1回
2021/07 訪問
今 銀座の料理のかたち
ラルジャン
2023/10/30
レストランラルジャンにご来店いただきまして、誠にありがとうございます。
当店は2023年8月30日をもって銀座での活動に幕を閉じ、
コンセプトを新たに2023年10月2日より
霞ヶ関の地にてリニューアルオープンする運びとなりました。
スタッフ一同心よりご来店お待ちしております。
新店舗住所:東京都千代田区霞が関3−2−6東京倶楽部ビルディング
霞ダイニング2F
また、六本木の東京ミッドタウン側に姉妹店のカウンターフレンチ
SeRieUX(セリュー) もございます。
六本木にお越しの際は是非ご利用下さいませ。
店舗住所:東京都港区六本木7-4-4
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13283211/
2021/08/13 更新
銀座の一等地にできたモダンフレンチとして話題になったお店。
駅直結の銀座プレイスに入っていて、ティエリーマルクスの跡地。
シェフは、北欧料理のエッセンスを取り入れたフランス料理で高い評価を得ていたスブリムのシェフだった加藤シェフ。
デンマークに渡る前、タテルヨシノグループや、アストランスも経験してることから、フランス料理の基礎も固い。
サービス陣も、レカン出身のソムリエさん中心に選りすぐりのメンバー。
パリやコペンハーゲンといった各都市にはそこの料理があるけど、本場の味そのままではない今銀座で求められている料理を表現するというコンセプトも素晴らしい。
オープンしてあまり経ってないのもあり、昼は¥7700とこの立地にしては比較的利用しやすい価格設定もありがたい。
内装はモノトーン中心としたスタイリッシュな印象ながら、開放的な窓から光が入り込み明るい雰囲気。
夜はまた違うかもだけど。
あとはタイルに木目のものが使われてたりして肩肘張りすぎない雰囲気でもある。
この日の内容は以下の通り。
【京都 七谷鶏】
鴨で有名な京都、七谷の鳥レバーを使ったムース。
それをキノコのサブレでサンドして、鶏たちが餌として食べているカシスのパウダーを散らしたアミューズ。
【長野 信州サーモン】
サーモン、きゅうり、茗荷などがタルタルに、刻んであえている。
上にのったディスク状のものは、シードルヴィネガーと生クリームなどを使ったものを凍らせたものとの説明。
でも思ったより冷たくもかたくもなくて、柔らかい口当たり。
上にかけるのがバターミルクとパセリオイルのソース。
【静岡 発酵マッシュルーム】
前店のスブリムの時からの加藤シェフのスペシャリテ。
表面に見えるのは、スライスしたマッシュルームで、主役は、発酵させたマッシュルーム。
発酵の際に出たブイヨンを使ったスープが下にあり、さらっとした軽い口当たりの中に、発酵特有の深みが感じられる。
1番下に温玉が隠れていて、それを少しずつ崩しながら食べるとまた違った味わいに。
【和歌山 平目】
表面にチーズやパン粉をまぶして焼いた、ウイーン風という名の料理。
パセリオイルを使ったブールブランソース。
ガルニが細かく繊細で、ペコロスや、丸くくりぬいたじゃがいも、ディルとその花など。
ほうれん草ベースのピューレも添えてる。
衣が細かく見た目は美しいけど、衣の焼き目を重視したからかむシンプルに蒸し焼きにしたヒラメと比べるとややふんわり感、しっとり感は劣る印象。
【岩手 ホロホロ鳥】
しっとりと焼き上げたホロホロ鶏。
そのガラのソースを合わせ、上には玉ねぎのシートを被せている。
じゃがいものピューレ、万願寺とうがらしを添えてるけど塩気がかなり強め。
泡状のソースは、フォアグラのソースでたしかにその香りが感じられるので結構いいアクセント。
火入れが抜群にいい。
【北海道 シーバックソン】
ロシアや北欧地域で生産されるシーバックソーンを使ったデセール。
日本では北海道のみで生産。
栄養価が高く、酸味が強い。
そこに合わせるのはミントのジュレ、ホワイトチョコレートのパウダー、ビスケット。
全体としてみるとかなりさっぱりした感じだけど、よく混ぜて食べるとホワイトチョコレートとのバランスが取れていい感じ。
【ミニャルディーズ】
インスタとかでもよく見かける3段重のミニャルディーズ。
個人的にアミューズとか小菓子がきれいだとテンション上がるからこれは楽しかった笑
内容は、はちみつのケーキ、マカロン、サクランボのタルト、ダージリンのムース、北欧菓子って感じで丁寧に作りこまれている。
シーバックソンのデセールが甘さ控えめだった分これらは甘さしっかりめ。
銀座に現れた新名所の実力派評判通りでした。
前店のスブリムと比べて北欧のテイストは控えめでフレンチ寄りになったと声もありますが、液体とオイルを分離させたソース、発酵の技術、シーバックソンなど、ノルディックな雰囲気も確かに感じました。
一方で、見た目はモダンでもブールブラン、タルタル、ジュのソース、レバームースなどクラシックフレンチ的なベースで成り立っているところも多くみられ、バランスがすごくいいなと感じます。
発酵ももちろんだけど、生クリームやリンゴ酢のディスク、玉ねぎのシートなど最先端の技術も見られ、時代の先端を行く料理という印象も受けました。
アミューズからミニャルディーズに至るまで料理のビジュアルの美しさも魅力的。
シックで洗練された内装と、天井が高く贅沢なつくりは銀座の一等地らしい。
食後の小菓子を外のテラス席でゆったりといただけるのも特徴的。
銀座の中心を眼下に望み、くつろげるこれだけの場所ってなかなかないんじゃないかな。
サービスやペアリングも安定感がある。
これだけの内容と立地にしては良心的な価格だし、料理が変わったらまたチェックしたいお店。