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付出と八寸
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八寸
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蟹しんじょのお椀
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お刺し身
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鰤塩麹
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おろした能登娘大根に酢橘を搾るとあら不思議、紫がピンクに!
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鴨治部煮
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ズワイガニの昆布舟
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三宝柑、帆立、小鯛、酢味噌の酢の物
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加賀野菜のおこわ
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立っているのはお麸を揚げたもの
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干菓子
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せっかくなので犀川沿いを少し散歩して出かけようと思っていたが、当日は生憎の雪。ようやく店に着く頃にはすっかり体が冷えてしまった。
正面の硝子戸に近づくと、お店の方がさっと戸をあけて挨拶をしてくださる。大きな玄関は暖かく、そこに入るだけでほっとした。
長い廊下の奥へと案内される。日曜日の昼過ぎというのに、親戚の集まりでもしているのか、どの座敷からも笑い声がこぼれてくる。
お座敷は8畳だが控室もある、立派な作り。硝子戸の外からはまだ雪が降りしきっているのが見える。
さて、お料理であるが、お昼の1万円のコースの内容は以下のとおり。
付出:車海老の昆布締め、カラスミまぶし
八寸:ゴリ、松風、せんな、イクラ、栗茶巾、空豆、鰯
吸物:蟹しんじょ
刺身:ヒラメ、甘海老、サヨリ、マグロ
焼物:鰤塩麹
煮物:鴨治部煮
一品:ズワイガニの昆布舟
酢物:三宝柑、帆立、小鯛、酢味噌
留:加賀野菜のおこわ
果物:クリームプリンとフルーツ
干菓子、抹茶
付出は、昆布で締めた車海老にカラスミが満遍なくまぶしてある。外は雪だが、菜の花が、ここでも春が近いことを教えてくれる。
八寸は、いずれも上品ながら、それぞれに違った味わいを楽しめて、まさに「楽しい」。器は漆器のように見えるが、実は焼き物だった。
上品な味つけがいよいよ本領を発揮するのが、蟹しんじょのお椀。薄〜くスライスされた野菜も、出汁も、すべてなんとも言えない上品さで、旨味が体にしみじみとしみ込んでいく。思わず、これこれ、この味を待っていたんだよと唸る。しんじょは、淡雪のごとく軽く、口の中でほろりと融けてゆく。
お刺し身も、当然ながら良いものばかり使っている。とろけるように甘い甘海老。ヒラメは少しコリコリと歯ごたえが良く、サヨリは美しく輝き、マグロはごく上品な脂加減。
塩麹につけた鰤は、醤油なしでそのままでちょうどよい。大根おろしが紫色なのは、能登娘大根という品種だからだそうだ。そしてこの大根に酢橘を搾ると、なんと一瞬にしてピンク色にと変化する。舌だけでなく、目でも楽しめる、工夫のある焼き物。
煮物はオーソドックスな鴨の治部煮だが、鴨肉は火が完全に入る寸前で止めてあり、とろみもくどくないのが料亭ならでは。
そろそろ食事かなと思っていると、ここで立派なズワイガニの脚が入った、昆布舟が登場。三杯酢で食べるのもいいけれど、このぐらいの薄味の方が、せっかくの蟹の味が生きるというもの。もちろん出汁もおいしくいただく。
三宝柑に盛りつけられた酢の物は、これもいいお味だったが、小鯛が全体をぴしっと締めてくれた。
かなりお腹が一杯になったところで、留めには竹皮で包まれたおこわが登場。おこわ自体もおいしいのだが、一緒に蒸された加賀野菜が素晴らしい。蓮根はまったく泥臭さがなく、五郎島金時というサツマイモは、見た目こそしろっぽいのだが、信じられないほど濃厚な甘味。これでもう少しお腹に余裕があったら、ぜひともお代わりを所望したいほどだった。味噌汁の岩海苔もいい香りだ。
デザートにはまずはフルーツを載せたクリームプリン。これまでの料理はいずれもごくあっさりしていたのに、このプリンは実に濃厚。甘い果物に負けない力があった。揚げた麸を添えてあるところが、金沢らしさの演出なのだろう。
そして、干菓子と抹茶。この辺のお寺では、紋を入れた焼菓子を配るそうで、つば甚では、つばの焼き印を入れたものを出しているのだとか。お腹はいっぱいだが、軽〜いお菓子はするりと入ってしまった。
給仕してくれたのは、学校を出たてのようなまだ若い方。料理の内容について質問すると即答できないような場面もあったが、それでもとても一生懸命なのがよくわかって、気持ちよかった。そして最初から最後までこれだけしっかり給仕をしてくれたのに、サービス料はなし! 二人なのにゆったりとお座敷を使わせてもらって、この料理をいただいて、税サ込み1万円。これはかなりのお値打ち。
途中一度挨拶に来た女将さんの話では、なんと私たちが今回通された部屋は、その昔、松尾芭蕉が泊まった部屋なのだそうな。その頃はもっとお城に近い場所にあって、それを後から移築したのだそうだが、それにしてもまさかそんな由緒ある部屋とは... 天井が比較的高いのにそんなに古い建物には見えなかったのだが、当時としてはかなり豪勢な造りだったらしい。
いやいや、とても贅沢な時間を過ごさせていただきました。次に金沢に来るときにも必ず、そして今度は夜ゆっくりと訪れたい。そんなことを思いながらお店を後にすると、給仕をしてくれた方に加えてもう一人別の係の方も通りまで出て来て、文字どおり姿が見えなくなるまで見送ってくれた。本当に心に残る、素晴らしいお店だったなぁ。こういうお店が普通に残っていて、それを贔屓にする人々がいる。やはり金沢は、成熟した大人の町なのだと思う。