自分の息子には、横浜に学生として送り出すのは、キャンパスで勉強するだけではなく、東京・横浜という日本の中心であらゆるものに触れてこい。という親の願いが込められていたのだが、そうした息子の生活もひとまず終了となった。私は母方の実家が昔、世田谷にあり、自身も東京の大学にいたので、自分が感じた感覚を是非息子にも感じてほしかったのだと思う。
地方から東京・横浜を「食」の文化でみると、うらやましいくらい豊かで多岐にわたっている。その大きな特徴は、個人店が元気で生き残り、個性という光を発していることだと思う。地方は駐車場とか利便性、インフラ重視の展開にどうしても資本系の大手の出店ラッシュにあって、個人店が悲鳴をあげているように感じるのだが、東京・横浜は個人店が実に元気で逆に資本系の店が競合の末に店を閉じる姿をたびたび見たような気がする。その一番の理由は駐車場がなかろうと路地のせまい店であろうと、お客の支持に支えられている店が本当に多いことで、バイト君がオペレーターで作るようなマニュアルの代物がすぐに飽きられるほど、食の見極めができていることではないかと感じるのだ。人気のある店には活気と笑顔が存在する。できれば地方であっても、再びそういう実直なものに光があたるような時代になってほしいものだ。