辣油は飲み物さんが投稿した鮨菜 和喜智(北海道/円山公園)の口コミ詳細

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鮨菜 和喜智円山公園、西28丁目、西18丁目/寿司

2

  • 夜の点数:4.7

    • ¥20,000~¥29,999 / 1人
      • 料理・味 4.7
      • |サービス 4.0
      • |雰囲気 4.0
      • |CP 4.0
      • |酒・ドリンク 4.0
2回目

2017/10 訪問

  • 夜の点数:4.7

    • [ 料理・味4.7
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

北の雄!北海道随一の鮨店

約2年ぶりの訪問となった和喜智さん。
入り口を入ると、バカラの水晶招き猫が!
銀座の鈴木さんにも鎮座する招き猫ですね。
相変わらず、店内には良い香りと穏やかな空気が流れております。

再訪して感じた点は、
より攻めたタネの構成になっている事と、
やっぱりシャリが美味しいという事。
2年前も一品一品が強い存在感を示していましたが、
構成的には旨味をふつふつと高め満足感に繋げているように感じました。
しかし、今回は初手から力強いタネを連発され、キレッキレ。
とは言え、味覚のバランスが取れており、
抑制(引くところで引く)も施しているため、決して食べ疲れません。
シャリは前よりも酢を穏やかにしていますが、
北海道の鮨店のシャリとしては赤酢強めでインパクトがあります。
硬さや温度は完璧に近い。
握りも流麗なモーションで、速く、手数が少ない。
前回、「将来的に進化するシャリかも」と記しましたが、
2年ほどでここまで飛躍されているとは、正直なところ驚きました。
東京を除く東日本ではトップクラスの鮨であり、
個人的に福岡のさかいさんと双璧をなすと感じた次第です。
おまかせは2016年9月から税込21,470円となったそうですが、
頂いた後の満足感は高く、
下手なお店でそこそこの金額を支払うよりも
圧倒的に賢いお金の使い方だと思います。

この度頂いた日本酒。
まる田・特別純米、二世古・特別純米。
まる田は初めて呑んだが、端正なキレの中にまろみがあり、
米の旨味もある、良きスターターであった。

牡蠣と湯葉の茶碗蒸し
卵の甘みにホッと寛ぎ、出汁の塩梅も良いなぁと思っていると、
牡蠣のフレイバーが追いかけてきて高まる。
牡蠣は割と大ぶりで、むっちりとろりとした食感。
酢橘の皮は極僅かに使用しており、抑制が利いており良い。


羅臼産、10kg。
脂がきめ細かく、旨味に加えて鰤らしい酸味も感じさせる。
ぷりぱつな食感。旨い。

蒸し鮑
鮑から出たエキスに葛を打ったソース。
鮑の香りと旨味が滲み出ており秀逸。
下に仕込まれたシャリの酸味と肝の上品な苦味がベストバランス。
また、シャリの「硬さ」が食感を増やしている。

海胆
釧路産。問答無用で美味い。

ボタン海老
超立派なサイズのボタン海老を塩辛のように漬けている。
熟成で甘みが強められており、それを発酵が感が包み込む。
凄い旨味!
かと言って口に残らず、媚びない。

九絵、舞茸、白菜
舞茸で秋の香りを感じせ、
九絵の力強い風味と脂ならびに食感が主役の座に付く。
白菜の食感と甘みがアシスト。

鮟肝と奈良漬
言わずもがなのベストマッチ(笑)
旨味、風味、食感において調和が取れている。
鮟肝は黒酒(鹿児島の特産)に漬け込んでいるそう。

この後、握りに移行します。

毛蟹
初手からパワフルな一貫を手渡しで!
毛蟹は風味豊かで繊維が存在感を示す。
実に良い余韻だ。
旨味にしても、香りにしても。
蟹味噌も混ぜているため、磯が口に満ち溢れる。
大葉に乗せて握っているが、香りの転移は無い。

縞鯵
熟成を掛けて旨味を強めつつ、シャリの酸味と完全一致!
素晴らしき熟成の仕事。
頂いた後に尋ねたところ、3kgのものを10日間との事であった。

ボタン海老
すんげえ甘み!
そして、食感はブチブチ、とろんとろん。
食感の二重奏で溶けてゆく。
寝かせているもののボタン海老らしい食感が活きているところがポイント。
産地は礼文島との事。

金目鯛
もの凄い脂の旨味!
熟成を掛けている事は明白だが、食感を残しバツバツ感が良い。
炙りも皮下の脂を活性化しつつ香りを付ける程度で、抑制を感じさせる。

鮪トロ
熟成による強い旨味があるが、酸味も生きており美味しい。

北寄貝
漬け込み。
超肉厚で甘い!そして、歯切れも良い。

いくらと海胆
海胆の甘みを、いくらに付けられた軽い醤油が引き締める。
この素材の組み合わせはいくらの漬け込み次第では、
旨味が過多にもなり、醤油が主張しすぎる事にもなる。
シンプルでありながら、高い計算を感じさせる。

ガリ
ここで登場!
ストレートな酸味、そして辛味が一度場をリセットする。

キンキ
標準和名キチジ。北海道を代表する高級魚。
炙って香りを付けているが、力強い脂の旨味が軽く凌いで来る。
勢いある旨味と香り。
なんと、一晩干して(脱水して)食感を強めているそう。
初音鮨の鮪大トロ炙りを超える、脂の多いタネを用いた個性派仕事。
白身魚なので脂の性質的に上品であり、同時にパンチ力もある点が凄い。


ボタン海老の出汁で旨い。

穴子
超絶とろんとろん。
甘みが酢飯の酸味を包み込む。
産地は予想通り対馬。
シャリとのコントラスト的には江戸前や瀬戸内のものよりも良いかと思う。
魚体は130gほどで、骨が障らないサイズを求めておられるそう。

鉄火巻き
肉厚な切り付けの鮪を使用。
海苔の食感と香りが良く、そこに鮪の鉄分が来て、旨味が広がる。
上質な鉄火巻き。

玉子
しゅわふわな食感。
ボタン海老を使用し、余韻が長く、香りは上品。
前(甘海老を用いた伊達巻)よりもデザート感が強い。

再訪が楽しみな名店です。

本記事は下記のブログをベースに投稿しております。
すしログ:https://sushi-blog.com/

  • 牡蠣と湯葉の茶碗蒸し

  • 蒸し鮑

  • 海胆

  • ボタンエビ

  • 九絵、舞茸、白菜

  • 鮟肝と奈良漬け

  • 毛蟹

  • 縞鯵

  • ボタンエビ

  • 金目鯛

  • 鮪トロ

  • 北寄貝

  • いくらと海胆

  • ガリ

  • キンキ

  • 穴子

  • 鉄火巻き

  • 玉子

2021/05/03 更新

1回目

2015/07 訪問

  • 夜の点数:4.5

    • [ 料理・味4.5
    • | サービス4.0
    • | 雰囲気4.0
    • | CP4.0
    • | 酒・ドリンク4.0
    ¥20,000~¥29,999
    / 1人

北海道を代表する名鮨店

こちらはすし善にほど近い、円山公園にある鮨店です。
この瀟洒な一角は札幌の一大グルメエリアとなっております。
ご主人は東京の街場寿司の出身ですが、全国を熱心に食べ歩かれ、
個性あふれる鮨を作り出しておられます。
「自身の理想とする鮨まではまだまだ…」と謙遜されておりましたが、
既に唯一無二の仕事も幾つか生み出されております。

着目すべきは仕事のセンス。
過剰なことはやらず、ギリギリのところで抑制されている印象を受けます。
それが奏功し、かなり上質なタネを入れておられますが、
損なうことなくタネを活かし、個性を表現する事に成功しております。

40代半ばで名声を高めておられるご主人。
これからの進化が楽しみです。
札幌で伺うべき鮨店は、こちらかと思います。

シャリは赤酢を二種類使用され、酸味が強く、エッジの利いたシャリです。
酸味を利かせつつ、砂糖も使用している為、尖り過ぎずにまとめておられ、
ハラリとほどける硬さ、粘度は非常に優れております。
米の香りも結構強いですが、嫌味にならずに一体化しております。
個性を出しつつバランスに長けた美味しいシャリです。
とは言え、試行錯誤されているそうなので、将来進化しているかもしれません。

なお、使用されている山葵も質が高く、静岡産の極太サイズ。
ガリも辛味を出した鋭い味付けで、その味付け故に途中で出されます。
この度の訪問時には縞鯵と帆立の間に出てきました。

蒸し鮑
函館産。包丁を入れた時に立ち込める香りこそ、鮑の魅力。
まさしく馥郁たる香りが鼻孔をくすぐり、食感を官能的に高められる。
火入れは絶妙で柔らかく、一口かじれば濃厚なゼラチン質と旨味に舌が惑わされる。
身に秘めた微かな苦みが美味しく、逆に肝は爽やかな味わい。

蝦夷バフン雲丹
利尻産。一粒が巨大で、香り、食感ともに申し分ない。
粒がしっかりと存在を主張し、舌を愛撫するように旨味がとろける。

真子鰈
函館産。面白い事に、肝ポン酢で頂く。
身はプリプリで甘みが走り、ポン酢の程よい酸味も上品。
肝を爽やかに食わす仕事。

ゴマサバ
淡路産。藁で炙り焼き。
皮下脂肪がもの凄く、今の時期の「鯖」として非常に魅力的。
とろっと脂が滲み、浅葱と生姜の使い方も抑制されており爽やか。

ツブ貝
肝ソース。食感、香りが非常に強く、余韻が長い。

キンキ味噌
兜の肉や骨まで使用した味噌。
塩分が控えめなのにお酒を進ませる、上品な酒肴。
甘みと香りがたっぷりで、かすなか骨の食感が気持ち良い。

キンキ焼物
皮はパリパリで。身はジューシー。
申し分ない火入れ。

この後、握りに移行します。

烏賊
鹿の子切り。ねっとりとした食感、甘みが非常に深い。

甘鯛
旨味が極めて強く、酢橘の使い方も巧い。


比較的珍しい、酢〆(≠酢洗い)。
酸味が香りと甘みを強調する、良い仕事。

トキシラズ
頂いて、その脂の質に驚く。
聞くところによると、3kgほどの魚体で、ほぼ鮭児との事。
皮目を軽く炙っているところにセンスを感じ、昆布で軽く〆ているところも白眉。
香り、甘み、食感の全てが揃った仕事。

縞鰺
10日熟成。口当たりが良く、香りも十分。

帆立海苔挟み
稚内産、海苔は愛知の青飛。

鮪トロ
三厩産。まろやかなコクがあり、香りよりも旨味が鮮烈な印象。
丁寧にタネの温度を戻されており、旨味の伝達、口どけに奏功。

北寄貝
炙り加減が非常に良い。腹まで届くような香りで、甘みも深い。

ホッカイシマエビ
かなりの上モノが入ったので生で、との事。

ブドウエビ
白眉。氷温熟成3日を経て、海老味噌で漬け込んだ卵と食す。
深い緑色の卵は見た目にも美しく、味わい的にはほぼ完璧。
「海老の新たな仕事」とも言える鮮烈な一貫。


じゅんさいを使用しており面白い。
出汁はやや強めの鰹で、積丹産の岩海苔が香しい。

穴子
神奈川産(小柴?)。煮ツメはさっぱり。

伊達巻き
甘エビを使用。

素材のクオリティのみならず感動的な仕事が多く、満足の一言です。
鮨店では珍しく日本酒が進んでしまい、計三合。
(二世古・純吟・彗星、大信州・純吟、山法師・純米大吟醸)
申し分ない食事となりましたが、お会計は22,150円。
お会計は22,150円となり、少々お値段が張る印象ですが、
北海道で頂いた鮨の中では一番美味しく、
他の料理店と比べても訪問する価値があると感じました。

本記事は下記のブログをベースに投稿しております。
すしログ:https://sushi-blog.com/

2021/05/03 更新

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