『 【チョコ】 パスカル・ル・ガック (JR大阪三越伊勢丹 サロン・デュ・ショコラ 2014)』デセールさんの日記

レビュアーのカバー画像

デセールの調査報告書

メッセージを送る

日記詳細

JR大阪三越伊勢丹のバレンタイン催事「サロン・デュ・ショコラ 2014」で行われた、ショコラティエ達のトークショーに今年も参加してきました。

去年は初日に京都伊勢丹で「ステファン・ボナ氏」「セバスチャン・ゴダール氏」のセミナー、トークショー最終日は大阪三越伊勢丹の「サダハル・アオキ氏」の雑談会に参加。

今年は大阪三越伊勢丹の初日に行われた「パスカル・ル・ガック氏」、「リリアン・ボンヌフォア氏(オテル・デュ・キャップ-エデン‐ロック)」、「ユーグ・プジェ氏(ユーゴ&ヴィクトール)」のトークショーに参加してみました。

一番手は Pascal Le Gac パスカル・ル・ガック氏。
去年、京都伊勢丹でチョコを購入しましたが、その時は本人不在でした。確か大阪三越伊勢丹へ行かれてたはず。
そのチョコに関するレビューはコチラ↓
http://tabelog.com/rvwr/dessert666/diarydtl/100233/

ル・ガック氏は元々ラ・メゾン・デュ・ショコラのクリエイティブ・ディレクターとして長年活躍されてましたが、万人受けする平均点なチョコ作りに嫌気がさしたらしく(?)2008年ごろ独立されたそう。
なので、チョコの味にもそれが顕著に感じられます。
「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」は、面白味がないというか、上品だけどおとなしすぎる内気な子といった印象。
対してパスカル・ル・ガックは、「ファブリス・ジロット」や「フランク・ケストナー」のような派手な味では決してないけど、芯があり、広がりを感じる高品位な味。


今回のトークショーは、まず試食が配られ、そのボンボンに関するエピソードをル・ガック氏から聴きながら味見するといった形でした。

■試食で食べたもの

※ ★2.5が標準点です。

【ガナッシュ ノイエ キャラメル デ ブルターニュ】 ★3.7

ル・ガック氏の故郷であるブルターニュ半島が描かれたショコラ。
伊勢丹のセレクションボックス10個入に入ってるものと同じ。

ブルターニュ名物の塩バターキャラメル味。
フルール・ド・セルを使用したキャラメルとガナッシュの2層。
このボンボンだけ有塩バターを使用しているそう。

薄くアンロバージュ(コーティングの仏語)してカリッと食感を出すことと、ガナッシュの滑らかさが重要と考えており、
あまりアグレッシブになり過ぎないように心掛けているらしい。

後味にしっかり塩の味が。
コーティングチョコのカカオ風味もキリッとしてる。
キャラメルは苦すぎず、ほどよい風味。バター感が感じられるコク。
カカオの風味・ビター感・塩の3つがしっかり感じられる。


ちなみにル・ガック氏はチーズを食べるときにも有塩バターを塗って食べるそうです(@_@;)w


【ガナッシュ エキゾチック】 ★4

白とオレンジの線が交差したデザインのショコラ。
伊勢丹のセレクションボックス15個入に入ってるものと同じ。

ル・ガック氏が幼いころ住んでいた家の近くにキャンディなどを売ってる駄菓子屋みたいなものがあり、
当時、給食がなかったので家に帰り、親からお金をもらってその店へ行くのが楽しみだった。
「ルドゥドゥ」という、フルーツに似せた味の赤とか黄色のカラフルなキャンディーをいつも買っていたらしく、
それを思い出しながら作ったボンボンショコラ。
自分が好きだったキャンディーを再現し、フルーツの酸味を少し効かせながらマイルドなチョコでまろやかさを出してみたそう。
ハッピーだった子供時代の思い出に浸れると仰ってました。

パッションフルーツの風味が爽やか。すっきりしたカカオ感。
ガナッシュはなめらか。コーティングチョコが薄くてパリっとした食感が良い。
ほんのり塩がアクセントになってそう。後味に酸味が残る。


【トリュフ フランボワーズ】 ★3.5

キューブ型のトリュフ。
ナチュール・オレンジ・フランボワーズの3種トリュフ詰め合わせボックスに入ってる中の1つ。

一般的なトリュフは油脂感が強く、あまり大きなものだとクドくて食べれないと思い、
ル・ガック氏は凝縮した感じであえて小さく作っているらしい。
フランボワーズの割が丁度良い感じになるまで、何度も何度も試行錯誤したそうです。

これも子供時代の思い出に結びつく。
おばあさんが近くで菜園をしており、作物を作る喜びや、ナチュラルなものに対する感覚が身についた。
そのため、ル・ガック氏はシンプルなものが好きらしい。
人工的なものは好きじゃないので、自然のもの、地元の食材で作ってるそう。
フランボワーズも当時おばあさんが植えていたので、摘んだものを食べたりジャムにしたりしていた。
非常に楽しい時代の味が詰まっているトリュフらしい。

溶けていくにつれ、フランボワーズの風味がぐわっと口に広がる。
後味はチョコよりフランボワーズのほうが強い。わりとなめらかな舌触り。


■まとめ 余談

ル・ガック氏はとても日本を気に入ってるようで、空港に着いた瞬間から雰囲気が心地よく、リラックスできるそう。

毎日ラボへ行って仕事するのが好きらしい。
今のフランスは、「仕事を好きになれない」「何をしていいかわからない」といった人が多いが、自分は恵まれてると思うと仰ってました。

とてもおおらかで、人が良さそうなル・ガック氏。
ほんの1時間ほどしか話を聴いてませんが、温かみのある素敵な人オーラがヒシヒシと伝わってきました( ´ ▽ ` )ノ

チョコに関しても、尖った方向性でもなく、かといって大人しすぎないバランスのとれた味なので、お気に入りのブランドの1つです。
ページの先頭へ