yagakiさんが投稿したペペロッソ(東京/池ノ上)の口コミ詳細

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ペペロッソ池ノ上、東北沢、下北沢/イタリアン、ワインバー、ダイニングバー

1

  • 夜の点数:4.6

      • 料理・味 -
      • |サービス -
      • |雰囲気 -
      • |CP -
      • |酒・ドリンク -
1回目

2022/02 訪問

  • 夜の点数:4.6

    • [ 料理・味-
    • | サービス-
    • | 雰囲気-
    • | CP-
    • | 酒・ドリンク-

郷土料理愛に溢れた変態的こだわり

 イタリア郷土料理にこだわるお店

三茶の店舗が移転して池の上に

ソムリエさんのインスタとか見てると分かるんだけどイタリア料理愛がほんとにすごい

初めてきくようなマニアックな情報も多くて、現地さながらのコアな料理が食べられるんだろうなあって思ってずっと気になってました

 当日ネットで予約して訪問

店内はカウンターを境に調理場が見える作りになっていて、ライブ感があります

テーブル席が主体で、席間がしっかりあって広々しています

内装は赤、茶、白を基調としていて、店内の至る所に置かれた小物、調理器具などが一つ一つおしゃれ

だから雑多でありながらもどこかおしゃれな現地風の雰囲気がよく出ています

 そして器も一つ一つ凝っていて、味のある陶器ばかりで色彩も豊か

ショープレートも可愛らしいデザイン

何から何までこだわりがすごい

 基本的にコースのスタイルになっていていますが、アラカルトメニューもあります

夜で1番リーズナブルな¥6050のものに

アラカルトにトリッパがあってすごく食べたかったので、温菜の南瓜のクレマと交換していただきました


【突き出し】

イタリア北東部、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州、サンダニエーレの生ハム 

店内で削りたてだからフワッとした食感で口の中でとろける

岐阜県の柿を店内で追熟させたものを合わせます

程よく塩気のしっかりした生ハムと柿の甘みがよく合う


【パン】

 夏頃に仕込んだ自家製天然酵母を使ったパン

イタリア小麦を使っていて高加水だから中はもっちりした食感だけど外側はパリッとクリスピー

味わい深く、噛むほどに旨味を感じる

味が2種類あって、一個はシンプルなもの

もう一個が、発酵させたカラスノエンドウの乾燥パウダーを練り込んだものでほんのり苦味があり厚みのある味


【冷菜】

フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州では西洋ワサビを肉や魚に合わせる文化があるみたいでそれに倣った一品

天然酵母のパンを液体に浸し、酵母の力で乳酸発酵させた液体でマリネした鰆

この時点ですごいマニアックな仕立て

その鰆とエルダーフラワーを円形に盛り付けて中央に西洋わさびの香りがしっかり効いたソース

マスの卵を添えて胡桃オイルで香り付け...と手が掛かってる

マリネした鰆といい、ソースといい味わい深い

魚に花を添えたりするのも同地方の特徴だとか


【温菜】

 コースでもともと南瓜のクレマだったところをトリッパに変更していただきました

ここのトリッパは仕立て方がいろいろあってこの日のアラカルトメニューにも3種類のトリッパがありました

今回はシチリア風の仕立て

トマトを使わないで、白ワインと水、香味野菜と共に煮込み、トリッパを茹でこぼした時の煮汁とかを使っています

シンプルだけど十分な甘味と旨味がある

添えられた揚げなすと、リコッタサラータがアクセント


【パスタ1】

 ストラッチっていう、布の箸切れみたいな形をした手でちぎったパスタ 

無造作な形で適度な厚み、歯応えが特徴

塩漬け鱈のバッカラと、練馬区の農園で育ったポロネギ、ヤギのミルク

バッカラはラグーみたいな形状

 ソースはさらってしてるけど全体絡めるとしっかり骨格のある味でストラッチに負けない


【パスタ2】

 2つめのパスタは、ウンブリア州のパスタ、ウンブリチェッリ 

この日合わせたのは、鰻や相性のいいタイムを加えたソース

鰻の骨や頭からとった出汁を煮詰めてトマトを合わせたソースで甘みや旨味の奥に確かな鰻の風味、タイムの香りをしっかり感じる

パプリカパウダーを周りに散らしてあります


【メイン】

 この日のメインは松坂豚の肩ロース

 ポルケッタを作るための道具で、オリーブの木、ひまわりとかを使って燻製に

時間をかけて焼き上げてるため中は驚くほどしっとり仕上がっていて柔らかい

それでいて表面はめちゃくちゃカリッとしてるのはこの調理法ならではだね

肩ロースならではの肉汁、脂もしっかり閉じ込められていて噛むとジュワーって感じる

たまらんな

 肉には砕いたフェンネルシードをふりかけ、バースニップのピュレ、香味野菜と肉の骨でとった出汁のシンプルなソースと共に

肉出汁系のソースも甘みがあってまったりした口当たり


【ドルチェ1】

スパイスやナッツオイル、ハーブを使ったリンゴソルベ 
ビーツのソースで覆われていて色鮮やか

さっぱりしてるけど香りが重層的

まわりに砕いたメレンゲみたいなのが散らしてあって食感のアクセント


【ドルチェ2】

 イタリアの伝統菓子パネットーネ 

現地では香料を使うけどここでは、香料を使わないで、レーズンをマルサラ酒につけたり、ドライのバラの花を入れたりして香り高く仕上げています


【小菓子】

 ブルッティマブオーニっていう、形は悪いけど美味しいっていう意味のお菓子

メレンゲ主体の軽い食感で、ヘーゼルナッツがアクセント


 現地の伝統的な調理法、食材の組み合わせをベースにしながらも、発酵を取り入れたりしていて、まさに伝統と革新って感じ

郷土料理もここまで本格的になると新鮮に感じます

料理に関してちょっと質問すると関連することまでいろいろ話してくれてほんとに知識が豊富な方なんだなあと感心

全部は覚えられないほどの情報量だけど聞いてるだけで楽しい

 飲み物は、泡から始まり、料理に合わせて計3杯のグラスワイン、

そしてセコンドに合わせて赤もいっぱいいただきました

これがまあ秀逸で、ソムリエさんのインスタの投稿見てみると料理にどんなワインがあうかいつもよく考えてるんだなあってのが伝わってくるけどやっぱりすごかった

合う合わない以前にまず単体でもすごい美味しいです笑

3杯で¥3300だからそこまで高くないのも魅力

料理の特徴を捉えるのがほんとにうまい

 あとは手間を惜しまず仕込んでる手打ちパスタがやっぱり美味しいなあ

ソースもバッカラだったり、鰻の骨で出汁を取ったり手間がかかってます

 イタリア全土の、現地より凝ってるんじゃないんかってぐらい本格郷土料理と、相性抜群のワイン

味のある器におしゃれな空間、イタリア愛溢れる知識豊富な人材とここまで揃ったお店は間違いなくそうそうあるもんじゃない

このこだわりの強さは、本当の料理好き、ワイン好きの方には絶対はまると思うなあ

2022/03/20 更新

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