shelahさんのマイ★ベストレストラン 2016

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お一人様でも楽しめるお店リスト

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マイ★ベストレストラン

レビュアーの皆様一人ひとりが対象期間に訪れ心に残ったレストランを、
1位から10位までランキング付けした「マイ★ベストレストラン」を公開中!

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2016年4月から食べログに参加させて頂き半年以上が過ぎました。

この間にもたくさんのお店と新しい出会いして、素晴らしい体験をしました。

味には好みがあり評価は様々。
そして、上位になれば素材のレベルや好みだけの評価軸では測り切ることはできません。

私の評価ベースはそのお店にしか出せない色を真っ直ぐ伝えてくれるか否かと何気ない所に見えるおもてなし、そしてお人柄。

これから先どんなに好きなお店でも「前回の時の方が良かった」と思う時がくるでしょう。
それを越えても一緒に居たいと思わせてくれるのは私の中では上記3点を持ったお店なのです。

2016年度、最も心に響いたのは「蒲田 初音鮨」です。

TOP10全てを書きたいのですが、長くなってしまうので5件のみコメントを入れます。


初音鮨……今年度とてつもない予約困難店となってしまった当店。
それでも変わらぬ、それ以上のお気遣いを頂きました。
お客1人1人へのおもてなしの心が伝わる、長く一緒に居たいお店です。


松川……有難いことにレビュアー様からお誘い頂きました。
秋の松川は比類のない素晴らしさ、最後に松川さんとお話にてその言葉一つ一つに重みを感じ多方面の深さを教えて頂いたお店です。


あらい……毎月のように訪問させて頂きました。
鮪の質は都内No.1、益々美味しく、新しくなっています。
大将のストレートさとお店の明るさで毎回とても楽しいお店です。


晴山……くっきり時に優しく出汁で表現する晴山。
店主の魅力、お弟子さん達の感じの良さに帰ってきたと思わせてくれるお店です。


たきや……天ぷらに新風を起こしたたきや。
守破離という言葉が似合うお店の色を強く持つ天ぷらの範疇を超えた「たきやの天ぷら」の世界を展開しています。
店主の惹き付ける魅力も随一、これからも楽しみなお店です。


最後になりますが、ここまで続けてこられたのもレビュアー様方のおかげです。
幸いなことに多くの方々に見て頂き、これからも少しでも主観だけではなく多角的に捉えお店の素敵をお伝えできたらと思います。
これからよろしくお願い致します°・*:.。.☆

マイ★ベストレストラン

1位

初音鮨 (蒲田、蓮沼、京急蒲田 / 寿司)

3回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク 4.6 ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - -

2017/05訪問 2017/05/27

雲丹の食べ比べや初鰹、蟹、カラスミ等の高級ネタ。そして何より通う楽しさがあるお店

創業は1893年と代々続く、蒲田にあるエンターテイメント性と個性、究極のネタを追求する初音鮨。

こちらはちょっと特殊な世界。
時間一斉スタートで約2時間かけて行われ、お酒は充実していますがつまみはありません。
まずは出来たてのシャリを少しいただくところからスタートし、いただくときはネタをひっくり返して舌に乗せ5秒待つというルールがあります。

規格外の大きさの鮪を捌く所から始まり行程内に漬けや茹でや焼きを行い、高級ネタが並び、人数分しか用意が無いので通常追加はできません(イレギュラーで1回経験あり)
ネタは旬と鮮度に拘ったものから熟成まで幅広く楽しめます。

価格改定も物ともせずに人気は上がり続け、現在2017年度は全て予約終了状態。
来年度からは数ヶ月単位の予約になる可能性があるそう。

この日も数種類のカラスミを使用したにぎりや身の引き締まった根室の蟹、うにの食べ比べ、爽やかさの中に濃厚さをもつ鰹等次々と素晴らしいネタ続き。
ただ今回はネタやお味だけでなく通う楽しさを再認識した日でもありました。

通わせて頂いているお店は余韻を持っているように感じます。
伺ってから翌日、数日経った後感動や楽しさが蘇り「あの日あの場所に居られて良かった」と心に刻まれるお店。いただいておしまい、美味しかった、だけで終わらないその先があるお店、心に響く余韻を持つのがここ、初音鮨です。

今回はいつもよりお腹いっぱいになり、女性らしい?勘違いで少食になったと思っていたら大将がにこやかに「それはだって、シャリを大きくしましたから♪」と仰って……
やられました(笑)
1回、2回ではこちらサイドのことは分かりませんしこういう楽しさを共有できるのは通っているからこそ。
お客様と一体となって楽しみ、何気ないお話を大将と笑い合う、鮨店なのでネタや接客等はもちろん大事なのですがストレートに好きだと思えるのもとても素敵なこと。
お店の不手際ではない所のハプニングで大将も女将さんもとても大変そうな日で、一部のお客様のご予定もあった日でしたが最後は大将の面白いトークが冴え少しゆっくりでき通い始めた頃を思い出すどこか懐かしさもある日でした。

一部では夏で初音は閉めてしまう?という噂もあるそうですがもちろんそれはありません。
ですが、確かにかなりの人気でお忙しそうなので体調が気になってしまう時もあります。

店内にはグリーンヘデラベリーの鮮やかな緑が色を与え、今日も楽しく驚きのあるここにしかない初音のステージが始まります。

◆蛸

神奈川佐島の3キロ、ほうじ茶で茹でたもの
酢橘を絞って渡されます

柔らかく瑞々しく弾力があり、何より香りが良好
スタートに相応しい綺麗なお味、初夏の陽気に乗り爽やかさが弾けます

◆アオリイカ

千葉勝山の3キロ、お皿を熱い程に温めシャリとの温度差を縮めます
甘くねっとりしたアオリイカの良さが出ているお味

◆カラスミとゲソ

先程のアオリイカのゲソを干し、叩き、炙ったものにカラスミを乗せていただきます

色とりどりなのは種類の違うカラスミを使っているから
なんと1切れずつ違い、それを合わせるという贅沢さ

ゲソとカラスミが合わさると芳ばしく甘く、そして程よい塩気があります

今回、女将さんが選んで下さったのは泉橋酒造の生酛造り黒蜻蛉
常温で出されるので自然にいただけ、お酒自体も甘くはあってもすっきりしていてきめ細かいお味
個性的過ぎず良く合い、お酒が弱い人でも美味しくいただける組み合わせ

◆初鰹

千葉勝浦の漬け、部位は背と腹

鰹のフレッシュな香りの中に濃厚さもある美味な鰹

鰹独特のにおいの代わりに珍しい濃さを覗かせる他では味わえない旨みがあります
苦手な方でもいただける素材感と仕事の一体感が光る一貫

◆トリ貝

通常のトリ貝よりも大きな京都丹後のもの、例年より不漁で解禁が遅くなりましたが初音は早速入荷されていました

キュッとした歯応えといい音を奏でる、旬の始まりの流れが見えるようでした
大きくジューシーなので食べ応えがあり、繊細なお味をしっかり受け止めることができます

◆鯵

三重の尾鷲の鯵、湯洗いして塩で脱水したもの

それにより、旨味が全面に出ています
この力強さは初音ならでは、旨みを追求する姿はいつでも変わらない「らしさ」があるお味

◆鰻

天草天然鰻、1.2キロ

切っている時からパリパリと音を立て、こちらは5秒待つと火傷する熱さをもっています
焼きが非常に上手く毎回驚かされます
表面の余計な水分を極限にまで飛ばし中は熱々でジューシー
脂もありとても美味

◆鱒の介

国外ではなくなんと気仙沼で揚がったもの、12.4キロ

脂乗りがいいですがこってりとは違う、上質で美味
一般的な辺倒な脂っぽさはなく、鱒の介と片付けられないお味

◆バフンウニ

今回は雲丹の食べ比べ

温められた雲丹はとろとろの口当たり、もちろん鮮度が気になるにおいはなく濃厚さが光ります

◆キタムラサキウニ

双方濃厚さがあって美味、ですがそれぞれ特徴をもっています
残る風味が良く、イメージ的にはバフンウニが濃厚で強いイメージがあったのですが、こちらの方が香りが強め
特色が見え興味深くいただけました

<今回の鮪は、塩釜63.4キロと千葉勝浦136.6キロ>

◆赤身漬け

夏らしい爽やかでフレッシュさがあります
冷凍は一切使わない旬の柔らかなお味

◆鮑

千葉大原1キロオーバー、肝を挟んでいただきます
弾力を生かした鮑で肝と合わさり海の香り漂い、シャリに負けない強さがありました

◆中トロ

ベビーピンクの美しい中トロ、先程より濃厚さが増して鮮明なお味に

◆蟹

根室の毛蟹、いつも通りその場で茹でて出来たてをいただきます
引き締まった身と甘み、味噌を合わせた濃厚なシャリ
掛け合わせた真っ直ぐな美味しさをもったお味

◆大トロ漬け炙り

じゅうじゅうと音を立て、漬け炙りの香りが充満します
脂と濃厚さを上手く表現したお味です

◆巻物

赤身、中トロ、漬け炙りをミックスしたいつもの恵方巻級巻物
ずっしり重く食べ応え十分、思いっきり楽しみたいお味です

◆マコガレイと肝

お腹いっぱいと思っていたらもう一貫出てきました
むにゅっとした食感に肝の旨みは相性抜群、最後に美味しいサプライズ
最後まで良いネタ尽くしでした

◆干瓢

◆玉


お腹いっぱいの初音鮨一色の日となった幸せな1日。
時間が経っても色褪せない情景、次回は7月夏色の初音鮨が今からとても楽しみです。


<全文はこちらです↓>

http://food-garden.net/foodpost/%E5%88%9D%E9%9F%B3%E9%AE%A8/
【2017/03】

初めてでも楽しい、それが初音鮨。
一方で初めてはちょっと強面の鮨店もあります。
初音は一見オープンに見えますが、鮨への思い、信念は見た目厳しく見えるお店よりも揺るぎないもののように感じます。

その色とその強さを音に乗せて今日も初音の幕が上がります。

恒例の赤酢と塩のみで仕上げたできたての慣れてないシャリをテイスティングするところからスタートです。

◆蛸
3キロの三浦の蛸を活け締めにしたもの
余計な調味料は使用せず、ほうじ茶で茹でて最後に酢橘を絞って手渡されます
滑らかな舌触りと甘みを柔らかな旨みが広がりました

◆アオリイカ
千葉富津のアオリイカ、お塩と酢橘でいただきます
引き締まった身の強い弾力がありました

◆カラスミとゲソ
先程のイカのゲソを炙って、長崎で採れた自家製のカラスミを乗せていただきます

合わせるのは女将さんセレクトの横山五十

カラスミは血抜きが隙なく行われていて全く色に澱みがありません、見事です
漂う香り、柔らかめに仕上げてあり舌の温度で消えていくのは秀逸
その旨みとゲソの弾けるプチプチした食感が合わさり美味
常温の横山五十は甘く、包み込む丸いお味
こちらがとても合うので更に美味しさを押し上げていました

◆桜鯛
千葉3.6キロ桜鯛、ネタは背と腹
別皿に用意されたのは桜鯛の卵

ネタにその卵を挟んでいただく私にとっては初めての握り

ふにゅっとした優しい弾力と昆布の香り
卵はコクと甘さがあって存在感抜群
「初音」らしい握りで美味

◆ミルガイ
愛知のミルガイ、ミル舌をたっぷり挟んで渡されます
特にミル舌がジューシーで甘く、ふわりと磯の香りが広がり、良い弾力と共に楽しめました

◆鯵
三重小阿瀬の釣り鰺
柔らかで凝縮した旨みがありました

◆鰻
恒例、初音の天然鰻
今回はいつもの琵琶湖と違い熊本の海鰻

天然に拘っているのでその土地だけには限定していないそう

外側はパリパリ中はしっとり
水分豊かなタイプではありませんでしたが、身質はしっかりしていて甘いです
いつも通り焼きが素晴らしかったです

◆シマアジ
3.3キロ、初音らしい熟成した旨みが光る一貫

<今回のマグロ・那智勝浦238.6キロ>

◆赤身漬け
さらっとしたお味で癖はなく、11年間継ぎ足して使われてきた醤油はマグロのお味によく馴染みます

◆中トロ
脂のり良好で鉄分の風味もほんのり、塩で旨みが引き立ちました

◆白子
大分のトラフグ、目の前に紹介された大きさに歓声があがります
そのサイズ、なんと5キロアップ

もうこの時期は水分量が多くなっているので簡単に形は崩れてしまいますし、お味も薄くなり単体で使用するところはまずないので正直どの様なお味か少し心配ではありました

焼かれた白子はとても大きく半分にカットして渡されます
断面を見てもだれてしまうことはなくいただくととろんとした口当たりに絡む濃さがあり美味

思わず大将にこの時期にこんなお味の白子があるなんてと感想を言ってしまうほど
現地直接ルートで仕入れているので、実現できた質だそう

ここでも質に対して妥協のない姿が垣間見れました

◆毛蟹
800~900、大将の指を挟もうとするとても元気な根室の毛蟹
茹でた後捌くと身がぎっしり
みそはいつも通りシャリと合わせるので絶品です

酢橘をかけ大きいので半分にカットしていただきます

毛蟹は香りが強くお味も濃い、松葉ガニとはまた違い強いお味で笑顔になる美味しさです

◆大トロ漬け炙り
大トロの脂のりが素晴らしくて手がつやつやになってしまいました
脂がのったとろとろの口当たり
祝い月ということでこちらでも大きなネタをいただきました

◆巻物
赤身、中トロ、大トロをミックスした恒例恵方巻級の巻物
ここでも大きな巻物をいただきました
かつてない大きさに・・・贅沢にもずっしりとした重さを感じ私のテンションマックスです
綺麗なお味の赤身に旨みが効いた中トロ、脂のりが特出した大トロを合わせるのですから美味しさは間違えありません
いくらいただいても無くならないかもしれないと思う程ぎっしりマグロ尽くし、思いっきり堪能させていただきました
良い思い出をいただきとても嬉しかったです

◆干瓢

◆玉


今日もとてもお腹いっぱい。
回転がある日だったので、いつも通りゆったりご挨拶はできませんでしたが初音からいただいた楽しさで気持ちは満たされました。
次回は5月に伺います、今からとても楽しみです。


<全文はこちらです↓>

http://food-garden.net/foodpost/%E5%88%9D%E9%9F%B3%E9%AE%A8/
【2016/12】

今回は初音鮨2大イベントの2つ目白子×白トリュフシーズンです。
女将さんのお気遣いで松茸シーズンと今イベントの両方に訪問することが出来ました。
いつも1人利用ですが、ここまでの人気店になっても細やかな気遣いをして下さり感謝に堪えません。

年末のご挨拶とお礼を持ちお店へ、次回は半年も先と思うと寂しい気持ちもありました。
ですが、この日は初音史上最高の出来栄え。
どのネタも大変素晴らしく、凄みを感じました。
一貫目から剣先烏賊とキャビアで相性良く美味しかった為、長丁場がもつか気掛かりでしたが後半に向かってそれを上回る絶品のネタの数々。
季節もありますが昨年の同時期よりも、1年間通ったどの時期よりも完璧と言える出来。
初音自身もこれを上回るのは大変なのではと頭をよぎる位です。

最後に一番のネタをそれぞれ言いますが皆様苦心されていました。
もちろん全員が次回予約を希望しましたが来年は既に全日全て満席です。

今年は5回訪問させていただきどの日もいい思い出。

美味しいお店はたくさんあります。
上位になれば食材は安定し、好みの範疇。
最後に越えていくものがあるとすればそれはおもてなし。
初音はそれを越えていける最高のお店の一つ。
この素敵な出会いにいっぱいの感謝を、長く一緒にいたいお店です。

◆剣先烏賊×キャビア

佐賀県呼子の剣先烏賊とフランスのキャビア、ストゥーリアを乗せた一貫
味付けは塩と最後に酢橘を絞って手渡されました

烏賊は3日ねかせ、丹念に鹿の子包丁をいれていきます
これは烏賊が硬いのではなく奥に潜んでいる甘みを引き出すため

ネタの温度は初音恒例の少し高め、そこに冷たいキャビアがコントラストになっています
たくさんのキャビアを乗せているので塩っ辛くないかと思いましたが甘い烏賊をキャビアの塩気が引き締めて美味

最初からこのクオリティで飛ばしてきて後半が心配になるほどでした

◆ゲソ×カラスミ

先程の呼子剣先烏賊ゲソを大胆にカットして自家製のカラスミを乗せていただきます
ゲソは叩いて焼き、長崎のボラ子は一度干して熟成させ塩で馴染ませたもの、少し山葵を挟みます
塩っ辛くはなく適度な塩気、カラスミの旨みが強くゲソがサポート役状態

会津中将の純米酒と合わせてつまみの様にいただきました

◆天然鰻

初音の名物になりつつある浜名湖天然鰻
今回は1キロオーバー

焼きたてなのでかなり熱め
相変わらず焼きが素晴らしく、皮はパリッと音がして身はとろとろ

脂のり良好、上品な甘みでもちろん美味
初音以上に鮨店でここまで美味しい鰻を出せるのはないのではと思わせる一貫

◆赤貝

大分の赤貝、ネタ大皿で少し温めて香りをあげています
柔らかさと弾力、強過ぎない綺麗な磯の香りが鼻から抜けていきました

◆鯨

大きな塊の鯨肉に歓声が上がりました
霜降りで白と赤のビビッドなコントラスト

お味は柔らかく濃厚、正にお肉の味
驚嘆する美味さ、間違えなく今までいただいた中で最高の鯨肉
市場には出回らない直に仕入れた極上の質
とても濃い味で脂もあり肉に近いのですが、肉特有の臭みは全くありません
そして後引きが儚いほど早いです
脂が強くても後味はさっぱり、本当に素晴らしいお味でした

◆鰆

初音の色が強く出る旨みが前面に出る冬のネタ
塩で締めて十数日ねかせ、生ハムのように仕上げた由良の鰆
塩気の後に旨みが強く出て甘みも残しながら余韻は長く続きました

◆あん肝

北海道余市のアンコウ2キロオーバーの肝
思わず「大きい!」と言えるくらい大胆なカット

柔らかく筋の処理は完璧でふわりと溶けてなくなります
お味は濃厚ですがこってりとはまた違い完全にネタの質で勝負の一貫、美味しくいただきました

◆シラカワ

白甘鯛を塩で2週間熟成させたもの、4キロオーバー
甘鯛のイメージは淡白、熟成させてもなかなか本来のお味を最大限に引き出したネタには出会えません
大きさもあるとのことですが前回よりもお味が濃い気がしました
今までの出会ったシラカワの中で最強の旨み

ストレートに思うことは味が強いということ
淡泊さは全くなく力強く、独立していて何も添える必要がありません
むしろあった方が風味を損ないそう、大変印象深いお味でした


今回の鮪
<大間の鮪、赤身と中トロは216キロ、大トロは173キロ>


216キロの方は約1週間程ねかせているとのこと

◆赤身漬け

漬けにすることによってやや濃厚になっていますがすっきりした旨み、ほんのり鉄分を感じます

◆中トロ

塩を馴染ませ握ります
口に収まりきれない位の大きなネタ
適度な脂のリ、お塩なので真っすぐした風味を十分に味わえました

◆いくら

シーズン的にまだ皮も薄いいくら
初音は冷凍ものは使用しないのでいくらがいただけるのはオンシーズンの今だけ
卵かけご飯と評されるお味、溢れるいくらがシャリに纏わりつきます
普通のご飯よりシャリの方がお味を引き立たせ美味

◆白子×白トリュフ

初音の2大イベントを代表する1つ白子×白トリュフ
北海道羅臼の白子に直接ルートで入手した白トリュフをたっぷりかけていただきます
手から溢れそうな大きさです

2年連続いただきましたが白トリュフは今年の方が大きくふわりと削られていました

白トリュフは香りだけでなく張りと艶も選定のポイントとのこと
通関を通って3日が勝負でそれなりの大きさがないと揮発してしまうそう

そんな拘りの白子は突き抜ける香り、ですが白子も負けていません
白子のとろりとしながらも巻き付くような舌触りと濃密なお味
双方の強さが混じり合いかつてないハーモニーを奏でています
品のある白トリュフの香りが後まで楽しめました

◆香箱蟹 松葉ガニ

津居山港松葉ガニの生きた姿を紹介されます
とても活きがいい蟹でした

それを茹で揚げてから目の前で捌き、シャリには味噌と内子と外子を合わせ、更に身を乗せていただきます

量はたっぷりの2貫分
1貫はそのままに2貫目は酢橘を絞っていただきました

お味は説明不要の旨さ
茹で立ての身は締まりがあり、味噌や内子をシャリがより深いお味にしています
馴染んだ初音のシャリと抜群の相性を発揮し、誰もが唸る美味しさになっていました

◆甲羅酒

殻を炙って香りを出すことにより、蟹の芳醇な甘い香りが漂う粋なお味
日本酒の尖ったお味は全くなく円やか、度数の強さもあまり感じません

◆大トロ漬け炙り

芳ばしい香りと共に運ばれてくる恒例の大トロ漬け炙り
山葵がなかったことになる脂のりと口の中でとろけ濃さが広がります

◆巻物

​赤身、中トロ、大トロをミックスした恒例恵方巻級の巻物

前回よりも更に美味しいシーズンになり、飛優海苔の香り高さにも驚き
季節の移ろいを贅沢な品で体感できます
赤身・中トロ・大トロ、炙った濃厚さ全てを結集した甘くて濃密極上の巻物

◆干瓢

◆玉

【2016/10 5回目】

【2016/07 4回目】

【2016/04 3回目】

【2016/01 2回目】

【2015/11 初訪】

<長いので2015/11~2016/10まではこちらに格納しました↓>

http://food-garden.net/foodpost/%E5%88%9D%E9%9F%B3%E9%AE%A8/

  • 巻物
  • 赤身漬け
  • 毛蟹

もっと見る

2位

松川 (六本木一丁目、虎ノ門ヒルズ、神谷町 / 日本料理)

3回

  • 夜の点数: 4.9

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 4.0
    • | 雰囲気 4.8
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP -
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - -

2017/07訪問 2017/09/03

季節の情景を彩るお料理。「特別」である意味を深く思えるお店

2011年オープン、アメリカ大使館、ホテルオークラの裏手にある、最高の素材を最上級に高め供されるお料理で他の追随を許さないと言われている松川。

完全紹介制のお店で夜は2人~になりますが、お昼は1人で予約することができます。

店内の設えはシンプル。
柔かな温もりのある檜カウンターからは、飾り立てない洗練さの意義を伝わってきます。

店主はあまりに有名なので記載する必要性は薄いですが、滋賀の名店招福樓、志門を経て、青草窠では料理長を努めた松川忠由氏。

お料理の説明はさり気ないですが、国内最高の食材がここ松川に集まるのでどれも最上。
ストイックで寡黙なイメージが往々にしてありますが、お時間がある時やお食事後は色々教えて下さり堅苦しい感じはありません。
伺ったことを1:1で返す様なことはなく、素材を見せて下さり、さり気なく勉強になることもお話して下さいます。

お料理は最高素材の頂点の時期を見分け、生かし、お味は気品と透明感が特徴。
蓋物は開ければ美しいだけではなく、香りの閉じ込めも素晴らしく、松川は視覚と嗅覚両方に訴えかけます。
素材を引き立たせる吸い地に引き寄せられ、そこに込められるのは生産者様への信頼感とリスペクト。
心を生かすお料理は、強く押すのではなく優しく世界に引き込まれ、内に秘めたる華が咲き誇ります。

<2017/07>

人には特別なお店があり、私は2種類あるのではないかと思います。
それは、特別な日に行きたいお店と自身にとって特別なお店です。

松川さんに訪問するのはこれが4回目。
回顧すれば、初訪問は素晴らしさにただただ圧倒され、2回目は少し緊張しながらもとても充実した気持ちになり、3回目はお店にドアを開けた瞬間に「またここに来たい」と強く思いました。
松川さんには雰囲気だけで人の心を動かすことができる、他ではない魅力をもっています。
そして私の中で「特別」ということが、私にとって特別ということだということが確信できた今回。
今年はご予約がいっぱいでしたので次回は秋のみになりますが、来年から間隔を短くして通わせて頂くお店となりました。

諸事情でアップが遅くなり、いつもより正確性に劣る箇所があるかもしれませんが、お値段と比較することが出来ない実りの多さをお伝えできれば幸いです。

◆水出し緑茶

リムから香る濃厚さと円やかさ、甘みと深みのある味わいに涼を覚えながらお料理が始まります

◆雲丹と鼈煮凝り寄せ

唐津の雲丹に、鼈の出汁は季節柄らしくキリッとしたもの
淀んだ香りのない雲丹はクリアな美味しさがあります
冷たさと柚子の香りに包まれ、夏を感じさせます

◆天然鰻の飯蒸し

宍道湖の鰻、さくっとふわっとした優しい口当たり
旨みが広がりもソフト、甘く脂のりも良好です

◆鰈

淡路の鰈とインゲン
弾力と甘味のある鰈、上品なお味です

◆鱧の焼き霜

淡路の鱧
鱧と言えば淡路、ただその鱧の中でも松川の鱧はやはり別格

国産の鱧は綺麗なお味をしていますが、濃さという点については難しいものでした
ですが、いただいた鱧は甘さと他ではない力強さがあり、地域だけでは測りようがない松川さんの色がくっきり見える様でした

そして、お食事後のお話で私も繊細な味覚の違いが分かる人間になれればと思ったものでした・・・

◆椀物 アコウ、新銀杏擦り流し

真っすぐした出汁に銀杏の香り
アコウの身を割り初めて、旨みが椀に広がります
いただくその瞬間まで潜む美味しさは、代え難い時を感じさせます

◆毛蟹とモズク、酢のゼリーがけ

蓮の葉に盛られ、透明感のある盛夏を思わせる盛付
酢の酸味を効かせ、もずくはシャキっとしています
毛蟹のお味はとても濃厚
フレッシュな旨みと時々折り重なる、みその旨みに思わず口元が緩んでしまいます
嫌味がなくただただ、美味しいと思える一皿

◆焼鰈とキャビア

芳ばしい焼きの鰈と風味豊かなベルーガのキャビア
塩気とコクがあるキャビアに、厚みのある味わいの鰈がお料理の流れを作っていきます

◆天然鮎

美山の天然鮎、生きている鮎を拝見するととても元気
シャッターがついていけない程、動き回っていました

鮎は目の前で松川さんがお皿に置いて下さいます
いただくとクリスピーでサクサク
苦味と甘味のバランスが良好です
小振りでクリスピーとなると、中はパサつくことが多いのですが松川さんの鮎はしっとり
ゆっくり味わいたい鮎です

◆賀茂茄子

去年と同じく月並みに・・・岩の様です、というファーストインプレッション
炭焼きの薫香を纏い、迫力抜群の茄子の登場です

驚くのは水分量
溢れ出し、器がプール状態

甘味があり何も添えずとも、寧ろ添えないからこそ真のポテンシャルが伝わるお味
そのままに見たら、炭火で焼かれた茄子ですがそこに確たる違いを見出せるのが松川さんの素晴らしさです

◆鮑とばちこ

ぷるんとした食感の鮑と甘みのあるばちこ
硬すぎず、濃すぎないばちこでお酒がなくてもいただいている気分になります

◆鰻のしゃぶしゃぶ

鰻のしゃぶしゃぶは初めてでした
思わず「鰻ですか?」と言ってしまったほど

出汁は鰻の骨、いつもと違うのは醤油系であること

鰻はしゃぶしゃぶにするとぷりぷり、こんな食感になるとは思いもよりませんでした

出汁は甘めで、いつもの松川さんと違いますがこれがとても美味
後引くお味でとても美味、新しい美味しさを知ることができ楽しくなるしゃぶしゃぶでした

◆笹の葉の冷麦

上に添えられるのは焼いたお揚げ
向こう側を映し出す氷の器には、冷麦の鮮やかな緑と合わさってました

冷麦は跳ね返る弾力と蒼い香りが漂い、酢橘が引き締めます
強さだけに向かないよう、落ち着きを演出するのは揚げ

季節を思いながらいただく、情景がある味わいです

◆お食事

ご飯
こっくりした赤出汁に浮かぶ庄内麩
各小鉢に盛られた生カラスミ、醤油漬けいくら、のり、じゃこと山椒

こちらのいくらが好きで好きでいつもたくさんかけてしまいます

◆水羊羹

形を保っていられる限界の姿の水羊羹
衝撃を与えてしまえば崩れてしまいます

甘さは控えめ、少しざらりとした舌触りに確かにそこにある存在を残していきます

◆グレープフルーツゼリーとぶどう

常連様がいらっしゃり、お昼ですがサービスでいただいてしまいました

余韻が素晴らしくて、ついついお席で少しでも気持ちを伝えたくなってしまいます


次回は9月、松茸のシーズン。
松川さんの松茸をいただかなければ秋は迎えられないと思えるシーズン、楽しみです。


<全文はこちらです↓>

http://food-garden.net/foodpost/%E6%9D%BE%E5%B7%9D/
<2017/03>

3回目の訪問。
1回目より2回目が、2回目より今回の方がより好きになるお店。

私の個人的な祝い日で、良いお席だけでなくなんとサプライズもご用意いただき常連でなくても1人であっても細かいお気遣いをして下さり感動。

今回しみじみ感じたのは豊かな出汁の表現力。
前回は松茸の素晴らしさが中心となりましたが前回より食材も幅広い分、吸い地を楽しめ「松川」としてのお味を堪能できました。

伺うとまたこの空間に帰ってきたいと強く思わせてくれる日本を代表する料理店。
曇りなく透き通り、素材により華麗に色を変えていくお料理をこの日もカウンターでいただきました。

◆桜の香煎茶

桜の花びら浮いた香煎茶、桜の香りは奥ゆかしく花びらには少し塩気があります

<ここで後からいただく最高のブランド蟹、間人蟹の紹介があります>

◆白子と雲丹の柚子釜

河豚の白子の上に雲丹、出汁餡をたっぷりかけたもの

柚子釜も蒸されていて湯気が見えます

供された時は柚子釜の香りは強めですが、いただくと素材には交わり過ぎてはいません

白子と雲丹は炙って焼き色がついているので芳ばしさがあります
白子はぷにっと弾け濃厚なお味が広がり、雲丹は風味しっかり
素材がストレートに美味しさを訴える中、そこを纏めるのが餡

すっきりしながらも抑えた出汁で前に出過ぎずお味を支え最後にふわりと昆布の香りが寄せてきます
美味な柚子釜でした

◆間人蟹の焼きと身と蟹味噌の飯蒸し

松葉の上に置かれた甲羅をお皿として供されます

大変香りが強い間人蟹
ぷりっとしていてジューシーで身がしっかりしています

飯蒸しは蟹味噌が濃厚で柚子が香り、蟹身は落ち着いた美味しさを演出していました

漁は3月20日まで行われるそうですが、時期的にはもういただけないかもと思っていたので嬉しいです

今季の蟹についてですが、伺ったところ全盛期のシーズンは思ったような質ではなく終盤になってから良くなってきたとのこと
こればかりはコントロールできませんから難しいところです

◆お造り 鯛

鯛はお醤油か海鼠腸と柚子皮でいただきます

鯛自体は甘く上品

海鼠腸と一緒にいただくととても美味、海鼠腸は癖や塩気が前面に出てしまうことが多いですがバランスが良くこんなに合うのかと驚きでした

添えられた緑は漉油
天ぷらやおひたしで使われることが多いですが、添え物としては珍しいです
あまり日持ちがしない香りが主体となる山菜で、香りが春を伝えてきました

◆椀物 帆立の真薯、木耳、ばちこ

松川さんの真薯は素材のお味がダイレクト

帆立はとても甘く、最初は木の芽が多めかなと思いましたが丁度いいアクセントに
塩気はばちこから、出汁はすっと入ってくる丸みのあるお味で甘い余韻を残します

◆赤貝、芽蕪を添えて

立派な赤貝は閖上のもの
今季は序盤閖上の赤貝をいただくことが少なくそのお話をすると、シーズン序盤より後半で良くなってきたとのことでした

赤貝は磯の香りも丁度良いいので量があっても疲れずにいただけました

◆筍と蛤

筍の間に蛤を挟み、蕗と木の芽を乗せたもの

筍はシーズン的にまだ鹿児島(3月中盤から京都)ですが十分な甘みがあり、ふっくらジューシーな蛤との相性が抜群です

出汁は少しとろみがある位旨みがでていて、甘み一辺倒でも塩気が目立つわけでもなく、優しいですが儚くもない、とても美味な一皿

◆焼きミル貝と蕗の薹

酢橘を絞っていただきます

ミル貝はさくさくと歯が入り、甘みがあります

蕗の薹は天ぷら
中は少し生感を残し味噌を入れることで苦味が程よく抑えられていました

◆もろこ

活もろこは旨みが強く小さくてもインパクトがあり、お味がしっかりしているので私は何もつけずにそのままいただきました

もろこもお店によって柔かだったり甘かったり印象が異なりますが、こちらのもろこには力強さがあります

◆焼き鼈

身が引き締まった鼈は脂乗りと弾力にも優れ深いお味のたれとよく合います
炭火の薫香を纏わせしっとりとした身質は前回と変わらず楽しめるものでした

◆鮑とワカメのしゃぶしゃぶ

今回のしゃぶしゃぶは三陸の鮑と淡路のワカメ
湯気が立ち上る出汁に入れるのですが、鮑は断面から水分が溢れて箸で挟もうとしても滑ってしまいます
出汁に15秒程潜らせ少し丸まったらいただける合図

ワカメは写真では濁色ですが、出汁に入れると鮮やかな緑へと変化
取り皿に個々を掬い出汁と一緒にいただきます

鮑は厚みがあるのでコリっとした食感
素朴ではありますがワカメのレベルも高く、品のある磯の香りでお味を押し上げ盤石なものとしていました

出汁は旨みとソフトさと甘さがあります
色味はいつものしゃぶしゃぶと変わりませんがもちろんお味は全く異なりこちらもとても美味でした

◆白魚と蕗の薹の蕎麦

揚げたての白魚を冷たいお蕎麦に乗せて供されました

熱々でサクサクの白魚と冷えたコシがあるお蕎麦の対照的な口当たり

つゆは酢橘が効いたキリッと味わい
しゃぶしゃぶで味わった出汁とは違う顔を見せ一本調子の流れではありません

◆鮑の雑炊

無駄なものを削ぎ、上品で優しく仕上げた出汁に鮑を乗せて
量は少なめで強力なお味とは違いますが、心に残り、落ち着きます

◆お食事

お食事はいかがですか?と聞かれお腹はいっぱいでしたがこちらのご飯はとても美味しいのでお願いしました
不思議なのは松川さんのお料理はお腹いっぱいでも苦しくなくいただけてしまうこと

白米に合わせるのは、各小鉢に盛られた生カラスミ、醤油漬けいくら、のり、じゃこと山椒

この日のご飯はややもっちりしていてそして甘く、そこに柔かで甘みが強いいくらと塩気として生のカラスミ、のり、じゃこと山椒をかけていただきます
止まらなく美味しさです

◆水羊羹

口に入れればすっと溶けて無くなる評判の水羊羹
甘みは抑え、小豆の香りは和菓子の水羊羹より控えめに上品に仕上げてあります
喉越しと清涼感は相変わらず素晴らしいものでした

◆抹茶

◆苺ゼリー寄せと小夏ゼリー

ほうじ茶をお持ちしますと言われて出てきたのがこちら
まだ3回目の訪問にも関わらず良いお席だけではなくお祝いまでしていただきとても感動です

大粒の糖度が高い完熟苺にぷるんとした弾力あるゼリー
小夏ゼリーは蓋の果汁を絞ってゼリーの甘さと合わせてさっぱりいただきました

サプライズ、しかも2品もいただき1人心の中でテンションが上がりっぱなしでした


まだ驚きと気付きばかりですがもっと頻繁に来れる様になって、近づきたいお店。
次回は7月、とても楽しみです。


<全文はこちらです↓>

http://food-garden.net/foodpost/%E6%9D%BE%E5%B7%9D/
<2016/09>

岩手の松茸、軸がしっかりしているつぼみ松茸のご紹介から始まりました。
因みにこれ以上大きくなるとお味がまた変わってしまうそう。

松川の松茸はやはり素晴らしいもの。
歯応えはきゅっきゅっと小気味のいい繊維音、香りのスタートは柔らか、後から盛り上がりをみせます。
大きくカットして断面が見えても全く黒みがない綺麗な色。
広がり感のある引き締まりではない、ここまで強く引き締まった弾力のある松茸は始めてでした。

お皿も多くかなりボリューミー、お腹空かせて行きましたがそれでもかなりの量。
お値段はしますが、かけがえのない体験ができました。

◆玉露

まずは玉露が供されます
濃厚で甘く、深みがありますが苦味がありません
お茶の質、淹れ方からして他と異なるクオリティが松川です

◆伊勢海老炭火焼き

緑が映える松葉の上に乗せられた殻ごと炭火で焼き上げた伊勢海老、むかごを添えて
手で外し、伊勢海老味噌×酢につけていただきます

月並みな表現ですが、プリプリと言うのがこれ以上当てはまる伊勢海老があるのかなと思う程の弾力
中はレア状態、炭の香りがふわりとして大変美味しいです

◆渡り蟹の飯蒸し

渡り蟹のほぐし身と菊の花、ベルーガ産のキャビアを添えた飯蒸し

皮は柔らかくしっかり卵のお味がする濃厚な超高級ベルーガ産キャビア
このままでもとても美味、こちらでキャビアは美味しいものということを教えていただきました
そのうちいただけなくなるなんて・・・しっかりお味を覚えておこうと思います

渡り蟹はまず香りが先行し、いただくとかなり甘く素材が良く生きたお味

米は少し柔らかめ、お酒はライト、菊の花から少し酢の香り
上質の渡り蟹のポテンシャルを引き出し、キャビアの濃厚さでいただく最上の飯蒸し

◆お造り 鯛と唐津の雲丹塩水

鯛は弾力とさっぱりとした甘みが光り、ツンとした中に円やかさのある山葵が良く合います

雲丹は溶ける甘さ、あまりに甘くて酢橘を絞っていただきました
唐津の雲丹はいただきますがここまでの美味でフレッシュなものはまずありません

◆椀物 松茸と紅ズワイガニの真薯

松茸は前述の岩手、下の富山の紅ズワイガニの真薯
蓋を開けると松茸の香りが立ち込めその上品な香りにうっとり

紅ズワイガニの真薯は思いの外大きく中には少量の味噌
真薯と言っても紅ズワイガニのお味が殆どで口いっぱいにいただけばダイレクトに甘さと柔かさが伝わります

松茸のむぎゅっとした強い弾力、広がる香り

円やかですっきりとした透明感がある出汁が松茸の良さを生かし、そこに蟹の甘さが交わり、盛り上がりがある素晴らしいお椀

◆スルメイカのルイベ

北海道の郷土料理として有名なルイベ
凍ったままで生姜醤油につけていただきます
最初は凍っているので固めですが、口の中ですっと柔かに変わっていきます
弾力とワタの溶けゆくの濃厚さ、お酒を呑まれる方にはたまらないお味

◆お造り カワハギと肝醤油

9月から旬を迎えるカワハギと肝醤油、ハマボウフウを添えて
細くカットされていますが、跳ねる弾力をもつ素晴らしいカワハギ
肝は甘く濃厚、癖のないカワハギと交わり美味

◆松茸と鮑

鮑は千葉の房州黒鮑、油炒めという新しい形でいただきます
歯切れの良い松茸が楽しめ、香りがいっぱいに広がります
炒めることによって少し歯応えの強さを増した鮑、酢橘で涼やかにして贅沢にいただきます

◆クジと加賀蓮根

添えられているのは蓮の実
蓮根は粘りがありえぐみが全くありません
甘く旨味が凝縮したクジは塩気を効かせています
蓮の実はサクッと歯が入り程よい甘さ、優しいお味で美味ということを知りました

◆口直し 焼き無花果

焼くことで甘みが増す無花果、とろんとした食感に
甘みの強さに驚きます、素材の力が恐ろしくなる糖度
糖度は高いですが引きずりません
ワインシロップが美味で控えめに香りすべていただきました

◆牛ヒレ肉と松茸、銀杏を添えて

お肉は近江牛、中はレア
甘くて噛む必要のない柔らかさ、蕩ける美味しさです

歯応えはお肉よりも酢橘の香りが漂う松茸にあり
大切りより細くカットすることで香りが出やすくなっていました

素晴らしい相性とこの上ない贅沢、美味しさに痺れます

◆鱧と松茸のしゃぶしゃぶ

前回と同じく鱧の骨と昆布のお出汁でいただきます
最初は出汁でその後はポン酢でとアナウンスがありますが、今回も出汁が美味しくポン酢の出番がありませんでした
鱧も松茸も丸まったら頂ける合図
お皿ごとに松茸の歯応えを多角的に楽しめ、こちらからはダイレクトに美味しさを味わいました

◆自家製蕎麦となめこと辛味大根

氷の器で供されます
澱みが一切なく良いかき氷が作れるのではないかと余計なことを考えてしまうクリアな氷

辛味大根の辛味はベスト、刺さる感じはありません
歯応えがしっかりしたお蕎麦、キリッとした出汁
出汁も全ていただきたかったですがお腹いっぱいになってきて断念

◆生松茸のご飯

今度はなんと生
最上位でなければ生では食せません
そもそも焼くことで香りが増すという松茸、それを合わせるのはご飯のみという振り切った一皿

食感は焼きより新鮮な柔かさがあり、香りもバッチリ
素晴らしさに脱帽です

◆甘味 焼き栗

カリッと香ばしく自然な甘さ
秋らしさを感じつつお料理は締めとなりました

◆お薄

◆煎茶
程よい渋みで秋の松川は終了

◆お土産 鱧寿司とちりめん山椒

鱧寿司は甘く外側はカリッと炭の香ばしさ、松川のお味を家でも堪能できました


この上ない経験をさせて頂き、心が震えました。
時間が経てば当然お腹は空いてしまいますが気持ちはいっぱい、美味しさだけで満たすのではない心が膨らんでいくのが分かります。
次回はちょっと先ですが今からとても楽しみ、次予約までにもう少し私自身のレベルも上げておきたいと思います。


<2016/06>

◆黒鮑、淡路島のうに、すっぽんの煮凝りがけ
◆鱚の飯蒸し、ベルーガキャビア
◆お造り 淡路の鰈、唐津の塩水赤雲丹
◆椀物 宍道湖の天然鰻と冬瓜
◆北海道の毛蟹と生きくらげ
◆鱧の焼き霜造り、半生ばちこ、揚げトウモロコシ
◆鮎の塩焼き 京都美山の滋賀安曇川2種
◆焼きすっぽん、新牛蒡揚げ
◆高知県 徳谷トマト
◆京都賀茂茄子
◆淡路産鱧のしゃぶしゃぶ
◆自家製蕎麦と刻みオクラ
◆お食事
◆水羊羹
◆お薄
◆小夏のゼリー
◆さくらんぼ


<2016/06の全文はこちらです↓>

http://food-garden.net/foodpost/%E6%9D%BE%E5%B7%9D/

  • 雲丹と鼈煮凝り寄せ
  • 美山/天然鮎
  • アコウ、新銀杏擦り流し

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3位

鮨 あらい (東銀座、銀座、新橋 / 寿司)

6回

  • 夜の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 5.0
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.4
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥20,000~¥29,999

2017/06訪問 2017/06/28

おもてなしと細やかな気遣いがあるお店。鮪以外の出水の鯵も素晴らしいお味

2015年オープン、中央通りから入った鮨店超激戦区にありながら開店直後から人気店の仲間入りをしたダイナミックな握りで知られる鮨あらい。
オープン当時は「かねさか本店のお隣」ということでも話題にもなりましたが今では人気が定着してそんな形容詞はつかなくなりました。

大将の新井祐一さんは、久兵衛、すし匠長年修行されていますが、開店時33歳という若さ。
竜介は久兵衛時代の先輩にあたります。

お店はあらいさんを始め全メンバーがいつも元気に明るくお出迎えして下さり、お話、掛け合いも面白いので楽しくお食事ができて堅苦しさはありません。

控えめな大将やクールな大将など色々なタイプの方がいらっしゃいますが、あらいさんは前に出るタイプの方。
旬に拘り、ごまかすことなくストレートな握りが特徴で奇を衒うことはしない鮮度重視。
何か乗せたり過度に挟んだり流行に流されることなく、昔の鮨屋が当たり前にやっていたことをやるという強い信念を持っています。

<2017/06>

この日は病み上がりでした。
大分良くなっていたのですが、大将が気付かれて何も伝えなくても気遣いのあるネタで迎えて下さいました。
私としても折角大将が握って下さるのですから、万全でいたかったのですが申し訳なかったです。

ただ、そういうハプニングがあったからこそ鮨あらいの良さを感じられた日でもありました。
大将は特別なことは色々仰らなくても当日の流れを振り返れば濃厚なネタは程よく、さっぱりしたネタが並びよっていつも通り美味しくいただけました。
体調によって控えめにしてしまえば、お値段もいきません。
ですが鮨あらいは人気店であっても合わせてくれる細やかなおもてなしがあります。

特別な日のお鮨も素敵です、ですが日々一緒に過ごせるお鮨も素晴らしいもの。(ネタはいつも特別ですが)

粋な色をもつ鮨あらい、男らしい握りながらも心落ち着く日の流れは以下になります。

◆冬瓜

この時期になるとお皿に登場する冬瓜
蛤出汁がふわりと香る温かいおつまみ
冬瓜は柔らかで染み込んだ出汁が良い相性
当店のおつまみは濃すぎないところがいいです

◆胡麻豆腐

◆鰈

飾りないそのままなので派手な見た目ではありませんが、甘くて弾力があります
縁側は味が濃いストレートに美味しいと思える鰈にも質の差がでていました

◆鮑

前回通り柔らかで味がしっかりしていてとても美味

◆鰹

◆のどぐろ

いつも通りふわふわとろとろののどぐろでした

◆浅利とウドの茶碗蒸し

最後に生姜で香りをつけてあります
ウドの食感と優しい甘みのある茶碗蒸し、生のりの塩分でバランスがとれています

◆金目鯛

当店の定番
脂がのっていて質が安定しています

◆シロイカ

◆赤身

今回の鮪は富山氷見、背中の方の赤身
身質は柔らかでお味はしっかりしていますが夏らしく爽やかです

◆背トロ

つるんとした口当たり、濃厚さの中にさらりとした風味が重なります

◆血合いぎし

お腹の部分、深いお味です

◆大トロ

初夏らしさはありますが、濃厚さがあり満足度があります

◆霜降り

京都舞鶴、最後の一貫
お味がしっかりしていて、美味です

◆小肌

◆小柱

病み上がりだったのでさっぱりしたネタが更に美味しく感じます

◆車海老

◆蛤

大きな蛤、甘いツメと相性良く満足度が高いです

◆シャコ

◆鯵

出水の鯵
クリアなお味で大変美味
前説明がなく素晴らしいネタをさらっと握るのがあらいさんです

◆鰯

ふわふわとしていて骨っぽさはありません
においにも控え、美味しさがありました

◆雲丹

今回は3種類あり、唐津、ダイセン、函館から選べ一番お味が濃い唐津にしました

とろっとした口当たりの中に強い濃さがありました

◆大トロ炙り

◆穴子

◆玉

◆鮪の巻物

しっかりした鮪の風味を堪能できました


色々お気遣いいただき恐縮です。
次回は7月に伺います。


<全文はこちらです↓>

http://food-garden.net/foodpost/%E9%AE%A8%E3%81%82%E3%82%89%E3%81%84/
<2017/05>

あらいでもついに始まった鮑。
当店の鮑は屈指の美味しさで今年も楽しみにしていました。
今回は塩や昆布等調味料を一切入れていないもので、柔かさ、風味本当に素晴らしく進化を感じます。

進化と言えば鮪も同じで部位違いで6貫、炙りと手巻き入れて8貫でより細やかな味わいをいただけるようになってきています。
お味のシフトが楽しめ、最近はいただく方も頑張ってついていかないと思う位です。

そしてメイさんのレアな玉子も堪能。

楽しくて最後まで居てしまいました・・・今回も楽しく美味しいあらい。
次回が今から楽しみが出来でした。

◆京揚げと三つ葉

◆胡麻豆腐

京揚げと三つ葉は温製で柔らかなお味
出汁も濃すぎません
胡麻豆腐は小さくても存在感抜群、こちらも安定の美味しさです

◆鮑

千葉大原の1キロアップ

ぶつ切りとスライスがあり迷っていたら両方出してくれました

なんと昆布も塩も何も使わず鮑のエキスだけで蒸し上げたもの
修行時代~昨年までは昆布やお酒、お水を使用していましたが今年は鮑のポテンシャルのみで表現したそう

柔らかで奥に程よい弾力、甘くて香り良好、旨みが全体に広がります
昆布等の相乗効果で強く引き出したお味と言うより、本来の繊細さが自然に広がっていきます

ここまで思い切ったことが出来るのは、一番良い鮑を仕入れてるから

口当たり良く、風味の広がりが素晴らしい美味な鮑

◆平貝磯辺焼き

芳ばしい焼きで、厚いので平貝の強い弾力がよく伝わり美味

◆鰹

葱の入ったお醤油でいただきます
皮目を藁で燻してあり、薫香とパリッとした食感も楽しめます

◆白海老と赤雲丹

白海老の昆布締めと唐津の赤雲丹
雲丹は小さめですが、お味が濃く美味

◆桜海老と石川小芋、梅餡かけ

桜海老の下にとろとろの甘い石川小芋

◆茶碗蒸し

熱々の茶碗蒸し、柔らかなお味に海苔が塩気として生きています

◆鰈

前回鮃でしたが、季節的に鰈に
この前までは水っぽかったらしいですが、良いシーズンが到来
旨みと弾力があります

◆金目鯛

いつも通り脂のり良好です

◆墨烏賊

<今回の鮪は新潟佐渡定置162.6kgと青森尻労定置113kg>

◆赤身

佐渡

寝かせて5日目ですが、瑞々しい鮪
何より大変柔らか、ふわんとした優しい口当たりで癖はなく美味

◆血合いぎし

青森

濃厚で持ち上がる様な美味しさ
こちらも柔らかで、季節を感じさせない秀逸さ

◆血合いぎし横

青森

血合いぎしの隣の部分
色々な部位がでてくるのがあらいです
こちらも濃厚ですが、先程より後味が少しさっぱりしているかもしれません
繊細な変化が楽しめます

◆背トロ

青森

こちらもお味は濃いですが引きが綺麗です

◆中トロ

佐渡

じわーっと広がる旨みで楽しめるスパンが長いです

◆大トロ

佐渡

濃厚で存在感が強いです

◆大トロ炙り

◆小肌

男性らしいキリッとしたお味です

◆車海老

◆赤貝

◆シャコ

◆鯵

旨みとフレッシュさがあって、鮪以外ももちろん美味です

◆小柱

◆雲丹

◆蛤

甘めのツメが良く合って美味

◆鮪手巻き

◆玉

今回はメイさんが焼かれた期間限定・数量限定レアな玉
通称黒いカステラ
菅谷さんと違ってこんがりした焼き色からこの名称がついたそうですが、もちろん焦げてはいません
メイさんの玉子は珍しいですよ~というご紹介でした

焼きは高温で仕上げているので、香る芳ばしさが特徴
中はしっとり、パサつきはありません
メンバーのそれぞれの特色があっていつも通り楽しい回でした


次回は今月6月です


<全文はこちらです↓>

http://food-garden.net/foodpost/%E9%AE%A8%E3%81%82%E3%82%89%E3%81%84/
<2017/04>

鮪にとっては厳しいシーズンに突入ですが、それでもあらいは潤沢。
部位によって明確に変わるお味を季節の移ろいと合わせていただきます。

濃厚で力強かったシーズンが過ぎ、爽やかになっていく季節。
もうこのシーズンではお味が薄い鮪が多いですが、あらいの鮪は旨みを残しつつ軽やかな風の様にさらりとした風味が伝わります。

四季折々の経過を一緒に過ごせるのはとても素敵なこと。
春の鮪の味、夏の鮪の味・・・言葉では知っていても実際触れていくのは大きな違いがあります。

今回は禁断の巻物までいく前にお腹いっぱい。
もちろん鮪以外の鰹や金目鯛な他のネタも上質でした。

お値段だけに着目すると厳しいですが、他ではない体験ができます。
そして予約難がついに現実化に・・・長いスパンのスケジュールが必要なお店入りとなりました。(人気が出るというのは嬉しい部分もありますが)

今日もどんな出会いがあるのでしょうか、そんなことを思いながらあらいのステージが始まります。

◆のれそれ

蛤で出汁をとったのれそれ
出汁に浮かんだ三つ葉とあっさりしたのれそれ、輪郭がはっきり分かる蛤の良いお出汁が効いています

◆胡麻豆腐

小さくても濃厚なので存在感抜群です

◆甘海老

◆鰹

鹿児島のもの
脂のりを考えて火は入れないでいただきます
さらりとしていますが、お味自体はしっかりしていて薄くはなく後味も綺麗です

◆平貝磯辺巻き

強い弾力に焼きの芳ばしさが光ります

◆桜海老と石川小芋、梅餡かけ

桜海老の下にとろとろの甘い石川小芋
仄かな梅の香りと一緒にいただきます

〈ここから握りです〉

◆鮃

◆金目鯛

脂がのってとろとろです

◆墨烏賊

◆鱚の昆布締め

〈那智勝浦〉
今回は那智勝浦オンリーでしたが赤身から始まって7貫+巻物
お味の幅が広く、大将も良い鮪とおっしゃるだけありました

◆赤身

ふわふわの口当たりに驚き
この時期にもお味はしっかり、さすがです

◆血合いぎし

最後の一貫とのこと
血合いぎしは濃厚で美味しい箇所、ただ劣化が早いので特にこの時期においが気になってしまうネタでもあります
大将も少し気にされていましたが、濃厚でありながらさらりとしていて美味
においも気にならず良質でした

◆腹身

より濃厚なお味に

◆背なか

ふわふわとろとろな口当たり
ここの部位はそこまで柔らかくはなかった気が……美味しくいただきました

◆霜降り

身質がしっかりしていて、食べ応えがあります

◆大トロ

こちらも間違えない美味しさ

◆大トロ炙り

◆小肌

◆赤貝

終盤になって良くなった閖上のもの
もう終わりかなと思っていましたがギリギリあり今期最後の赤貝を楽しみました

◆トリガイ

こちらもとても柔らか、酢の加減がよく美味

◆蛤

甘いツメが良く合います

◆雲丹

青森のダイセン雲丹、やはり美味です

◆鯵

◆穴子

◆鮪手巻き


次回は5月、楽しみです。


<全文はこちらです↓>

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<2017/03>

この週は4回お鮨に行き、最後に訪問したのはあらいです。

変更をお願いしたので1年以上通って、初めてのディナータイム。
大将の前に座るとなんと隣にマイレビュアー様、3人でご訪問されていてお2人に再会。
お1人初対面で大先輩レビュアー様、とても楽しい時間を過ごさせていただきました。

今回続けてお鮨をいただいたことで、そのお店の特色やネタとの向き合い方がより濃く感じられました。
あらいは、鮪の素晴らしさはもちろんのこと、シャリのほどける感覚、塩梅、相性の良さも際立っていた点。
シャリが良質なネタを更に飛躍させ、他ではないあらいの世界が造られていました。
気付いたらこんなにも世界がくっきり見えていて、その早さに驚かされつつこれからもついて行きたいと思う鮨店です。

そして、祝い月最後のお店でサプライズはあの鮪オール巻き。
とても豪華なプレゼントをいただいてしまいました、いつも貰ってばかりの私です・・・

マイレビュアー様のいつもコースに参加させていただき、鮪祭り+量マックスコースで翌日は何もいただかなくても元気に過ごせるほどでした。

今回の鮪は千葉勝浦釣りと宮城塩釜。
今のシーズンはお味のひきが早いのが普通ですが、味の濃さ、余韻、香り、柔らかさ、全てが素晴らしくどうすればこんなに良い鮪を揃えることができるのか不思議な領域。
仕事をしているネタも美味しいですが、ポテンシャルの違いが際立ったのがここあらいの鮪です。

極上のネタをさらっと提供する今日もあらいの素晴らしい握りが始まります。

◆三つ葉と京煮びたし

◆胡麻豆腐
ポーションは小さくても香りは抜群です

◆真鯛

◆ボタン海老
ねっとりした口当たりレモンでさっぱりと

◆蛸
弾力と力強いお味が特徴

◆蛍烏賊
富山の蛍烏賊
甘く、藁で燻した香りが漂います

◆筍とタラの芽、浅利のジュレがけ
筍は鹿児島、ジュレからは浅利の旨みがでている和食として完成されているおつまみ

◆のどぐろの酒蒸し、菜の花添え

◆白子の茶碗蒸し
トラフグの白子が下層にペースト状に入っていて、小葱と黒胡椒を散らしたもの
熱々とろとろの茶碗蒸し、出汁の良さも光ります
おつまみの茶碗蒸しにトラフグ使い、それを特に強調せず供するのがあらいです

◆鮟肝と奈良漬け

◆ボタン海老の頭

<ここから握りです>

◆鮃

◆金目鯛

◆墨烏賊
今はアオリイカが多いですが、あらいは墨烏賊
墨烏賊特有のサクッとした歯触りと程よい甘み

◆赤身<千葉勝浦>
釣りで背の赤身
柔らか、旨みもあり赤身でも味の濃さに驚きます

◆中トロ<千葉勝浦>
余韻も楽しめ、香りも大変良好

◆血合いぎし<宮城塩釜>
鮮度落ちが早いとされる血合いぎし
フレッシュな旨みが前面に出てきます

◆中トロ<宮城塩釜>
ふんわり滑らか、濃厚です

◆大トロ<宮城塩釜>
見た目通り存在感のあるお味、濃厚さは後まで続きます

◆大トロ炙り
お肉に見える大トロ炙り
蕩ける口当たり、贅沢なお味です

◆小肌
柔かな身質でさっぱりと

◆車海老

◆赤貝
閖上のもの、シーズン後半で質が良くなったという今期の閖上
香り、柔らかさ共に良好です

◆トリガイ
愛知のもの、大きく口に含めば穏やかな口当たりに海の香りが広がります

◆蛤
大きな蛤、素材のお味が生きていて良いお味です

◆鯵

◆小柱

◆雲丹
青森のもの、ピンと立った大将曰く「リーゼント雲丹」
質が良いので崩れず、いただいていても水っぽく垂れてしまうこともありません
私的には密かにうさ耳雲丹と命名した、一貫で濃厚さと質の良さを堪能できる大満足の雲丹

◆鯖

◆鮪手巻き
鮪の美味しさをここで再び

◆鮪オール巻
シャリ(極)小の美味しい箇所を集結した最強の巻き
こちらがなんとサプライズで・・・こんな高級なサプライズいただいて良かったのかしらと思いましたが・・・
ばっちりいただきました
大きくていただくのが大変という更に嬉しいサプライズ
上質でフレッシュな旨みと脂、柔らかでこの上ない巻きで感動です


鮪の質だけでなく、シャリの素晴らしさも再確認。
次回は4月下旬です。


<全文はこちらです↓>

http://food-garden.net/foodpost/%E9%AE%A8%E3%81%82%E3%82%89%E3%81%84/
<2017/02>

いつも月1単位でしたが、今回は予定日が合わず1ヶ月半振りの訪問。
鮪の時期的最盛期は過ぎてしまったはずですが、とても良質であらいの鮪に対する想いが伝わる内容でした。

以前から気になっていた鮪祭り。
こちらからお伝えする前に鮪中心、産地別でいただく内容になっていました。

私はあらいに伺うまでは「鮪」=「大間や三厩のキロ数」というブランド思考。
こちらに来て、初めて産地を超えた美味しさを知りました。
鮪には産地それぞれお味に特色があり、あらいはそれをくっきり表現する鮪を提供してくれます。
よってどの鮪をいただいても有名産地からのグレード落ちにはならず、土地柄の色を強みに変えたお味で打ち出してきて鮪の奥深さを教えてくれます。

天本や初音鮨が驚きをくれるお店なら、あらいは質を教えてくれるお店。
派手さはなくても個々のネタのレベルはとても高く、握りが美味でまだきっと知らない鮪の魅力がある、私の知らない世界を見せてくれるとても素敵なお店です。

人気店なのでなるべくお店に合わせて伺いたかったのですが希望予約日に入れなかったこともあり、あらいさんにお気を使わせてしまったようで・・・
さり気ないお気遣いがとても嬉しくいつもついつい長居をしてしまいます。
正直私は高額なお酒をオーダーするわけでもなくいつも1人。
ですが人気は益々上がっても、変わらぬそれ以上に温かく迎えてくれ通う程に楽しさが増していくお店です。

自分のペースで純粋な鮨屋の楽しみ方ができ、強さと信念を真っすぐに伝えてくる大将。
通り過ぎていくだけでは測れない面白さがあるのがあらいです。

やはりあらいは握りが美味しいので、握りを多めにお願いしました。

◆温製・三つ葉と京煮びたし

ほんのり温かく、シャキシャキした三つ葉と柔らかな出汁で優しいスタートです

◆真鯛

◆ボタン海老

◆つぶ貝

弾力を通り越してコリコリとした食感があるレベルの高いつぶ貝
今季いただいたつぶ貝の中で鮮度はトップかもしれません
派手さはなくてもさり気なく良質なネタを出してくれるのがあらいらしいです

◆ヤリイカ

透明に見えるのが卵、柔らかで美味
甘いタレと良く合います

◆真鯛の梅茶碗蒸し

旨みがある真鯛とほんのり香る梅
酸っぱいとまではいかないさっぱり系、女性が好む味わいです

◆ボタン海老頭

<ここから握りです>

◆ヒラメ

◆金目鯛

◆スミイカ

◆赤身<那智勝浦>

那智勝浦、延縄176キロ
ブランド的には大間や三厩に隠れてしまい質も・・・と思われがちですがとても美味
那智勝浦の鮪は大間等に比べて少しざらつきがあるそうです

いただくと想像していたよりもかなり柔らかで、ふわっと旨みが寄せてきました

◆中トロ

濃厚ですが、時期もあるのか特色なのかひきが綺麗
いつまでも口に残る濃厚さではありません

◆霜降り

脂のり良好、ジューシーと表現したくなる瑞々しさがあります

◆大トロはがし

さくにしないでスジとスジの間の身だけをいただくとても贅沢ないただきかた、通称背トロ
溶ける口当たり、鮪の最高の時期が過ぎたとは思えない美味しさです

◆霜降り<島根>

島根の定置、130キロで最後の一貫とのこと
ここであらいさんの仰っていたざらつきがわかりました
那智勝浦に比べて口当たりは滑らか、広がる品がある旨み
鮪にも品格という言葉を使いたくなるお味をしていました

那智勝浦も十分美味しいと感じましたが、どれもこの様なお味ではないそう。
通常はお味が薄いのが多いとのことでした。

◆小肌

身がしっかりしていて、食べ応えがあります

◆車海老

◆ミル貝

◆赤貝

閖上のもの
ソフトな磯の香りと良い食感

◆小柱

さっぱりした小柱と海苔の良い香りと合わさり、リセットするには最高のネタ

◆うに

あらいさんのひらめきでシャリとうにの間に海苔を少しだけ挟んであります
うには青森のもの
うに自体のお味がしっかりしているので、確かに海苔はこれ位でも良いかもしれません
口溶けも海苔が少ない分ダイレクトに感じることができました

◆鯖

◆大トロ炙り

焼いたお肉が乗っているように見える大トロ炙り
芳ばしさが最初にきて、身は蕩けます

◆穴子

初訪よりも更に良くなってきてるように思えます
膨らんだ様なふわふわ感が秀逸、ツメと合って良いお味でした

◆玉

次回は3月です。


<全文はこちらです↓>

http://food-garden.net/foodpost/%E9%AE%A8%E3%81%82%E3%82%89%E3%81%84/
2016年は色々な鮨店に訪問させて頂きました。
マグロと言うと初音ととかみが素晴らしかったですが、やはり頭一つ抜けて良かったのがここあらい。
産地、キロ数ではなく真の質を見分ける目利きで本番シーズンとなれば他を寄せ付けない力を発揮します。
今回は三厩マグロ、超絶美味で今年No.1マグロと言っていいネタ。

スイーツに使用するような「蕩ける口溶け」と言う表現しかないと思える、良質な脂のりがある中トロ、更なる濃厚さを楽しめる大トロ。
最上の美味しさでマグロ祭りを希望されるお客様を見て私もお願いしたくなってしまうほどでした。

全体の質も通い始めた時よりより良くなっている印象で、まだまだこれからたくさんの可能性があるお店。
堅苦しさは全くなく、色々お気遣いも頂きとても楽しい時間を過ごせました。
来年も毎月の様にご訪問させて頂きたい鮨店です。

【2016/12】

◆温製・三つ葉と京煮びたし

柔かな出汁でどの素材も尖ってない優しいお味

◆胡麻豆腐ピーナッツ塩かけ

甘塩っぱさは適度ですが風味はしっかりしていて粘度がある胡麻豆腐とは想像通りの高相性

◆真鯛

さっぱりしながらも甘く上品、弾力もありスタートには癖が無くていい流れです

◆ボタン海老

軽くレモンのお味がついていて、強い甘みと適度な冷たさ
ねっとりとした口当たりで美味

◆メジ・カツオ

◆牡蠣のみぞれ煮

大根は甘く優しく、柚子胡椒がピリッとしめてくれる出汁が美味のみぞれ煮
産地は仙鳳趾、濃厚でコクがあるお味

◆ボタン海老頭、エビマヨソース

ボタン海老の頭を煮詰めて、卵黄とサラダ油、塩を合わせて作ったソース
命名はエビマヨソースですが、マヨネーズベースでもないので普通のエビマヨのお味ではありません
海老の旨み、コクがありますがスッキリとした味わいでバランスよく前に出過ぎないサポート役
香ばしい頭のお味を引き立てます

◆のどぐろ

下に昆布が敷き芽蕪を添えて
出汁ととろとろの口当たり、定番おつまみ

◆鯛の梅茶碗蒸し

熱々で鯛はさっぱりしたイメージですがお味が濃く旨み有
梅は酸っぱいまでいかず、お洒落な味わい
出汁も柔らか昆布がふわりと香り丸みと品がある茶碗蒸し

<ここから握りです>

◆ヒラメ

◆赤身

今回の鮪は三厩延縄143キロ
甘みがあり濃く赤身でもコク有

◆中トロ

口の中で溶けて無くなる最上の中トロ
脂のりやコクに始まり質だけではなく、提供の温度やシャリとの相性全てが合わさり最高のお味へと昇華します

◆大トロ

こちらは更にお味が濃くなって濃厚
お味的にはこちらの方が凄みがありますが、私的な好みで口溶けが気に入ったのが中トロでした

◆赤貝

香り良く美味しい時期になってきました

◆小柱

◆車海老

◆いくら小丼

そろそろ終盤
いつもより少し塩分が強かったように思えますが、いくらは皮がとても柔らかく美味

◆墨烏賊

◆うに

北海道のもの
ブランド物ではありませんがさらりとしながらも濃厚さがあり美味
お味主体で仕入れするあらいらしさがあります

◆鯖

◆カンパチ

12月初めに仕入れて18日間ねかせたもの

カンパチと言うと濃厚で脂が強めのイメージ
特にねかせたものというと濃厚で脂がのったお味が多いように記憶しています

こちらのは甘みがあり、濃厚さがあってもすっきり
かなり意外で同じネタであっても期間やねかせかたで大きな違いが生まれるものと新しい発見でした

◆あん肝西瓜奈良漬け乗せ

すし匠スタイルの一貫
口の中で溶け行くあん肝に西瓜奈良漬けが綺麗に重くなく仕上げます

◆中トロ

◆大トロ

とても美味しかったので中トロ、大トロをもう一度

◆玉子


1月は希望曜日のお席が満席だったので次回は2月。
少し寂しいですが今から楽しみです。


【2016/11】

◆壬生菜と湯葉
◆真鯛
◆ボタン海老
◆かぶら蒸し
新井さんはおつまみの説明に熱がないので、おそらくですが内容は蕪、下層に白子、昆布出汁と柚子が香り、キクラゲ、穂紫蘇とぶぶあられを散らしたもの
出汁はやさしく下からとろりとした白子に柚子の香りで冬らしさを感じ、細かさがあり美味しい一皿
◆牡蠣のみぞれ煮
◆ボタン海老頭、エビマヨソース
◆のどぐろ

<ここから握りです>
◆ヒラメ
◆シマアジ
◆赤身
大間の109キロ
すっきりしながらも旨みあり
◆中トロ
◆霜降り
◆大トロ
ここまでくるととろとろ
段階を追ってお味の変化が楽しめるのはあらいならでは
◆車海老
◆鯖
◆金目鯛
◆小柱
◆赤貝
◆白トリュフ×雲丹の小丼
まさかあらいで白トリュフがいただけるとは思いませんでした
大胆にたっぷり削り、下層はシャリとたっぷりの雲丹
これだけだとかなり濃厚な仕上がりに見えますがくどさがありません
白トリュフの香りはたまりませんし、そこに雲丹と交わりコクが出て深みは増していきますが過度にならないのはシャリ
酢が効いたキリッとしたシャリで後引きが綺麗で重さがなくバランスがとれていてとても美味
幸せな気分にさせてくれるお味でした


【2016/10】9回目
【2016/09】8回目
【2016/08】7回目
【2016/07】6回目
【2016/06】5回目
【2016/05】4回目
【2016/04】3回目
【2016/02】2回目
【2016/01】初訪

<2016/01~10月までは下記に格納しました↓>

http://food-garden.net/foodpost/%E9%AE%A8%E3%81%82%E3%82%89%E3%81%84/

  • 出水/鯵
  • 赤身/氷見
  • 背トロ/氷見

もっと見る

4位

日本料理 晴山 (田町、白金高輪、三田 / 日本料理)

4回

  • 昼の点数: 5.0

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.6
    • | 酒・ドリンク 4.5 ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥15,000~¥19,999

2017/06訪問 2017/06/18

毛蟹の真薯や鮑うどん、鮎等季節は夏へ。いつでも温かく迎え入れてくれるお店

2011年オープン、白銀高輪、または三田から10分程度。桜田通りから一本入ったところのアンティークショップの地下にある出汁で勝負する人気店晴山。

店主は山本晴彦氏。岐阜のたか田八祥、わかみや八祥では店長を勤め31歳で晴山をオープンしました。

当店の特徴は出汁。
出汁でそれぞれのお皿を表現し、椀ではくっきり浮かび上がる様なお味に、時に鮮やかに、そして違うお皿では優しく仕上げます。
最高が15000円なので素材勝負ではありませんが、創意工夫で晴山でしか出せない色を強く伝えてくるお店です。

私的には出汁の香りと旨みが一歩前に出てくるようなお味をしている印象、あくまで主役はメリハリのある出汁。
お味がただしっかりしている訳ではなく、もちろん京を連想する訳でもありません。
これを人によっては塩気と仰る方もいれば、薄味と仰る方もいてご感想も様々。

出汁加減が大きな形となりこの差を生み出していることを思うと、このくっきりしたお味の裏に繊細に揺れ動くものを感じこのお店でしかない出会いがあります。

また、山本さんが造り出すお店の雰囲気も魅力的。
自然体でありながら優しく穏やかな空気を造り出し、お話すると惹きつけられる魅力を持った方。
お弟子さんの心からの笑顔、楽しみながらも真剣にお料理に向き合っている姿が言わずともお店の姿を語ってくれます。
凛とした雰囲気のお店も良いですが、柔らかな時間を過ごせる晴山は寛ぎを与えてくれる日本料理店です。

お席はより良さが感じられるテーブル席よりカウンターがおすすめ。

一度伺えばランチでもディナーコースを選択可能、こちらはかなり量がありランチより少しお味は濃いめ。
定番のローストビーフやじゃがいも饅頭が登場するのはランチ、ディナーは時々となります。

通う楽しさがあるお店なので最近のお客様はリピーター様が殆ど。
お料理の美味しさだけではなく、店主の人間性の魅力で多くのお客様を惹き付ける代表格が晴山な気がします。

【2017/06】

6月は晴山の記念月。
通い始めた昨年は訪問月ではなかったため、今回が初めて。

お祝いもあり楽しみにしていたのですが、大切な日というのに病み上がりというコンディション。
逆にお気を使って頂き、申し訳ない位でした。

今回もお椀が安定していて穴子の揚げは甘みが溢れ、野性味のある鮎も食べ応えがあり、鮑と雲丹のうどんで夏を感じました。

緊張してしまうお店もありますが、晴山に伺うと安心してしまって最後はお腹いっぱいでお昼寝気分に……平日気を張っていたのもありますが、いい意味で休まり等身大で居られるお店です。

今回も和やかに、隣のお客様にも恵まれ、晴山と過ごした楽しい初夏の休日は以下になります。

◆先付 賀茂なすのゴマクリームかけ

瑞々しく和の出汁が香る賀茂なすに、クリーミーなごまの風味が効いています
和の中に晴山らしい独自性が見える先付け

◆椀物 毛蟹の真薯

蓋を開けた瞬間に立ち上る白い湯気から徐々に椀の輪郭が見えてくる・・・
この瞬間はいつ見てもワクワクさせてくれます

今回は昆布森の毛蟹、上に冬瓜
真薯は大きく食べ応えがあり、ふわふわした口当たりに何よりとても甘みがあります

じんわりと濃い毛蟹のお味が広がり、そこにキリッとした出汁が合わさり良いコントラストに
素材の甘みと筋の通った出汁をリンクさせるのが晴山はとても上手く安定していて、いつも通りぶれなく美味しくいただきました

◆お造り のどぐろ、剣先烏賊、真子鰈 別皿でマナガツオ

のどぐろは熟成、濃厚さがありますが濃すぎず酢橘をかければさっぱりいただけ、剣先烏賊は甘く、真子鰈は弾力を楽しみます
マナガツオも熟成で皮目を少し炙ってあり、身質がしっかりしていて旨みがありました

◆鮑と雲丹のうどん、肝ソースかけ

稲庭うどんに雲丹、少量の出汁ジュレをかけ大切りの鮑、芽葱を散らした夏の定番

黒鮑は福井産
鮑と言えば香りの点に置いて大原が主流ですが、福井の鮑も風味良好
ただ、これは直送だから再現できるお味だそう

稲庭うどんは程よい弾力、喉越しが良さに美味しさを感じ暑い季節が近づいていることを知らせてくれます
雲丹の濃厚さを出汁が引き締め、濃厚路線のみにはしていません

鮑は大きく弾力は程よく、塩気もあるしっかりしたもの

お料理で夏の面影が浮かぶ一皿

◆焼き物 鮎

郡上鮎、放流ではない天然もので姿から力強さがあります

身がみっしり詰まっていてお味も濃く、肝の美味しさもあり
じっくり焼いて下さるので骨も全く当たりません
肝にもっていかれることがないバランスの良さと引き締まった身質が魅力の鮎

◆焼き物 穴子ととうもろこし、車海老の頭

穴子は淡路産、丁寧に骨抜きされていてサクッとふわっとした揚げ
薄い衣からジューシーな旨みが溢れてとても甘く、身はふわふわで美味

とうもろこしは歯応えを残しこちらも甘く、車海老の頭は芳ばしさが光りました

◆新蓮根餅と蛸、薄口餡かけ

とろんとして甘く、芳ばしい焼き色がついた大根餅、いついただいても美味しいです
蛸は柔らかながらも程よい弾力
中々丁度良いところにおさめるのが難しい素材ですが、風味もしっかりしていて存在感があります
昆布が効いたキリッとした出汁と柑橘の香りが合わさる温かな一皿

◆お食事 時鮭の炊き込みご飯

柔らかなご飯に時鮭の甘さ、しっかりしたお味に生姜が引き締め、大葉が香ります
馴染んだ後も楽しめる炊き込みご飯

◆桃の氷菓とゼリー

初物の桃尽くしの甘味
素材の9割が桃、糖度が高い良質な桃の香りと風味を存分に楽しめます

桃自体は丁度いい柔らかさ、始まりのシーズンでも十分な美味しさです
シャーベットは、素材の桃以外は攪拌する為の最低限のシロップのみ
よって桃をそのまま氷菓にしたお味で爽やかで甘く、夏の香りがします

ゼリーはシャンパンに桃の果汁を合わせたもの、シャンパンより桃の風味が勝ります
デラウェアの甘酸っぱさがアクセントになっていて、纏まりのある一皿

季節に合わせて顔を変える晴山の甘味はいつも楽しみの一つ、今回も美味しくいただきました


次回は9月、秋の晴山が今から楽しみです。


<全文はこちらです↓>

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【2017/03】

今回も温かな雰囲気に迎えられゆったりとした時間を過ごせました。
そして記念月ということで素敵なお祝いが。
通って1年以上経ち、覚えていて下さったらしく……たくさんのお客様がいらっしゃるのにいつも1人利用にも優しい晴山です。

お料理は特に焼き物のホタルイカの外側はサクサク、中はレアの弾ける美味しさとトリガイの絶妙な炙り焼きが印象的。
安定のお食事で、最後のサプライズは感動でした。

いつもリラックスして楽しめる日本料理店。
かしこまらず、ですが騒がしい訳でもない。
とても居心地が良く、カウンター席の良さを強く感じます。

お値段もものすごい高くもなく、背伸びせずに通い続けたいお店です。

■お酒 羽根屋

最初はさらっとした飲み口でピュアさが光ります
そこから甘みとキリッとした強さが徐々に頭角を現す後から盛り上がりをみせるお酒

◆浅利と紫雲丹のジュレがけ、花山葵を添えて

浅利は愛知、雲丹は函館のもの

雲丹は産地の良さが出ていて濃厚で美味
ジュレは柚子の香り漂ういつも通り透明感のあるお味
花穂紫蘇の香気、最後は花山葵がピリッと引き締めてくれてました

◆椀物 蛤と若芽、木の芽と蕨を添えて

最初は控えめに、後から盛り上がり香ってきました
蛤は九十九里のもの、とても大きく食べ応えがあります
いつもの椀よりすっきりした味わい

蕨の苦味と一緒に味わい、春の訪れを感じました

◆お造り 鮃、太刀魚、メジマグロ、アオリイカ

明石の鮃は弾力が強く甘みがあります
ポン酢でいただく太刀魚は脂のりが良く、敦賀のアオリイカは鹿の子包丁を入れ甘みがあり柔らか
メジマグロは舞鶴のもの、滑らかな口当たりで爽やかな旨みがありました

◆トリガイの炙り焼きと自家製ばちこ

トリガイは三河湾のもの

しっかり火が通っているものが多い中、こちらのトリガイは中がレア
なので柔らかでとてもジューシーです

トリガイというのは元々独特なにおいをもっているので半生で仕上げるのは加減が難しいそう
じゅわっと風味が広がり、他ではなかなかいただけない綺麗な火入れのトリガイ

自家製ばちこは甘く炙ってあり温かく芳ばしいです
凝縮した旨みでお酒にぴったり
後までふんわりと良い香りが漂いました

◆焼き物 飛騨牛の筍巻き

飛騨牛は脂がのっていて柔か肉汁豊か
筍は鹿児島のもの、ややアクがあるもののお肉のお味が濃厚なのでバランス良く仕上がっていました
タレのお味はしっかりめでグッとくるお味
中心に向かう程更に肉汁が溢れ、焼きの良さが出ている焼き物

◆焼き物 蛍烏賊とタラの芽、行者ニンニク

全体的に柔かに揚げてあります

タラの芽は雑味なく、水分があり

蛍烏賊は中がレアでぷちっと弾けみその甘みと濃厚さが押し寄せとても美味
出来栄えは個体によるそうですが、中の閉じ込めが素晴らしく旨みを堪能できました

◆炊き合わせ 若狭の甘鯛と芹と椎茸、蕪のすり流し

甘鯛の皮は焼き目で芳ばしく、身はふっくら
甘い蕪に塩気は甘鯛で、バランスの一皿

◆お食事 桜海老と春野菜の炊き込みご飯

今回は桜海老の程よいパリッとした食感と甘みを主体に春の野菜が彩ります
主な野菜は筍、蕨、木の芽
柔らかめのご飯に甘い素材が交わり、木の芽がピリッとアクセントに
安定の美味しさでした

◆甘味 せとかのプリン、バニラアイスと本和香糖、苺

深皿に砕いた氷が敷き詰められた華やかなビジュアルに声を上げずにはいられません

奥はせとかのプリン
下層にせとか、上にコアントローを効かせたクラッシュゼリー、その上にオレンジのムース
ジューシーで甘酸っぱさもあるせとか、ゼリーはさっぱり系、ムースはふわふわで甘みがありデザートらしい味わいです

濃厚系バニラアイスに上には芳ばしい沖縄の本和香糖がかかっています
晴山でアイスをいただくのは初めてでした

苺は糖度が良く、柔らか過ぎずベストなコンディションでゼリー等にはしないでそのままいただきたいお味
今季は良い苺になかなか出会えませんでしたがこちらは良質
舞い上がって産地を聞き忘れてしまいましたが……

本当に良い日になりました、感謝しかありません


けっこうお腹いっぱいになってしまってご飯の多くをお土産にしていただき、家で楽しみました。
今回もお腹も心もいっぱいの晴山。
次回は6月楽しみです。


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【2017/01】

1年間通させていただき、私が気付ける所は微々たるものだと思いますが少しずつ変化や試行錯誤が見られます。

雰囲気は程よい席数で居心地よく、山本さんとのお話も楽しくて申し訳ないと思いながらついつい長居の傾向に。

今回のお料理はお椀や脂がのった寒ブリ他、特にもろこの揚げが大変美味。
また熱々な小鍋も途中で挟むなどバラエティに富んでいて飽きさせない内容。

程よい創作でとても良いお料理、楽しく美味しく過ごせました。

◇お酒 松の壽 純米吟醸

しぼりたてのフレッシュで爽やかな甘み
お味は角が強すぎずお料理と合い飲みやすいです


◆先付 車海老と湯葉、明太子を合わせて

上に乗っているのは山芋と人参、下層に明太子と壬生菜
1月の献立らしく紅白を思わせる盛り付け
車海老のレアさと湯葉の甘さに柚子の香り、明太子ですっきり仕上げた先付け
いつもよりやや抑え気味にした出汁でスタートです

◆椀物 松葉蟹しんじょと蓮根餅、芽蕪を添えて

ふわふわ甘い松葉蟹しんじょにくっきりとした出汁が良いコントラストに
香り綺麗な柚子と生姜で仕上げています
蓮根餅は晴山定番のじゃがいも饅頭と同タイプ
こちらの「餅」とつく一品は滑らかで糖度が強く、他では出会えないいついただいてもとても美味なもの
見かけるとちょっと嬉しくなります

◆お造り 鮃と氷見の寒ブリ昆布締め

ふわりと昆布の香りが入ってきます
寒ブリの脂のりが強く山葵を多めに乗せても感じない位の旨み有
対して鮃はさっぱりしているので良いバランスでした

◆白子

白子は鱈、上に芽葱を乗せて
おろしポン酢でいただきます

程よい温製で蕩ける口溶け、鱈なので量はあってもペースが落ちずいただけました
おろしポン酢ですっきりした後味に

◆もろこ揚げ

可愛いもろこが5匹綺麗に整列

揚げ方は軽く、身はほくほくで甘みが強く僅かなワタの苦味が抑揚をつけてくれます
甘い衣との相性良く、小さなもろこの旨みを前面に引き出しとても美味
5匹以上でも軽くいただけると思った程良かったです

◆のどぐろと牛蒡、クワイ

酢橘をかけていただきます
のどぐろはとろっとしていてジューシー

お正月らしくクワイのフライ
堀川牛蒡はサクッとしていてピリッと山椒がアクセント

◆海老芋とカラスミ

こちらの海老芋は良質で甘くしっとり、揚げも良いので美味
旨みを効かせた厚切りの自家製カラスミと一緒にいただきます
適度な塩分で相性良好

器が面白く鯛がカラスミを食べている様に見え、避けると下には海老が描かれています
「海老で鯛を釣る」を表現している遊び心のある絵皿でした

◆鴨の小鍋

窒息鴨とつくね、揚げ、平茸、芹を乗せて

ぐつぐつ煮立った状態で供されました
熱々のお食事が多いのも晴山の特徴です

出汁は生姜と鴨の旨みが良く出ていて優しさがあるお味
平茸なので癖なく主張してこないので、窒息鴨のレアさとつくねの甘みが中心となっている小鍋

◆お食事 松葉蟹と百合根、三つ葉

松葉蟹の風味が行き渡っていて蟹への火の通りが理想的
ほっくりした百合根に柔らかめのご飯
柚子の香りは上品に松葉のお味を大事にしているお食事

​◆いちごのプリンとシャンパンクラッシュゼリー、いちごソースをかけて

クリーミーなプリンは口当たりはムースのよう、シャンパンクラッシュゼリーですっきりとします
7粒~8粒を凝縮したといういちごソースは甘みたっぷり
かければぐっと風味が引き立ちプリンの円やかさとフレッシュさが合わさる良いお味になりました


次回は3月、楽しみです。


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【2016/12】

今回は懐石盆が漆器瓢膳となっていて、よりお料理が浮き立つ様でした。

年末なのでどこのお店も忙しく山本さんもお疲れかな、と思いましたがこの日も色々お話させて頂き楽しく過ごせました。
見た目に華やかさはなくても自家製のからすみ、海老芋揚げが美味で椀物、炊き込みご飯は安定の美味しさ。

しっくりくるほっとする、また訪問するのが決まっていること、それが私にとっての晴山です。

◇お酒 十四代

◆香箱蟹

越前ガニの内子と外子、カットされた山芋と花穂紫蘇にジュレがかけられたもの
ジュレは少量ながらも印象深い塩気もあるいつもの先付けらしい出汁
甘い香箱蟹に合わさりバランスよく仕上がっています

◆椀物 若狭の甘鯛と湯葉、芽蕪を添えて

湯気が立ち上り、熱さが楽しめる椀物
この出来立て感といい意味での家庭的な温度が晴山の特徴
甘鯛は中まで熱々で身は甘いですが塩気ありそこに甘めの湯葉が合わさります
くっきりした出汁で頻繁にいただきたい椀物

◆氷見の寒ブリ昆布締め

大根おろし、浅葱をのせて
入り口はさっぱり、徐々に濃厚さがでてきますが強すぎず適度な濃さ
コース前半を考えてヘビーなのは避けているそう
重すぎず旨みがあり良かったです

◆向付 鰹と​車海老

ねかせた鰹と炙った鰹は海苔の佃煮で、車海老はお塩でいただきます
鰹は程よい旨み、炙ることによって脂が増し濃厚に
晴山の海苔の佃煮は尖ったお味ではないので良く合います

車海老は中心がレア状態、お塩でさっぱりいただきました

◆白子の蒸し鮨

熱めの器、シャリに白子、芽葱をのせて

混ぜていただきます

シャリは甘め、白子は適度な濃さがありヘビーではありません

◆焼き物 窒息鴨 つくね 壬生菜の胡麻和え 銀杏を添えて

血抜きをしない窒息鴨、赤身が強くさっぱりしながらも濃く肉に締まり有

銀杏はサクッとした歯応え、壬生菜の胡麻和えは穏やかなお味

鴨つくねは部位を限定していないので軟骨の食感があり、葱とふわりの生姜の香り
優しいお味でお酒にも合います

◆強肴 自家製のからすみ

甘さと濃縮さが前面に出ていて塩っ辛くはありません
このアプローチが晴山らしいです

下層表面を炙ってあり香ばしさも有

旨みがしっかり、塩気は柔らかく美味なからすみ
もっといただきたいと思えるお味でお酒がすすみます

◆揚げ物 松葉ガニコロッケ 玉ねぎソース

前回は松茸でしたがこちらが定番だそう

中には松葉ガニがそのまま入った大変ゴージャスなコロッケ
クリームは甘く、松葉ガニも糖度があるので玉ねぎソースのソフトな酸味が引き締めます
ボリューミーな一皿

◆炊き合わせ 海老芋揚げ 小松菜 いくら 温製餡かけ

いくらがかけられていますが温かいお皿
少し濃厚さが増して、他とのバランスは良く不自然さはありません

程よく柚子と生姜の香りが漂います

海老芋揚げは糖度が高く、滑らかでパサつきもなく、この前いただいた重鎮の海老芋は桁違いでしたが晴山のも美味

出汁は真っすぐしっかりしたお味、甘みのある海老芋と良いコントラストでした

◆お食事 鱈子と芹

辛めの鱈子に甘めで柔らかなご飯、芹の香りがふわりとして、いついただいてもここの炊き込みご飯は美味
お土産にすると鱈子は火が通った感じになり際立つ感じはなくなりましたが馴染んでいつも通り家でも楽しめました

◆甘味 はちみつプリン 苺と洋梨 白ワインジュレ 白トリュフの香り

この日は山本さんと白トリュフの話になっていましたが、最後に差し込んでくるとは思いませんでした

香りは言われずとも芳醇な白トリュフ
白トリュフはプリンの方に潜ませているらしく、自然な甘さから白トリュフの香りが迫ってきます
この日の最後は驚きが待っていました

【2016/10】

お昼利用、ディナーコースです

◆先付 香茸と車海老、春菊の胡桃ホワイトソースがけ
◆椀物 甘鯛と岩手の松茸
◆向付 九絵と剣先烏賊
◆お凌ぎ のどぐろ寿司
◆カマスと焼き椎茸、いくら
◆揚げ物 松茸のコロッケ
◆炊き合わせ 子持ち鮎と茄子の焼き浸し
◆お食事 福井の新米
◆甘味 無花果のプリン

【2016/08】

お昼利用、ディナーコースです

◆先付 湯葉と焼き茄子、白バイ貝
◆椀物 毛蟹しんじょ
◆向付 鰹、鮃、剣先烏賊
◆鮑と雲丹のうどん、肝ソースかけ
◆焼き物 鮎 万願寺唐辛子
◆揚げ物 鱧と新銀杏
◆炊き合わせ 穴子とじゃがいも饅頭、冬瓜ソース
◆お食事 鱧の炊き込みご飯
◆水物 桃のコンポート白ワインゼリー寄せ

【2016/05】

お昼利用、ディナーコースです

◆先付 函館の紫うにと賀茂茄子の生クリームがけ
◆椀物 若狭の甘鯛と湯葉
◆向付 鰈と剣先烏賊
◆揚げ物 帆立、新玉ねぎソースととうもろこし
◆素麺、泡オクラにじゅんさい、鮑
◆太刀魚の木の芽焼きと白アスパラ
◆じゃがいも饅頭と毛ガニ餡かけ 空豆
◆時鮭(トキシラズ)と新生姜、木の芽の炊き込みご飯
◆ココナッツプリンと宮崎のマンゴー、パッションフルーツクラッシュゼリーがけ

【2016/03】

お昼利用、ディナーコースです

◆先付 車海老と蕨とうるいの梅肉和え
◆椀物 蛤のお吸い物
◆向付・お造り 敦賀半島の鮃、福井小浜の赤貝、三河湾のトリガイ
◆揚げ物 穴子と空豆、タラの芽/新玉ねぎのソース
◆焼き物 鹿児島の筍を宮崎牛で包んだ焼き物。
◆帆立と湯葉の煮浸し、自家製のばちこ
◆鯛と筍の炊き込みご飯
◆甘味 オレンジプリンといちごとオレンジとブルーベリーと白ワインジュレかけパッションフルーツ

【2016/01】

お昼利用、ランチコースです

◆芹に数の子ジュレをかけて
◆ユリ根しんじょ
◆寒鰆に薯蕷をのせて
◆宮崎牛とかぶら
◆鮃とじゃがいも饅頭
◆お食事 レンコンと菜の花とたらこのご飯、お味噌汁、香の物
◆静岡紅ほっぺプリン


<長巻物なので12月分以外はこちらです↓>

http://food-garden.net/foodpost/%E6%99%B4%E5%B1%B1/

  • 郡上鮎
  • 鮑と雲丹のうどん、肝ソースかけ
  • 毛蟹の真薯

もっと見る

5位

たきや (麻布十番、六本木、赤羽橋 / 天ぷら)

3回

  • 夜の点数: 4.7

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 4.9
    • | 雰囲気 4.3
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2017/06訪問 2017/06/18

稚鮎やアカザエビ、白オクラ等拘りの食材、蒸し揚げの業が光るたきやにしか作れない世界

2015年オープン、麻布十番駅7番出口を出て5分程度。日本で最も予約の取れない天ぷらと言われたしみずの笠本氏がオープンした胡麻油は使わず紅花油一本で揚げるたきや。

店主笠本辰明氏は大阪吉兆→リッツ大阪花筐→リッツ赤坂しみず→リッツ赤坂ひのきざか(2014年寿司「ありた」、天麩羅「しみず」、鉄板焼「くたに」統合リニューアル)で総料理長を務められた方です。

お店の場所は少し分かりにくく回りには更科堀井、ジェラテリア マルゲラ 麻布十番店のストリートを一本入った所の麻布かどわきのすぐ近く、ほぼ斜め前のビル2Fにあります。

店内は明るく清潔感があり、カウンターのセンターに笠本氏、数人のお弟子さんが脇を固めています。

知られていることではありますが、最大の特徴は胡麻油を使用していない点。
紅花油なので胡麻の香りはしない分素材がダイレクトに伝わる天ぷらです。
よって素材の質が仕上がりに大きく左右されるため仕入れは三ツ星級の日本料理店と同じ一角、失礼ながら天ぷらでこの質を使用することに驚きを隠せません。

揚げた方は天ぷら内部を優しく蒸し揚げるスタイル。
多くはスロベニア産の海水の塩でいただきますが、デフォルトで梅、抹茶、カレーの個性的なパウダーもついてきて品により酢橘やトリュフ塩に変えることもあります。

お味は素材に頼るのではなく、素材本来の奥に秘めた強さとポテンシャルを前面に押し出します。
よってガツンとくる旨みを濃いと表現する方もいるかもしれません。
最近は薄味=善の傾向がありますが、たきやは臆せず蒸し揚げることにより増す甘みや素材のもつ塩分、そして強力な旨みを引き出すのに重点を置いています。
シャトーブリアンをスペシャリテの1つにし、松葉蟹を殻ごと蒸し揚げたり、丸十は生で揚げず蒸してから揚げたりと美味しさの為に守破離の精神で道を切り拓いていく新しい天ぷら。

また天ぷらのお店の多くは突き出しや甘味が置き去りになる傾向にありますがたきやはここでも拘りを見せ、お食事全てを通して満足感を与えお客のテンションを下げさせません。
特に突き出しはたきやでは前菜に姿を変え、見た目は八寸な様な美しさ。
吉兆出身ということもあっては細かい仕事と盛付、特に出汁の取り方はミドルクラスの日本料理店は敵いません。

ポジティブにそして大胆に攻める、方向性がはっきりしたお店。
ですが荒々しさはなくこれは笠本さん自身の明るさと真っすぐな情熱と溢れる魅力がお味に出ているからかもしれません。

【2017/06】

今回は拘りを強く感じた日でした。
何がたきやの色に合うのか、雲丹でしたら唐津やダイセン等がありますがブランドではなく当店に合う素材を納得するまで探し求める。
直送経験のなかった現地とは直接交渉、白オクラに至っては質を安定させるために現地にハウスを設置する等益々たきやでしか出会えないお味が増えてきています。

前菜の食材のバランスの良さ、サラダの独創性、ここは天ぷら店ですよね?と誰もが思えるお皿が並びます。
高級食材を魅せることも長けていますが、私的には蒸し上げ業が素晴らしいのを通り越してどうやっているのでしょう?と思えることも多々。

魅力も増していきますが、最近は予約難度も増してきました。

笠本さんは1人で訪問しても、頻繁に私の所までお話に来て下さるので毎回勉強にもなりますし、何よりとても楽しく過ごせます。
笠本さんの明るい前向きな姿を見ているとこちらまでも明るくなれる、そんな魅力を持った方です。

天ぷらだけでなく全てのお皿で魅せる当店。
蒸し揚げの業で昇華される食材の強さ、今日も華やかで驚きのあるたきやの夜が幕を開けます。

◆前菜 赤雲丹と白胡麻豆腐、モズク酢とトリ貝、空豆と針生姜、白海老の昆布締めキャビア乗せ、ばちこを添えて

赤雲丹と白胡麻豆腐

赤雲丹は山口北浦
函館や青森等色々な県を試されたそうですが、こちらの雲丹以外はどれもたきやの形には合わなかったそう
ただ、北浦の赤雲丹は東京までの直送をやっていなかったので直接ルートで交渉して送って頂くようにしました

合わせるのは白胡麻豆腐、ちょっとこってりし過ぎてしまうかな?と思っていたのですが好相性で驚き
雲丹は水っぽい感じはなくお味が濃く、それをほんのり甘い胡麻豆腐が包みまったりした良い口当たりに
山葵が辛すぎないのがまた良く、美味です
いつも天ぷら店ということを忘れてしまいます、笠本さんの努力や才能に驚きです

モズク酢とトリ貝

トリ貝は炙ってあり、ほんのり温か
これも良く合いなかなか美味、食材とのバランスを取るのが本当に素晴らしいです

白海老の昆布締めキャビア乗せ

甘い富山の白海老とキャビアの塩気、時々柔らかなばちこと共にいただきます

◆車海老

いつも通り甘い車海老からスタート

◆車海老脚、とうもろこし

軽い車海老脚
とうもろこしがとても糖度高く、天ぷららしい熱々さがあるものの中がピュア
そのままの瑞々しさと綺麗な風味で、“揚げ”独特のお味がしません
伺うと水分が上がってくるタイミングを見計らうのが重要とのこと、業の美味しさです

◆鱚

こちらの鱚は大好きです
ほわほわした身で甘くて風味も残っていて、最初は少しのお塩で時々つゆで
大きいので途中から変えて楽しめるのも良いです

◆アオリイカ

皮を抜き寝かして、繰り返すこと3日
風味が残り、天ぷらでもねっとりした食感があります
1つを塩でもう1つをつゆでいただきました

◆新蓮根

皮ごと蒸し揚げたもの
いただくと断面から滲んでくる水分、食感も良好
新蓮根の場合は水分を残し9割揚げ、1割余熱で仕上げた旬の美味しさを表現しています

◆稚鮎

まずは生きた状態の稚鮎を見せてくれます
氷で冷やすことにより眠らせ、一気に蒸し上げます

ついに初訪時から気になっていた(私が大将に毎回言っていた)抹茶塩の出番です
いつも抹茶塩自体はつけることはできるのですが、こちらの天ぷらはそのままで十分美味しいので私は大体お塩のみでした

稚鮎はお味は濃く、苦味も旨みもあるワイルドさがあるお味
飲めなくてもビールがとても合いそう
抹茶塩も好相性、適度な苦味で抹茶の風味が強すぎないのでよく引き立ててくれました
旬な大人のお味を堪能させていただきました

◆白オクラ

山口のみで栽培される、白オクラ
品質を安定させるためにたきや用のハウスを作ったという拘りのお野菜

こちらも素晴らしかったです
断面ではあまり分かりませんが、粘りがすごく揚げても一切失わない本来のポテンシャル
青い香りと甘みがあり、種が少ないので取らず自然のままの美味しさが伝わります
美味しさももちろんなのですが、どうすればここまで活かせたまま蒸し揚げされるのか不思議でした

◆アカザエビ、赤雲丹キャビア乗せ

相模湾のアカザエビ、お造りとして先程の赤雲丹、キャビアを乗せていただきます
ぷりっとした食感、赤雲丹とキャビアが良く合います

◆アカザエビ

バター醤油ソース、柚子のお花を添えて
前回いただいた白子と黒トリュフで使われていたソースと同じもの
バター醤油のベースは天出汁、そこに無塩バターと醤油、葛を落としたものでこれが万能的な美味しさ
ですが、たきやで登場するのはこの2回だけです

柚子の香りに包まれ、レア感と風味の余韻が良いアカザエビはソースのコクに負けません
美味しいソースもスプーンをいただき全ていただきました

◆トマトと新玉ねぎ、真如寺湯葉、毛蟹を添えて

熊本の塩トマトをオリーブオイルで焼いて新玉ねぎと京都の真如寺湯葉、噴火湾の毛蟹
今回の箸休めのサラダは見た目も涼やかな一皿

酢を使用しているのですが、甘みと仄かな酸味で特色があります
お聞きしているとホワイトバルサミコと醤油、鰹を合わせてた後再び出して昆布を合わせて3日寝かせて・・・・工程が大変過ぎて途中で分からなくなってしまいました・・・

洋食の雰囲気がありながらも和食に落ち着かせている独創性があります
トマトの自然の濃さが光り、酢の立ち位置が奥深いサラダです

◆シャトーブリアン

リッツカールトン時代から続く、トリュフ塩でいただくヒレ肉の天ぷら

一部の本当に良い箇所を使用し紫蘇で巻いた大変贅沢な一品です

赤身には胡椒で味付けされていて、中はレアで溢れるのは肉汁と肉の旨みでコクはありますが重くない綺麗なお味
今回は甘くジューシーでした

合わせるのはトリュフ塩、トリュフの香りが予想以上に強いのですがくどくないお肉とは素晴らしい相性
通常では考えられないですが納得させる力をもった一品、定番のお味です

◆茄子と万願寺唐辛子の煮浸し

大きな熊本の赤茄子と大きな万願寺唐辛子
茄子は煮浸しと言っても油を吸わせていないので、あっさりしていて溢れる水分も綺麗
勿体ない位に零れる水分のジューシーな茄子、唐辛子と共にさらりといただきます
対して干し海老の出汁は骨太なお味でしっかりベースを支えます

◆穴子丼

定番のお食事
濃厚さを残しながらも、今回は高知の煮山椒を添えてさっぱりといただきます

◆甘味 グレープフルーツゼリー

風味がしっかりしたゼリーですっきりしていて、お腹いっぱいでもいただけるお味
甘味までぬかりがありません

◆わらびもち

前回同様にわらび餅、煎茶で終了となりました


かなり予約難となっていますが、1人利用の私にお気遣いをして下さる大将に本当に感謝です。
次回は以前から体験したいと思っていた食材が揃う10月、今からとても楽しみです。


<全文はこちらです↓>

http://food-garden.net/foodpost/%E3%81%9F%E3%81%8D%E3%82%84/
<2017/03>

今回は伊勢海老や白子、春の味覚蕗の薹、自家製桜塩でいただく白魚など季節が交差する贅沢な内容。

笠本さんが伊勢海老を捌く姿を拝見しているとここが天ぷら店であることを忘れてしまいます。

白子や蛤、白魚ももちろん美味。
ですが今回感じたのはシンプルに見える食材こそ、たきやの他にはない拘りと手間を惜しまない姿勢が眠っているということ。
写真映えはしませんが、丁寧な仕込みをした筍は大変美味。
豪華で華やかさに目がいきがちですが、素材に囚われ過ぎず1つずつ丁寧に仕込み、蒸し揚げる強度を変える仕上げる姿が心に残りました。

毎回1人で訪問していますが、いつも楽しいお話と忙しい中お見送りまでして頂き今夜も良い時が過ごせ、構成もとても満足なものでした。

◆前菜 山菜とうるい、浜ぼうふう、車海老、鮑 からすみをかけて/山芋と海鼠子/あん肝/毛蟹と筍、ジュレがけ

<山菜とうるい、浜ぼうふう、車海老、鮑 からすみをかけて>

鮑の出汁で山菜などをおひたしにした旨味が凝縮した一皿
車海老のレア加減が絶妙、素材に出汁が染み渡っていてその良さをベースにいただきます
出汁はすっきりしながらも深みがあり、塩気はからすみが補っていました

<山芋と海鼠子>
癖はなく塩気も丁度いいです

<あん肝>
滑らかで濃厚な味わい
たきやの素材の旨みや強さに対する拘りが細部までに出ています

<毛蟹と筍、ジュレがけ>
甘酸っぱいジュレに筍のフレッシュな歯応え、毛蟹との相性はとても良いです

◆車海老

ふんわり柔らか、エビの甘みが生きています

◆車海老脚

紅花油の良さで素材の軽さと芳ばしさが際立ちます

◆筍

産地はまだ京都はシーズンではないので鹿児島のもの
何も付けずにいただきます

写真で見ると華やかではありませんが大変美味
とても甘く、柔らか過ぎず歯応えの小気味よさを残しています
アクは全くなく瑞々しく、今までいただいた筍の天ぷらの中で断トツの出来

お聞きすると糠とお湯でアク抜きをした後に更に湯で糠抜きを行い、カツオ出汁を入れるという手間のかかったものでした
天ぷらとしての水分も残し、丁度いい歯応えを残すところに業が見えてきます

◆白魚

5匹程串に刺し、衣を付けて油の中で落とし1匹ずつ泳がせるように蒸し揚げていきます
最後に白魚同士を絡ませるので、個々が独立していて衣同士のべちゃっとしたくっつきはありません

添えられるのは桜の葉型の小皿に盛られた自家製のピンク色の桜塩
八重桜の桜の葉を1枚ずつ千切り色が混じらない様に花弁以外を避けお塩と合わせたもの
細かい作業を繰り返すことにより、美しい明清色を再現
もちろん香料等添加物は一切ないピュアな桜塩です

白魚は甘く、ふわふわでふっくら
そこに合わせる桜塩は丸く広がる桜の香り、きつくありません

桜の人工的なテイストとは全く異なり、奥ゆかしく広がる可憐な香り
上品な春を思わせるお味で雰囲気からも美味しさが溢れます

◆鱚

立派な鱚の中はとても熱々
ふわふわなのは白魚と同じですが、どこか身が締まったようなふわふわ感
白魚とは違い、お味はかなり濃厚
つゆにつけていただくようにアドバイスされますが、そのままでも旨みが強いので美味しくいただけます

◆蕗の薹

春の香り漂う旬な一品
蕾を開き、華を咲かせたように蒸し揚げていきます

供された蕗の薹の開いた部分は蒸し揚げられていて中心部は油を吸わせレアな状態

通常の蕗の薹の天ぷらは苦味のみで終わってしまったり、食感も水っぽかったり逆に抜けてしまっているものが多いもの

この蕗の薹の外側はサクッと甘く、中心部は火を通してないことにより蕗の薹のフレッシュな苦味がありコントラストがはっきりしているのでどちらかに傾いてしまうことはありません
柔らかな口当たりで他の揚げ方とは異なる食感を残してくれました

◆蛤

九十九里の蛤、蒸し揚げた中心部はレアで蛤の水分が断面から溢れて光を反射していました
潰した山椒の実につけていただきます
蛤はぷっくり膨らんだ様な食感で、見た目通りジューシーで広がると自然な旨み
山椒の香りでスッキリした後口です

◆伊勢海老

笠本さんが豪快に捌いた伊勢海老、中心を見るからにくっきりとレアに仕上げたもの
1つはフランス産の生キャビアでいただきます

賞味期限が短い生キャビア
「生」と聞くと塩辛いイメージが湧いてしまいますが、実際はフレッシュで塩気も丁度良く、初音鮨や天本でも使用されています
因みにこちらの生キャビアと初音鮨と同じもの

プリプリの跳ねる弾力と程よい生感
一方はお塩、もう一方の塩気はキャビアで補います

キャビア×伊勢海老はより海を近く感じるお味、間違えのない美味しさ、たきやらしい揚げが味わえました

◆桜海老のかき揚げサラダ

お皿いっぱいに盛られたボリューミーなサラダ
サラダ自体は定番でベースは温泉卵、大根やレタス等、核となるフレーバーはトリュフだったり鴨肉だったり季節によって異なります
今回は揚げたての桜海老

サクサクで甘い桜海老と温泉卵との相性は抜群
大根のシャキシャキした食感でもフレッシュさを出していて良いです

温かい桜海老と冷たいサラダ、温度差でも楽しめました

◆シャトーブリアン

リッツカールトン時代から続く、トリュフ塩でいただくヒレ肉の天ぷら

一部の本当に良い箇所を使用し紫蘇で巻いた大変贅沢な一品です

赤身には胡椒で味付けされていて、中はレアで溢れるのは肉汁と肉の旨みでコクはありますが重くない綺麗なお味
今回は柔らかさとお肉の甘さが引き立っていました

合わせるのはトリュフ塩、トリュフの香りが予想以上に強いのですがくどくないお肉とは素晴らしい相性
因みに「このお塩だけでもお酒がすすむ」と仰る方もいるとか、香りが強いので合うのタネは限られていますがこのためにあると言っても良いほどの相性を発揮

通常では考えられないですが納得させる力をもった一品、定番のお味です

◆舞茸

芳香だけでいただいた気分になる香り高い舞茸の天ぷら

こちらはカラッと揚げてあり、衣のサクサクさが味わえます
天つゆにたっぷりの大根おろしを落としさっぱりといただきました

◆白子×黒トリュフ

バター醤油ソースの上に蒸し揚げた白子、ペリゴール産の黒トリュフをたっぷり削って供された華やかな一皿

旬としては終わりに近いですが、今年は長く旬が続き3月になっても出していただけました
ただ、これ以上時期が進むと液化が強くなり水っぽくなってしまうそう

白子はクリーミー、とろんと口の中で濃厚さを出しつつ液状になっていき香りも後まで続きます

立派な白子ですがヘビー過ぎず、合わせるとろりとしたバター醤油も美味
バター醤油のベースは天出汁、そこに無塩バターと醤油、葛を落としたもの
そこに良質な黒トリュフの香りが交わります

他にはないお味、また冬に是非いただきたいです

◆小柱の天茶

天丼と天茶があり、今回は天茶を選択

小柱と玉ねぎのかき揚げに一番出汁をかけていただきます
出汁は醤油を入れず塩のみ、コクがありながら晴れ渡ったお味
万能な出汁でこちらを基礎として季節に応じて様々なお味へと変化していきます

小柱の風味と玉ねぎの甘さ、キリッとした出汁が纏め上げてくれ満足の天茶

◆苺のゼリー寄せ、アングレーズソース

アングレーズソースはバニラのお味が強く、甘みがはっきりしたソース
ゼリーはコアントローを効かせたきりっとしたお味、苺は少し酸味もあり
そこに甘めのソースとなるのでバランスが良くデザートらしい美味しさがありました

◆わらびもちと煎茶

定番をいただいてお料理は終了となりました


今回もお腹いっぱいです。
次回は6月、鮎のシーズンに伺います。


<全文はこちらです↓>

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<2016/12>

◆前菜

裏白の上に4枚の小皿で供された今回の前菜

<奥のゴールドの中皿には柴山港松葉蟹のキャビア乗せ、手前に島根のあん肝、菊の葉のおひたしとほうれん草のおひたし>

蟹は割と塩気がはっきりしていてキャビアで塩分をもたせてはいませんでした
あん肝は滑らかでいつもながら前菜でも手抜きがありません
ほうれん草のおひたしは味わいが強くお味はしっかりめ

<左の小鉢は汲み上げ真如寺湯葉の餡かけ>

こちらは優しく仕上げてありました

<中央は鮪赤身、とろろ>

漬けにはなっていますがにおいもなく、とろろは粘りが強く大和芋かもしれません

<右の小皿には帆立のカラスミ和え、木の芽>

柔かな帆立にカラスミの塩分が程よくマッチしていて不自然さはありません

◆才巻海老脚と新銀杏

出世海老の車海老、才巻海老は10㎝以下の小さな海老
胡麻油ではないので海老の香ばしさと甘さがよく伝わり、サクサク食感でスナックの様に軽くいくらでもいただけそう
銀杏の衣は極限に薄く、食感は柔らか過ぎずお味を残し銀杏の良い香りが抜けていきます

◆才巻海老

レモン×塩でいただきます
レアまではいきませんがふっくらしていてピュアさも残す味わい

◆アオリイカ

徳島県産の鹿の子包丁を適度に入れたアオリイカ
たきやはいつもダイナミックなタネを使用しますがこちらもかなり厚め

レモンでいただきます

墨烏賊とも剣先烏賊とも違う独特のもちっとさが蒸し揚げることにより顕著にでるそう
最初は緩やかですが徐々に強くなる甘さと濃さ
レモンに負けないフレッシュな旨みが広がります

◆ハゼ

青森県産の大ぶり
11月と12月は天ぷらタネの旬として重宝されるハゼ、シーズン的には落ちハゼの時期でもあります

最初はそのままでその後はお好みで天つゆでとのこと

月並みですが、サクサクふわふわということこれ以上合う表現はないと思える程
細やかなサクサク音と中は熱々、しっとりさと柔らかさでほぼ噛む必要がありません

甘みと旨みがとても強くつゆなしで十分、ハゼの質と蒸しの技術がよく表れています
ハゼがこんなに美味しいと思えたのは初めて、とても美味
できることならもう1回いただきたいと思えるお味でした

◆蟹の湯葉包み

蟹の身と味噌等をぎっしり詰めて湯葉で包み揚げたもの

味噌の色が目立ちますが身もいっぱい入っていて余計な味付けはしていません

味噌は揚げすぎるとどろどろになってしまい風味を損ね、かと言って冷たいと天ぷらではありません

いただくと、とろっと温かく僅かな揚げ時間をコントロールしているのがわかります
お味は蒸すことにより素材の濃さが増して凝縮され、贅沢なことに濃厚さでやや重ささえ覚えます

そこに笠本さんから澤屋まつもと 守破離が供され、一緒にいただいて欲しいとのこと
爽快感のある香りが抜けて、まったりしていた後味がすっきり
綺麗に次の天ぷらに繋がりました

◆蓮根

茨城の蓮根、蓮根と言ってもこちらもかなり質が良く歯応えと甘さが印象的
サクッと歯切れよく内部は瑞々しさがあり、今回は天つゆでさっぱりいただきました

◆白子松蔭蕪酢橘餡かけ

河豚の白子にたっぷりの餡かけ、とろっとしているのでスプーンでいただきます
餡は裏漉しされた蕪風味、酢橘は強め
くど過ぎない程度の白子を使用していました

甘くて濃さはあっても重くはなく、とろっとしていて綺麗に溶けますが液状でもありません
とろとろになり過ぎると崩れてしまいますし、かと言って口溶けも重要
こういった絶妙な口当たりを操ることにたきやはとても秀でています

右の小皿にあるのはゆずきち皮に七味を合わせたもの
実家のご祖母様が作られたとのこと

かなり辛いので苦手でなければ美味しくいただけるとご紹介いただきました

まずそのままでいただくと確かに辛め
ですが香りの突き抜けが素晴らしく、夏に味わったゆずきちの旬の香りをそのまま閉じ込めた様
単純に辛いのではなくセンスが良い辛さ、とても美味

白子と合わせるとあれだけ辛かったものがあまり感じず、それだけ白子の甘みもあったと再確認
香り良くややさっぱりして相性はとても良かったです

◆鴨の生ハムときのこのサラダ

京都鴨の生ハム、きのこ、温泉卵、大根やレタス等が入っています

トリュフがないのでいつもより瑞々しくシャキッとしたお味
きのこは味付けがされていて程よい酸味がありました

◆鹿児島産黒毛和牛のシャトーブリアン

◆紅はるか

蒸してから1日寝かし蒸し揚げたもの

紅はるかは安納芋に似ていると言われる糖度の高い芋
ですが一方で筋が多く処理が大変とも言われています

いただくと驚くほどの糖度で筋っぽくはなく滑らかで塊がありません
香りは後まで続きました

前回は鳴門金時でしたがこちらもとても美味

天ぷらの伝統的手法は生揚げ
どうしても中心部にパサつきがでてしまい滑らかさは今一つ
それを美味しさの為に破って供するのがたきや

こちらで芋の天ぷらをいただいたら他ではいただけません

◆才巻海老

こちらが供されるとお食事になるのですが、今回はこの後に1品あるとのこと

◆香箱蟹の天ぷら

なんと殻ごと蒸し揚げた香箱蟹の天ぷら

殻は甲羅酒があるように風味がよく出るもの
蟹のお味を最大に引き出す為にもダイナミックにばらしたりせずそのまま蒸し揚げます
普通の香箱蟹と違って隙間があると上手く蒸し揚がらないらしく1.5杯程度詰め込んでいるそう

上からかけるのは生姜甘酢餡

見た目から驚きで迎えられる香箱蟹の天ぷらは、中身はぎゅうぎゅうに詰まっていてお味はともかく濃い
凝縮した内子と外子の旨みが強く、殻からの風味が合わさりお味自体がガツンときます
塩分も強く、確かにこれは次に天ぷらがあっても霞んでしまいます
お塩の有無をお聞きするとボイル時の3%のみで、塩分は外子からでているそう

少し甘く、生姜で締める餡が合っていました

普段いただいていると分かりにくいですが、本来の姿と強さが引き出された新しい発見がある1品

このフォルムもこのお味もたきやならではでしっかりお店の色が伝わります

◆穴子丼

定番のお食事

殻と味噌を集めて揚げた後クラッシュし、そこに天ぷらの出汁を入れて煮詰めたタレを豪快に穴子にかけていただきます

旨みが凝縮されたタレはとても主張が強く、穴子をいただいているはずですがお味は濃厚な海老の頭
殻の香ばしさやエキスがこれ以上もない位にぐいぐい押してきて、海老の食感はないのに不思議な感じに

甘みが際立ち、振り切った濃厚さと豪快さを併せ持つ穴子丼
お味はしっかりしていますが旨みが前面に押し出てきます

癖になるお味で思い返すとまたいただきたいと思えるお食事

◆甘味 マスクメロン、ポルト酒のゼリー寄せ

ゼリーにはポルト酒、レモン、生姜、メロンが加えられたもの
ゼリーは使用素材もありやや固形感あり
生姜は隠し味ポジション、少しピリッとした感覚はありますが言われないと分からなそう

マスクメロンは前回よりもジューシーで甘みがあり美味

ポルト酒と柑橘系と生姜が上手く交じり合い、全体的に甘さはありますがレモンと生姜が生きていてさっぱりいただけました
中々考えられている甘味、ここまで拘るのがたきやらしいです

◆わらびもち

前回同様にわらび餅、煎茶で終了となりました


次回は食材がかなり変わる春に訪問します。


<2016/10>

◆前菜
◆才巻海老脚と新銀杏
◆才巻海老
◆鱚と松茸
◆帆立
◆無花果と鴨の生ハム
◆ローストビーフのサラダ
◆甘鯛と雲丹といくら
◆白オクラ
◆鹿児島産黒毛和牛のシャトーブリアン
◆徳島鳴門金時
◆才巻海老
◆松茸土瓶蒸し茶漬け
◆甘味 メロン、ポルト酒のゼリー寄せ
◆わらびもち

<2016/08>

◆前菜
◆車海老
◆車海老脚
◆新銀杏
◆鱚と松茸
◆黒鮑
◆鱧
◆ローストビーフのサラダ
◆雲丹塩水海苔の包み
◆蓮根
◆鹿児島産黒毛和牛のシャトーブリアン
◆煮合わせ
◆車海老
◆穴子丼
◆グレープフルーツゼリー
◆わらびもち


<全文はこちらです↓>

http://food-garden.net/foodpost/%E3%81%9F%E3%81%8D%E3%82%84/

  • 稚鮎
  • アカザエビ
  • シャトーブリアン

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6位

日本橋蛎殻町 すぎた (水天宮前、人形町、茅場町 / 寿司)

2回

  • 夜の点数: 4.9

    • [ 料理・味 4.9
    • | サービス 4.9
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 昼の点数: 4.9

    • [ 料理・味 4.9
    • | サービス 4.9
    • | 雰囲気 4.6
    • | CP 3.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 ¥20,000~¥29,999

2017/03訪問 2017/03/26

ここでしか味わえない鮨と世界。五感で楽しむ上質な時間

日本橋橘町 都寿司時代から大変な人気店で予約難易度は屈指と言われ、2015年10月に移転してから更に予約が難しくなったという日本橋蛎殻町 すぎた。

大将は杉田孝明氏。
大らかで穏やか、優しく通る声、一見にもわけ隔てない接客と退店時は回転制で忙しくとも店前まで出てきて挨拶をして下さる気遣い、「人」としても支持を集める方です。

お店は水天宮前駅から3分程のところ、地下にあります。

お味は前に押してくるような鮨もありますが、こちらは一歩退いてじんわり旨みを引き出すと共に人を引き寄せる、感覚的には大人のお鮨。
シャリはブレンド、酢は効いていますが癖と角が無く、ふんわり程よい空気感でほぐれます。
ネタとシャリの相性が良く食べ疲れもせず、あまりのままに自然にいただきたいお味です。

また、演色性に優れたライトを使用することにより色被りがなく、光沢のある黒い鮨下駄に鏡面の様に写り込む美しき鮨も目を惹きつけます。
鮨下駄を毎度の様にお弟子さんが綺麗に拭いてくれるところから、見た目の美味しさのも重視しているのが伺えました。

お味には好みがあります。
ですが、すぎたさんのお鮨はその範疇を超えて人々の中にある理想形の様な気がします。
人を選ばず、誰もが美味しさを共有できるのが日本橋蛎殻町すぎたです。

*食べログには写真の一部を掲載します*

<2017/03>

温もりが伝わるカウンター、反射率の高い黒い下駄に映る情景、上品で大人の雰囲気。
入店からその世界観を訴えるのは日本橋蛎殻町すぎただけかもしれません。

今回で3回目、運よくこの日は大将の前でした。

いただいた握り、つまみはどれも完成度が高く、その「すぎた」でしかないお味をしなやかに伝えてきます。
すぎたさんはソフトな中に染まらない芯があり、流れる所作、ゆとりのある大変魅力的な方。
それがお味とリンクしここでしかない色を強く残す、五感で楽しむ世界です。

◆うるいのおひたし

瑞々しくすっきりとした味わい、ほんのりと春の苦味を感じさせます

◆アオリイカ

千葉、鴨川のもの、生姜醤油でいただきます
身がしっかりしていて、美味しくなっていくシーズンはこれからですがねっとりとした感触も味わえます

◆鰹の漬け

塩締めた後軽く寝かせてさっと醤油につけ、生姜とあさつきを添えたもの
舌を滑る存在感とフレッシュさが同居
醤油は濃すぎず優しくアプローチする、これをいただくと「すぎた」に来たと思わせてくれるつまみ

◆蛸の柔か煮

辛子をつけて、柔らかな甘みと昆布香る出汁
上品なお味です

◆穴子の茶わん蒸し

出汁は前に出さずに、穴子のふわっとしてとろける甘いお味を軸としている茶わん蒸し
余計なものを削ぎ、抑えることで穴子の良さが際立ちます

◆鮟肝と数の子味噌漬け、シマエビの頭

鮟肝は甘く煮漬けてありとても滑らかでふわりと消えます

数の子味噌漬けは味噌が効きすぎず強い弾力が魅力

シマエビの頭は他ではないビジュアル
みそを殻から出して味付けしたもの、高温で炙るので殻自体は使用していません
ぎゅっと集めたような濃縮さがありました

◆焼き物 太刀魚

箸を入れるとじゅわっと溢れる旨み、とろりとした口当たりの中でさっぱり感も残します

◆〆鯖の海苔巻き

大葉とあさつきとガリを海苔で巻いたもの
こちらはとても美味
〆鯖の脂のりが素晴らしくジューシー感も素晴らしく山葵の存在が分からなくなるほど
かなり酸味が強いものもありますが、すぎたさんのは本来の甘さを残し素材の良さを前面に出すお味
鯖は千葉のもの、産地によってお味が異なるので西の鯖を使うとこのお味にはならないとのこと
よって鯖は千葉~沼津、焼津までを使用し、軽く〆るなら西が良いらしいです
気になったのはしっかり〆ているようなお味に感じない点、素材の良さと脂の上質さが主で酢は強くありません
ですが、実際は塩を使用し寝かせているとのこと
作り手の完成図によって大きくお味が異なる〆鯖、旨みを出すアプローチが素晴らしいです

◆小肌

すぎたさんの代名詞の1つ
ジューシー、身の柔かさと包み込む様なソフトな味わい

◆真鯛

淡路のもの、厚めに切られているので甘みがよく伝わります

◆シマエビ

甘くねっとり、仄かに昆布の香りが漂います

◆鰆

軽く燻し、辛子を挟んであります
甘みが強いお味です

◆赤身

那智勝浦のもの、漬けにしてあります
かなり柔らかく綺麗なお味です

◆背トロ

濃厚さはありますが、このシーズン、那智勝浦の特徴と言いますかひきは早いです
脂の良さを感じ、最後はさっぱり終われます

◆鯵

仙崎のもの、甘くさっぱりしていて旨みよりもフレッシュさが際立ちます

◆子持ちヤリイカ

卵はさらっと溶け、身は上品で柔か
甘く広がる旬の旨みは思わず笑顔になります

◆車海老

程よいレア感、みその風味といただきます

◆雲丹

青森のもの
さらっと溶けて口に風味が広がります

◆穴子

柔かな衣を纏ったような穴子、ふわりと溶けてなくなります
他の握りもそうですが、本当にレベルが高いです

◆浅利の椀物

塩気はあっても旨みを出す椀物

<追加>

◆煮蛤

お味はしっかりしていて、お酒と共にいただくと更に美味しく美味しく感じそうです


想像はしていましたが、今年の予約は全て満席。
来年の予約はリピーター専用日に開始されるとのこと。
時期が空いてもまた訪れたい心まで柔らかくなるすぎたさんのお鮨でした。


<全文はこちらです↓>

http://food-garden.net/foodpost/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%A9%8B%E8%A0%A3%E6%AE%BB%E7%94%BA-%E3%81%99%E3%81%8E%E3%81%9F/
*食べログには写真の一部を掲載します*

【2016/09】

◆新銀杏
最初から塩を入れじっくり茹でた銀杏
ふっくらしていて程よい塩気が中まで染みわたっています

◆つぶ貝
北海道様似町、塩締め
強い弾力と甘みがでています

◆鰹の漬け

◆黒鮑
大原黒鮑蒸し、添えられるのは肝の味噌漬け
黒鮑は香り高く少し弾力性を残した柔かさが秀逸
肝の味噌漬けはコクがあり味噌は適度で肝の良さもでていて仕事の細かさを感じます

◆鰯
根室の鰯を大葉、アサツキ、ガリを海苔で巻いたもの
脂がかなり強いので山葵をたっぷりつけていただきます
蕩ける様な鰯の旨さと大葉の香り、酢も効いていて要素が上手く纏まっていて品のある仕上がりで美味

◆鮟肝と筋子
蕩ける様な鮟肝は素晴らしく、筋子は少し皮が気になりました

◆太刀魚
熱々の状態、箸を入れるとじゅわりと脂が溢れジューシーな焼き物

<ここから握り>

◆新子
香り良く新子らしい柔かさ、今のシーズンだけの贅沢な美味しさ

◆真鯛
淡路産、4日寝かしたもの
程よい弾力と脂ののりがでています

◆サゴチ
出世魚鰆の50cm前後の状態
燻した香りが良く、柔らかでもちろんにおいは全くありません
さらりとした旨みが良く出ていて鰆との違いが明確
大変美味しいです

◆新イカ
こちらも今のシーズンだけ、いつもと違う柔らかなお味が楽しめました

◆シマエビ
2日寝かせたもの、少し置いた方が鮨向きのお味になるそう
弾力と甘さ、適度なねっとりとした口当たりが美味

◆中トロ
戸井の鮪
大切りで弱めですが脂があり、やはり夏なので多少の水っぽさはあります

◆鯵
浜田産、においは全くなく上質です

◆車海老
レア過ぎず通り過ぎず大きな車海老

◆金目鯛
こちらは皮を炙ることにより、濃厚さに香ばしさを出しています

◆雲丹
唐津産、蕩ける口当たりで良質

◆秋刀魚<追加>
程よい冷たさがベスト、においが気になりやすいネタですが瑞々しい新鮮な旨みを楽しめました

◆穴子
どこの穴子もふんわりしていますが、こちらのは膨らんだ様なふんわり感
骨っぽさはもちろんなく、他ではない口当たりでこちらも美味

◆浅利の椀物
味噌汁というより出汁を前に出したような仕上がり、塩気はありますがすっきりとした味わい

◆玉子
山芋を使用したしっとりとした口当たり


【2016/04】

◆フキと鯛子
◆トリガイ、マコガレイ
◆鰹の漬け
◆真鯛の白子
◆鮟肝と蛍烏賊の味噌漬け
◆太刀魚、酢橘と大根おろしを添えて
◆たこのやわらか煮、地がらしを添えて
◆帆立網焼き

<握り>
◆小肌
◆真鯛
◆赤身漬け
◆カスゴダイ昆布締め
◆背トロ
◆鯵
◆車海老
◆金目鯛の炙り
◆雲丹
◆青柳
◆穴子
◆玉子
◆椀物


<全文はこちらです↓>

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  • 赤身
  • 背トロ
  • 〆鯖の海苔巻き

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7位

京味 (新橋、内幸町、汐留 / 日本料理)

1回

  • 夜の点数: 4.7

    • [ 料理・味 4.7
    • | サービス 4.8
    • | 雰囲気 4.5
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    - -

2016/12訪問 2016/12/06

揺るぎない強さと貫禄。全てにゆとりをもたせた計算されたお料理

京味、日本料理の原点ともいえる細かい説明が恐れ多い人間国宝西健一郎氏のお店です。
お弟子さんはくろぎ、井雪、星野、と村、もりかわ、味ひろ等と名店揃い。

もう80歳迎えられるというのに毎日お店に立たれ、お客をもてなし、個室利用であってもわざわざお話に来て下さいます。
トークは飄々としながらも粋でとても楽しく、時々一本筋が通ったお言葉が心に残りました。
足を悪くされてもお見送りに出てきて下さり、このお歳まで続けて来られたかと思うと歩んだ歴史の重さを感じずにはいられません。

お昼は初回でも予約をとることはできますが、1人では行けないお店。
今回はお誘い頂き総本山に初訪問。
こんな私を誘って下さり感謝しかありません。
ご同席下さった方々のレベルがとても高くかなり浮き気味でしたが、お話下さり皆様誠にありがとうございました。

お料理は2階の個室でいただきました。
開き戸を開け靴を脱いで上がり、お席はテーブルとなります。
写真撮影はできません。

お味は聞いていた通りしっかりめで単純に濃いか薄いかと聞かれれば濃いめ。
ですが、しっくりくるお味でこれこそが日本料理の基礎とも言われる由縁の様な気がします。

お料理は全てに余裕を感じさせる味わい。
システムで言えばベース設計が綿密なので上への展開が無理なく揺らぎがないので説得力があります。
そこにある毎日、日々を積み重ねたお味で信念と強さ、鮮明に記憶に残るお皿の数々。
シンプルに見えますが、同じお料理を他店でいただくとその差を再確認し奥深さに感銘を受けました。
特別なのですが日本人の中心に流れるものとして自然に入ってくる、それが京味。

貫禄があり真の良さに気付けるにはまだまだ経験不足。
緊張してあまり細かな所まで記憶していなく、そもそもレビューできるようなレベルにはないので今回は軽くご紹介という形で載せていきます。

◆このわたの飯蒸し

温かいもち米の上にこのわた
盛付けは以上なのでシンプル
もち米は柔らかさの中にもっちり感、旨みとしての苦味が効いていています
お酒が欲しくなるお味で味付けはしっかり
スタートは緩やかな日本料理が多いですが深く印象に刻ませる先付けです

◆カマスとごぼう、百合根

カマスは焼き物として火が通ったというよりもカマス寿司に近い食感
濃厚さを全面に出すものではなくさっぱりもしていてくどくありません

◆雲子ゼリー寄せ

柚子香る真っすぐな出汁に塩気はしっかりめ
白子というととろとろに調理されていることが多いですが、冷たさもあり薄い外皮が感じられます
ぷちっと皮が破れると旨みがじゅわっと広がりました

◆津居山 香箱蟹 松葉ガニ

香箱蟹は2、3杯分を詰め直したというたっぷりの内子と外子、オスとメスでとても贅沢なもの
十分と思える程、堪能させていただきました

◆海老芋の揚げ

敷紙の上に海老芋の揚げ、あしらいのみの見た目はとてもシンプルな一皿
ですが、とても糖度が高くどこまでも滑らかで驚きます
良質であっても微かにざらつきやパサつきがあるものですが全くありません
月並みですが絹の様な滑らかさと言うのがよく当てはまり大変美味
タイミングよく前後で海老芋をいただく機会があったので差は歴然
他店も素晴らしかったのですが京味の奥深さを感じさせます

◆お造り

明石の鯛、河豚の葱巻
添えられるのは紫芽と奥に消化吸収を助けるという莫大(ご一緒した料理人様から教えていただきました)

真鯛は肉厚で弾力があり、河豚は仄かな甘みが楽しめました

◆焼き物

琵琶湖もろこのつけ焼き 笹カレイ
つけ焼きのタレは甘みもありはっきりしたお味
程よい会話を挟みながらゆっくりと味わうのに向いているお味

◆炊き合わせ

立ち上る湯気、出汁に中心に蕪、中央をくり抜き才巻海老を入れあんで満たし手前に菊菜の炊き合わせ
中心のとろっとしたあんは甘め、優しい出汁に交わり1つのお皿になります
蕪はもちろん芯がなく絶妙な柔かさ
あんが印象的で強めなのですが、綺麗に交わる美味な炊き合わせ

◆お椀 鼈丸豆腐

丸豆腐の上に白髪葱がかけられた椀物
ふわりと生姜が香ります
深くしっかりしたお味で目新しさに走らない貫禄のある椀物

◆ぐじの煎り米蒸し

ぐじの上にたくさんの煎り米が散らされ、粟麩とほうれん草が彩りを与えています
優しい昆布の香り、柔かなぐじに煎り米の香ばしさと歯応えがお味と食感に広がりを与えていました

◆はらすご飯

京味のお食事として言わずと知れたお食事
ご飯の上にはらす、皮は別で焼かれているためパリパリ

噂通り絶品のお食事
今回は脂が強めとのことですが、塩気、甘さ、瑞々しさ、全てがバランスよく細かな感想はいらないただストレートに美味しいと思えるお食事
高級料理とは食材とはと考えず、誰しもが原点に返り素直に受け入れられるお味です

◆甘味

甘味はわらび餅、葛きり、ぜんざいから選択でき全ていただくこともできます
評判の葛きりにしました

蜜はとろっとしていて黒糖の風味、深いですが甘みは強め

出来たての葛きりは素晴らしいお味
弾力が計算されていて、甘味独立としての良さに走ってしまいがちですが全てを俯瞰して作り上げた食感
よって単品の甘味と比べるとやや柔らかく、瑞々しく食後にするっと喉を通るようになっています
展開幅のある葛きりでその時のお食事によって微細に弾力を変えることが予想でき画一化はされていません

蜜は甘くてもきりっとしているのでたっぷりつけていただきました

料理の流れと甘味の重要さと再確認する仕上がりで脱帽、ここまで綺麗にお食事と合わさる甘味は初めてです


とても貴重な経験となり、また是非訪問させて頂きたいこの上ない空間。
もっと経験値を上げて少しでも良さに気付き、余裕のある楽しみ方をしてみたいと強く思う日でもありました。


<全文はこちらです↓>

http://food-garden.net/foodpost/%E4%BA%AC%E5%91%B3/

  • (説明なし)

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8位

銀座 しのはら (銀座一丁目、銀座、東銀座 / 日本料理)

4回

  • 夜の点数: 4.9

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 5.0
    • | 雰囲気 5.0
    • | CP 4.8
    • | 酒・ドリンク 4.0 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2017/06訪問 2017/06/25

つるべ盛器や八寸、魅せるお料理。お味だけでなくお話も素晴らしいお店

2016年オープン、銀座一丁目駅から1分程。中央通りから一本入った所にある、滋賀の人里離れた場所にありながら超人気店に押し上げたのにも関わらず銀座に移転、同年最もブレイクしたお店の1つ銀座しのはら。

場所は中央通りから一本入った所にある新築のハビウル銀座Ⅱの地下。
エントランスは二段階でビルらしい前室というより風除室用のガラス開き戸を開け、左側に大きな杉玉が下がる引き戸が本エントランスとなります。
内装は入って右に掛け軸、正面に白木L字型カウンター11席。
壁の麻の葉文様の陰影が柔らかく、暖色系の温かみがありリラックスできる色彩空間です。

店主は篠原武将氏。
数々の名店を生み出す招福楼、京の予約困難店山玄茶等で修行し生家の滋賀三雲に日本料理しのはらを開店。
アクセス難を物ともせずに滋賀のNo.1と言われるまでに成長しましたが2016年突然の銀座へ移転。
勝負に打って出たとも言われていますが、偶々新築のビルが銀座にできるという紹介で銀座進出が決まり最初からこのエリア狙いではなかったそう。
ですが移転と言うのはどんな人気店であってもリスキーなもの、成功率は僅か約3割とも。
そんな中、食材選びも一からのスタートでお水も静岡から取り寄せ休日も休まず努力を続けられています。

店主の人柄は評判通りで話しやすく面白い、お弟子さんに対してもソフト。
積極的ですが自信家ではなく他店を蔑むようなことは言わず個性の一つと捉える人良さがあります。

お味は隣が京都だったということもあり関西系。
招福楼は未訪なので分かりませんが、私的には約6年間在籍されたという山玄茶の色を感じさせるものでした。
何事にも縛られない自由さと遊び心、それをエッジさではなくソフト(薄味の範疇ではなく)な味わいとして表現する山玄茶の流れがあります。

感性のままにお料理を創造するという篠原さん、その卓越したセンスで真っ新な世界に色を吹き込みしのはらでしかないお料理を作り上げます。
例えばお食事は三段階、炊き込みご飯→出汁をかけたご飯→雑炊と異なるお味を提供。
通常は季節定番のお皿がありますがそれは敢えてせず、毎回新しい出会いをさせてくれます。

<2017/06>

今回も楽しみしていたので、夜までご飯はいただかずしのはらさんに訪問です。

素材により出汁の強弱のつけ方も素晴らしい回でした。
素材を活かす手法を取られているお店はありますが、篠原さんはそれがどことも違い体に馴染みやすいお味で仕上げてくれます。
ボリュームはあっても、翌日にはお腹に残った感じはなく疲れることもありません。

盛付も毎回のことながら美しく、つるべ盛器の演出等はかなり高額なお店でなければ経験できないこと。
素材も良い物を使われていらっしゃいますし、お弟子さんも多くいらっしゃいます。
お値段を見ると、不躾ながら気になってしまいます。
伺うと大将曰く、産地ブランドには拘らず美味しい素材を見つけ出し、お値段には反映させたくないとのこと。

お忙しく体調も大変な時期もあるようで、それを感じさせず笑顔で迎えて下さる大将には頭が下がります。

日本料理店に行ってみたいけど、楽しめるか不安・・・という方にも当店は大将を始めお弟子さん全員が笑顔で迎えてくれます。

毎回1人で、お酒を多くお願いすることもない私でも心いっぱいのおもてなしをして下さるのが銀座しのはら。
こんなにして頂いて良いのかな、と思ってしまい感謝がたえません。
今日も美味しくそして笑いが絶えない一時。

ここは"銀座の日本料理店"ではなく篠原さんの銀座にある日本料理店、全体を大将とお弟子さんの色で染めたこの日の夜の流れは以下になります。

◆香煎茶

◆先付け 自家製の玉子豆腐、北海道の雲丹、青森の天然じゅんさい

井戸のつるべを模した盛器

開けると氷が敷き詰めてあり涼し気な演出、魅せ方も本当に素敵です

器には自家製の玉子豆腐、北海道の雲丹、青森の天然じゅんさい、最初に大将が生きていた状態を捌かれていた牡丹海老

じゅんさいは初夏の涼やかさを、牡丹海老はフレッシュさを、胡麻豆腐は少し固めに仕上げることでそれぞれの食感も味わえます
さっぱりし過ぎないように、雲丹には濃厚さが出ていて良いバランスとなっていました

爽やかで適度な酸味、スタートで強すぎないのがしのはらさんの良さ
刺激するような強さがなくても次のお皿が楽しみになる食欲も増してくるお味です

◆椀物 噴火湾の毛蟹、オクラの擦り流し

いただくと出汁は少しとろんした口当たりに昆布が優しく香る今までで一番控えめな味わい

毛蟹真薯をいただくと、素材の濃さに驚き
旨み、甘み、程よい塩気、正しくセンターのお味
目が覚める様な毛蟹の風味でしたのでお聞きすると、何も手は入れずそのままスチームで蒸しあげたとのこと

一緒にいただくと出汁との相性が素晴らしく、ここで出汁を強くひいていない意味が明確に
出汁はご自身でひかれるという大将、素材によって異なる側面があり器用さと柔軟さが見られます

なかなかここまで変えることは難しいはずですが、臆せず活かす方式を選ばれているのが印象的
お味もそうですが、その想いも素晴らしい椀でした

◆お造り 対馬クロマグロ、千葉マコガレイ、五島列島アオリイカ

オールドバカラの器に映えるお造り
昆布醤油の煮凝り、辛味大根、錨型浜防風が添えられ、別皿で土佐醤油と酢橘塩が置かれます

艶がある鮪は寝かせて1週間程、最初はかためだったそうですが徐々に良くなったそう
難しいこのシーズンでも旨みがあり、仄かな鉄分もあるお味

アオリイカは甘みと柔らかさがあり、マコガレイの弾力は驚き
厚めの切りつけで跳ね返り、色褪せない風味が楽しめました

◆鮑と鼈出汁のご飯

千葉勝浦の鮑に鼈出汁を合わせたご飯、柑橘を纏わせて

鼈出汁とうっすらと鮑の旨みが移り香となっていて好相性

鮑の柔かな弾力と肝の濃厚さもアクセントになっていて美味しくいただきました

◆八寸

6月に行われる行事、茅の輪くぐりを表現した八寸
絡めた鉄線が色を添えます

葛屋根の中にはきゅうり、くらげ等様々な素材が見られる白和え
一寸豆のこのわたかけ
岡山の糸もずくに昆布香る白瓜
滋賀県湖南市三雲の猪
おかひじきのお浸し
シュガートマトに黄身酢を乗せて
明石の穴子
佐島の蛸
三河湾天然車海老
卵真薯
庄内麩チーズ挟み
琵琶湖の天然鼈揚げ
北海道鰌揚げ

牡丹海老頭揚げ

三雲の猪はにおいが一切なく、柔かで癖ない旨みが秀逸
一寸豆のこのわたかけはお酒が進むお味、シュガートマトでフルーツの様な甘み、庄内麩チーズ挟みではクリームチーズとの酸味が良く合っていました
鼈揚げは毎回のことながら、脂が乗っていて美味
鰌を揚げたのはあまりいただいたことがないのですが、ソフトな美味しさがありサクッといただけます
牡丹海老頭揚げは最初に供された海老の頭の部分、サクサクで全ていただけました
見て楽しみ、いただいて季節を感じる安定感のある八寸です

◆フォアグラ最中

今回はマンゴー、フルーティーなお味も合っていました

◆焼物 鮎と鰻

近江八幡の鮎と琵琶湖の天然鰻、木の芽をかけて

鮎はたで酢を少しつけていただくのですが、そのままでも滋味深いしっかりしたお味

天然鰻は脂のりよく繊細なふわっと感があり、木の芽が目立ち過ぎないのが良いです

◆焼物 トリ貝

三河湾のトリ貝をなんとフライで
すだちをぎゅっと絞っていただきます

風味が溢れ、肝の深みもありこういう美味しさもあると新しい発見
素材の風味が主体の重くない焼物

◆鱧と鮑の鍋

千葉勝浦の鮑と淡路の鱧

鱧、右は生の鮑、左は蒸した鮑
最後に酢橘をかけてさっぱりといただきます

丁寧に骨切りしていただいた鱧はふわりとした口当たり
すっきりした出汁に食感の異なる鮑のそれぞれの美味しさをいただけました
生は食感の良さと出汁を深いものにしていて、蒸しは風味が良好でした

◆お食事 生姜ご飯と煮物

煮物は賀茂茄子油煮と子芋、三度豆

生姜のご飯はシンプルながら、尖っていない美味しさがあります
牛肉のしぐれ煮ととても良く合い、煮物と一緒にいただけば生姜のご飯の良さが増すようでした

<生姜ご飯×鼈のお出汁で炊いたふかひれ餡かけ>

ふかひれ餡の旨みが前に出て、生姜が支えています

<生姜ご飯雑炊>

シンプルにすることで出汁の良さをダイレクトに感じられ美味でした

◆甘味 紫陽花金団

水信玄餅の様に透明な水菓子の中に光る紫陽花の華

寒天なので甘さも控えめで綺麗な姿とマッチしています

◆抹茶

なんと大将が点てて下さいました
今は新しいお抹茶を探されているそう、こちらのお抹茶は苦味とクリアなお味をしています


今回も本当に楽しいお食事をさせて頂きました。
松茸が良いという私の希望で次回は10月、訪問させて頂くと夏場もお願いしておけば良かったと思ってしまうほど。
秋のしのはらさんが今から楽しみです。


<全文はこちらです↓>

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<2017/04>

今回もお料理の流れが素晴らしく、随所に春を感じるお皿達。
桜を全面に出すと品が無くなってしまうものですが、忍ばせ方にセンスがあり一瞬で通り過ぎる桜の儚さをお料理に投影されていました。

いつも通りお腹いっぱいになっても重くない、自然体で角がなく優しく迎えてくれるお料理です。

前回はお弟子さんの人数も少なかったのでフルスロットル状態でしたが、3人の方が増えられていました。

店内はいつも通り笑いが絶えず、この面白さは銀座エリアでは「しのはら」と「あらい」が双璧。
大将とお弟子さんのやり取りは面白くて誰もがツッコミを入れたくなり、会話に参加したくなります。
誰にでもフラットな大将の強い魅力とお弟子さんの個性も光り、堅苦しさなく誰でも楽しめる空間がここにはあります。

連日忙しくお疲れの様ですが、前を向き華やなお料理と細やかな説明、そしてお気遣い。
抜けがないので確かに体調が心配になってしまいます。
目まぐるしいスピードかと思いますが、ゆっくりと楽しんでいきたいお店です。

◆先付け 伊勢海老、キャビア、うすいえんどう、本ミル貝、雲丹、本蕨、ウド、花山葵、加減酢煮凝り寄せ

徒然草巻物型の器を開けると美しい彩りの先付け
伊勢海老、キャビア、うすいえんどう、本ミル貝、雲丹、本蕨、ウドが入っていて紅いのは浜防風の軸の部分
伊勢海老には強すぎない仕事がしてあり、本ミル貝は上品な食感
雲丹は青森ダイセンのもの、安定した美味しさで甘く口溶け良好
先付けらしい加減酢のソフトなアプローチ、春の装いの先付けです

◆椀物 帆立の真薯とばちこ かたくりの花と木の芽を添えて

ふわふわの甘い帆立真薯にすっきりした昆布香る出汁は相性抜群
そこに厚みのあるばちこ、お椀に浸して少し柔らかくしていただきます
ばちこは塩気ではない純粋な濃縮した旨みが前にでてきて、全体に深みを出します
優しさの中にばちこで起伏をもたせる纏まりの良い椀物

◆お造り アオリイカと大間の赤身・中トロ 錨型浜防風を添えて

アオリイカは長崎産2キロ
包丁を入れてあり、酢橘塩でいただきます

赤身、中トロは大間の鮪を-60℃で冷凍保存したもの
昆布醤油の煮凝りや土佐醤油でいただきます

丁寧に包丁を入れたアオリイカは大物でも大変柔らか、程よいねっとり感も味わえます
赤身、中トロはすっきりした旨み、冷凍ですが状態は良好です

◆殻付き紫雲丹、紹興酒漬け牡丹海老

山葵の葉を乗せた一品
山葵の葉と香り付けのスライスされた酢橘を退けていただきます

雲丹は下北半島のもの、塩水でお味がついているのでそのままで
牡丹海老はさっと紹興酒に漬けているので強くはありません

紫雲丹の風味良く、紹興酒漬け牡丹海老がふわりと香り濃厚であってもくどくなく後味綺麗にいただけるセンスの良い一皿

◆蒸し鮑

真空状態で蒸した青森の鮑、味付けは少量のお酒のみ
蒸しも鮑から出た水分なので鮑の本来のお味のみで仕上がっている一皿
下には肝と甘いシャリを合わせたもの

鮑は柔らかく風味が上品、甘めのシャリも優しく角なくいただけます

■お酒 七本槍

滋賀の銘酒
甘く、フルーティーでありながらパワーもある風味がしっかりした日本酒
酔いが早いので、わざわざ少量でご紹介いただき恐縮です

◆八寸

桜を添えた華やかな八寸

内容は小鮎、葛屋根には青干しゼンマイ、小皿に絹もずく、六角小鉢には筍の白和え、レンゲ型小鉢には蕗と海鼠腸、小鮎、蛍烏賊、卵真薯、車海老、菜の花、鯛の子、蛸の桜煮、庄内麩チーズ挟み、揚げ物はタラの芽と蕗の薹

小鮎は琵琶湖のもの、砂を噛んでいることがあるのでお腹を潰してあります
芳ばしく小さくても旨みあり

青干しゼンマイは燻しながら干したもの、癖なくお酒がすすみます
蛍烏賊は藁の薫香が心地よく、旨みが強いです
卵真薯はふわふわ、鯛の子は淡路のもので炊いてありこちらも素材のお味が良く出ています
庄内麩は醤油に漬け、クリームチーズを挟んだもの
面白い組み合わせですが、弾力のある庄内麩とクリームチーズは良く合っていました
蕗の薹揚げは中に金山寺味噌が入ったもの、こちらは春の鉄板の組合せです

美しいだけでなく、それぞれに個性があり今回も素晴らしい八寸でした

◆あんぽ柿のフォアグラ最中

◆炊き合わせ

筍と穴子、蕨を干瓢で結んだもの
大原木(おはらぎ)と呼ばれるお料理
昔京都大原で薪などを頭に乗せ行商した女性を示した大原女(おはらめ)から由来しています

京都の筍は春らしい少しの苦味、明石の穴子はふわふわで甘いので相性良いです
出汁も前に出過ぎず、素材を支えていました
お味だけなく古伊万里の器からも春の軽やかさを感じる炊き合わせ

◆焼き鼈とホワイトアスパラ

こちらも定番、今回添えられるのはロアーヌ産ホワイトアスパラ
南天の葉を退けていただきます

たれは奥深くまで浸透させていないので足りない場合は大将から追加でかけていただけます
いつも通り味わい深く、脂肪もぷるんとしていて蕩けます

ロアーヌ産ホワイトアスパラはジューシーでお味が濃いので鼈にも負けていませんでした

◆花山椒鍋 熊と猪

花山椒は滋賀のもの、今期はとても高いのだとか・・・
熊は滋賀と岐阜の県境で獲れたもの、猪はウリ坊とはまた違う子猪だそう

花山椒はこれから2~3週間楽しめる春らしい刺激と香りを楽しむもの
ピリッと清涼感も強いのですが、熊の滋味深いお味も引けを取らず良い組み合わせに
牛肉程の華やかさはありませんが、じっくり旨みが堪能できます

子猪も濃いお味をしていますが、熊に比べるとややさっぱりしていて違いを楽しめます

◆お食事 筍ご飯

山盛りの京都産筍をシンプルにいただきます
お米は滋賀の日本晴
見た目は水分が多く柔らかに見えますが、粒感がある硬質米
春のお味をダイレクトに楽しみます

<筍ご飯×鼈のお出汁で炊いたふかひれ餡かけ>

出汁でシンプルから華やかななお味になります

<熊鍋出汁の雑炊>

シンプルだからこそ、真っすぐに旨みが伝わり美味
今回はこちらのおかわりをいただきました

華麗に顔を変えるお食事、美味しく楽しくいただけました

◆甘味 桜金団

ふわふわの口当たりに、中は粒餡
甘さ控えめで小豆としての風味が良くでています
小豆には桜の葉も散りばめられていて、奥ゆかしく春を感じました

◆抹茶

◆苺

奈良の古都華
大きな苺で糖度、柔らかさ共に素晴らしく美味


次回は6月、楽しみです。


<全文はこちらです↓>

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<2017/01>

今回も訪問時間は17時、この日はお客様の来店が徐々だったためスタートは私とお隣の男性の2人。
物腰柔らかく素敵な方は誰かと思えば三玄茶の方でした。
お料理のいただきかたや器に対しての知識は当然ながら私と比較にならないものでしたが、しのはらさん達と一緒に三玄茶の大将やお店のエピソード、京都のお話ができまた三玄茶に訪問したくなりました。

しのはらは2回目ですが、今回感じたのは自然と入ってくるお料理だということ。
お味に丸みがあるのでいただいていて疲れないのです。
しのはらさんはよく田舎らしさを残すと仰っていますがこれがお味の優しさ、時より見せる素朴さに繋がっているよう。
せっかくお持ちの個性を銀座色へ変えてしまうお店もありますが、勿体ないです。

既に半年先まで予約がいっぱいという人気急上昇中のお店ですが、現在の飲食店バブルに対してもしっかり認識されていました。
無理をしない、「らしさ」を大切にし続けて欲しいと思っています。

また、当店の魅力は純粋に感じる楽しさ。
晴山が癒しをくれるお店なら、当店は楽しさをくれるお店です。
しのはらさんの軽妙な語り口、お弟子さんとの掛け合い、話して聞いて尽きることがありません。
お弟子さん方の魅力も強く誰とお話しても楽しいです。
私も気を付けないと・・・思いつつ気が付くとお話してしまう、お客様がお話に夢中になってしまうのが分かります。
たくさんお話でき贅沢な時が過ごせましたが、6月位から17時台でも満席スタートとのこと。
ちょっと寂しいですが、人気店なので仕方ありません。

たくさん食べたのを覚えていて下さり、ご飯を多めに焚いて下さっていました。
恥ずかしいやら嬉しいやら・・・でも純粋に嬉しかったのでこの日もたくさんいただきました。

以下が訪問時のお料理です。

◇お酒 風の森
クリアな甘さがある、溌溂とした味わい
爽やかな余韻を残し飲みやすいです

◆香煎茶

◆先付 鮑と自家製胡麻豆腐、雲丹、伊勢海老に土佐酢の煮凝りをかけて

北海道蝦夷鮑に自家製胡麻豆腐、雲丹、伊勢海老、そこに岩茸と白魚を乗せ、緑はちしゃとう
金時人参と大根でお正月らしく紅白を演出、花穂紫蘇を散らし土佐酢の煮凝りをかけたもの

飾りは環柳
古来中国で旅人へ無事に帰還できるよう願い渡されたというのが始まりで、現在ではお正月床の間に飾られる同じ時期に再会の願いを込めた縁起物

器は鶴
羽を広げた鶴で一年の飛翔を願います

前回同様に華やかな先付け
自家製胡麻豆腐のもちっとした弾力が印象的
素材は多く使用していてもソフトな味付けにしてあるので不釣合いになることがありません
土佐酢もきつくなくさっぱりとしたスタートです

◆椀物 松葉蟹真薯と餅、神馬草、柚子を添えて

昆布が引き立つすっきりとした味わいで松葉蟹真薯の自然の甘みが引き立ちます
神馬草は海藻で癖のないお味
松葉蟹真薯の上に芳ばしく焼いたお餅
お餅は量があると重くなってしまいますが、薄切りなのでセンターになり過ぎません
どこか素朴で温かみのある椀物

◆お造り 明石のハリイカと玄界灘の鰆、大間の中トロ

鰆は藁焼きでその上にはキャビア
添えられた酢橘を絞っていただきます
薫香漂う脂がのった鰆にキャビアから程よい塩分が補われ好相性
この丁度いい着地点にもっていくためには鰆の脂のりもあるので、通常の味付けより難しいかもしれません

中トロは110キロ
辛味大根と山葵、昆布を醤油で炊き寒天で固めた煮凝りと一緒にいただきます
鮪の質は上々でとろっとした口当たり、脂のりがあっても綺麗なお味

ハリイカは残った煮凝りや小皿の柑橘とお塩、土佐醤油でさっぱりいただきました

◆羅臼の白子、柚子釜飯蒸し

滋賀の甘い酢飯に高品質として知られる羅臼の鱈の白子に餡をかけ柚子釜で蒸したもの
餡は柚子とちり酢、醤油を合わせたもの
醤油の芳ばしさがふわっと伝わりますがしょっぱくはない、絶妙な量
こういったバランス感覚に秀でているのがしのはらさん
通常の飯蒸しの味付けとは異なるセンスが光る一皿

◆八寸 活もろこに海老芋、小巻海老、トラフグの白子和え、穴子、海鼠、蕗、蛸、酢蓮根、クワイ、子持ち昆布、鴨、卵真薯に熨斗梅を乗せて

お造りの前に紹介されたもろこ、焼いてはち切れる位卵を含んだ姿はかなり立派で驚きます
ほろっと甘い卵が溢れ、ふわっとした身
自然の良さをそのまま伝えてくるお味

奥の葛屋根の器に入っているのは能登の海鼠
硬めで癖のあるイメージですが、柔らかく仕上げてあり癖なく誰でもいただけるお味になっています

小皿には蕗、海鼠腸をかけて
蕗と言えば海鼠、海鼠腸の塩気を生かしておつまみに最適なお味

穴子は明石で蕩ける口当たり、柔らかな鴨は琵琶湖の青首鴨、海老芋は富田林、小巻海老はそのままいただいても全く刺さることもなく柔らかく甘やか
六角小鉢のトラフグの白子和えはやや甘く、卵真薯はふわふわで熨斗梅と良く合います

熨斗梅やクワイ等お正月らしさも散りばめ、お酒にも合いそうなシャープなものから柔らかなお味まで幅広く表現した八寸

◆フォアグラ最中

中はフォアグラを出汁で焚いて擂り潰したもの、中心に旬のあんぽ柿が入っています
前回同様、パリパリの最中種
フォアグラの塩気とあんぽ柿の甘みが合わさり独創的でも自然にいただけるお味

◆春巻き

鼈のゼラチン豊富な皮やエンペラ(周囲の柔らかい部分)の出汁とフカヒレを合わせた春巻き
辛子をつけていただきます
かなり熱々、皮はパリパリで中はとろとろ
出汁は効いていても甘みがある丸みを帯びたお味

◆焼き鼈と蕪

骨付き、お塩と山椒でいただきます
ぷりぷりの鼈、芳ばしく甘みがありもちろんくさみは全くありません

◆ツキノワグマ

前回と同様とろみを効かせた甘めですがしっかりお出汁がでた熊鍋
セリでさっぱりいただきます
じんわり広がる温かさ、くさみは全くありません
普通は浮いてしまいそうですが、日本料理の流れの中で不自然さなく仕上げているのは秀逸

◆お食事
ベースはマナガツオと蕪の菜っ葉でお味を変えて三段階でいただきます

<マナガツオと蕪の菜っ葉>
マナガツオの旨みが強く、焼いた芳ばしさもあり美味

<マナガツオと蕪の菜っ葉ご飯の上に伊勢海老の出汁と湯葉を合わせて>
出汁の香りがふわりと漂いますが、マナガツオの濃さも負けていません

<マナガツオと蕪の菜っ葉ご飯に鼈出汁のかきたまをかけ、海苔を散らして>
海苔の良い香り漂う、鼈出汁のかきたま汁をたっぷりかけてお雑炊に
マナガツオと鼈出汁はぶつかり合ったお味かと思えば、総合的な美味しさ
複雑化して難解というよりはしっくりくるお味に落ち着かせています

◆甘味 きんとん<曙>

1月らしく曙
百合根、卵黄、つくね芋を合わせた自家製きんとん
柔かで風味はしっかりしていても、甘みは控えめ

◆お抹茶

次回は4月です。
*先月と同じフォルムのお料理は前回分と重なるため割愛しました。


<全文はこちらです↓>

http://food-garden.net/foodpost/%E9%8A%80%E5%BA%A7%E3%81%97%E3%81%AE%E3%81%AF%E3%82%89/
<12月期献立>

◆香煎茶

◆先付け 柚子釜

柚子で蓋をされた状態で供され、最後に篠原さんが蓋の果汁を絞って下さいました

内部はこっぺ蟹、外子内子、北海道の雲丹、蝦夷鮑、海ぶどう、子持ち昆布、下層には天然帆立を炙った上にキャビア、ボタン海老、最後にジュレをかけ花穂紫蘇を散らしてあります
その時によって内部構成は少し異なることもあるそう、驚くほど色々詰めてありました
ジュレのお味はすっきりしていて適度な塩気、柚子は仄かに香り幅をもたせます
どれも主張し過ぎない柔らかで豪華な先付け

◆椀物 鼈

琵琶湖の天然鼈の椀物
胡麻豆腐と焼いた長葱、芽葱を散らしたもの

お出汁がよくでていて旨みと甘みがある温かみのあるお味
鼈もお肉としてのお味が残っていて美味

胡麻豆腐はねっとりしていて甘く、葱が香ばしくこれが想像以上の糖度

濃さは丁度よくものすごく濃厚と言う訳ではありません
お聞きすると後半にツキノワグマが提供されるから抑え気味にしているそう

流れに沿ったお味ですが、鼈の椀物としての美味しさはしっかり楽しめます

◆松葉ガニ

甲羅を器にし松の葉を添え供されたのは柴山港 松葉ガニ
下は鮟肝シャリ

シャリは柔らかでお味は松葉ガニの糖度をより高める甘めの味付け
蟹そのものの強さというよりはソフトにいただく一皿

◆お造り

明石の鮃、明石のハリイカ、大間の鮪、氷見の鰤

鰤は藁で炙ってあり、いぶり漬けと辛味大根を巻いていただきます
ハマボウフウの左に見えるのは昆布醤油煮凝りで鮪に添えて、ハリイカは酢橘塩でいただきます

鮪は一週間程ねかせたものということですが、綺麗なお味

鰤は燻した香りが生きていて平坦にお味にならず良かったです

◆八寸

晩秋を思わせる枯れ朴葉上に飾られる八寸
銀杏の葉、山茶花、センリョウで色を添えると共に中に多くのお料理が隠されています

構成は

奥の六角皿には新蕎麦の実を使ったとろろ
手前の揚げ物は車海老と海老芋
手前に鮎なれずし
右に真鴨と明石の穴子奥に蕪
カボスの器に入っているのは九州の小肌に小さくカットしたラフランス、みぞれで和えたもの
明石のタコ
滋賀の水口かんぴょう
玉子しんじょう

となります

新蕎麦の実を使ったとろろは出汁はなく、蕎麦湯だけで表現したもの
出汁がなくても物足りなさはなく自然なお味で、ぷちぷちとした食感と香り、粘りが楽しめます

車海老はサクサクで甘みが冴え、鮎なれずしは当然ながら塩気がしっかりでクリーミーでお酒が欲しくなるお味
タコも柔かでお味が染み込んでいて、水口かんぴょうは柔らかすぎず、べちゃっと水っぽくなくしっとり加減が絶妙
九州の小肌とラフランスはどんなお味かと思いましたが不自然さはありません、カットされたラフランスが仄かな甘みを与え酸味を和らげていました
玉子しんじょうはふんわり香り良く、穴子はふわふわに蒸してあり真鴨も癖なく旨み有

お味だけでなくワクワクするような八寸

◆フォアグラ最中

中はフォアグラを出汁で焚いて擂り潰したもの、中心に旬のあんぽ柿が入っています

パリパリの最中種にとろとろのフォアグラに塩気、フルーティーなあんぽ柿が交わり独創的ですが美味

意外に展開力があるお味で他のフルーツでも合うお味に仕上がっています
実際にフルーツはシーズンによってマンゴーだったり変わるとのことでした

◆琵琶湖天然鰻

白焼きとタレ焼きで供されます

皮がパリパリで身はかなりのふわふわ系
下に敷かれているのはおかひじき、ほんのりお出汁が効いていておひたしになっているのがポイント
添え物ではなくお味に広がりをもたせるものでした

◆炊き合わせ

雲子と百合根を生ゆばで包んで揚げ、九条ネギあんをかけたもの

お出汁はクリアで酢を感じながらも柔らか、円やかなお味
上手く調和しているのでトータルで味わう一皿

◆ツキノワグマ

篠原さんが鍋で作って下さいます
とろっとしていて甘めの仕上がりですがお出汁はしっかりでています

ツキノワグマのお肉は薄切り、柔かで癖なく旨みがあり美味
時々油っぽかったりにおいがということがありますが、もちろん一切なく上品
人を選ばない日本料理の一品として綺麗に纏まっていました

山椒をかければピリッと引き締まり途中から入れれば変化が楽しめます

◆お食事

ベースは蟹味噌ご飯でお味を変えて三段階で楽しめるように構成されています

<蟹味噌ご飯>

供された時からかなり強い蟹の香り
お米は柔らかめでダイレクトに凝縮した旨みが広がります
前面に出てくる強さのあるお味

<鼈のお出汁で炊いたふかひれあんかけ>

蟹味噌ご飯の上にかけて供されます

先程の攻めてくるような蟹のお味は鳴りを潜め、鼈甲羅でとった出汁が効いていて全く違うお食事に
最初は鼈が交わるとどうなるかと思いましたがお味の変化が見事、しのはらマジックが素晴らしいです

<ツキノワグマ鍋出汁>

先程の甘いお出汁で雑炊の様にいただきます
満腹でもスルスルと重くなくいただけました

◆甘味 葛焼き

本葛と黒蜜を合わせて焼き上げた葛焼き
中に百合根が入っています

この価格帯で本葛を使用するとは思いませんでした
お味は香ばしい甘さがあり、それなりに甘みはありますが引きが綺麗なのが特徴
中央にほっくりとした百合根が入っている優しい温かさがある甘味で個性があり良いお味でした


<全文はこちらです↓>

http://food-garden.net/foodpost/%E9%8A%80%E5%BA%A7%E3%81%97%E3%81%AE%E3%81%AF%E3%82%89/

  • 八寸
  • 自家製の玉子豆腐、北海道の雲丹、青森の天然じゅんさい
  • 噴火湾の毛蟹、オクラの擦り流し

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9位

東麻布 天本 (赤羽橋、神谷町、麻布十番 / 寿司)

3回

  • 夜の点数: 4.9

    • [ 料理・味 4.8
    • | サービス 4.9
    • | 雰囲気 4.9
    • | CP 4.0
    • | 酒・ドリンク 4.8 ]
  • 使った金額(1人)
    ¥20,000~¥29,999 -

2017/06訪問 2017/06/08

超人気店が迎える一周年。期待を飛躍に変え、更なる高みへ

2016年オープン、赤羽橋駅の東京タワーお膝元に位置する鮨界きっての人気店になった五感で楽しむ東麻布 天本。

一周年を迎える今ではお鮨好きなら誰でも知る「予約の取れないお店」として知られるようになりました。

天本は五感で迫る鮨店。
希少なネタを切りつけする前にお客に披露し、カウンター奥にある囲炉裏でつまみとなる食材を焼き上げ「今」と「一体感」を全員で共有する劇場型カテゴリ。
ですが決まり切った流れはありませんし、完全な受動型でもないので双方向性があり会話も楽しめます。

外観は黒塀でシック、すぐ近くで眩いライトアップを放つ東京タワーとは対照的に行燈がぼんやりと天本の存在を知らせる粋な造り。
ドアは二段階で最初の引き戸を開け打水がされた石畳を抜け本扉へ続きます。
この短いアプローチが天本の世界へ誘う布石となっていました。

お席はカウンターのみの8席。
店内は鮨店というより日本料理店の様で、囲炉裏とお竈さんが隣り合っていて、私が知る限り一番似ているのは京都草喰 なかひがし。
内装デザインは未在と同じ方とお聞きしたので、杉原明氏。
未在、なかひがし等を担当された重鎮です。

大将は天本正通氏、銀座新井氏と同じ1982年組。
青山にある鮨の海味で9年修行の後、しのはら(10月に銀座に移転でこちらも予約困難店)で日本料理の研鑚を積み、短期で祇園 さヽ木にも在籍経験有。
すっきりした顔立ちに明るい笑顔、押しつけがましい感じはなく自然体で居られます。

当店は鮨と日本料理両方共に名店での経歴に恥じなく、つまみも握りも妥協はありません。
ネタは派手さとクオリティの両立、それだけに終わらずギミックを入れてくるのも特徴。
おつまみも手が込んでいて、予想外のものも自家製で器用さを覗かせます。

<2017/06>

この日は天本さんにとって特別な日。
訪問させて頂けるのは大変光栄なのと同時に凄いお客様ばかりいらっしゃるはずなので、いつもよりも緊張して伺いました。

ですが、訪問させて頂くといつも通りとても楽しく、同席させて頂いたお客様もいい方ばかり。
楽しさを共有できる空間で私がテンション上がり過ぎてしまったかも・・・と反省する位でした。

いつもひたむきに、時に積極的に、今日より明日、一歩先へと踏み出そうとする大将の姿は魅力に溢れています。
全てのお客様には伝わらなくても、それでも真っすぐに前を向き体力だけでなく心を尽くし駆けるのが当店。
その一度しかない時に全てを懸ける、こんなに一途に燃やせる方はまずいません。

今では予約の取れない超人気店となり、多くの方が期待もしていらっしゃいます。
この日は終わると大将は少しほっとした顔をされました。
その姿を拝見しているとプレッシャーの重さを感じ、私自身に置き換えたらどれ程だろうかと想像せずにはいられませんでした。
ですが一方で、期待を一心に受け止めるその姿も魅力の一つなのかもしれません。

どんな素敵なお店でもどんな名店でもあの日の方が・・・と思う日があるはず。
ですが、そんな時を越えて行ける魅力を当店はもっています。

大胆にそして繊細に真剣勝負をする鮨店。
香りと余韻を大切にする東麻布天本の1周年を彩った記念日は以下になります。

<お酒>

◇若駒 愛山90 無加圧採り

低精米の日本酒
濃厚さの中にすっとする爽快感がある夏によく合うお味

◇今西 純米吟醸 朝日

三輪山の伏流水で醸した日本酒
フルーティーでとても喉越しが良く、ですが辛口ではありません
水の綺麗さを喉で感じることができます

◇純米大吟醸 槽場汲み

新潟、加茂錦酒造の荷札酒
芳醇な香りで甘口、余韻も楽しめる存在感のある仕上がり

若駒→今西→純米大吟醸の順番でいただきました
振り返ると流れの良さが一目瞭然、天本さんのおかげで日本酒初心者でも美味しく楽しむことができました

<おつまみ>

◆もずく

生で仕入れ軽く湯通しした糸島のもずく
強すぎない爽やかさでスタートです

◆白海老と子持ちシャコ

宮城県七ヶ浜の子持ちシャコと富山白海老

子持ちシャコはお塩などをつけずともお味が濃く美味
シャコでもこんなお味をもつなんて驚きです

富山白海老は大きい剥き身のもの
ソフトな甘みなのでシャコと対峙せず良い組み合わせです

◆バイ貝

とても大きな山口萩のバイ貝

肝も大きく風味をしっかり楽しめます
身は弾力良く、ソフトな濃厚さの肝が特に印象に残ります

◆鯛

福岡姪浜の鯛

1日骨付きのまま寝かしたもの、1枚塩、1枚醤油でいただきます
香り良く弾力があり、甘さと余韻が長く楽しめるお味です

◆蛸

東京湾蛸の桜煮、柚子香る一皿
火を通す時間は30分程

柔かな弾力から甘みが溢れます

◆牡丹海老の紹興酒漬け

牡丹海老の紹興酒漬けにこんもりと唐津の赤雲丹を乗せ花穂蘇を散らした見た目もお味も美味な一皿

相性の良い組み合わせで紹興酒の香りがふわりと上がり、雲丹がフレッシュな甘みを演出
牡丹海老も美味しいですが、赤雲丹の鮮度はまた素晴らしいです
直送で送られてくる赤雲丹は形に崩れがないので、食感がだらけていません
もちろんにおいも一切なく曇りのない美味しさです

◆アカムツ

奥の囲炉裏で炭焼きにしていると、いつもより煙が強く立ち上ります
脂だけでなく水分量も多いらしく、またセンサーが鳴ってしまうのではないかと思う位です

アカムツは長崎対馬のブランド紅瞳
供された時には、水分がお皿に溢れてきていました

噂に違わぬお味で、含水率が非常に高く脂が滲み出るタイプではないので綺麗なお味をしています

◆白子

夏のふぐ、ごまふぐの白子
上には生キャビア、下は酢飯の構成で混ぜてリゾットの様にいただきます

白子が大きくボリュームたっぷり
クリーミーな白子にキリッとしたシャリ、適度な塩気はキャビアから補われます

<にぎり>

◆鯛

先程供された福岡姪浜の鯛で、こちらは1日ではなく締めて塩は不使用で3日寝かしたもの
皮目を残した松笠造りです

甘く、お造りとしていただいた鯛とはまた歯切れが異なり違う良さが楽しめました

◆鰯

二段階締めした大阪湾の鰯

鰯は特ににおいが出やすく私も気になってしまうタイプなので少し不安でした

いただくと酢で上手く閉じ込めができていて、それでいて酢は前面にきません
皮と厚めの身の旨みが生きていて難しいネタを上手くコントロールしています
敢えて勝負する姿が心に残ります

◆金目鯛

大原の金目鯛
濃厚さもありますが、フレッシュさもあるバランスの良いお味です

◆赤身

藤田水産、岩手大船渡で獲れた88.7キロ

藤田さんの鮪の特徴とも言える柔らかな身質、瑞々しさがある赤身

◆血合いぎし

こちらも柔らか、持ち上がる様な旨みがあります

◆大トロ

しっかりした濃いお味で存在感あり

◆鯵

鹿児島出水の鯵
そのブランドの中でも最高峰と言われる星付き、さすがの仕入れです

厚切りでフレッシュな甘み、間違えのない綺麗なお味で美味

◆小肌

熊本天草の小肌
身が厚いので旨みを強く感じられ酢も強すぎません

◆トリ貝

愛知三河湾、今年は不漁のトリ貝
今季いただいたのは初音鮨に続き当店が2店目

少し炙って酢橘を絞っていただきます
大変大きくジューシーなのでこちらはお箸がおすすめとのこと
なかなか良いのがないとお聞きしていましたが、溢れる水分と炙ったことに香りも複雑になり、より良く楽しめました

◆雲丹

釧路バフンウニ、川副海苔

とろんとした口当たりに濃厚さのある雲丹、少し苦味のある海苔がマッチし重くありません

◆鮑

千葉名産と言われる大原の鮑
蒸し上げはお酒のみ

包丁を入れているとエキスの香りが充満してきます

驚いたのはシャリと大変合う点
鮑用のシャリと思える程に良く合い、鮑の柔かさ香りと昇華させます
天本さんも奇跡的と仰るほど相性を発揮していました

◆アオリイカ

喜界島の2キロオーバー、酢橘と塩でいただきます
アオリイカ特有のねっとり感を出さず、すっきりした味わい

◆カマス

千葉船橋のカマス、白板昆布を上下に挟んで
塩味、香り、濃厚さ後味共にしっかりした一貫

◆車海老

豊後水道の車海老
いつもは温かですが、今回は敢えて冷やしていただきます

冷たくすることで身が締まって、甘みが増した車海老
夏向きのお味です

◆穴子

東京湾の穴子
いつも通りふわふわで芳ばしいです

◆鱒の介

岩手大船渡で獲れた12キロ
鱒の介をいただくのは初音鮨に続いて2店目

柔か過ぎず弾力があり、濃厚さもあるお味

◆玉

4日寝かした玉

こちらには驚きました
玉と片付けられない今まで口にしたことがないお味
手触りがかなりしっとりしていて、ケーキの様に箸がすっと入ります

食感は2段階となっていて、上部が水分を含んだスフレの様な食感で下部がしっとりした食感
卵の香りが良く、糖度も丁度良い正しくスイーツ

思わず「売りましょう!」と謎の発言をしてしまった玉
お腹いっぱいでも美味しさに溢れたお味でした


かなりお腹がいっぱいで満たされて、無いと思いますがキャンセルをお聞きするのを忘れてしまいました・・・
なので次回は変わらず10月、今度はどんな天本さんに出会えるか楽しみです。


<全文はこちらです↓>

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<2017/02>

天本さんのトークはこの日も冴えわたり、ジョーク飛び交います。
また、どこまでお書きしたらいいか分かりませんが、今回ご一緒させていただいた方々も素晴らしい方ばかり。
特に後半のお話はお客の立場では決して知りうることができない情報、それ以上にさらりと「人脈より、その関係を続けることの難しさ」等深みのある話題にも展開。
鮨通な方や上品なお客様に囲まれ私だけ場違い感がありましたが親切にお話して下さり実りが多すぎて、18時入りで気付いたら23:30過ぎていて終電ギリギリ過ぎました・・・

今回は自家製のウネや規格外のつぶ貝、鮑にしか見えないトコブシ、とてもレンジが広く次はどんなものが出てくるのかワクワク、よくここまで貴重なネタを集めたと驚くばかり。
よぎるのは人脈だけでは続かないこというワード、お人柄でこれから先も飛躍が望めるお店です。
シャリやにぎり自体も日々更に良くなっているようで前回よりも安定性が増していました。

そして、この日一番感じたことは「丁寧さ」。
味には好みがあります。
濃厚なのがお好きな方、さっぱりしたのがお好きな方、美しいのがお好きな方・・・
ですが、私的にはこれとは違い根本的に流れる「丁寧さ」があると思っています。
今回の天本さんからはそれを強く感じました。
最高峰の素材を大切に仕込み、つまみなら味付け、焼きなら繊細さどれも丁寧でいただいていて心地が良いのです。
粗雑に扱われると美味しくてもどこか粗野になってしまうもの、それを全く感じさせない仕事が素晴らしくもありこれをお1人で行われているかと思うと頭が下がるのを通り越して体調を気にしてしまう程です。
丁寧に届けようとするその気持ちが美味しさに重なり、更に魅力を大きくしていました。

きっと値段で測れる範疇を超える鮨店になっていくのだと思います、というかもうなっている状態ですが・・・

前回より強いインパクトと驚きを、トークに面白さと深みを。
お鮨に行きたいというより、天本に行きたい。
もっと知らない世界を見せてほしい、そう思わせてくれるここは天本さんが描かれる唯一無二の鮨店です。

*写真が多いので食べログは枚数を選んで掲載しました*

<お酒>

◇醸し人九平次
甘口ですが、甘さ一辺倒にならずバランスが良かったです
フルーティーで日本酒に弱い方でもいただけそうな丸みのお味

◇新政 平成二十九年丁酉二月四日
旧暦のお正月にあたる2月4日に造られる「立春朝搾り」
いくつかの蔵元が製造していてこちらは新政
もちろん本数限定でレアです
綺麗な香りにさらりとした甘みフレッシュさが際立っています

◇田中六五
少し濁りがあります
すっきりしていますが、コクがあるので中盤に向いているお味

◇山の壽
いただいた中で一番香り高かったです
丸く甘い香りに甘みがあってもキレが良いお味

<つまみ>

◆白魚と赤貝のヒモ、菜の花カラスミがけ
白魚は名産品として知られる三重県桑名のもの、赤貝は大分
菜の花と合わさり早春を感じさせるすっきりした味わい

◆赤海鼠
福岡能古島のもの
青より赤の方がお値段は高めですが美味しいといわれる赤海鼠
鮮度の良さをダイレクトに表現するため味付けはカボスのみ
コリコリした歯応えで、新鮮なのでむにゅむにゅした感触や癖はありません
海の情景が浮かび上がる様なお味がしてお酒が恋しくなりました

◆つぶ貝と肝
なんと1キロ越えのつぶ貝・・・最早つぶ貝と言っていいか分からない立派なフォルムは北海道鵡川のもの
カットすると断面から水分が零れ出し、お箸で持ち上げようとしてもつるつるしてしまいます
身の締まりがとても良く、瑞々しさの後からふわっと広がる甘み

つぶ貝の肝、初めていただきました
この大きさだからいただけるお味で、通常のつぶ貝は白い色が混ざるので肝とは呼べないそう
お醤油でいただきます
甘くて柔かで磯の香りする濃厚さもありますが後までは引きずりません

つぶ貝と肝共に見た目からの差が歴然、とても良質で美味

◆白子茶碗蒸し
高級羅臼の鱈の白子に天草の浅利出汁を使用した茶碗蒸しに浅利餡、芽葱を散らし柚子の香り
白子は半生状態、お味はクリーミーで濃厚があるさすが羅臼の高品質ものです
茶碗蒸しは卵香る優しいお味に仕上がっていて、グイグイ浅利味というわけではありません
白子の強さのみに走らず温かみもあるお味

◆毛蟹の雲丹和え、紫雲丹乗せ、生キャビアを添えて
保存のための工程を踏んでいない生キャビアはベルギー産
北海道噴火湾毛蟹と雲丹和えの上に紫雲丹という雲丹尽くしの一皿
器のセンスも毎回のことながら素敵です
いただくほどにまったりした美味しさが広がり、後味もうにの香りが漂いました

◆自家製うね
ミンククジラの生うねを7時間かけて仕上げたもの
脂身部分をうね(畝)、肉部分をすのこ(須の子)、総称をうねす(畝須)といわれる一頭から数%しか獲れない貴重部位
柔らかく、においはまったくないのが見事
甘みと風味が強く、脂のりも強いですが脂自体は不飽和脂肪酸
上品さがあり、これはお腹に余裕があればもっといただきたかったお味で美味しいです

◆牡蠣
佐賀県伊万里のもの
フレッシュさと磯の香り、すっきりとしたお味でさらっといただけます

◆鰆塩たたきの藁焼き
壱岐のもの、炙って皮が黄金色に輝く鰆
藁の柔かな煙を見つつ丁寧に仕上げてくれます
お味は薫香に包まれ、脂のりはありますがくど過ぎず丁度良いです
藁は無農薬米の藁、拘りがでていました

◆スルメイカの塩辛、シャリと合わせて
12月に仕入れたスルメイカを塩辛にしたもの
とろとろで黄身の様な色、塩辛なのでお味はしっかりめですが旨みが負けていません
強めのシャリと合わさり引き寄せられる様なお味

◆ヒラメの肝
見た目は何の肝か分かりませんでした
3キロオーバーのヒラメの肝、かなり立派です
柔かでとろっとしていて濃厚さもありますが、確かにヒラメの香りが・・・
特有のにおいがあるともお聞きしましたがそれはありませんでした

◆トコブシ
宮城県七ヶ浜産、巨大すぎて鮑の様に見えるトコブシ
上質で肉厚なトコブシは鮑のお味に匹敵する・・・とのこと
お味は・・・・鮑です、柔らかで磯の香りがして美味
お土産のばらちらしにも入れてくれていましたが、風味落ちもせずトコブシへの印象が変わりました

◆のどぐろの酒蒸し
長崎対馬のもの
のどぐろの酒蒸しは供されることが多く、いただく前に何となくお味の輪郭を予想していたのですが見事に覆りました

出汁が秀逸で香り高く、個性があります
ベースは敷かれた昆布は北海道尾札部産と日本酒の酒粕、主にこの2種でこの深みが出せるのは驚き
出汁のお味は濃いめではありますが、旨みが強く全ていただきました

のどぐろは95度に短時間火を通しただけなのでふっくらふわふわ

定番化されているものだから難しい、色が見える良いお味でした

<ここからにぎりです>

◆ヒラメ肝のせ
先程振る舞われたつまみヒラメの肝のにぎり
少量の肝を上に乗せてあります
かなり肉厚、きゅっと締まったというよりもちもちとした食感
そこに肝のコクと天本さんのシャリが合わさり相性抜群、お味として美味

◆サヨリ
千葉県木更津のもの
透明感があり、すっきりした甘みがあり存在感もあるお味

◆スミイカ
神奈川県小柴のもの、すだちを絞っていただきます
さくっとしていながらも少しねっとり感もあり
ねっとりし過ぎずサクサクし過ぎず良いバランスで甘み、旨みもあり

◆鰤
長崎対馬、14キロの背と腹の血合いぎし
お味が濃くて、これは刺激を感じる程の旨みがありました

◆ヤイトガツオ
鹿児島定置
関西弁の「やいと」=「お灸」を表し、皮にお灸をすえた様な斑点があるのが特徴
お味はこれがカツオと言われなければ分からない位濃厚でじんわり広がる旨みに初めてならきっと驚きます
カツオというとあっさりしていて、生特有のにおいがありますが全くなくトロのカテゴリに属するお味でした

◆中トロ
青森三厩、藤田水産のマグロ(100~110キロ)
認知度的には大間ですが、私的には時期もありますが三厩に軍配
月並みに言えば蕩ける旨みなのですが、濃厚で蕩けると言うより身自体が柔らかいのです
これは藤田さんのマグロ特有らしく、ふわっとした口当たりは印象深く刻まれます
ですが、一方で酸化も早く扱いが難しいとも・・・
脂のりよりもっと根本的な所で差が出る大変良いお味

◆トロ
旨みが増して更に濃厚に

◆鯖
豊後水道、釣り
しめて5日目、すっきりしたお味です

◆小肌
千葉県船橋のもの
柔かで酢の塩梅が良く後からふわりと香ります

◆太刀魚
前半で天本さんが微笑みながら・・・いきなり長い太刀魚そのまま持ってこられました
東京湾のもの、太刀魚というと夏のイメージですがこの時期にもあり初物だとか
カットの断面がまた美しく少しピンクがかった白

丁寧に焼いてくれた天本さんの自信作、供されると皮から立ち上る芳ばしい香りに包まれます
身はふわとろ、白身なのでこってりはしていませんが山葵を感じない位に最高値まで甘みを引き上げたお味
素材の良さと仕事の両方から美味しさが伝わりました

◆赤貝
大分のもの、今が旬
柔かさと磯の香りはきつすぎず上品です

◆うに
ちょっと珍しく鹿児島のもの
口溶け良好で特徴は味の濃さ、強さがあるお味をしています

◆海鼠腸巻
お酒のつまみに良く合う海鼠腸、癖はあるので私的には相性が気になる食材です
海鼠腸も良かったのですが、それ以上に上手く癖を上手く包み込んでいたのが木更津の海苔
香りとパリッと感が強く、海鼠腸に良く合います
もちろんシャリとの相性も光り美味しくいただきました

◆車海老
豊後水道、天然もの
相変わらずのキングサイズ、味噌の香りたっぷりのプリッとした歯応えです

◆鮟肝
こちらも天本さんらしい丁寧さが伝わる鮟肝
大変滑らかで口当たりがよく濃厚です

◆北寄貝
裏側を炙ったもの
肉厚で弾力有、柔らかな海の感じが伝わり美味

◆いばらがにの内子
幻の蟹いばらがにからとれた内子の塩漬け、4瓶しかできず全て抑えたとか
少な目に見えるのはお味が濃いからです
とろとろした口当たりで塩分は濃いのですが、ぐぐっと風味が持ち上がってくる力強いお味で他では味わえないものでした

◆穴子
ほわほわで蕩ける硬さは全くない穴子、お見事です

◆お椀
山椒が効いたキリッとしたお味です

◆玉
以前よりスイーツ感が増していました
甘みもあり女性なら喜んでしまうお味です

◆カラスミ
甘みと旨味のあるお味でお酒と一緒にいただきました

お土産にばらちらしをお願いしました。
◆ばらちらし
鮪、穴子、玉、ガリ、白魚、スミイカ、いくら、鰤、蟹の雲丹和え、雲丹、菜の花の豪勢な内容
翌日美味しくいただきました
天本さんに負担がなければまたいただきたいちらしです


改めて素敵な出会いに感謝しつつ、次回は6月です。


<全文はこちらです↓>

http://food-garden.net/foodpost/%E6%9D%B1%E9%BA%BB%E5%B8%83-%E5%A4%A9%E6%9C%AC/


<2016/11>

*写真が多いので食べログは枚数を選んで掲載しました*

◆長崎大室湾のもずく

細めのもずく、歯切れ良く酸味が丁度よく緩やかなスタート

◆山口萩のバイ貝

出汁の取り方や優しく、濃くありません
身は柔らか、それに増してワタが甘く美味

◆海鼠子の茶碗蒸し

能登の海鼠の卵巣、海鼠子を軽く塩漬けにして浅利の茶碗蒸しの上にかけたもの
浅利の出汁がふわりと香る、塩気も強すぎずあてにぴったりのお味

◆北海道仙鳳趾の生牡蠣

おおきめの牡蠣、酢橘を絞っていただきます
こちらが驚くほど美味
私的には生牡蠣は塩分が強くて癖を感じてそこまで好みではありませんでした
こちらのはクリーミーさが先にきて水の様に溶ける程とろとろ、塩分はふわり位のアクセント
綺麗で真っすぐなお味なので癖はなくコクが強く甘く、余韻として濃厚さが残ります

普通の生牡蠣との違いは、現地の取れたての状態で殻をすぐ剥いて真空状態にしてるということ
それにより塩分が牡蠣に入り込み過ぎずしょっぱくならないそうです

◆長崎県壱岐の迷い鰹の漬け

戻り鰹ではなく迷い鰹、軽く漬けになっていて鰹本来のお味を大事にしています
鮪に似ているとも言われる迷い鰹
最初はあっさりした入り口、後から広がる濃厚さがありました

◆長崎のノドグロ

最低3日寝かせたもの、脂乗りが素晴らしく囲炉裏で焼いていたら煙が出過ぎてダクトはしっかりしているものの火災報知器が鳴ってしまった代物
因みにこれで2日辺り連続とのことで天本さん焦っていらっしゃいましたが私たちにとっては良い思い出・・・

箸を入れるとじゅわっと脂が溢れ出すふわとろのノドグロ
酢橘を絞っても無効化になるほど濃厚
ですが脂は綺麗、重くなくいただけました

◆馬糞雲丹×津蟹味噌小丼

根室の漁師が北方領土まで馬糞雲丹を買い付けに行き、オスだけ選りすぐったもの
よって濃い色に歓声が上がります
和えるのは唐津の津蟹味噌、上にロシア産オセトラキャビアを乗せて供されました
馬糞雲丹と津蟹味噌が甘めなため、キャビアの塩分が引き締めます
酢が効いたシャリも合っていて美味しくないはずがありません
とろんとした雲丹に歯応えを残した津蟹味噌、黄金の組み合わせで贅沢で美味

◆ミンククジラの尾の身

珍しいおつまみが続き、今度は尾の身
現在は最高級部位とされる即ち尻尾の部分
甘口醤油でいただきます、甘くて弾力がありさっぱりしています

◆白子

強いお味、質はとても良好
纏わりつくような濃厚さがありました

◆玄界灘のアズキハタ

福岡玄界灘で獲れた3.8キロ
2キロで大物と言われるのでかなりの大きさ
アズキハタと言えば初夏、それをこの時期にこの大きさのものがいただけるとは驚き
絞めてはおらず、酢橘だけ絞ってそのままでいただきます
素晴らしい強い弾力に噛むと広がる甘みと濃厚さ
噛むほどにお味が深くなり変化が楽しめるお味、とても美味

◆神戸の鯵

葱と薬味を挟んだだけで塩も何もつけず鮮度をそのままで勝負したにぎり
さっぱりの後から徐々に旨みがでてきて後から新鮮な鯵の香りが漂います

◆北海道増毛のボタン海老

尾が上がり見た目からぷりっとした食感が分かる立派なボタン海老
甘く、強すぎないねっとり感、まったりしたお味です

◆宮城県七里ヶ浜の活シャコ、酒盗漬け

活シャコを生きたまま-60度で凍らせ戻した後に塩を振り、鰹の酒盗のホヤの塩辛、みりんと酒に漬けるという手の込んだおつまみ
シャコのプリプリとした食感がたまりません、あてになる塩分で良さを堪能するためにお酒をお願いしました

■賀茂金秀

まだつまみは続きますし、良さを味わいたいのでお酒を追加
低めなものをお願いしたので13%、キリッとしてして爽やか綺麗で飲みやすいお味

◆噴火湾の鮟肝

思わず箸を入れてしまい撮影できず・・・そうしたら両お隣様が撮影にどうぞとの嬉しいお声がけ
回りのお客様に恵まれ撮影できました

入り口はライトですが後に生クリームみたいなリッチな味わいに
綺麗な濃厚さがある鮟肝

◆銚子の金目鯛漬け×松前昆布

松前昆布とスルメをいれた漬け、最後に上に松前昆布を添えて

弾力から始まり、甘味と漬けの深いお味と金目鯛特有の脂乗り
ここで終わらず最後に乗せてある松前昆布が香りに幅をもたせます
普通は無い組み合わせですが面白く、美味

◆壱岐のしめ鯖

4日間寝かせたもの
酢は強すぎず、流れから見て目立ち過ぎないお味

◆東京湾の小肌

こちらも酢は強すぎずマイルドさがあり通常は強めをいただいていますがこれ位の旨みのあるものも美味

◆久慈のヒラマサ

ブリ属3種の中で最も漁獲量が少なく知名度が低いヒラマサ
身は柔らか、普通はどちらかに傾いてしまう酸味と旨みですがこちらはそればなく、バランスがベスト
玄人の方が好まれそうな粋なお味をしています

◆佐島のアオリイカ

500グラムのアオリイカ
リリースしないといけないグラムではと言うお話は置いておきます
酢橘とお塩でいただきます

鮮度よく活〆ということもありものすごく引き締まっています
活〆でもここまで身が締まっているものは少なかった印象
ねっとり感は強すぎず、甘みが漂う感じで嫌みさがありません

◆福岡鐘崎の生鰆

部位はお腹の方、炙ったり一切せずなんと生
にぎりの途中で鰆を常温に置き脂を出していきます

脂、甘み、旨みが凝縮
かと言って大胆なお味ではなく繊細さもあり

鰆はこれから冬に向かってがベストシーズンにも関わらずこの時期でこのクオリティは素晴らしいの一言
何も手を加えず、そのままで堪能したいお味

◆紋別いくら×浜中馬糞雲丹

昆布出汁香る、馬糞雲丹の甘さが引き立ち塩分は丁度よい相性抜群の組み合わせ

◆豊後水道の天然車海老

大きな天然車海老
レアタイプではありませんが、味噌付きで満足度があります

◆三浦半島鴨居のカワハギ

肝を挟むのではなく上に乗せるという細かいですが他ではない試み
天然でなければ流れ溶けてしまうものだそう

カワハギは淡泊で良い弾力
肝は形を保っているのですが、口内温度で水の様に溶けていきます
香り良く濃厚ですが綺麗、口溶けが優れていて素晴らしいの一言

◇マグロは大間一本釣り102キロ

◆血合いぎし

旬に拘りぬいた血合いぎしで明日には全く別物になってしまうほどとのこと
血合いぎしらしく濃厚さはありますが、フレッシュさも同居しています

◆砂ずり

砂ずりの割にはややさっぱりしているかと思いきやグッと盛り上がりをみせます
盛り上がった時の濃厚さ旨みの強さは随一
流れがあるお味で美味

◆赤身

サクッとしていて甘みがあり、鉄分は少なくソフトでいただきやすいお味
もちろん水っぽさはありません

◆対馬の穴子

塩かツメかを選択でき両方お願いしました
半分に割るのかと思いきやこちらのは二貫として供されます

こちらの穴子の特徴はふわっふわなこと
手だと崩れてしまうので箸でいただきました

甘さが綺麗で噛むのも忘れるふわふわ度

どちらも美味しいですがツメの方が記憶に残りました
甘過ぎず主張し過ぎずパリッとした皮の香ばしさが引き立ちます

◆椀物

ノドグロと鯛の骨でとった椀物

ソフトで濃すぎず優しいお味、良いお味
こういったところにも純粋な鮨屋と違う丸みがあります

◆玉

最近は複雑な玉も増えていますが、こちらは割とシンプルなもの
メレンゲに拘ったしっとり滑らか、甘さが柔らかい玉で終了となりました

<全写真はこちらです↓>

http://food-garden.net/foodpost/%E6%9D%B1%E9%BA%BB%E5%B8%83-%E5%A4%A9%E6%9C%AC/

  • 牡丹海老の紹興酒漬け
  • 鯵
  • 雲丹

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10位

TACUBO (代官山、恵比寿、中目黒 / イタリアン)

1回

  • 昼の点数: 4.6

    • [ 料理・味 4.6
    • | サービス 4.5
    • | 雰囲気 4.0
    • | CP 4.5
    • | 酒・ドリンク - ]
  • 使った金額(1人)
    - ¥8,000~¥9,999

2016/07訪問 2016/07/30

薪焼きは衝撃的な美味しさ。香りと溢れだすジューシーさが群を抜いています

2016年移転オープン、代官山駅から8分程度にある高温で休みなく肉を一気に焼き上げる薪焼きが美味と言われているTACUBO。

オーナーは田窪大祐氏、30歳でリストランティーノ バルカをオープン、よりステップを上げたイタリアンを提供するために2010年にはアーリア ディタクボをオープンして人気を集めました。
大変順調でしたが、薪焼きを使ったお料理を形にしたいという意思の下2016月4月にTACUBOを新天地代官山でスタート。
日本では炭火焼きが定着していますが薪焼きというアプローチ、開放暖炉にて薪焼きを間近で田窪シェフが自ら焼いてくれます。

今回は水、土、祝日のみ営業しているランチで訪問。
日によっては満席の日もありますので余裕を持って予約する方が良さそう。

予約時「看板が小さく分かりにくいので、迷ったらご連絡ください」と言われ現地に行くと・・・確かに小さい。
シックながらも力強いカラーにライジングをイメージさせる下を欠けさせたサンセリフフォントが目に留まるサインボード。

店内は主にカウンターの8席、床はブラックチェリー系でカウンターはそれよりライトなカラーで、すぐに視線がいくのは存在感抜群の解放暖炉。
オープンキッチンなのでお料理のほぼ全てが目の前で繰り広げられます。

スタッフは全員男性、皆さん感じよく1人でも気兼ねなく楽しめるのも魅力。

結論では正直、薪焼きがここまで炭火焼きと違うとは想像していませんでした。
よくジューシーという言葉を聞きますが、田窪シェフ曰く暴れる肉汁。
少し重い様なイメージを抱かれるかもしれませんが、それはくどかったりにおいがあるものではない本来持っているポテンシャルのピュアな味。
内部の水分を閉じ込める火入れ、表面と内部のコントラストが素晴らしいです。

薪焼きは高温で一気に焼き上げるスタイル。
よって開放暖炉の前はかなりの高温、何度も汗を拭いながらも1席毎に田窪シェフ自ら焼いてくださる姿が心に響きます。
話しやすい方で薪焼きに対しての真っすぐな想い、信念と強さ伝わり、最近は流行をキャッチして始めるお店も多いですがそれが全くありません。

総合的にとても幸せな気持ちにさせてくれ、初めてまたここでお肉をいただきたいとお店となりました。

コースはおまかせのみ、ガス入りウォーターを入れても6500円というCPも良好。

◆アンチョビのグリッシーニ
適度な塩気と香ばしさ、所々に少しアンチョビが目視できます。

◆鱧のフリット
鱧は大分県産、トマトと恐竜のたまごのヨーグルトソース、フェンネル。
恐竜のたまごとは見た目メロン、食感が西瓜で水分が多い癖ないお味。
フリットはサクサクと音がするほどで塩気あり、ソースは薄味。
中々量がある一皿。

◆じゃがいもとローズマリーフォカッチャ
キューブ型、熱い状態でサーブされ一般的な下がオイリーなフォカッチャとは別物。
ローズマリーの香りがふんわり包み込み、外はカリッと中はじゃがいもでもっちりしっとりしています。

◆ブロッコリーとあさりのパスタ
あさりはふっくら適度にお酒の香り。
ブロッコリーのソースからはバターと香草も香りもしましたが、このお皿だけは塩分が強めで詳しい内容は分からず。
パスタの茹で加減、お味自体は美味しいです。

◆パッパルテーネ ジャージー牛のソース
平打ちのパッパルテーネはつるんとしていて口当たりよく、お肉は柔らかくほろっとミルクで円やかさを演出。
とうもろこしには少しの焦げが香ばしくとても甘く存在感有。
甘さとコクが出ていて素材の相性良く、美味しいパスタ。

◆仔羊の薪焼き ズッキーニ
仔羊、お肉独特のにおいは抑えられ香ばしさに支配され、他の焼きと違い香り豊かで違いが歴然。
添えられるのはアッサル湖の湖塩とフレッシュな粒マスタード。
ナイフを入れると溢れると通り越して決壊する如く肉汁が溢れます。

外側はこんがり、内部はレアでフレッシュさを残しているお味。
よってこれだけ肉汁がでていてもくどくなく肉からは甘みと旨みが主。

私にとってお肉自体は少し重く強い方ではありませんが、かつてない美味しさに感動。
低温調理とも炭焼きとも鉄板ともどれとも全く違い素晴らしい火入れです。

お肉の素晴らしさに隠れてしまっていますが、ズッキーニも内部の水分がしっかり残っていて大変瑞々しくレベルの高いものでした。

◆パイナップルとヨーグルトジェラート、紅茶のジュレがけ オキザリス
奄美のパイナップルでえぐみなく食べやすく、ヨーグルトジェラート口溶けよく程よい酸味。
パッションフルーツで引き締め、紅茶の香りは特に分かりませんでした。

◆天の上紅茶
◆フィナンシェ
フィナンシェは焼きたてが提供され、焼いている間奥から漂うバターの香ばしい香り。
出来たてなのでもちろん熱く、外はサクサク箇所によってはこんがりキツネ色、バターがセンターで甘さは控えめ。
焼き立てだから出来る口当たりと芳醇な香り、べっちゃりは一切していません。


お店の方も程よく話しかけてくれとても楽しい時間を過ごさせてもらいました。
お肉好きの方を是非招待したいお店です。


<全文はこちらです↓>

http://food-garden.net/foodpost/tacubo/

  • 仔羊の薪焼き ズッキーニ
  • ブロッコリーとあさりのパスタ
  • パッパルテーネ ジャージー牛のソース

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