芸術学校の仲間が集まった集団だった。
まあ、よくある成功物語の始まり。
全員が楽譜を理解し、楽器に堪能な5人が集まった。
そのときライブハウスでの演奏からスカウトされたのが、彼らの音楽人生の始まりだった。
イギリスの名門レーベルDeccaから発表された「創世記(from genesis to reveration)」はメリハリの乏しいフォークに影響された曲の集合体だった。
それでも、はっとする瞬間ははあった。
「ボクは悪いことを「Am I Very Wrong?」」は好きな曲だ。
次にCharismaレーベルから発表のアルバムには驚いた。
Charismaレーベルは、当時イギリスの売れそうで売れないようなマイナータレントを抱えた新興会社だった。
イギリスのフォーク、トラッドからと、今では興味深いタレントを抱えた。
当初の芸術学校な仲間が数人入れ替わっていた。
「Trespass(侵入)」はトニーバンクスの流麗なキーボードが全体に支配する、穏やかなアルバムだった。
盛り上がりが絶妙の「Looking for Someone」から始まり、攻撃的な曲調の「Knife」で〆た。
このアルバムは、単にその2曲で持っていた。
この時点で、芸術学校の仲間で才能あふれるAnthony Philippsが去っていた。
次の「Nursley Cryme(怪奇骨董音楽箱)」で劇的に変わった。
「怪奇骨董音楽箱」と題された1曲目の曲は、この集合体がただならぬものを感じることだろう。
穏やかに始まり、転調を繰り返してドラマティックに大団円を迎えた。
「Giant Hogweed」は最初から盛り上がり、最後まで持続した。
この2曲では、ボクにはこのバンドの音楽的に黄金時代を支えたSteveHakket、Phill Collinsが素晴らしいそれぞれに素晴らしいギター、ドラムスの演奏を提供してくれた。
当時はようやくライブ活動も順調のようで、小さいながらも観客を集客できるようになっていたようだ。
プログレッシブ・ロックと言うジャンルがロックにはある。
要するに「前衛的なロック」ということだ。
しかし、この表現にはボクは賛同しない。
なぜなら、今では別として、当時はロックは常に「進化」していたからだ。
「クラシカル・ロック」、「アート・ロック」ではかなり語弊があるだろうが、当時のポプラー音楽のジャンル分けとしては興味深いとは思う。
「FOXTROT」で、劇的に曲は進化した。
まだライブハウスクラスのステージだったようだが、音楽評論家という職業の人たちには評判が良かったようだ。
Watcher Of the Sky」、「Get’em Out by Friday」。
そして何よりも、「Supper's Ready」に顕著だった。
当時のライブではオハコだった曲のようで、内容的にも寓話的、そしてストーリー性を感じた。
長尺の曲であっても、聴かせてくれる歌がそこにはあった。
そして、ドラマティックな曲の構成なのだった。
今では繰り返し聴くに堪えうる「名盤」となった。
当時、高校生のボクの周りは、クイーン、キッスが主流だった。
ドラマティックで心をつかむ曲だったとはいえ、興味をもつ生徒たちは皆無だった。
まあ、サバス、ヒープは「ヘビー・ロック」と慕っているものは稀にいたことにはいたのだが・・・
「イギリスをポンドで売ります!」
そんな衝撃的なタイトルとは裏腹に、穏やかなアルバムが登場した。
「Selling England by the Pound」・・・
日本では「月影の騎士」と題されたアルバムは、「LIVE」を挟んでの発表となった。
当時の英国は、財政的にかなり困窮して行き詰っていた。
愛する母国を、そんなアイロニーとしたタイトルにしたのだと思う。
学生の頃、イギリスの食事はまずい!
留学した仲間から、そんなことをよく聞いたものだった。
このアルバムには「Firth Of Fifth」、そしてあまりにも素晴らしい「Chinema Show」があった。
そして、その間を縫って、今!の彼らに相応しい曲が収められていた。
このアルバムは、今でもGenesis好事家からは慕われる一枚なのだ。
ボクもこのアルバムは、今でも愛聴している。
穏やかでありながらも、ドラマティックに展開する曲が集まり、アルバムとしては整っている。
ポピュラーミュージックを芸術に引き上げているのは、さきの「Foxtrot」同様だろう。
PETER Gabiel最後のアルバムは舞台をアメリカへと変えた。
「The Lamb Lies Down 0n Broadway(幻惑のブロードウェイ)」
Hipgnosisと言うイギリスの有名なアート集団(実際にはひとり!)の、超現実的なモノクロジャケに包まれた。
物語は不良少年、ラェルの自分探しの旅だった。
探していた相手の顔を見ると、それは「自分」と言う物語だ。
そこに「メビウスの輪」の展開を感じた。
曲、そして物語はかなり難解で、映画化も検討されたようだが、頓挫したようだった。
これも、彼らのクールな香りのする代表作だった。
高校、偶然に彼らの「幻惑のブロードウェイ」を手にした。
レコードに針を落とすと、なんだか分からない曲が、めまぐるしく流れた。
それからパズルを解く旅が始まった。
あれから、40年が経つ。
今でも、彼らのパズルに悪戦苦闘して楽しむ、そんな自分がいる。