いつもの、あのメニュー。
いつもの、サービス。
そんな「いつも」が揃っている安心感。
「海の幸、野菜、クスクスのタブレ」。
「小笠原母島の海亀のコンソメスープ シェリー酒風味」。
「フランス産仔鳩のジャンポネット、アニスエトワールの香り」。
またまた、いつもと同じようなアラカルトのチョイス。
その中でも特に、メインの仔鳩の素晴らしさは感動もの。
肉の状態、火入れ、ソースのコク。
ワインをゆっくりと愉しみながら。
そんなお食事の余韻を振り返りながらの、フロマージュと、デセール。
至福の時間です。
この年も何とか終わり、次の年も元気に迎えられるよう、
そんな想いを胸に、お店を後にしました。
<2011年2月>
キャンセルが続出するくらい悪天候で寒かった、この日。
がんばりました。がんばりましたとも!
ダイニングに入ってしまえば、いつもの静けさと軽い華やぎ。
雪など、どこ吹く風。
テーブルにはすでに、「PJ」のマークをお花模様で囲んだシャンパングラスが。
ならばこれでしょう。
ペリエ・ジュエのベルエポックで、エレガントな時間のはじまり~。
今回一番楽しみにしていたのが、黒トリュフ。
ちょうど季節です。
お店では、トリュフの魔術師であるペベイル氏の採取する、フレッシュトリュフのイベントがあったばかり。
「フランス産カオール地方のフレッシュ黒トリュフの丸ごとパイ包み焼き」。
クラシックなこのメニュー。
素晴らしく上質なバターを使って、折りたたんだパイ。
実にきれいな色に焼き上がっています。そして、立ち上る薫りがすごい。
パイがナイフが入れられるのを、今か今かと待っているよう。
艶やかなソースは、芸術品。
サクっとナイフを入れると、中にはちょこんと黒トリュフ。
一緒に、そしてソースを少し付けて口にすると、広がるトリュフの薫りが。
幸せ過ぎます…。
「海亀のコンソメスープ シェリー酒風味」。
こちらもスペシャリテ。オーダーせずにはいられません。
澄んだスープが舌に乗ったあとは、至福のひととき。
喉に流れて行ってしまうのが、惜しいほど。
添えられたチースパイは、ときどきサクサクと。
「フランス産仔鳩のロティ スパイスを効かせた赤ワインソース」。
しっとりとキメの細かい、非常に上質のフィレ。
モモは適度に脂が乗り、こちらもジューシー。
旨みをきれいに閉じ込めたロティ。
赤ワインソースには、色んなスパイスをじゃまにならないよう上品に加えて。
これだけ美味しい鳩は、初めてかも。
「フロマージュ」。
ラッキーなことに、例のトリュフを使ったブリーがありました。
もちろんお店で、大きな丸ごとをスライスして、挟んで。
少し温めてもらい、トロンとした状態で。
これがまた、絶品。
ゆっくりと、しみじみと、ワインと。
「ジャスミンのババロワとリコッタチーズのムース 柚子のジュレとアイスクリーム添え」。
実はこちらのデザートワゴンも好きなのですが、目が欲しくなって頼み過ぎた挙句、後悔することもしばしば。
ところが、時々いただいている、一人分づつ手をかけたデセールがなかなかに優秀なのです。
今回は、食後の締めくくりに相応しい爽やかなデセール。
こんな感じ、好きです。
安定したサービスは、どんなシチュエーションでも対応可能。
委ねていて、安心感があります。
ハプニングにも的確に対応されているところを見て、感心。
余談ですが…最初から最後まで、色んな場面で目にする大倉陶苑のお皿。
日本が誇るチャイナ。
元々いくつか我が家にもありましたが、こちらで何度も目にするうちにどんどん欲しくなり、
とうとう色んなものを購入してしまいました。
和のテイストが入った、上品さがたまりません。
アピシウスワールド、結構ハマってて、年に何度か訪れてしまいます。
<2009年12月>
秋冬にぴったりのグランメゾン、それはこのアピシウス。
ダイニングに案内された時はすでに、ほとんどのテーブルが埋まっており、
賑わいが華やかさを添えていました。
今回はアラカルトで好きなものをチョイスしてみたくなりました。
幸い、ほとんどのお皿にスモールポーションが用意されています。
「ウミガメのスープ」。
あくまでも澄んだコンソメ。
口にすると、得も言われぬような深い味わい。これは一体!?
微妙にトロみがあるのは、甲羅のコラーゲンでしょうか。
初めての体験。
最初からガツンと、やられました。
「冬の海の幸をエテュベ、その日のシェフのソースで」。
海老、帆立、鮑、北寄貝、白身魚、アスパラ。
バターとクリームのソースには生青のり。
これが磯の香りを上品に引き立てます。
想像通りの一皿。
「茨城県稲敷市真鴨のロースト シャンピニオンデュクセルのファルシとそのジュ」。
キノコとその薫りに囲まれた真鴨。
じっくり噛み締めると、その旨みがどんどん増してきます。
「林檎と柿のキャラメルソテー ヨーグルトのソルベと蜜柑のジュレ」。
せっかくアラカルトなので、きちんと作り込んだデセールを。
クラシックに登場するのかと思いきや、こちらはイマドキのプレゼンテーション。
そして…キャラメリゼされた林檎と柿の甘みと酸味。素晴らしい!
至福のひとときを締めくくります。
いつもながら、話が盛り上がっている時は静かに、こちらが矛先を向けるとフッと
話に加わってくれるタイミング、絶妙なサービスは健在です。
質感の極めて高い絵画や家具、食器に囲まれてのお食事。
歴史があるからこそのクラス感。
貴重なお店です。
<2009年1月>
昨年秋からずーーっと訪れようと思っていたのに、
なかなかチャンスがやってこなくて、とうとう年明けになっちゃいました。
こちらは私の中で、「秋&冬」のイメージなのです。
ですからもちろん、今回はジビエが入っているコースをオーダーしてみました。
「鮪、コルニション、オリーブ、アボカドのタルタル仕立て わさびソース」。
きれいに、お皿の真ん中に盛りつけられたタルタル。
周囲には小さく丸くわさびソースを置き、イクラ、オリーブ、ハーブをあしらって。
爽やかな前菜に、シャンパンが進みます。
「カナダ産オマール海老のヴァブール エストラゴンの香る軽いアメリケーヌソース」。
たっぷりのオマール海老のきれいな肉に、グリーンアスパラ添え。
濃厚なオマール自体の味わい、ソースの上質さは格別。
ここまでオマールを美味しいと思ったのは、はじめてかも。
「狩猟真鴨のロースト サルミ風ソース 栗と芋セロリのピュレと共に」。
羽付きのまま1週間熟成させて下処理。きれいなセニャンにロースト。
ソースは真鴨のガラと赤ワインでジュを取り、真鴨の血でつないでいるそう。
目の前にお皿が置かれた瞬間、「お~!」。
こんなにしっかりとしたソースは、近年久し振り。
こっくりとしたソースには照りがあり、ピカピカと光っています。
薄くスライスされた鴨を口にすると、ジビエらしい滋味溢れる肉質。
一口、一口、大事に噛みしめて、この季節に訪れることができた幸せを実感。
途中のお口直しに、別添えの栗と芋セロリのピュレを。
ピュレの素材そのものの味を感じ、また鴨に突入、の繰り返し。
おかげで、赤ワインが進むこと、進むこと!
フロマージュのためにとっておかなくちゃ、なのに~。
これこそワインに合うお料理!!です。
デザートは最近では珍しくなった、ワゴンサービス。
たっぷりといただきました。
ワインはいつものように、熟練の素晴らしいサービスとアドヴァイス。
チーズは専門の資格を持った方のサーブで、説明もわかりやすく、
思わずたくさんお願いしちゃいました。
そして、以前からお馴染みの方が今年からこちらにいらしていて、うれしい再会。
シェフは少しづつ、3代目の岩元シェフに移行している最中だそうです。
2月に行われる「センセーショナルなトリュフの夜」で、センセーショナルにデビューを飾るのでしょう。
このフェアのために、森社長と岩元シェフが2月初旬にトリュフを買付けに渡仏するそうで。
今年のものは、かなり期待できるようなので、都合がつけばぜひとも参加したいフェアです。
今回も、とてもリラックスした至福のディナーを、ゆっくりと過ごさせていただきました。
次はいつ?と、思わず考えてしまう、愛すべきお店です。
<2008年5月>
ゆるやかな段差の、黒い石の階段を下りきった左側。
どこから見ていたのか、タイミングよくスタッフが扉を開けてくれます。
ウェイティングバーを左に見て、メインダイニングへ。
すでに賑わったダイニングに一瞬躊躇するものの、
案内された絵画の前のテーブルへ。
以前使ったことのある個室は、上からのシャンデリアが明るめ。
メインダイニングは、テーブルに当たったダウンライトが反射し、
女性の顔がきれいに見えるという、うれしい女優効果があります。
少々蒸し暑いこの日。
グラスではもの足りない…ということでシャンパーニュはデミにて。
シェフ・ソムリエが手際よく、エレガントな所作で開けてくれます。
味わいを感じられる、ちょうどよい温度。
バカラのアピシウスマーク入りのグラスにて。
まずは種ありの黒オリーブと、アンチョビを詰めたグリーンオリーブが置かれます。
どこで食べたものよりも、旨みがほとばしるジューシーさ。
さて、ワゴンで8種類ほどのお水がやってきます。
その中でも、やはりシャテルドン。
お料理やワインと合わせるのに、この数年一番気に入っています。
アミューズは「ヴィシソワーズ」。
中にはフラン。一口だけのお楽しみ。
「北海道産有機栽培のレタスとアスパラガスのシンプルサラダ」。
白アスパラを縦にきれいにスライスし、周りにトマトと一緒に敷き詰め、
真ん中には新鮮そのもののレタス。
白アスパラは薄切りながらも、北海道産なので歯ごたえ充分。
シンプルながら、上品にして、感嘆の美味しさ。
そろそろ、お楽しみのボルドーの出番。
バカラの、カッティングが煌くデキャンタで待ち構えています。
「栃木牛のロースト」。
肉質の旨みは充分。胡椒をピリっと効かせて。
フォンをたっぷりと使った濃厚なソース。
まさにボルトーとのマリアージュ。
まだまだ残っているワインと共に、フロマージュを。
ワゴンから色々選ぶ幸せ。
まだ若いチーズソムリエが説明してくれます。
次にやってきたワゴンはデザート。
ここでデザート用の薄いパープルのリネンに替えられます。
ケーキ類が何種類も。
その中でもタルトタタン、パリブレスト、マンゴーのムースを。
と、またワゴンがやってきます。
デザートワインが8種類ほどだったか…。
タルトタタンに合わせたものを1杯。
デザートは見た目、ごく普通。
なのに口に入れると、素材の上質さと完成度を感じます。
特にパリブレストのクリーム、マンゴーの素材。
久しぶりに、こんな美味しいケーキをいただきました。
デザート用のカトラリーはクリストフルの金メッキ。
お誕生日用のお皿は、薔薇の模様の大倉陶園。
ホワイトチョコーレートのプレートが、そっと添えられています。
サービスは、さすがのベテラン揃い。
すべてを委ねていれば、リラックスできるお食事が約束されています。
年齢層の高さも、落ち着きと安心感を覚えます。
ワイン、特にボルドーのリストの揃えと価格はグランメゾン随一ではないでしょうか。
それも歴史と心意気のあるお店だからこそできること。
数々の美術品に囲まれた店内は、美術館さながら。文化を感じます。
それに相応しい客層が華を添えています。
昨年ミシュランの星を獲得したフレンチのお店は、バターやソースを控え、
作りこまれたフレンチが大多数。
しかし、こちらのお料理はいかにも「The フレンチ」。
そう、近頃こんなフレンチが食べたかったのだ、と、改めて新鮮に感じます。
今後もポリシーを曲げずに、このまま文化を伝承していって欲しいものです。