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2025/12 訪問
夜を焦がす肉の芸術、厚切り牛タンと仙台牛が織りなす至高の食卓と圧倒的コストパフォーマンス！
2025/12/12 更新
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前から気になっていたたん助についにいきました。。
メディアでも度々取り上げられ、その名を聞けば多くの人が「あの厚切りタンの」と反応するほどの知名度を誇りますが、実際にこの場所で過ごした時間は、単なる有名店への訪問という枠を大きく超えるものでした。
今回は、同店が誇る「仙台黒毛和牛堪能コース」を目当てに、肉好きの友人を誘って暖簾をくぐりました。
乾杯と共に運ばれてきたのは前菜として「白菜生キムチ」と「牛タンに合うネギナムル」、そして「オニスラピクルス」が運ばれてきました。特にこのネギナムルは、後に続く脂の饗宴を受け止めるための重要なパートナーであり、シャキシャキとした食感と絶妙な塩加減が、これからはじまる宴への期待を心地よく高めてくれます。
間もなくしてテーブルの主役の一つである「牛タン6種盛り合わせ」が登場しました。大皿に美しく並べられたその光景は壮観の一言です。厚切りたん、上タン塩の黒と白、そして仙台牛タンに厚切り仙台牛タン、さらには味噌漬けにされたタンサガリまで、部位や味付けの異なるタンが一堂に会する様は、まさにタンの博物館。店員さんが一枚一枚網に乗せ、それぞれの食感や香りの違いを確かめるように味わう時間は、肉好きにとってこの上ない喜びです。特に仙台牛タンの滑らかな脂の口溶けは格別で、噛むほどに溢れ出す甘い肉汁に、私たちが普段食べているタンとは一線を画すクオリティを見せつけられました。
コースに含まれる「選べる焼き物」では、私たちは迷った末に「特選ハラミ」と「仙台黒毛和牛上赤身」を選択しました。濃厚な赤身の旨味が凝縮されたハラミは、噛み応えがありながらも決して硬くなく、溢れる肉汁が口内を満たします。仙台黒毛和牛の上赤身はもはやバターが塗られているのではないかと思うくらい濃厚でした！
そして、場の空気が一変したのは「究極の一本たん」が運ばれてきた瞬間でした。丸二日間、店内でじっくりと熟成されたそのタンは、圧倒的な厚みを誇りながらも、熟練のスタッフの手によって丁寧に焼き上げられることで、驚くほど繊細な食感へと昇華します。表面はカリッと香ばしく、中心はレアな輝きを残したピンク色。口に含むと、サクッという心地よい歯切れの良さと共に、熟成によって凝縮された旨味が奔流となって押し寄せました。
感動はここで終わりません。このプランの真骨頂である仙台黒毛和牛の「ヒレ」と「焼きユッケ」が控えていたからです。赤身の極致であるヒレは、箸で切れるほどの柔らかさを持ち、上品な肉の香りが鼻腔をくすぐります。そして何より心を奪われたのが、焼きユッケです。さっと炙って香ばしさを纏わせた仙台黒毛和牛を、「濃い黄身ダレ」と名付けられた濃厚な卵黄にたっぷりと絡め、炊きたての「焼肉専用米」に乗せていただくスタイル。卵のコクと和牛の脂が白米の上で混ざり合う様は、まさに官能的であり、口の中でとろけるその食感は理性を揺さぶる破壊力を持っていました。
コースが終盤に差し掛かると、いよいよ「暴食時間（グラトニータイム）」の幕開けです。わずか15分という限られた刻の中で、まだ胃袋に余裕がある者だけが許される、まさに大人の遊戯。私たちは作戦会議をする間もなく、鮮度抜群の「新鮮ホルモン」や、刺し身で味わえる「肉刺し」をオーダーしました。制限時間があるからこそ生まれる高揚感、そして次々と焼き上がる肉を頬張る背徳感。胃袋の限界に挑むこの時間は、単なる食事を超えたエンターテインメントとして記憶に深く刻まれました。
祭りの後の静寂を楽しむように、〆の「ひとくち すだち冷麺」を啜ります。黄金色のスープに浮かぶすだちの輪切りが涼やかで、一口すすると、爽やかな酸味が脂で満たされた味蕾をリセットし、完璧なフィナーレを演出してくれました。デザートには滑らかなレアチーズムースを選び、コース全体を通しての構成力の高さを改めて実感します。
目黒という土地で、これほどのクオリティとエンターテインメント性を兼ね備えたコースに出逢えたことは、食のプロとしても嬉しい誤算でした。質の高い仙台牛と極上のタンを心ゆくまで堪能し、暴食という非日常に身を投じる。そんな贅沢な夜を求めて、私はまたこの扉を叩くことになるでしょう。