淡く優しい輪郭。
そして背中から伝わる、生きることへの力強さを感じた。
ある日一通のメッセージが、送信されていた。
『総合水墨画展・タイトル「家路」で、「作家部門ユーキャン協賛特別賞」をいただきましたので、8月4日(木)の授賞式に参加する予定で作品の表彰があるので…』
その後に一緒に鑑賞、会食しましょう、というものだった。
慣れない六本木へと、代々木駅から向かった。
そして地図と住所を頼りに、なんとか目的地へと着いた。
会場では催しものごとに、ブロック分けされていた。
待合せ場所が分からないから、ボクはスマフォの電話から今日の主役へと電話を入れた。
彼女は古くからの、馴染みのレビュアーさんだった。
絵画、それも水墨画を趣味とされ、何度も入賞していた。
2年ほど前もお誘いがあったのだが、どうしても都合がつかず会えなかった。
お互いに軽い会釈を交わし、早速作品を鑑賞させていただいた。
作品には淡い輪郭からは優しい印象と、背中から伝わる、生きることの逞(たくま)しさ感じた。
そこには22年前に亡くなった、ボクの祖母と重なった。
彼女は秋苑というペンネームで、やはり水墨画を趣味とした。
朱色をアクセントに、墨の濃淡を自在に使う作品に、幼いながら感動したものだった。
その日ボクは1時間しか都合がつかず、残念ながら美術館を後にした。
また、必ず会うことを約束して…
六本木、国立新美術館で水墨画を鑑賞した、ある日のことだった。