3回
2019/08 訪問
フランス料理の到達点
40年以上の歴史を誇る銀座のグランメゾン、ロオジエ。
オリヴィエシェニョン氏による優美な料理と10人近くのパティシエによるフリアンディーズを求めて半年ぶりに再訪。
1ヶ月ほど前に予約して、平日のランチに。
店内は満席でした。
コースは、3種類ありましたが、季節のコースに。
シャラン鴨も魅力的でした。。。
【アペリティフ】
チーズのムースをハーブで覆ったもの 上にはブロッコリースプラウト、生姜のサブレに千切りの野菜を乗せたもの、トウモロコシのカップの上にホタテのムース。
言葉で説明するとそっけないですが、写真でわかるようにとても繊細で美しい。
【アミューズ】
トウモロコシのヴルーテ。
トウモロコシの澄んだ冷たいスープに、焼きトウモロコシ、うに、甲殻類のジュレ、バルサミコソースを合わせます。
隣に添えてあるのが、トウモロコシを使った自家製パンの上にホタテのムース、自家製ポップコーン、焼きトウモロコシを添えたもの。
クロスティーニのよう。
スープに合わせている、甲殻類のジュレは、オマール海老を大量に使って濃縮された旨味のジュレ。
トウモロコシの糖度がかなり高いのですが、それに負けないくらいの濃厚さ。
エビを食べるよりエビらしいとマネージャーが表現していましたが、まさにその通り。
使ってる量が違います。
別で持ってきて味見させていただきました。
自家製トウモロコシパンの方も、固すぎず柔らかすぎず絶妙な食感。
ホタテのムースのコクがたまりません。
【パン】
定番のカンパーニュの他、バケット、オリーブのパン、パンオブールが選べます。
【アントレ】
千葉県房総沖のアワビ。
じっくりと蒸して柔らかく、程よい食感を残して仕上げています。
上には、黒トリュフを挟み込んでいます。
合わせるソースは、あわびの肝のサバイヨンソース。
濃厚でコクがあり、たまらない美味しさ...
鮑といえば肝のソースですよね。
もう一つのソースが、ほうれん草と紫蘇のピューレ。
肝に負けないぐらい凝縮されています。
ガルニは、ナスとジロール茸、紫蘇。
セルクルで整形してあります。
この紫蘇がキーマンで、濃厚な肝のソースの後味を中和し、くどさを感じさせない構成。
今年食べた前菜の中でトップクラスの美味しさ!
【メイン】
ブルターニュ地方で採れたオマールエビのみに称されるオマールブルーの一皿。
香味野菜と白ワインを煮込み、そのブイヨンで魚介を調理し、そこに生クリームなどを加えてソースにするナージュという調理法。
メダル型にカットするメダイヨン。
オマール海老のビスクをベースにしているとのことなので、濃厚かと思いきや、野菜のブイヨンがベースなので、あっさりとした旨味のスープ仕立て。
オマールブルーは、程よくプリッとした歯ごたえがあり、甘いというよりは旨味が感じられるような上質な味わい。
アーティチョーク、星型にカットした紅芯大根、ズッキーニなど様々な野菜を添えています。
フェンネルや、レモングラスなどの風味も聴いており、香りも豊か。
細かく刻まれたズッキーニや、レモンのコンフィが入ったボンボンもいいアクセントになっています。
最後まで飲み干したくなるようなくどくないスープがとても好みです。
一皿の中でバランスのとれた秀逸な料理でした。
【アヴァンデセール】
何種類ものベリーの果肉、ソルベ、メレンゲ、ジュレ、クリームを合わせたもの。
シンプルながら素材がよく一つ一つの甘さがしっかりしています。
プレデセールらしからぬボリューム、クオリティ。
【グランデセール】
桃のソースとその果実、海外の赤い品種の桃のジュレなどを合わせたカクテル風。
ベルベンヌのアイスクリームで、香りのアクセントを。
こちらも桃の糖度が高く、味がぼやけていなくて美味しい。
シンプルな焼きマドレーヌを添えています。
【ミニャルディーズ】
アールグレイのマカロン、チョコカップ、メレンゲとベリー、マンゴーとパッションフルーツのサンド。
【フリヤンディーズ】
最後のお楽しみのワゴン。
デセールよりミニャルディーズが好きな僕には嬉しい!
前回いただいて美味しかった生キャラメルと、ピスタチオのギモーヴなどを。
ドリンクとともに供されるアペリティフから既に抜かりなく、可愛らしく、手が凝った料理に期待が膨らみます。
しっかりと旬の食材を使っており、季節感も感じさせる。
それほど奇抜な食材の組み合わせはないものの、聞けば納得させられるような熟考された構成。
旨味とさっぱり感のバランスも素晴らしく、食べ飽きず食べ疲れない。
質の良い食材とその使われてる量の違いによって他との差別化を図った料理は、口に含むと他との違いに驚嘆させられる。
特徴的な器によるプレゼンテーション、天才的に美しい盛り付けもこのお店の際立った特徴の一つ。
日本の食材を使いつつ、しっかりフレンチの枠に収める。
一種の理想形であり、完成されたフランス料理ではないだろうか。
世界的なデザイナーが手がけるセンスの良い高級感はありながらもどこか柔らかく包容感もはらむような内装。
決して傲慢ではなく、物腰低く程よく近い距離感で楽しませてくれるサービスもかなり好み。
また行きたいと思わせる要素がここには詰まっている。
エントランス
アペリティフ
パン
トウモロコシのブルーテ
特別に味見させてくれたクルスタッセのジュレ
鮑 肝のサバイヨンソース ナス 青海苔 ジロール茸
オマールブルーのメダイヨン 季節野菜のナージュ
アヴァンデセール
ミニャルディーズ
桃のカクテル風
フリヤンディーズ
2020/03/10 更新
2019/02 訪問
伝統を継承しつつ時代の変遷に合わせて進化し続ける...
創業45年の伝統ある、日本のフレンチを牽引してきたグランメゾン、ロオジエ。
2ヶ月ほど前に予約して平日のランチに。
新橋からも銀座からも10分未満の立地。
高級感のあるお店の立ち並ぶ銀座界隈でも一際異彩を放つ重厚感のある白い建物。
ドアマンに迎えられ、エントランスを抜け、ウェイティングスペースで上着を預けます。
階段を降りるとメインダイニングです。
店内は、クリーム色や白を基調とした温かみのある、優しく包み込むようで女性的、上質な空間。
親会社が資生堂という点からも腑に落ちます。
空間の使い方が贅沢で、席と席の間がとても広々としています。
吹き抜けになっていて、1Fの開放的な窓からの光が差し込み、地下だということを感じさせないような作りになっています。
創業40年以上とは思えない綺麗な作りだと思ったら、さすがに一度の移転と定期的なリノベーションは行なっているそうです。
5年ほど前のリノベーション以前は黒を基調としたシックな雰囲気だったということなので驚きです。
現在のシェフは2代目のオリヴィエ・シェニョン氏。
タイユヴァンや、ピエールガニェール本店等を経て来日したエリート。
リューアル前は三つ星だったものの、その後一度二つ星になり、今年ついに返り咲きました。
その影響もあり、海外からのゲストも増え、予約が取りにくくなっているそうです。
ランチメニューは、メインが肉のみの¥10000のコース、ダブルメインの¥14000コース、オリヴィエ氏のスペシャルコース ¥22000があります。
品数だけでなく、前菜、メイン、デザートと内容も異なります。
内容が魅力的だったので、真ん中のコースに。
•食前のスナック
・トウモロコシのチップス
中にアボカドのムースが。
変色を防ぐためにレモンが使われているのか酸味があります。
・サーモン クリームチーズ 竹墨のカップ
適度な塩気とねっとり感。
・ライ麦 ベーコン 黒トリュフ
•アミューズ
ブロッコリーのムース ビーツのアイスクリーム
そら豆や細かく刻んだビーツが入っています。
そら豆は苦手ですが、独特な風味はしっかりと消されていて、とても食べやすく柔らかな甘み。
刻まれたビーツは、最初なんだかわからないぐらい酸味がありシャキシャキした食感で、ピクルスのようにマリネしてあります。
•北海道産毛ガニとカブのババロワ 紅芯大根のフイユ ポンムヴェール/セロリ グラニーミスとジュドクルスタッセのムースリーヌ シールド風味のヴィネグレット
北海道産の新鮮な毛ガニを丁寧に全てほぐし身にして、2種類の形でいただきます。
ひとつは、カブのババロワ。
ムースは卵や生クリームを適量加えて自然に固めるのに対し、ババロワは、ゼラチンを加えて固めるという違いがあります。
なので、ムースよりは粒子がきちんと配列をなし、その外形をしっかり保っていて、ぷるっとしたプリンのようなビジュアル。
ババロワとは言ってもお菓子のそれとは違って、旬のカブの本来の味を生かした、優しく包容力のある包み込むような味わい。
口当たりもよく、なめらかでとろけるテクスチャ。
エビのパウダーとセロリを仕上げに散らしてあります。
もうひとつは、紅芯大根で包んだもの。
こちらはみずみずしくあっさりとしていて、よりさっぱりといただけます。
紅芯大根のフイユ(葉)をちらし、グラニースミスというリンゴとジュドクルスタッセ(甲殻類の出汁)のムースリーヌ(泡だてたクリームを加えたソース)、シールドビネガーに蟹の出しを加えたもので仕上げています。
濃厚なババロワや、ジュドクルスタッセのムースリーヌと、みずみずしい紅芯大根、酸味のあるビネガーとのバランスが秀逸。
•海苔巻きに見立てたハタのヴァプール 野菜のクロカンと黒トリュフ 潮の香るプティ・ポワのブイヨン
ふっくらと柔らかく仕上げたハタを青菜で包むこんだ海苔巻きのメタファー。
青菜とハタの間には白身魚や貝の出汁を使用した練り物のような層があり、食感に変化与えます。
ソースは、グリンピースの泡のソースでナチュラルで強すぎないほんのりとした甘みがハタの旨味を引き立てます。
それよりも主張してくるのが、下に隠れているシャキシャキしていてみずみずしい野菜。
豆苗と思われますが、これがいいアクセントになっています。
•牛頰肉のブレゼ オニオンのキャラメリゼ トリュフ風味 クミンを効かせたキャロットピューレ 生姜のエキューム カオールワインのソース ミロワール
ブレゼはポシェ(煮込み)とは少し異なり、具材が半分ぐらい浸るぐらいの出汁や水、ワインを入れ、オーブンを使って半分蒸して半分煮込む料理だそう。
長時間煮込むことに変わりはないので、コラーゲン質や脂肪分が多い部位に適し、牛頰肉は最適と言えそうです。
牛頰肉の赤ワイン煮込みが好きなので、これも絶対好きなやつだろうということでメインがこちらのコースにしました。
高さ2cm長径6cm短径4cmほどの大きな塊がひとつ。
ソースは別でかけて仕上げます。
だから赤ワイン煮込みではないんですね。
カオールワインという、ブラックワインとも言われるとても深みがある強いワインと、バターをベースにしたソース。
まろやかでとろみがあるとても濃厚なソース。
このソースの光沢をミロワールと表現しているのでしょうか。
お肉の食感はほろほろとろけるような王道な食感ですが、そのタイプの中では突出したレベルの高さ。
盛りとかお世辞なしで本当にとろけて無くなるような感じです。
添えはクタクタになるまで炒められたオニオンのキャラメリゼ、クミンがよく聞いたエスニックな人参のピュレ。
見た目が地味になりがちな牛頬の煮込みですが、彩りも豊か。
牛頬の煮込み料理は、最も好きな料理で数多くいただいていますが、こちらは1、2を争うクオリティでした。
•プレデセール
レモングラスのソルベ 日向夏のゼリー
•ミニャルディーズ
ブルーベリージャムのサンド、メレンゲ 様々なベリー、チョコカップ バナナ 、シトロン マカロン
•いちごのヴァリエーション 様々な食感で タイムのソルベ/シトロンヴェール オレンジフラワーのジュレ
いちごとライム タイムのソルベ、たっぷりのいちごの果実と、いちごのゼリー、柑橘類のゼリーと、いちごづくしの一品。
いちご自体の鮮度がよく、シャキッとしたみずみずしい食感で甘みも強いです。
ミント、タイム、オレンジフラワーなど多種のハーブを使っているため、奥深い味わいに仕上がっています。
•カフェ
コーヒー、エスプレッソ、カプチーノ、ハーブティー、紅茶などから選べます。
本日のハーブティーのレモングラスに。
飲み終わるとすぐに注いでくださります。
•フリヤンディーズワゴン
待ちに待ったロオジエ名物のワゴン!
迷ったら全部いただこうというのが基本方針ですが、流石にそれは無理な量。
手作りのグミ、各種チョコ、ヌガーグラッセ、サブレ、プレッツェル、ココナッツマシュマロ、生キャラメル、などをいただきましたが、一番印象に残ったのはキャラメル。
なめらかな食感と甘みがたまりません。
ゆず、チョコ、グリオットチェリーなどのフレーバーもありますが、断然塩がオススメ。
このフリヤンディーズやミニャルディーズ、ディナーでは9種近くから選べるグランデセールのために7人ものパティシエが常駐しているとのこと。
キッチンスタッフも20人近く。
それにドアマンとアテンダントとすごい人の数。
これぞグランメゾンですね。
伝統の革新の見事な塩梅を生み出しているキーマンが、二番手シェフの存在。
この方は、30年以上同店に勤め、二人のエグゼクティブシェフの姿を見てきた立役者。
オリヴィエ氏がインスピレーションで独創的料理を発案し、それを二番手のベテランが日本の感性に合うように調整するというようメニューができているそうです。
昨今は健康ブームで、こってりとバターを使ったクラシックな王道フレンチは重すぎると、あまり受けなくなってきた。
これがフランス料理なんだというのでは通用しない。
そういった流れに合わせて伝統を継承し、クラシックをベースにしながら随所に独創性を付与し、軽やかに仕上げた料理の数々。
時代のニーズに合わせて進化を続ける。
しかしながらもベースにあるのはフレンチ。
昨今日本の食材がフランスではブームで、フランス人にとっては面白いかもしれないが、日本の方はではフランス料理を食べにきているのであくまでそこはブラさない。
それ故に、醤油やわさび、柚子胡椒など日本の調味料は使わないそう。
しかしながら、赤牛、甘鯛、鮑などの日本の良質な食材にはこだわる。
ビジュアルも抜群。
雰囲気も西洋風でありながらもどこか現代的な要素が垣間見えるよう。
その点ここで供される料理を映し出す鏡といえよう。
付かず離れずの接客は、心地よく、急かされることも待たされることもない。
若めの方の説明が自信なさげで聞き取りづらいことはあったが概ね知識レベルに合わせた最適で詳細な説明をしてくださいました。
かと思えば、食事後に気さくな感じで話しかけてくださる方もいて、上質な空間で楽しいひと時を過ごせました。
気がつけばあっという間に3時間半。
日本が代表する最前線の一端を垣間見たのでした。
ウェイティングスペース
テーブルセッティング
ロオジエの名が刻まれた器
テーブルクロス バターナイフ
スナック
バケット 黒オリーブパン バタースティック
パンドカンパーニュ
バター
ブロッコリーのムース ビーツのアイスクリーム
毛ガニと蕪のババロア 紅芯大根のフイユ
毛ガニと蕪のババロア 紅芯大根のフイユ
海苔巻きに見立てたハタのヴァプール
海苔巻きに見立てたハタのヴァプール
海苔巻きに見立てたハタのヴァプール
牛頰肉のブレゼ
牛頰肉のブレゼ
牛頰肉のブレゼ
アヴァンデセール
ミニャルディーズ ブルーベリージャムのサンド ベリーとメレンゲ チョコカップ・バナナ シトロン系のマカロン
ミニャルディーズ ブルーベリージャムのサンド ベリーとメレンゲ チョコカップ・バナナ シトロン系のマカロン
グランデセール
グランデセール
レモングラスティ
フリヤンディーズワゴン
フリヤンディーズ
吹き抜けの店内
広々
2019/02/14 更新
日本を代表するオリヴィエシェフのグランメゾン。
昨今の社会情勢にも関わらず、予約をほとんど埋まっていて、さすが。
今回も平日のお昼に。
ランチは、1メインの¥10000、ダブルメインの¥14000、季節のお任せとあります。
魚も肉も食べたくて真ん中のコースに。
いつもドリンクは口頭で好みを伝えて選んでくれる感じだったのですが、今回はメニューをいただきました。
グラスの白、赤各10種ほどありさすが豊富。
量は、フル、ハーフがあり、ちょっとずつでも嗜めます。
【アミューズ】
・栗のチップス ナツメグとデーツ
・パルメザンチーズのサブレ チーズクリーム
・帆立のムース いくら 海藻のチップス
相変わらず可愛く、凝ったアミューズです。
季節感もでていて、薄い栗のチップまでしっかり甘味を引き出していてさすが。
【アミューズブーシュ】
栗のヴルーテの中に銀杏や洋梨、焼き栗が入っていて食感のアクセント豊富。
さらに上をカルダモンの泡で覆っています。
スープに使う栗と焼き栗は国産とフランス産で使い分けています。
焼き栗は、カリカリに焼き上げていて香ばしい。
【サラダ菜と海老のムースで巻いたラングスティーヌ ヴェルヴェンヌ香るリンゴのジュレ 竹炭のダンテル キャビア オシェトラ アリコ・ココのムースリーヌ】
ラングスティーヌとそのムースをサラダ菜で包んで蒸し、カットしたもの。
その上には白インゲン豆のピューレと、ヴェルヴェンヌのジュレ。
サラダ菜のピュレ、手長海老のジュレで玉模様を描き、網状のチュイル(ダンテル)を食感のアクセントに加えています。
手長えび、りんご、サラダ菜、白インゲン豆に、エスニックな香りが加わった、ユニークな組み合わせですが、違和感はなくまとまっています。
一見どう作ったのかわからないほど、
【金目鯛のコンフィ 岩海苔入り蕎麦米 甘酸っぱい蕪のラメルと貝類 サフラン風味のソース】
オリーブオイルでコンフィにした金目鯛。
ガルニは、つぶ貝、赤貝、ミル貝と3種類の貝と、薄くスライスした大根で包んだ紅芯大根の赤ワインヴィネガーマリネ。
ブイヨンベースのサフランのソース。
しっとりと火入れされた金目と、地味深い旨味のソースで上品な仕上がり。
甘酸っぱい大根のマリネが緩急をつけていますが酸味に角がなく一体感は維持しています。
【熊本産赤牛のサーロイン 野菜のラヴィオル キャロットのカリソン ソースヴィオリーヌ】
熊本赤牛サーロインのロースト。
表面はクリスピーに仕上げながらも中は極めてしっとり仕上げる火入れ流石の一言。
肉質的にも、上質なサシを備えながらも、余分な脂っぽさがない上質さ。
ガルニは、楕円形にくりぬいたニンジンのグラッセの上に、南瓜のピュレ。
ほうれん草のクロロフィルで色付けしたラヴィオリ。
中には、きざんで甘味を引き出した野菜。
チーズもあえてあるようなコクがあります。
ソースはクラシックで上質な赤ワインソース。
【チーズワゴン】
ウォッシュ系を中心に選びました。
蜂蜜、カンパーニュ、ドライフルーツが添えられます。
【プレデセール】
黒糖のアイスクリーム
【メレンゲのピック マロンのパルフェグラッセ】
モンブランの再構成ということですが、芸術的。
ウィスキークリームを、マロングラッセで包みトゲトゲのメレンゲで覆った毬栗のような見た目。
下にはさらにマロングラッセがしかれ、その周りを栗のクリームで囲んでいます。
砂糖を控えながらも栗の風味を引き出していて、ウィスキーの苦味とメレンゲの食感が絶妙なアクセント。
【ミニャルディーズ】
・メレンゲ すぐり
・レモン ホワイトチョコレートのムース
・ナッツのマカロン
・キウイのコンフィチュール メレンゲのサンド
【フリヤンディーズワゴン】
季節感を前面に出したアミューズに始まり、心躍るデセール、ミニャルディーズへの流れはやはり他ではないほどワクワクします。
ガルニなど細部にわたり手間がかけられ、さすがグランメゾンだなと感じさせます。
アシェットに描かれた料理の美しさでいったら横に出るものはいないのではないでしょうか。
伝統的なフランス料理をベースにしているイメージですが、ハープづかいが巧みで今回は特に独創性も感じました。
リンゴやヴェルヴェンヌ、サラダ菜に白インゲン豆とラングスティーヌを合わせた組み合わせは個性的でありながらも上手く調和していて感心。
食材の組み合わせや盛り付けのバリエーション、プレゼンテーションなど、毎回新たなものを提供していて、その尽きることのないイマジネーションは、羨ましささえ覚えます。
ワインは、料理に合わせて助言はするものの、お客さんに委ねるスタイルです。
セレクトの良さはさすが。
距離感がよく、ホスピタリティ溢れる接客もあり、また楽しませていただきました。