2回
2018/12 訪問
シェフ自身も自負する他では味わえないパイ包み焼
表参道駅a2出口から徒歩8分ほど。
人気店、パンとエスプレッソとの先にあるフレンチ、レヴォル。
今年の3月に開店したばかりというのにもかかわらず、
多くの人が行っていて、評判がいいのと、東京ベストレストラン2019にも、
ニューオープン注目点として掲載されていたので訪問してみることに。
平日のランチでの利用なので、前日のネット予約が取れた。
地下一階のエントランスを抜けると、黒を基調とした照明が結構落としてある
大人の雰囲気のワインバー兼ウェイティングスペース。
階下に広がるのか、メインダイニング。
白、黒、赤を使い、白を基調とした、ウェイティングスペースとは対照的に
照明が明るく、全く違った雰囲気。
このギャップとかメインダイニングが明るすぎるという点がイマイチだという
評価もあるが確かに今またな訪れたお店の中でもかなり明るい印象。
メニューは、¥4500のコースからあるが、今回のお目当は、スペシャリテなので
¥7500のコースで。
別途サービス料が10%加算される。
メインは3種類からのチョイス。
・ニュージーランド産 仔羊のロースト
・熊本県産赤牛 阿蘇王のロースト+1500
・本日のオマール海老料理
•ズワイガニとカリフラワーのムース
だしを加えたカリフラワーのムース、オマール海老のジュレに、
ズワイガニ、ウニといったそれぞれ主張が強い食材が
互いに喧嘩することなく一体となっている。
•鰤のミキュイ、牛コンソメとポワロー葱のフリット
低音で調理した鰤の上に、パリパリのポワローネギを食感のアクセントとして加え、
優しい旨みのコンソメスープとともにいただく。
鰤自体は中にじっくりと熱を伝えるように調理しているそうで、
ミキュイと言う割には結構熱が入れてなぁという印象。
たが、パサつかない絶妙なラインを攻めていて、
絶妙な熱の入れ具合。
半野生のえのきが添えられていて、旨みが強く、
シャキシャキとしたしっかりした食感が特徴。
決め手となるのはゆずのアクセント。
鰤やえのきの旨味にその香りを添えることで、
全体としてより一層さっぱりとした仕上がりになっている。
•フォアグラのevolution 紅まどんな
進化、発展という名にふさわしいレベルの高い一皿。
低音調理したフォアグラに、柑橘類の紅まどんな、
その皮を練りこんだメレンゲ、ほろ苦いキャラメルソースとともに。
フォアグラは、ねっとりという食感ではなく口どけの良いまろやかなテクスチャー。
濃厚なフォアグラとさっぱりとした紅まどんな、
苦味のあるキャラメルソースを合わせることで、
絶妙なハーモニーを生み出している。
フォアグラの冷菜は定番で、シェフの修行先だったラフィネスや
レフェルヴェソンスのいいとこ取りをしたものだそうです。
•長崎から届いた ハタのポワレ、ソースヴェール
皮はカリッと、身はお肉でいうミディアムレアに仕上げている。
そのため、生のようなプリッとした食感と、熱を通したことによるふっくらした食感
が共存している新感覚な一品。
かなり気に入った。
白ワインや、生クリーム、白ワインヴィネガーと仙台の野菜を使用した
クラシックなヴェールソースで。
•ラ・フルール・ドゥ・ミモレット
チーズに関する資格を持つソムリエさんが
目の前でミモレットチーズを薄くスライスしてくださり、それとフロマージュブランを合わせ、
最後に満遍なく蜂蜜をかけます。
そのかけ方も美しく、アーティストのよう。
ミモレットチーズの旨み、フロマージュブランの酸味、蜂蜜の甘みの三位一体が織り成す
絶妙なマリアージュに絶句。
これは美味しい。
また、ここでチーズを入れるのは意図的だそうで、
余分な脂の吸収を抑えてくれるそうだ。
•本日のオマール海老料理
スペシャリテのオマール海老のパイ包
これを目当てに来たのだが、オマール海老のポワレなどの時もあるそうで、
事前にリクエストしていなかったので、内心不安だったが、
今日はこちらだったので一安心。
こちらは期待通りの美味しさ。
パイ生地の中にはすり身にしたオマール海老がたっぷりと入っています。
オマール海老のビスクソースで。
オマール海老の濃厚な香りを感じます。
パイ生地が秀逸で表面はこんがりと、サクッとした食感。
ビストロなどでパイ包みをいただくという、生地がしっとりしていることが多いのですが、
こちらは別格という感じ。
しかもその生地の厚さも厚すぎず、パイ主体ではなく、
主役はオマール海老なんだということを忘れさせないような料理。
表面がギリギリこげないぐらいの温度でしっかり火を入れることでこのような食感を実現しているそう。
高木シェフが試行を重ねてやっと辿り着いたパイ生地。
このパイ包み焼きは他では味わえないとシェフ自身も自負するほど。
•フランス産栗のモンブラン カシスのアイス
小さなポーションでちょうど良い。
甘いものはちょっとずつ味わいたいものですから。
モンブランは、生クリームが使用されていない上に、
下の生地がタルトではなくメレンゲなのでとても軽い食感。
カシスのアイスも甘酸っぱくてさっぱりとした味わい。
•ハーブティー
数種から選べるが、カモミールに。
•小菓子
トリュフチョコ
サービスの方の雰囲気も良く、説明もわかりやすく丁寧。
アミューズからデセール、カフェに至るまで、
印象深い皿ばかりでどれもハイクオリティ。
極上のパイ焼き技術を持つ高木シェフに、
自分がヴォローヴァンが好きだと申し上げたところ、シェフの得意料理だということだ。
そこでリクエストすれば作りますよとおっしゃいていただいたものの、
年内を持って別のお店へ異動するとのこと。
これは衝撃。
その前に訪問して高木シェフのパイ包みがいただけたことを幸福に思う気持ちと、
シェフが作るヴォローヴァンをいただきたい気持ちが交錯する。
新たな舞台で腕を振るうシェフの料理をいただくか、
年内にもう一度ヴォローヴァンを求めて再訪するか。
いずれにせよこのシェフの料理をまた食べたいと強く思わせてくれるコースだったことは疑う余地がない。
高木シェフは、まだ30代の若手だがそれぞれの料理がすごく良くまとまっている。
現代の質の良い食材をクラシックな調理法で、
というコンセプトだが、ややモダンな部分も感じられる。
グランメゾンでありながらもシェイノなどのような旧ヨーロッパ的なクラシックな雰囲気ではなく、
もう少し現代的なデザイン。
それが料理にも現れているような気がする。
表参道という立地も抜群。
今後のレヴォルと高木和也シェフの活躍に期待したい。
2019/03/27 更新
オープンして一年余りのレヴォル。
昨年話題になって東京最高のレストランにも掲載され、食べログアワードブロンズにも輝きました。
以前の高木シェフは異動なさって、新しく千葉シェフが就任したと聞いて気になっていました。
しばらく様子を見ていたところ、口コミがどれも高評価なので、行ってみることに。
前日にネット予約して日曜のランチに。
¥4500のコースと¥7500のコースがあります。
どちらもメインはプリフィックスで皿数も内容も異なります。
内容が好みだったので上のコースに。
シェフは、三つ星レスペランスや、オーベルジュドリル、タイユヴァンなどで修行。
エディションコウジシモムラのシェフなどを経てレヴォルのシェフに就任。
さて、内容は以下の通りです。
【アミューズ】
グリンピースのカップに、青海苔を効かせたサワークリーム、グリンピースの身と、スナップエンドウ、ハーブ、豆苗、雲丹をあしらった一品。
色鮮やかで美しい見た目。
旬の野菜と雲丹の甘みがよく調和して、サワーリームのコクがプラスされています。
しかしながら爽やかな仕上がり。
【お供】
コルシカのスパークリングウォーターのオレッツァ。
¥800でフリーフロー。
【前菜1】
カツオとセルバチコの料理。
稲わらで炙ったカツオは独特な臭みが一切なく、味、食感共にスッキリとした仕上がりでそれだけで美味しい!
セルバチコの葉を添え、セルバチコと卵黄の濃厚なソースでいただきます。
松の実、紫蘇、とんぶりをあしらって、食感、香り共に豊かに仕上げています。
とんぶりは、畑のキャビアと呼ばれる秋田の名産品だそうで、適度な塩気とプチプチとした食感がとても美味しいです。
【前菜2】
メニューに、フォアグラ ふきのとう ブルーベリーとあったので、てっきりテリーヌかとおもったらなんとフォアグラのアイスクリームでした。
しかも一旦テリーヌを作ってそこからさらに形状を変えるという手間のかかる手法。
下には、ふきのとうのパンケーキ。
薄いので胃もたれしません。
アイスの上には、酸味のあるハーブをあしらって、濃厚なフォアグラと、さんみ、苦味が上手く調和した一品。
【パン】
自家製になりました。
程よい酸味のパンドカンパーニュ。
美味しい。
ふた切れ食べました。
【ポワソン】
金目鯛の鱗に油を塗ってカリカリに焼き上げたもの。
合わせるのはポムのピューレに緑茶を加えたもの。
周りにはオリーブオイルベースの層。
さっとあげて綺麗に色付けた茶葉を添えてあります。
この技法は、エピキュールで初めて見てその美しさに感動し、さすが本場だなぁと思っていたのですが、さらっとやっているので驚き。
緑茶の香り豊かな一品。
もちろん火入れも完璧で鱗のクリスピーな感じがたまりません。
【スペシャリテ】
ラフルールドゥミモレット。
チーズの資格を持つオーナーによる一品。
ミモレットチーズと、フロマージュブラン、はちみつを合わせた。
甘みと塩気のバランスが絶妙でスイーツ感覚でいただける逸品。
2回目ですがやはり美味しい。
スタッフのお父様による市場に流通していないはちみつを使用。
サラサラと軽やかなはちみつは品のあるおしとやかな甘み。
【ヴィアンド】
オマール海老、赤ぎゅうとのセレクトでしたが、大好きな子羊に。
低温でじっくり余熱で火を入れた仔羊は、しっとりと柔らかく繊細な繊維による極上のテクスチャ。
余分な脂感はないものの、しっかりとした旨みが感じられる・・・
あさりとジュのソースや、アンチョビに黒にんにくを加えたソースと合わせて旨みの相乗効果!!
たけのこや菜の花など旬の野菜のローストも添えられていますが、どれも美味しい。
【デセール】
清見オレンジ、グレープフルーツの果実、人参のシャーベット、白ビールのジュレ、ヨーグルトなどを合わせた爽やかなデセール。
【プティフール】
ショコラテリーヌに、ショコラシャンティ、グリオットソース。
上質なカカオの香りがいい!
【カフェ】
ハーブティーをお願いしたところ4種類あるとのこと。
以前からある、富山県の薬剤師さんによるブレンドティー2種のほか、今回は、代々木上原のsioのソムリエさんに頼んでいるブレンドティー。
後者の中のシトロンというカモミールベースのものに。
飲みやすく爽やかな香り。
口コミ通り素晴らしい料理でした。
以前は割とクラシックな料理でしたが、千葉シェフは、野菜やハーブ、魚介をふんだんに使った軽やかで繊細な美的センスあふれる料理。
クラシックなジュのソースはありませんが旨みを加えるために多少のフォンは取っているとのこと。
酸味を巧みに取り入れている点も軽やかな要因かもしれません。
酸味をどこかに取り入れたくなるというシェフの意見に共感。
食感のアクセントや香りづかいを上手い。
ハーブに関しても、クミン、タイム、ローズマリーなどありがちなものでなくとても楽しいです。
発酵、燻製など、北欧の技法も用いる。
シェフとしばらくお話ししましたがとても朗らかで謙虚な方でした。
いろんな食材を使えないか日々試行錯誤しているとのこと。
レスペランス時代にラシームの高田シェフと働いてたそうです。
ソムリエで固めるサービス陣は相変わらず流石です。
説明を聞き取りやすく、適度に雑談も交えてくれます。
かなり気に入りました。