4回
2017/03 訪問
温かなおもてなしとお料理、今回はサプライズまで。長く一緒に居たいお店です
【2017/03】
今回も温かな雰囲気に迎えられゆったりとした時間を過ごせました。
そして記念月ということで素敵なお祝いが。
通って1年以上経ち、覚えていて下さったらしく……たくさんのお客様がいらっしゃるのにいつも1人利用にも優しい晴山です。
お料理は特に焼き物のホタルイカの外側はサクサク、中はレアの弾ける美味しさとトリガイの絶妙な炙り焼きが印象的。
安定のお食事で、最後のサプライズは感動でした。
いつもリラックスして楽しめる日本料理店。
かしこまらず、ですが騒がしい訳でもない。
とても居心地が良く、カウンター席の良さを強く感じます。
お値段もものすごい高くもなく、背伸びせずに通い続けたいお店です。
■お酒 羽根屋
最初はさらっとした飲み口でピュアさが光ります
そこから甘みとキリッとした強さが徐々に頭角を現す後から盛り上がりをみせるお酒
◆浅利と紫雲丹のジュレがけ、花山葵を添えて
浅利は愛知、雲丹は函館のもの
雲丹は産地の良さが出ていて濃厚で美味
ジュレは柚子の香り漂ういつも通り透明感のあるお味
花穂紫蘇の香気、最後は花山葵がピリッと引き締めてくれてました
◆椀物 蛤と若芽、木の芽と蕨を添えて
最初は控えめに、後から盛り上がり香ってきました
蛤は九十九里のもの、とても大きく食べ応えがあります
いつもの椀よりすっきりした味わい
蕨の苦味と一緒に味わい、春の訪れを感じました
◆お造り 鮃、太刀魚、メジマグロ、アオリイカ
明石の鮃は弾力が強く甘みがあります
ポン酢でいただく太刀魚は脂のりが良く、敦賀のアオリイカは鹿の子包丁を入れ甘みがあり柔らか
メジマグロは舞鶴のもの、滑らかな口当たりで爽やかな旨みがありました
◆トリガイの炙り焼きと自家製ばちこ
トリガイは三河湾のもの
しっかり火が通っているものが多い中、こちらのトリガイは中がレア
なので柔らかでとてもジューシーです
トリガイというのは元々独特なにおいをもっているので半生で仕上げるのは加減が難しいそう
じゅわっと風味が広がり、他ではなかなかいただけない綺麗な火入れのトリガイ
自家製ばちこは甘く炙ってあり温かく芳ばしいです
凝縮した旨みでお酒にぴったり
後までふんわりと良い香りが漂いました
◆焼き物 飛騨牛の筍巻き
飛騨牛は脂がのっていて柔か肉汁豊か
筍は鹿児島のもの、ややアクがあるもののお肉のお味が濃厚なのでバランス良く仕上がっていました
タレのお味はしっかりめでグッとくるお味
中心に向かう程更に肉汁が溢れ、焼きの良さが出ている焼き物
◆焼き物 蛍烏賊とタラの芽、行者ニンニク
全体的に柔かに揚げてあります
タラの芽は雑味なく、水分があり
蛍烏賊は中がレアでぷちっと弾けみその甘みと濃厚さが押し寄せとても美味
出来栄えは個体によるそうですが、中の閉じ込めが素晴らしく旨みを堪能できました
◆炊き合わせ 若狭の甘鯛と芹と椎茸、蕪のすり流し
甘鯛の皮は焼き目で芳ばしく、身はふっくら
甘い蕪に塩気は甘鯛で、バランスの一皿
◆お食事 桜海老と春野菜の炊き込みご飯
今回は桜海老の程よいパリッとした食感と甘みを主体に春の野菜が彩ります
主な野菜は筍、蕨、木の芽
柔らかめのご飯に甘い素材が交わり、木の芽がピリッとアクセントに
安定の美味しさでした
◆甘味 せとかのプリン、バニラアイスと本和香糖、苺
深皿に砕いた氷が敷き詰められた華やかなビジュアルに声を上げずにはいられません
奥はせとかのプリン
下層にせとか、上にコアントローを効かせたクラッシュゼリー、その上にオレンジのムース
ジューシーで甘酸っぱさもあるせとか、ゼリーはさっぱり系、ムースはふわふわで甘みがありデザートらしい味わいです
濃厚系バニラアイスに上には芳ばしい沖縄の本和香糖がかかっています
晴山でアイスをいただくのは初めてでした
苺は糖度が良く、柔らか過ぎずベストなコンディションでゼリー等にはしないでそのままいただきたいお味
今季は良い苺になかなか出会えませんでしたがこちらは良質
舞い上がって産地を聞き忘れてしまいましたが……
本当に良い日になりました、感謝しかありません
けっこうお腹いっぱいになってしまってご飯の多くをお土産にしていただき、家で楽しみました。
今回もお腹も心もいっぱいの晴山。
次回は6月楽しみです。
<全文はこちらです↓>
http://food-garden.net/foodpost/%E6%99%B4%E5%B1%B1/
浅利と紫雲丹のジュレがけ、花山葵を添えて
蛤と若芽、木の芽と蕨を添えて
鮃、太刀魚、メジマグロ、アオリイカ
飛騨牛の筍巻き
若狭の甘鯛と芹と椎茸、蕪のすり流し
桜海老と春野菜の炊き込みご飯
お祝いのサプライズ せとかのプリン、バニラアイスと本和香糖、苺
2017/06/18 更新
2017/02 訪問
もろこ揚げがとても美味。お椀も安定、満足度が高いお料理でした
【2017/01】
1年間通させていただき、私が気付ける所は微々たるものだと思いますが少しずつ変化や試行錯誤が見られます。
雰囲気は程よい席数で居心地よく、山本さんとのお話も楽しくて申し訳ないと思いながらついつい長居の傾向に。
今回のお料理はお椀や脂がのった寒ブリ他、特にもろこの揚げが大変美味。
また熱々な小鍋も途中で挟むなどバラエティに富んでいて飽きさせない内容。
程よい創作でとても良いお料理、楽しく美味しく過ごせました。
◇お酒 松の壽 純米吟醸
しぼりたてのフレッシュで爽やかな甘み
お味は角が強すぎずお料理と合い飲みやすいです
◆先付 車海老と湯葉、明太子を合わせて
上に乗っているのは山芋と人参、下層に明太子と壬生菜
1月の献立らしく紅白を思わせる盛り付け
車海老のレアさと湯葉の甘さに柚子の香り、明太子ですっきり仕上げた先付け
いつもよりやや抑え気味にした出汁でスタートです
◆椀物 松葉蟹しんじょと蓮根餅、芽蕪を添えて
ふわふわ甘い松葉蟹しんじょにくっきりとした出汁が良いコントラストに
香り綺麗な柚子と生姜で仕上げています
蓮根餅は晴山定番のじゃがいも饅頭と同タイプ
こちらの「餅」とつく一品は滑らかで糖度が強く、他では出会えないいついただいてもとても美味なもの
見かけるとちょっと嬉しくなります
◆お造り 鮃と氷見の寒ブリ昆布締め
ふわりと昆布の香りが入ってきます
寒ブリの脂のりが強く山葵を多めに乗せても感じない位の旨み有
対して鮃はさっぱりしているので良いバランスでした
◆白子
白子は鱈、上に芽葱を乗せて
おろしポン酢でいただきます
程よい温製で蕩ける口溶け、鱈なので量はあってもペースが落ちずいただけました
おろしポン酢ですっきりした後味に
◆もろこ揚げ
可愛いもろこが5匹綺麗に整列
揚げ方は軽く、身はほくほくで甘みが強く僅かなワタの苦味が抑揚をつけてくれます
甘い衣との相性良く、小さなもろこの旨みを前面に引き出しとても美味
5匹以上でも軽くいただけると思った程良かったです
◆のどぐろと牛蒡、クワイ
酢橘をかけていただきます
のどぐろはとろっとしていてジューシー
お正月らしくクワイのフライ
堀川牛蒡はサクッとしていてピリッと山椒がアクセント
◆海老芋とカラスミ
こちらの海老芋は良質で甘くしっとり、揚げも良いので美味
旨みを効かせた厚切りの自家製カラスミと一緒にいただきます
適度な塩分で相性良好
器が面白く鯛がカラスミを食べている様に見え、避けると下には海老が描かれています
「海老で鯛を釣る」を表現している遊び心のある絵皿でした
◆鴨の小鍋
窒息鴨とつくね、揚げ、平茸、芹を乗せて
ぐつぐつ煮立った状態で供されました
熱々のお食事が多いのも晴山の特徴です
出汁は生姜と鴨の旨みが良く出ていて優しさがあるお味
平茸なので癖なく主張してこないので、窒息鴨のレアさとつくねの甘みが中心となっている小鍋
◆お食事 松葉蟹と百合根、三つ葉
松葉蟹の風味が行き渡っていて蟹への火の通りが理想的
ほっくりした百合根に柔らかめのご飯
柚子の香りは上品に松葉のお味を大事にしているお食事
◆いちごのプリンとシャンパンクラッシュゼリー、いちごソースをかけて
クリーミーなプリンは口当たりはムースのよう、シャンパンクラッシュゼリーですっきりとします
7粒~8粒を凝縮したといういちごソースは甘みたっぷり
かければぐっと風味が引き立ちプリンの円やかさとフレッシュさが合わさる良いお味になりました
次回は3月、楽しみです。
<全文はこちらです↓>
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2017/03/22 更新
2016/12 訪問
【2016/12】
今回は懐石盆が漆器瓢膳となっていて、よりお料理が浮き立つ様でした。
年末なのでどこのお店も忙しく山本さんもお疲れかな、と思いましたがこの日も色々お話させて頂き楽しく過ごせました。
見た目に華やかさはなくても自家製のからすみ、海老芋揚げが美味で椀物、炊き込みご飯は安定の美味しさ。
しっくりくるほっとする、また訪問するのが決まっていること、それが私にとっての晴山です。
◇お酒 十四代
◆香箱蟹
越前ガニの内子と外子、カットされた山芋と花穂紫蘇にジュレがかけられたもの
ジュレは少量ながらも印象深い塩気もあるいつもの先付けらしい出汁
甘い香箱蟹に合わさりバランスよく仕上がっています
◆椀物 若狭の甘鯛と湯葉、芽蕪を添えて
湯気が立ち上り、熱さが楽しめる椀物
この出来立て感といい意味での家庭的な温度が晴山の特徴
甘鯛は中まで熱々で身は甘いですが塩気ありそこに甘めの湯葉が合わさります
くっきりした出汁で頻繁にいただきたい椀物
◆氷見の寒ブリ昆布締め
大根おろし、浅葱をのせて
入り口はさっぱり、徐々に濃厚さがでてきますが強すぎず適度な濃さ
コース前半を考えてヘビーなのは避けているそう
重すぎず旨みがあり良かったです
◆向付 鰹と車海老
ねかせた鰹と炙った鰹は海苔の佃煮で、車海老はお塩でいただきます
鰹は程よい旨み、炙ることによって脂が増し濃厚に
晴山の海苔の佃煮は尖ったお味ではないので良く合います
車海老は中心がレア状態、お塩でさっぱりいただきました
◆白子の蒸し鮨
熱めの器、シャリに白子、芽葱をのせて
混ぜていただきます
シャリは甘め、白子は適度な濃さがありヘビーではありません
◆焼き物 窒息鴨 つくね 壬生菜の胡麻和え 銀杏を添えて
血抜きをしない窒息鴨、赤身が強くさっぱりしながらも濃く肉に締まり有
銀杏はサクッとした歯応え、壬生菜の胡麻和えは穏やかなお味
鴨つくねは部位を限定していないので軟骨の食感があり、葱とふわりの生姜の香り
優しいお味でお酒にも合います
◆強肴 自家製のからすみ
甘さと濃縮さが前面に出ていて塩っ辛くはありません
このアプローチが晴山らしいです
下層表面を炙ってあり香ばしさも有
旨みがしっかり、塩気は柔らかく美味なからすみ
もっといただきたいと思えるお味でお酒がすすみます
◆揚げ物 松葉ガニコロッケ 玉ねぎソース
前回は松茸でしたがこちらが定番だそう
中には松葉ガニがそのまま入った大変ゴージャスなコロッケ
クリームは甘く、松葉ガニも糖度があるので玉ねぎソースのソフトな酸味が引き締めます
ボリューミーな一皿
◆炊き合わせ 海老芋揚げ 小松菜 いくら 温製餡かけ
いくらがかけられていますが温かいお皿
少し濃厚さが増して、他とのバランスは良く不自然さはありません
程よく柚子と生姜の香りが漂います
海老芋揚げは糖度が高く、滑らかでパサつきもなく、この前いただいた重鎮の海老芋は桁違いでしたが晴山のも美味
出汁は真っすぐしっかりしたお味、甘みのある海老芋と良いコントラストでした
◆お食事 鱈子と芹
辛めの鱈子に甘めで柔らかなご飯、芹の香りがふわりとして、いついただいてもここの炊き込みご飯は美味
お土産にすると鱈子は火が通った感じになり際立つ感じはなくなりましたが馴染んでいつも通り家でも楽しめました
◆甘味 はちみつプリン 苺と洋梨 白ワインジュレ 白トリュフの香り
この日は山本さんと白トリュフの話になっていましたが、最後に差し込んでくるとは思いませんでした
香りは言われずとも芳醇な白トリュフ
白トリュフはプリンの方に潜ませているらしく、自然な甘さから白トリュフの香りが迫ってきます
この日の最後は驚きが待っていました
【2016/10】
お昼利用、ディナーコースです
◆先付 香茸と車海老、春菊の胡桃ホワイトソースがけ
◆椀物 甘鯛と岩手の松茸
◆向付 九絵と剣先烏賊
◆お凌ぎ のどぐろ寿司
◆カマスと焼き椎茸、いくら
◆揚げ物 松茸のコロッケ
◆炊き合わせ 子持ち鮎と茄子の焼き浸し
◆お食事 福井の新米
◆甘味 無花果のプリン
【2016/08】
お昼利用、ディナーコースです
◆先付 湯葉と焼き茄子、白バイ貝
◆椀物 毛蟹しんじょ
◆向付 鰹、鮃、剣先烏賊
◆鮑と雲丹のうどん、肝ソースかけ
◆焼き物 鮎 万願寺唐辛子
◆揚げ物 鱧と新銀杏
◆炊き合わせ 穴子とじゃがいも饅頭、冬瓜ソース
◆お食事 鱧の炊き込みご飯
◆水物 桃のコンポート白ワインゼリー寄せ
【2016/05】
お昼利用、ディナーコースです
◆先付 函館の紫うにと賀茂茄子の生クリームがけ
◆椀物 若狭の甘鯛と湯葉
◆向付 鰈と剣先烏賊
◆揚げ物 帆立、新玉ねぎソースととうもろこし
◆素麺、泡オクラにじゅんさい、鮑
◆太刀魚の木の芽焼きと白アスパラ
◆じゃがいも饅頭と毛ガニ餡かけ 空豆
◆時鮭(トキシラズ)と新生姜、木の芽の炊き込みご飯
◆ココナッツプリンと宮崎のマンゴー、パッションフルーツクラッシュゼリーがけ
【2016/03】
お昼利用、ディナーコースです
◆先付 車海老と蕨とうるいの梅肉和え
◆椀物 蛤のお吸い物
◆向付・お造り 敦賀半島の鮃、福井小浜の赤貝、三河湾のトリガイ
◆揚げ物 穴子と空豆、タラの芽/新玉ねぎのソース
◆焼き物 鹿児島の筍を宮崎牛で包んだ焼き物。
◆帆立と湯葉の煮浸し、自家製のばちこ
◆鯛と筍の炊き込みご飯
◆甘味 オレンジプリンといちごとオレンジとブルーベリーと白ワインジュレかけパッションフルーツ
【2016/01】
お昼利用、ランチコースです
◆芹に数の子ジュレをかけて
◆ユリ根しんじょ
◆寒鰆に薯蕷をのせて
◆宮崎牛とかぶら
◆鮃とじゃがいも饅頭
◆お食事 レンコンと菜の花とたらこのご飯、お味噌汁、香の物
◆静岡紅ほっぺプリン
<長巻物なので12月分以外はこちらです↓>
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香箱蟹
若狭の甘鯛と湯葉、芽蕪を添えて
窒息鴨 つくね 壬生菜の胡麻和え 銀杏を添えて
鱈子と芹
椀物 甘鯛と岩手の松茸
先付 香茸と車海老、春菊の胡桃ホワイトソースがけ
お凌ぎ のどぐろ寿司
鮑と雲丹のうどん、肝ソースかけ
お食事 鱧の炊き込みご飯
2017/02/01 更新
2011年オープン、白銀高輪、または三田から10分程度。桜田通りから一本入ったところのアンティークショップの地下にある出汁で勝負する人気店晴山。
店主は山本晴彦氏。岐阜のたか田八祥、わかみや八祥では店長を勤め31歳で晴山をオープンしました。
当店の特徴は出汁。
出汁でそれぞれのお皿を表現し、椀ではくっきり浮かび上がる様なお味に、時に鮮やかに、そして違うお皿では優しく仕上げます。
最高が15000円なので素材勝負ではありませんが、創意工夫で晴山でしか出せない色を強く伝えてくるお店です。
私的には出汁の香りと旨みが一歩前に出てくるようなお味をしている印象、あくまで主役はメリハリのある出汁。
お味がただしっかりしている訳ではなく、もちろん京を連想する訳でもありません。
これを人によっては塩気と仰る方もいれば、薄味と仰る方もいてご感想も様々。
出汁加減が大きな形となりこの差を生み出していることを思うと、このくっきりしたお味の裏に繊細に揺れ動くものを感じこのお店でしかない出会いがあります。
また、山本さんが造り出すお店の雰囲気も魅力的。
自然体でありながら優しく穏やかな空気を造り出し、お話すると惹きつけられる魅力を持った方。
お弟子さんの心からの笑顔、楽しみながらも真剣にお料理に向き合っている姿が言わずともお店の姿を語ってくれます。
凛とした雰囲気のお店も良いですが、柔らかな時間を過ごせる晴山は寛ぎを与えてくれる日本料理店です。
お席はより良さが感じられるテーブル席よりカウンターがおすすめ。
一度伺えばランチでもディナーコースを選択可能、こちらはかなり量がありランチより少しお味は濃いめ。
定番のローストビーフやじゃがいも饅頭が登場するのはランチ、ディナーは時々となります。
通う楽しさがあるお店なので最近のお客様はリピーター様が殆ど。
お料理の美味しさだけではなく、店主の人間性の魅力で多くのお客様を惹き付ける代表格が晴山な気がします。
【2017/06】
6月は晴山の記念月。
通い始めた昨年は訪問月ではなかったため、今回が初めて。
お祝いもあり楽しみにしていたのですが、大切な日というのに病み上がりというコンディション。
逆にお気を使って頂き、申し訳ない位でした。
今回もお椀が安定していて穴子の揚げは甘みが溢れ、野性味のある鮎も食べ応えがあり、鮑と雲丹のうどんで夏を感じました。
緊張してしまうお店もありますが、晴山に伺うと安心してしまって最後はお腹いっぱいでお昼寝気分に……平日気を張っていたのもありますが、いい意味で休まり等身大で居られるお店です。
今回も和やかに、隣のお客様にも恵まれ、晴山と過ごした楽しい初夏の休日は以下になります。
◆先付 賀茂なすのゴマクリームかけ
瑞々しく和の出汁が香る賀茂なすに、クリーミーなごまの風味が効いています
和の中に晴山らしい独自性が見える先付け
◆椀物 毛蟹の真薯
蓋を開けた瞬間に立ち上る白い湯気から徐々に椀の輪郭が見えてくる・・・
この瞬間はいつ見てもワクワクさせてくれます
今回は昆布森の毛蟹、上に冬瓜
真薯は大きく食べ応えがあり、ふわふわした口当たりに何よりとても甘みがあります
じんわりと濃い毛蟹のお味が広がり、そこにキリッとした出汁が合わさり良いコントラストに
素材の甘みと筋の通った出汁をリンクさせるのが晴山はとても上手く安定していて、いつも通りぶれなく美味しくいただきました
◆お造り のどぐろ、剣先烏賊、真子鰈 別皿でマナガツオ
のどぐろは熟成、濃厚さがありますが濃すぎず酢橘をかければさっぱりいただけ、剣先烏賊は甘く、真子鰈は弾力を楽しみます
マナガツオも熟成で皮目を少し炙ってあり、身質がしっかりしていて旨みがありました
◆鮑と雲丹のうどん、肝ソースかけ
稲庭うどんに雲丹、少量の出汁ジュレをかけ大切りの鮑、芽葱を散らした夏の定番
黒鮑は福井産
鮑と言えば香りの点に置いて大原が主流ですが、福井の鮑も風味良好
ただ、これは直送だから再現できるお味だそう
稲庭うどんは程よい弾力、喉越しが良さに美味しさを感じ暑い季節が近づいていることを知らせてくれます
雲丹の濃厚さを出汁が引き締め、濃厚路線のみにはしていません
鮑は大きく弾力は程よく、塩気もあるしっかりしたもの
お料理で夏の面影が浮かぶ一皿
◆焼き物 鮎
郡上鮎、放流ではない天然もので姿から力強さがあります
身がみっしり詰まっていてお味も濃く、肝の美味しさもあり
じっくり焼いて下さるので骨も全く当たりません
肝にもっていかれることがないバランスの良さと引き締まった身質が魅力の鮎
◆焼き物 穴子ととうもろこし、車海老の頭
穴子は淡路産、丁寧に骨抜きされていてサクッとふわっとした揚げ
薄い衣からジューシーな旨みが溢れてとても甘く、身はふわふわで美味
とうもろこしは歯応えを残しこちらも甘く、車海老の頭は芳ばしさが光りました
◆新蓮根餅と蛸、薄口餡かけ
とろんとして甘く、芳ばしい焼き色がついた大根餅、いついただいても美味しいです
蛸は柔らかながらも程よい弾力
中々丁度良いところにおさめるのが難しい素材ですが、風味もしっかりしていて存在感があります
昆布が効いたキリッとした出汁と柑橘の香りが合わさる温かな一皿
◆お食事 時鮭の炊き込みご飯
柔らかなご飯に時鮭の甘さ、しっかりしたお味に生姜が引き締め、大葉が香ります
馴染んだ後も楽しめる炊き込みご飯
◆桃の氷菓とゼリー
初物の桃尽くしの甘味
素材の9割が桃、糖度が高い良質な桃の香りと風味を存分に楽しめます
桃自体は丁度いい柔らかさ、始まりのシーズンでも十分な美味しさです
シャーベットは、素材の桃以外は攪拌する為の最低限のシロップのみ
よって桃をそのまま氷菓にしたお味で爽やかで甘く、夏の香りがします
ゼリーはシャンパンに桃の果汁を合わせたもの、シャンパンより桃の風味が勝ります
デラウェアの甘酸っぱさがアクセントになっていて、纏まりのある一皿
季節に合わせて顔を変える晴山の甘味はいつも楽しみの一つ、今回も美味しくいただきました
次回は9月、秋の晴山が今から楽しみです。
<全文はこちらです↓>
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