レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!
1位
1回
2014/06訪問 2014/07/01
リストランテ カシーナ カナミッラが、大好きだった。
窓から臨む、目黒川が好きだった。
この辺りの目黒川は、幅員が狭い。
1kmといかないうちに、川は怪獣と化した。
優しさから、一瞬にして仁王さまとなる。
そんなギャップが、この川の魔性に惹き付けられた。
一人のソムリエがリストランテ カシーナ カナミッラから動いた。
ほんの小さな出来事だった。
…★…☆…★…☆…★…☆…★…
どしゃ降りの日だった。
映画を観てボクは時間を潰し、予約の時間がくるのを待った。
階段を降りたら、あの人が笑顔で迎えてくれた。
彼の名は、ソムリエの辻さん。
ボクにイタリアンの、懐の深さを教えてくれた。
久しぶりの再会と、お互いの近況を話した。
口開けの客だったから、他にお客はいなかった。
辻さんの知人から仕入れたと言う、赤ワインを薦めてくれた。
テースティングしてみると、とても飲み口がよい…
それでいて程よい、余韻を残した。
本日の芝居の開幕だ!
Menu Corto
料理
①Inizio
マントヴァーノサラミ
カリフラワームース…
薄くスライスされたサラミに…
カリフラワーを、裏ごしして添えられた。
②Antipasto
鱧の落とし
茄子のソテーと共に…
あっさりして、得てして調理が難しい鱧…
これに、しっかりとソテーされた茄子
組み合わせとしては、なかなか斬新だと思う。
③Primo Piatto
カペツリーニ フルーツトマトと林檎…
甘味の強いトマトに、酸味のある林檎がかなり主張した。
好みが分かれるところかも知れない。
④Specialita
ラヴィオリ…
冬のラビエラ…
もっちりした感触と味わいが、口福のひととき、、、
味わいは、いたって「そつがない」。
⑤Carne
津南ポークの低温ローストグリーンソース…
ここで、本日の大団円となった!
重みを感じる素材を、調理でさらっと仕上げた。
まさに、匠を感じた。
⑥Dessert
アールグレイのフルーツコンポート…
⑦Piccola Pasticceria
小菓子
⑧Caffe o Te
食後のお飲物…
エスプレッソで、今をリセットした。
※実はラッセの食後のデザートは、メイン以上に力が入っている。
どのスィーツも、最後に向かうストーリーに、華をさかせているかのようだった。
素晴らしい料理の数々に、物語の「起承転結」を感じた。
料理の前に、人がいた。
ボクは料理の前に、人の温もりを大切にしたい・・・そう思った。
最高の接客を、ありがとう♪
辻ソムリエ、またお会いしましょう。
そして、シェフ、とても美味しい料理をありがとうございます♪
…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…
外に出ると、雨はさらに強く…
痛いくらいに、ボクの顔を打った!
降りしきる雨に、何故か紫陽花を重ねた。
2位
1回
2014/02訪問 2014/03/08
そして、その日を祝った…
……☆…★…☆…★…☆
この寒い日に、植物園に行こうとボクは提案した。
近くまでいったが、結局、寒さに負けて、蕎麦を啜っただけだった。
花の時期には、ちょっと早いね…
そう言い訳すると、キミはただ、笑顔を見せた。
……★…☆…★…☆…★
アロマフレスカと言うレストランで、ふたりは働いていたそうだ。
オーナーシェフは、齢(よわい)35歳…
ホールを受持つ女性は、33歳と若い。
東横線中目黒駅から山手通りを、池尻大橋方面に歩いた。
東山1丁目信号を右手に折れ、目黒川を渡った。
目印となるキンケロ劇場の、一本反対のビルの2階にあった。
口開けの6時半、女性店員に迎えられて、ボクらは店内に入った。
その時点では客は・・・いない。
入り口正面はが調理場だが、ロの字型になったスペースから、かろうじて中の様子が窺えた。
入り口左手が客席となっていて、カウンターのみ13席のスペースはL字になっている。
そして、どの席からも、窓から見える景色を見ながら、食事を楽しむことになる。
残念だったのは、外の景色が、個人の住宅しか見えなかったことだ。
入り口から離れた一番奥のテーブルを促され、ボクらは腰を下ろした。
テーブルには、仄(ほの)かに輝くキャンドルが灯されていて気持ちが和んだ。
女性店員の料理の説明が、おまじないのように耳を通り抜ける。
料理は、どれもが上品で、どれもが感動を覚える味だった。
気がつくと、13席あるカウンターは全てが埋まっていた。
そして、皆想い想いの愛を語り合っているかのようだ。
少なくとも、そのときボクは…そう思った。
マジックにかかったような3時間の一時は…
一瞬にして、過ぎ去っていった。
今日は、キミのバースデー!
この一時を、楽しんでくれただろうか?
少なくとも、ボクはこの日…
おめでとうを、形にしたかった。
…★…☆…★…☆…
青空のように♪
ひとつの星が生まれ、そして消える。
それは美しくもあり、儚(はかな)くもあった。
生まれては消え、そして、また生まれる。
青空のように♪
昭和から、平成を駆け抜けたポップス界の巨匠が…
2013年12月31日、この世を去った。
大滝詠一
ナゼか、この日、この唄がボクの頭の中で響いていた。
3位
1回
2014/10訪問 2014/11/01
友人宅に呼ばれたら、イタリアンでパーティー…そんな家庭的雰囲気があった♪
(2014年10月再訪)
金曜夜9時に予約した。
そんな遅めの時間にもかかわらず、狭い店内は満席だった。
再訪となる今回は、下記の料理にした。
○ヴェネツィア・ギリア
スッキリとして、飲み口が良い。
渋みはほとんどなく、料理に合わせやすい。
○ナスのカポナータ
かなり油をすっている。
素材の旨みを楽しむことが出来る。
味付けは、控えめだ。
○牛ハツのロースト
弾力がしっかりとしている。
噛むと、歯を弾くほど。
牛の豊潤な味わいを、堪能できる。
○ミートソース
モッチリ、シコシコしていて、パスタの歯ごたえを楽しめた。
ミートソースといっても、かなりアッサリとした味わい。
その味に、和を感じてしまった。
挽肉は贅沢に使われていて、パスタの印象を引き立てた。
オーナーシェフの鈴木さんは、一人忙しく店を切り盛りした。
寡黙だが、程よい接客は心地よかった。
店内を見渡すと、一面に「豚」オブジェが飾られた。
10時半を回っていたが、活気に、満ち溢れていた。
また、来たくなる、そんな一軒家レストランなのだった。
(2014年9月初訪)
JR目黒駅を等々力方面に向かって、権之助坂を下った。
東急バス、三軒茶屋行きの通り直進すると、元競馬場のバス停がある。
宮川 目黒店を曲がったところに、まさにひっそりと…
手打ちそば ゆふ徳の並びにあった。
6時をほんのちょっとばかり廻った頃に、入店した。
入口そばのカウンターでは、既に若い男女が会話と料理を楽しんでいた。
店内は、なんともこじんまりとしていて、カウンターのみ12席のスペースだ。
コの字型カウンターは、一面は壁向き、一面は調理場、そして、もう一面は窓越しに景色を見る形となった。
ボクは、女性シェフに促されるままに、調理場に面したカウンター隅へと腰を下ろした。
両手いっぱいの荷物は、カゴに入れた。
まず手頃な赤ワインを、店主のおススメでお願いした。
ひとりだから調理に時間がかかるからと、「注文は全部最初」でとお願いされた。
料理は壁一面の黒板いっぱいに、書かれている。
調理と料理の提供は、すべてオーナーシェフである鈴木氏がしていた。
「今まで、従業員がいたんですよ。辞めてしまって、一人なんです」
黒板メニューは、その日仕入れたものと、定番料理とを組み合わせてある。
かなり料理の種類があるので、調理はごまかしは利かない。
前菜、パスタ、メインとをシェフの意見を参考に、本日の料理とした。
・サバのマリネ
魚は必ず、シェフ自ら築地に出向き、納得したものを仕入れるそう。
身の中がピンクでしょっ?とシェフが言うとおり、美しい身だった。
そして、鯖特有の生臭さはなく、アッサリとした味がサバのタマゴになじんだ。
・トリッパの煮込み
蜂の巣状の良質のホルモンが、味わい深スープに馴染む。
赤ワインとの相性が、非常に良い。
・カラスミのパスタ
ボリュームは3人でシェアできる。
500グラムはあるだろうか…
濃厚なコクと苦みあるカラスミか、モチモチのパスタにまとわりついてアッという間になくなってしまった。
・鴨胸肉
ぶ厚い胸肉を丸々一枚使った、自慢の逸品だ。
噛み締めると、歯を押し返すような弾力があった。
そして、咀嚼を繰返すごとに、鴨肉の旨みが口いっぱいに広がる。
・バゲット
サービスのバゲットは、シェフお気に入りの田園調布ベーカリーからのもの。
どの料理とも組み合わせが利く、ニュートラルな味だった。
店名はイタリア語で「酒場」を意味し、暖かくもてなす「ご飯ができたよ♪」の、ダブルミーニングのようだった。
入店から、1時間ばかりオーナーシェフ鈴木氏と、楽しく会話をした。
ア・モーレとラゴーラで10年ほどイタリアンを勉強。
その後、4年近くイタリアを廻って、腕を磨いたようだった。
料理を作ることが、好きで好きで仕方がないという鈴木美樹シェフは…
表情こそ豊かではないが、非常に魅力ある女性だった。
「雨の日も、大雪の時でも、いつも私は等々力から自転車なんです。」
そのとき初めて、笑顔を見せてくれたような気がした。
まさに、職人気質…そういう表現がぴったりの、鈴木シェフだった。
「写真を撮らせるのは、初めてかも!」
外から取ることを前提に、記念の1枚を残した。
帰る9時頃には、年齢、性別に関係なく大盛況だった。
鈴木シェフは、頭を深々と下げてボクを見送ってくれた。
ご馳走さま♪
4位
1回
2014/07訪問 2014/08/14
雨は、次第に強くなってきた。
そう、アノときもまさに、そうだった。
キミはボクに、傘を翳(かざ)した。
…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…
今日は陽射しは強く、とても暑い日だった。
全く苦にはならなかった。
これから始まる楽しい芝居を、キミが招待してくれたからね。
3時間半に及ぶ喜劇に、人間の悲哀を重ねたよ。
腹を抱えて笑うのは、現実的な逃避なのかな?
実際には芝居よりも、キミの横顔ばかりを見ていたんだ。
芝居が終わって、そそくさと劇場をあとにして、地下鉄に乗ったね。
目的地につく頃には、雨は本降りになっていたのを覚えているかい?
ちょっとばかり道に迷ったけど、なんとかたどり着いたんだった。
歓喜の扉が、ボクらを待ちわびているかのようにも思えたよ。
店内に入ると、美しいマダムがボクらを迎え入れてくれた。
オープンキッチンには、男前のご主人が流麗に仕事をこなしていた。
狭い、家庭的な雰囲気の店内には、2組のお客がすでに料理を楽しんでいた。
促されるがままに、窓ぎわの席に座って荷物を下ろした。
最初からお薦め料理をお願いし、飲み物は手頃な赤ワインを…
飲まないキミは、ソフトドリンクにした。
ワインは常温がより味を楽しめるようだったが、クーラーに入れて貰った。
「ふたり、また逢えた今日に…乾杯♪」
スッキリした味わいのワインだった。
飲み口はいいから、今日は一本にしておこう。
キミは濃厚で、深みあるジュースだと言っていた。
ボクより、ちょとばかり若いマダムの接客は過不足なかった。
ボクが求めることには、満足いくサービスを与えてくれる。
途中ボクは、今回の料理の説明を求めた。
提供の都度、説明してくれる姿勢に…
マダム…ご主人への信頼を感じた。
これが、こちらの全てなんだろうな。
窓を見ると、あれだけ降った雨は切れてくれていた。
帰りぎわ、マダムは丁寧なメモをくれた。
本日の料理の説明だった。
…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…
目黒川が見たいと、キミは言ったね♪
そこから観える風景のこと…
いつも、おんなじことを、ボクは話したよね、
そんな、今日のキミは…12時で終わるシンデレラ♪
お休みなさい、一日頑張ったキミへ♡
(いつものボクの妄想科学小説にお付き合いいただき、ありがとうございます♤)
5位
1回
2014/04訪問 2014/04/27
桜の日の、想い出♪(そして、愛していると・・・ボクにだけは言っておくれ!)
昼は千鳥ヶ淵で、ボートを漕いだ。
その日の天候は不安定だったが、花見にはうってつけの陽気だった。
存分に花見を楽しんでから、英国産のちょっとばかり酸味のきいた映画を観た。
幼少の頃から、その体型からいじめを受けていた男性のオペラ歌手として成功の道のりだった。
物語を自分に重ねてしまい、久し振りに目頭が熱くなった。
そんな日を過ごせた一日は、穏やかに陽が降り注いだにもかかわらず…
陽が沈む頃には、急な夕立があった。
天候とは違って、ボクの気持ちはあくまで穏やかだった。
一日の締め括りを、予めに決めていた。
ジビエ料理が有名な一店のようだったが…
初めて使うので、お任せのコースにした。
雨がかなり降っていたから、タクシーを拾った。
場所は把握していなかったが、JR 恵比寿と日比谷線広尾の中間のようだ。
タクシーを降り、2階のお店へと繋がる外階段を傘をさしながら登った。
扉を開けて店内に入ると、すぐのカウンター越しに…
店員さんが、ちょうど調理をしている最中だ。
接客は女性が、ご主人と若い方が調理を受け持っている。
どうやらご夫婦で経営される、店のようだった。
手頃な赤ワインをボトルで、連れは烏龍茶を頼んで、料理を待った。
ワインは苦味こそ少かったが、そのときの気持ちに相応しい優しく滑らかな味わいだった。
提供された料理は、こちらの十八番ジビエはなかった。
しかし、名店にある「物語」を感じた。
お任せの料理は、以下の通りだった。
・サクラマスのエスカベッシュ
・野菜のテリーヌと魚介とアボカドのタルタル仕立て
・生うにとボタン海老のカッペリーニ
・トラフグ白子のムニエル、フランス産ホワイトアスパラふきのとうフリット
・のどぐろのアクアパッツア
・熊本あか牛サーロインステーキ・モンブランシャラン鴨ロースト
どの料理にもメリハリがあった。
そして、メインの一皿にたどりついて、最後のカプチーノで幕を閉じた。
最後に、ご主人、奥さまが、笑顔で送ってくれた。
タクシーを拾い、中目黒に向かった。
そして目黒川の桜の花は互いに、美を競いあっていた♪
6位
1回
2014/11訪問 2015/06/05
穏やかで、晩秋を肌で感じることができる。
そんな一日になった。
京急久里浜駅の構内を出て、JRの電車へと乗り換えた。
鎌倉へと向かう、午後の昼下がりだった。
鎌倉へは、4時近くにホームを降りた。
帰りの観光客で、JRのホームはごった返していた。
今日は時期はずれだったが、ボクの織姫と逢う日だった。
陽射しはまだ明るいが、すでに太陽は力尽きて眠たそうに沈もうとしている。
織姫に逢うまでに、30分はかかっただろうか…
でも、ボクの顔を見ると、車の中で満面の笑みを振り注いでくれた。
ボクらは車を駐車場に停め、しばらく、あてもなく歩いた。
今日は、ボクとキミとのアニバーサリーでもあった。
そんなボクから、キミに「素敵な空間」をプレゼントをしよう。
鎌倉駅からは、しばらく歩いた。
八幡さまの道を脇に抜けて、細い道に入った。
店内の仄かな明かりだけが、レストランであることの主張をしているようだった。
名前を告げ、ボクらは3つあったテーブルの、真ん中の席に腰を下ろした。
メニューを貰い、適当なコースに決めた。
それから、料理をソムリエと相談の上、組み合わせていった。
コチラは、若いご夫婦がフランスの料理をたのしませてくれた。
ソムリエであり可愛らしい鎌倉育ちの奥さまは、まだ39歳の若さだった。
笑顔を絶やさず、この店の雰囲気の全てを醸し出しているようだ。
シェフであるご主人は、まだ35歳。
あどけない顔立ちだったが、仕事ぶりさ凛々しく感じた。
彼はフランス人で、オーナーソムリエとはフランスで知り合ったご夫婦のようだ。
料理は流れるように、穏やかに進んだ。
選択した本日のコース
前菜、メイン(その日の魚または、肉)、デザート
料理の下地として、手頃な赤ワインにした。
(前菜)
①豚のテリーヌドカンパーニュオニオンコンフィ
よくある鶏肉のテリーヌの食感、味わいとは違った。
バターナイフですくったが、ポロポロとこぼれた。
バターナイフで掬(すく)い、パゲットに塗って口に運ぶ。
クドくなく、旨すぎで赤ワインが進んだ。
②ジャガイモのあたたかいヴィシソワーズスープ、トリュフの香り
口にした時のザラつきはなく、滑らかに喉ごしを通った。
クドさはないが、深みあるスープだった。
(メイン)
①ジビエ うずらのローストフランス山木のこのソース仕立て
野生肉ではあったが、うずら自体サッパリした肉。
仕上がりは、脂を沢山敷いてのローストなのだろうか…
パリパリとした食感。
そして、パサついてはいるものの、タンパクなうずら肉を楽しんだ。
②牛頬肉のシードルじっくり煮込み
柔らかい。口にすると柔かな肉は、口の中でホロホロと崩れ、そして溶けた!
デザート
①旬の洋梨キャラメルコンポート
キャラメルのクドさを全く感じない、サッパリとした味わいだった。
今日の料理をリセットするには、充分なデザート。
②クリームブリュレフランベ リンゴのブランデーをつけたもの
生クリームと層になった皮が相反するデザート。
濃厚な味わいには違いないが、リンゴの酸味と生クリームの濃厚な味を楽しめた。
会計を済ませ、ボクらは外に出た。
ソムリエとシェフとが笑顔を見せ、深々と挨拶をしてくれた。
…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…
一歩外に出たら、キミは天空へと舞い戻っていった。
ボクが手を差し伸ばしても、それは虚しい想いにしか過ぎなかった。
今日は晴れてくれた。
そして、ボクの気持ちも、晩秋の今日の爽やかな気持ちだった。
そして、キミもそうだった。
…そう思いたい。
いつも、ボクの枯れた気持ちに潤いをくれる…
そんなキミへ♪
…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…
5年半をかけ、ようやくここまで来ることが出来ました。
ひとえに、みなさま方のお陰と思っております。
今後とも、どうぞよろしくお願い致します。
five
7位
1回
2014/11訪問 2014/12/10
ソコにかわちゃんがいたから♪(2014年9月期待の新店誕生)
〜若いオーナーソムリエ、シェフが繰り出す陽気で美味しいビストロ〜
三田のミノビで支配人をされていた方が、オーナーとして店を出した。オーナーの河畑氏は、まだ齢30なのだが柔和な笑顔の奥から、熱いものを終始感じた。
この店は名店になる。
ソムリエと二言、三言話して、そう思った。
…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…
今日は、仲の良い友人との会食だった。
知り合いが、店をオープンしたからということでうかがった。
場所は五反田の名店、ボノミーの跡地をほぼ居抜きにしていた。
しかし、店内はかしこまることなく、さらに居心地のよい空間となった。
満面の笑顔で向かえ入れてくれた彼に、気持ちが和んだ。
友人との挨拶を済ませ、にこやかな笑顔をそのままボクに向けた。
先ずは、ウエルカム・ドリンクとしてシャンペンで乾杯♪
料理は、店名を冠したコースにした。
これは、15種ある前菜から2種、9種のメインディッシュから1種を選ぶ。
友人とシェアする形で、以下の料理をチョイスした。
前菜
○ホアグラのボアレ・目玉焼きトリュフソース
苦味が支配したが、濃厚なソースがむしろ味わい深い。
◯田舎風お肉のテリーヌ(豚肉、フォアグラ、鳥のレバー)
ねっとり感あるテリーヌだったが、口に入るとむしろあっさり。
パンとの相性が、すこぶる良い。
◯ホロホロ鶏のコンフィと水菜のサラダ
鶏の食感を存分に楽しめた。意外とあっさりとしていた。
◯鶏モモ肉とタンドリー風焼き鳥と鴨の砂肝のコンフィ
焼き鳥をフレンチにしたら、こんな感じ?意外性が、楽しい。
メインディッシュ
◯牛頬肉のベルギービール煮込み
ビールを煮込むことで、苦味がます。それに、肉の旨味が絡み合う絶品!
◯オーストラリア産仔羊の3種類調理法
羊好きには、たまらない芳醇な味わい。調理法で、こんなにも羊が変わるのには驚きだ。
どの料理も素材の旨味を、シェフオリジナルの調理法でアジを楽しむことができた。
ワインリストから、この料理に合うとの勧めで、コンテドアリカンテカペルナオークエイジ(スペイン産赤ワイン)にした。
渋みはなく、酸味は際立ったものではない。
口に含むと、芳醇さと仄かな香りが漂った。
間に提供されたパンは、2回もお代わりした。
この料理の味にぴったりしていた。
なんでも、パン オ フゥパン・オ・フーのバゲットと、クロワッサン生地を四角にしたものだそう。
…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…
オーナーソムリエの河畑氏は「かわちゃん」と言われ、お客さんから親しまれていた。
彼の前店、minobiのお客さんが、こぞってコチラに来た。
みな、彼の人柄が大好きなのだ。
彼のスタンスは…
陽気に、楽しく、ウチにいるみたいに寛いで食事を楽しむ。
ボクも、彼と彼のこの店、そして屋台骨の若きシェフにエールを送ろう。
…ねっ、かわちゃん♪
8位
2回
2018/04訪問 2018/04/18
小田急線の高架下を、沿線沿いに歩いた。
時が流れるのは早いもので、あれから3年余りの年月が過ぎていた。
思いの外、朝からの用が早く済み、ボクは久しぶりの再訪を思うと、長い道のりも自然と足取りも軽くなる。
今にも雨が降りそうだったが、行って帰るまではなんとか降らずに持ってくれそうだ。
開店の5分前に到着したが、平日のせいか幸い並びはない。開店間際になると、店内で簡単に朝礼をしているのが分かった。
時間になり扉が開くと、店内中央のカウンター隅に座るよう促された。カウンターは向かい合わせで座る形だが、"やかん"やら、"置物"などが置かれ、前に座られても気にはならない。
メニューから、"味玉そば"を大盛りで注文するつもりだった。後から提供されたメニューはサービスランチとして、"中華そば"と丼ものがセットになった料理が用意されていた。今日の昼は、そのサービスランチ3種類の料理から選ぶことにしよう。
料理の提供を待っていると、客が次々と入った。
グループ客はその人数に合わせ、4人用テーブル、または2人とアナウンスされ、テーブル席の全ては埋まった。
平日のまだ11時を少しばかり回った時間にも関わらず、人気は相変わらずのようだ。
待たされることなく、料理がトレーに乗ってカウンターへと提供された。
まず"中華そば"の麺の美しいフォルムに、目が奪われる。女性の髪を結ったようなしなやかな麺は、丼の中を泳いでいるようだった。
丼の中には豚ロース、鶏胸肉チャーシュー、メンマ、海苔が脇を固めている。
卓上のレンゲを取り、先ずはスープひと口啜ってみよう。
スッキリとした醤油の奥には、ほんのりとした酸味がかった味が伝わる。それに煮干しの旨味がブレンドされ、動物由来の出汁がまとめあげている。
麺に箸を移してみよう。
細いストレートな麺は、スープによく馴染み、持ち上げは良かった。
そして細麺でありながらコシがしっかりして、最後までダレることなくのど越しを楽しめた。
豚ロースチャーシューの、ジューシーな旨味、鶏胸肉のさっぱりとして、しっかりした食感が料理の脇役としてしっかりまとめあげている。
"鶏マヨ丼"は、レンゲで楽しもう。
ペースト状の鶏肉がマヨネーズで和えられ、ほんのりと甘めの出汁でまとめられている。そしてアクセントには、コーンが数粒乗った。ボリュームたっぷりで、食べごたえは充分だった。
セット料理はかなりボリュームがあり、満足度は充分だった。
食べ終える頃にお猪口に入った烏龍茶が提供された。聞くと烏龍茶にジャスミン茶を混ぜた店のオリジナルということだった。
飲んでみると、さっぱりとして爽やかだ。
会計を済ませ外に出ると、女性スタッフが外まで見送ってくれた。
彼女に3年ぶりの訪問だったことを告げ、以前来たときに撮った写真の女性について確認してみた。
女性は3か月前、社会人として巣だっていた。
雨に降られず、さっき来た駅までの道のりを歩いた。
近くて遠い、本厚木に来ていた。
ブラジルの店名時代からの、長年の宿題店だった。
暑い日だったが、線路の高架沿いをひたすら歩いた。
外の並びこそなかったが、店内で待っている客がいるのは意外だった。
店内に入ると、若い女性店員が自然な笑顔でメニューを手渡してくれた。
一通り見て、あらかじめ決めていた料理にした。
別の女性店員に促されて、店内中央にあるカウンター隅に腰を降ろした。
ここからは、厨房の様子がよくわかった。
料理を注文して、しばらく待つ。
カウンターは対面式だが、色々な小物があるからストレスはない。
4人以上の客は、テーブルを促されていた。
店内は、昭和中期をイメージさせる…レトロ調だった。
しかも店内では、駄菓子までをも販売している。
料理が届くまで、店内の様子を眺めていた。
ホールでは、若くて笑顔をたやさない女性3人が切り盛りしていた。
調理場は、男性2人は確認したが、おそらく3人以上で回している
のかも知れない。
店内は満席、次から次へと客は店内で待つ。
女性店員の自然な笑顔が、この職場が大好きなことを物語っていた。
そんな職場に勤められる彼女たちの誇りを、ボクは羨ましいと思った。
今日は茹だるような暑さだったから、生ビールを3杯頼んでしまった。
混んでいたから、申し訳ない想いはあったが…
やはり、笑顔で応対してくれた。
注文した餃子が遅いからと、メニューにはないつまみを提供してくれた。
調理場から、出た男性店員とたまたま目があった。
何もかたることなく、そこには自然な笑顔があった。
小振りの餃子は醤油、ラー油で食べてビールで流し込んだ。
旨くはあったが、プリプリ感はなく、単に旨い餃子…
その程度の印象だった。
ラーメン専門店が提供する餃子…
その域を、越えるものではない。
主役の料理には、驚いた。
ビジュアル…女性的な美しさを感じた。
味わい…優しいではなく、「染み入る」味わいのスープ
それにピッタリの細麺に、見事に絡んだ。
しっかりとした、分かりやすい味わいではないのだ。
完成された見事な料理が、そこにあった。
ちょっとした滞在時間だったが、ボクはつかの間の癒しを感じた。
「料理の前に、人がある♪」
接客としてのサービスが、如何に料理を美味しく頂く雰囲気にさせるか…だ!
料理ではなく、職場が人を育てる…
そんなことを、自分の職場に重ねた!
9位
1回
2014/09訪問 2014/09/24
恵比寿の改札を降り、待ち合わせ場所へと向かった。
恵比寿は昔はビール工場、工場移転後は電車を利用したレストランくらいしかなかった。
今では、広尾、麻布、代官山へとつながる、ちょっとした穴場スポットだった。
その日キミは、ボクのバースデーを、祝ってくれた。
外観はかなり重厚な感じだったが、店内はクラッシックな感じだった。
柔らかくて、優しい…そんな印象を受けた。
店内はこじんまりとしていた。
3組でイッパイの店内には、ボクは外の喧騒とは隔絶した安堵を感じる。
入店の際、ソムリエから丁寧な挨拶があった。
この時点で、こちらの接客の実力を知った。
コースは、あらかじめ決まっていた。
メインだけは、選択した。
料理の説明は、わかり易く、そしてあくまでも物腰が柔らかい。
ソムリエは女性お一人で、サービスを提供していた。
キミからの、おもてなし
アミューズ(3種)
季節野菜と黒豚肉のリエット
アンチョビのフィナンシェ
季節野菜のタルト
ちょっとした付き出しだった。
居酒屋もそうだが、お通しがよい店はハズレがない。
テンションがあがった。
前菜1
ノルウェーサーモンのスモーク 色々な野菜と白ワインソース添え
サーモンの脂が苦手だが、臭みなく滑らかな感触、味わいが惹かれた。
野菜で上手に、まとめられていた。
前菜2
オマール海老のブランマンジェ とうもろこしのデクリネゾン添え
存分にローストされたオマール海老は、甲殻類の味わいを存分に楽しめた。ややもすると、くとくなるが、トウモロコシの風味が味に魅力を添えた。
前菜3
本日のフォアグラを使った一皿 季節の野菜を踏まえて
フォアグラの濃厚なムースを、ボワレ、テリーヌにイチジクを取り入れて、アッサリした味わいに仕上げた。
軽めの口直し
青リンゴのジュレにグレープフルーツのコットンキャンデーを添えて
ちょっとした口休め。芝居の休憩だ。
主菜
バスク豚肩ロースの低温3時間ロティ
得てして脂っこいバスク豚肩肉を、ロゼ仕立てにすることで、あっさり感と深みを加えた。
鴨ロースの7時間コンフィ ロゼ仕立て
弾力ある鴨肉は、あっさり感があった。噛み締めるほどに、豊潤な味わいが、味わいが伝わる。
※ここで、ワインがまだ残っていたので、チーズを勧められる。
1人前を各種、盛り合わせてもらった。
秀逸だったのは、ブルーチーズを使ったアイスクリーム♪
デセール
季節のフルーツを使ったデセール
芝居の大団円が、近づく
口の中すべてが、リセットした。
お茶菓子
食後の飲みもの
料理の合間には、自家製のパン4種類を楽しんだ。
生産者と密接に関わる食材、季節に合わせた食材
その提供を、モットーにしていた。
若きオーナーシェフ、廣瀬氏の繰り出す料理の数々…
最高のおもてなしをされる奥さま…
夫婦が最良の形で、その日のお客さま方をもてなした。
…★…☆…★…☆…★…☆…★…☆…★…
その日、ボクに天使が降臨した。
頑張ってるキミが好き!
そう、天使が囁(ささや)いた。
…そんな気がした。
頑張っていないボクは、もう一肌脱がなくちゃいけないな。
今日は、この気持ち同様、なんと清々しい一日だったことか…
見上げる空には月は見えなかった。
10位
1回
2014/11訪問 2014/12/11
ボクは、その日小田急線本厚木にいた。
急行に乗れば新宿からは、50分弱くらいだろうか。
町田、相模大野が新宿寄りにあるから、どうしてもローカル感を拭い去れない街並み…
そんなイメージがあるのを、こちらを拠点にする方に…
まずは詫びよう。
駅の南と北側では、様相を変える。
北側は飲食店を含め、巨大銀行などがある繁華街。
一方南口は、住宅地、個人の不動産屋さんなどで寂しい感じだった。
そんな南口をバスロータリーに沿って、ボクは歩いた。
店に着くと、なんと中華そば うづまきの隣だった。
店内に入ると、美しいマダムが大振りの笑顔でボクを、迎え入れてくれた。
「開店まで、時間を潰していたんですよ。」
そう言うと、愛想良く笑顔で返してくれた。
調理場前のカウンター中央に腰を下ろし、
メニューを見て、パスタコースを選択。
パスタコースは数種類ある中、「富良野産完熟トマトのチョイ辛スパゲティー」にした。
ワインは、オーナーマダムの説明で、グラスワインを頼んだ。
まずは大振りの皿に乗って、前菜5種の提供。
ひと品ごとの説明はあったが、ここちよい声のトーンだったから記憶に残らなかった。
グラスワインには、すこぶるフィットした。
パスタは、もっちりとしていて、まとわりつくソースが口に馴染む。
辛みは全く感じなかったが、ふくよかな味で旨いことには違いない。
ただ、量的にはもう少しあれば…
そう思ったのは、大食いだからかもだ。
この価格で、料理の品数、内容
昼の忙しい時間帯でありながら、オーナーマダムの丁寧な接客
素晴らしい、サービスだった。
ボクが帰るまで、お客さまのすべては女性だったことを伝え、筆をおろそう。
「何を食べるかではなく、誰と食べるか」
ボクは食のスタンスに今も変わりはない!
お店に対しては、美味しい料理を、いかに楽しい雰囲気で食べさせてくれたかを重視した。
良店として共通していたのは、客に対しての接客が一流だった店だったこと。
その中には老舗として一定の地位を築いていた店もある反面、ニューフェースもあった。
ボクはその価格以上に、いかに楽しく料理を楽しませてくれたかを重視したい。
いつも思うことだが、800円のラーメンなら800円なりの、10000円のコース料理ならそれに見合った、あるいはそれ以上のサービスを期待したい。
再訪した店は除いた。
そんな中で、ボクの記憶に残った2014年の10店は、以上の通りとなった。
ラッセは料理は定評あり安定した味はもちろんだった。それ以上にソムリエの接客が一流と感じた。
メッシタには驚いた。下駄ばきのイタリアンといったら語弊があるだろうか。実力に裏打ちされた料理を、気軽に楽しむことができた。
2014年最後を飾るビストロとして出会ったビストロメランジェには、嬉しかった。若きオーナーソムリエの店にかける想いがヒシヒシと伝わり、お店の個性を存分に表現していたと思った。
ベスト10からは漏れたが、以下の良店もあげておきたい。
○ラーメン凪煮干王 大久保店
○ごはんや一芯 代官山
○DAYS(中目黒)
美味しい料理を、いかに美味しく食べさせてくれた。
2014年は自分にとって、ちょっとした出会い、ちょっとした驚きがあった年になったと思う。
これからも食を通じて、ボクの感受性の何かに訴えてくれるお店に出会えたら・・・
そう思って今年を締めくくりたい。