yagakiさんが投稿したナベノ-イズム(東京/浅草)の口コミ詳細

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ナベノ-イズム浅草(東武・都営・メトロ)、田原町、蔵前/フレンチ

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  • 昼の点数:4.9

      • 料理・味 -
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2020/11 訪問

  • 昼の点数:4.9

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-

日本の伝統と仏の伝統の反映

 日本の伝統が集まる街、浅草のフレンチレストラン、ナベノイズム。

渡辺シェフは、恵比寿のロブションで9年間三つ星を維持した実力あるシェフ。

日本に浸透したフランス料理の、本流を意識しながらも日本的な感性を生かした料理はシャトーの総料理長時代のものとは異なるもの。

よってオープン当初は賛否が分かれていたそうですが、名実ともなったお店となりました。

店内からは隅田川が望め、BGMも相まってセーヌ川を連想させます。

1階は厨房、2階、3階は客席で、それらをつなぐのは螺旋階段と、こだわりを感じます。

メニューは、昼、夜ともにお任せです。

昼の訪問。


【長野県産カリフラワーの温かいクリアヴルーテ、海藻のオイルとゲランド塩のエキューム 近隣老舗とのコラボスナックとアントナン風グリーンオリーブマリネ セルベラ・ド・リヨンとボジョレーワインのパート・ド・フリュイ】

 同店を象徴するようなプレゼンテーションのアミューズ。

真ん中にあるのが、カリフラワーのヴルーテ。

牛乳や生クリームではなく、ブイヨンとか出汁系で伸ばしてる感じで、あっさりと澄んだ仕上がりです。

ゲランド塩をきかせたミルクの泡、海藻オイルを添えています。

スナックは、雷おこしにバターやアンチョビ、ケッパー、スダチなどを合せた食感豊かなもの、

最中にレンズ豆、砂肝のコンフィ、クリームチーズ、カルダモン、マスタードなどを合わせたものと近隣とのコラボによるものも印象的。

あとはスパイスやハーブを使った、ビンチョススタイルのオリーブのマリネと、リヨン風ソーセージのセルヴェラ。

セルヴェラは、中にピスタチオを入れることが多いですが、ここでは軽く削り、自酒のボジョレーワインのパートドフリュイと合わせています。

どれもが手が込んでいて個性的でありますがそれぞれにルーツやコンセプトがあり、よくまとまっています。

食感も多彩でアミューズとしての役割を果たしています。


【両国江戸蕎麦ほそ川の蕎麦粉をソースエミルッショネの技法で仕上げたそばがき 利尻昆布のジュレとのアンサンブル、塩ウニ、ウォッカクリーム、おろしたて天城山葵をあしらって】

わたなべシェフのスペシャリテ。

そばがきの上に、昆布のジュレと塩ウニ、わさびをのせています。

食材の組み合わせは極めて日本的でありながらも、その製法はフランス料理的。

蕎麦粉の苦み、香ばしさと、磯の香り、山葵の風味がとてもよく調和しています。

複雑性よりもまとまり、一体感を感じるロブションの哲学が生かされているように思います。

これに日本酒を合せるペアリングは見事。

料理の後味をうまく拾っています。


【岩手県産ごまさば、シャンパンヴィネガーと生姜で真空マリネ アロマートレギュームとクールブイヨンのジュレをのせて 蕪、梨、アンズのプティサラダ ターメリックと蜂蜜のヴィネグレット、スモークしたパン・オ・セーグルのフォンダン】

岩手県の胡麻鯖をシャンパンヴィネガーでマリネしており、臭みはほとんどなく脂が乗って旨味たっぷりの立派な身。

上に、クールブイヨンのジュレや、洋梨、杏といったフルーツと合わせ、一瞬合うのかなって疑問に思いますが、見事な調和を見せます。

果実は軽く食感を残しながらも柔らかい口当たり。

爽やかな印象になります。

装飾で使っている木の芽にちなんでそのパウダーを散らし、クミンやターリックなどスパイスのニュアンスを感じる生姜のソースで。

そして、ライ麦パンを泡状にしたソースもポイントで、形状や口当たりの異なるほかのソースとともに、料理に奥行きをもたらします。

これだけ構成要素が多いのにもかかわらず、一体感があるのが素晴らしい。


【奈良県産リーフマウンテンエッグを64℃でねっとりと加熱 木場トロワフレールのブリオッシュ、秋トリュフとLyon特産ロゼットをあしらい、クレム ド サンマルセランでエスコート】

64℃の低温で火入れした卵。

下には、ペコロスのエチュベなどが敷かれ、旨味を補強。

サンマルセランチーズを使った濃厚なベジャメルソースでクラシックな仕立て。

ブリオッシュや、リヨン特産ソーセージのロゼット、黒トリュフをあしらい、間違いない組み合わせ。


【シャラン鴨を銅鍋でしっとりと焼き上げ、新鮮なレバーとハツと2種のオリーヴ、コリントレーズンのコンディモンソース エストラゴンの香り、薫り高いジュ・ド・キャナール、高山にんにくのベニエと共に広島県梶谷農園無農薬ハーブのサラダ、なめらかな黒オリーヴのクーリを添えて】

しっとりと柔らかく火入れされたシャラン鴨の胸肉。

鉄のニュアンスは控えめで穏やかな風味。

クラシックなジュドカナールと、オリーブのピューレ。

肉の下には、鴨のレバー、ハツと、グリーンオリーブ、ブラックオリーブを細かく刻んだものがあしらってあります。

こちらはほどよくねっとりした食感とあっていいアクセントになっています。

胡椒や山椒が散らしてありますが、山椒の存在感が最後まで持続し、印象的。

ガルニは、アンチョビと木の芽を詰めたニンニクのベニエと、ハーブのサラダ。

このニンニクがほくほくしていておいしくて脇役ながら印象に残りました。


【山形県産 「ラ フランス」カシス香る赤ワインでコンポート、ジュニエーブル風味のソルベに変化させ、柑橘類の爽やかなジュレと合わせて】

 ラフランスや柑橘がさっぱりとしていて、アヴァンデセールとしての役割を果たしつつ、ジンや赤ワインの風味が効いていて奥行きもあります。


【丹波産和栗 香ばしく焼いた鬼皮の香りをまとわせモンブラン仕立てに カンボジア産生黒胡椒入りソース・オ・ミエル、月桂樹のグラスと共に】

 端正なタルト仕立てのモンブランに、メレンゲの食感を加えたり、ウィスキーや黒胡椒を効かせたりしていて、ここにもオリジナリティが出ています。

蜂蜜のアイスクリーム添え。


 浅草という土地柄を存分に利用していて近隣のお店との信頼関係も感じられました。

パンをクリームにするなど、最先端の技術を持ち、独創的な組み合わせを随所に挟みながらも、所々にフランス料理の伝統、クラシックを感じるところがありそれらをうまく両立しているのは流石の一言に尽きます。

そしてそれぞれの料理が単なる思いつきでなく、発想の根拠があって、故に安定感が素晴らしいです。

濃厚なソースの料理と、さっぱりとした水分量の多い料理など、コース全体で見たバランスも見事。

料理のビジュアル綺麗で、色彩的なところも意識しているように感じました。

 ドリンクは、ワインをお任せでお願いしたのですが、これがまた良かった。

フランスの有名産地中心ですが料理との相性が素晴らしかったです。

 高い技術はもとより、近隣名店とのコラボ、古典とモダンの共存という意味で類を見ないお店だと思います。

2020/12/27 更新

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