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昼の点数:4.9
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¥20,000~¥29,999 / 1人
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料理・味 4.9
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|サービス 4.8
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|雰囲気 4.8
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|CP -
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|酒・ドリンク -
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[ 料理・味4.9
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| サービス4.8
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| 雰囲気4.8
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| CP-
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| 酒・ドリンク- ]
スペシャリテのマリアカラス。ソースの円熟さは言葉を失います
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マリアカラス
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舌平目のブレゼ、ロワイヤルソース
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オマール海老のガトー仕立て“コート・ドール”風
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ゴールドラッシュとコンソメ、クリームチーズの冷製
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鴨肉とフォアグラの燻製 ポートワインのゼリー
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タイベリータルト/レアチーズタルト
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2016/08/07 更新
1984年創業、京橋5番出口より約1分、鍛冶屋橋通り沿いの明治製菓本社ビルの1階にある日本のクラシックフレンチを牽引してきた重鎮シェイノ。
オーナーシェフは井上旭氏、フランスのトロワグロ、パリのマキシムで研鑽を積み31歳でレカンの料理長となりこの地にシェイノをオープン。
強みはソースで「ソースのシェイノ」と言われるほど。
スペシャリテはマリアカラス(子羊のパイ包み)。
由来は井上シェフがマキシム時代にオペラ歌手マリアカラスが来店した際、牛肉のパイ包みを子羊への変更リクエストで作り高評価を受けそれに因んでつけられました。
エントランス部分は冷たさがない白亜で、前に立つと私が入ろうとしていたことを知っていたかのようにドアが開きます。
そのタイミングはドアに手を伸ばそうかとしているほんの僅かなもの。
ずれたら手を出したのに開いてしまったというリスクがありながら、絶妙に合わせてくるスマートさ。
入るとステンドグラスを多用したウェイティングバーカウンター、そこを抜けたフロアは天井が高く、ガラス張りをクロスカーテンが大きな縦長窓の様に演出。
明るく解放感があり、高級感はありますがアピシウスの様に重々しくはありません。
平日に訪問、予約は1週間前に行い1人予約についてですが、休日は不可ですが平日は日によって可能。
コースは先に決める必要はありませんが、スペシャリテのマリアカラスはランチには通常用意していませんので予約時にアップチャージにてお願いしました。
ドレスコードはそれなりに気を付けた方が良さそうです。
まず始まりはギャルソンや支配人の丁寧なご挨拶から。
終始会話はテンポがずれてたどたどしくなることはなく、内容も距離感を見て言葉を選び相手にリラックスさせる空間作りをしてくれます。
ランチコースは4コースあり、お皿数は増えてもポーションが小さくなる内容。
初めてですのでシェイノの色を教えていただくためにも一番上のコースでお願いしました。
こちらのベースとなるメニューは約20年変わっていません、ですがお味は時代に合わせて調整されていて昔と比べると全く違うそう。
ドリンクはエルダーフラワーとライムのノンアルコールドリンクとガス入りウォーター。
ノンアルコールドリンクはエルダーフラワーの良い香り、甘みは控えめで良く合います。
◆アミューズ
ゴールドラッシュとコンソメ、クリームチーズの冷製
口当たりはよく濾してあり、ざらつきが一切ありません。
他でもゴールドラッシュの冷製はいただいたことがありますがここまで滑らかなのは初めて。
添えられたゴールドラッシュは少し焦げ目が見えますが、お味にそれはなくとても瑞々しいお味。
ゴールドラッシュの糖分は強くデセールの様、そこにお料理らしさを与えるのがコンソメと胡椒が入ったクリームチーズ。
甘さに深さと引き締めがでてバランスよく美味しいアミューズ。
◆アントレ
オマール海老のガトー仕立て“コート・ドール”風
こちらのトラディショナルメニュー。
約8種類(ズッキーニ、パプリカ、インゲン豆、ナス、トマト、人参等)の野菜とオマール海老、手長海老をキャベツで包み重しをして縦切りしたもの。
断面がモザイク柄みたいになるのが特徴。
ソースは手前のベージュカラーが雲丹とソーテルヌワインを使ったクリームソース。
右はトリュフビネガーソース、左がトマトソース。
上のグリーンカラーがアボガドのソース、中心にタラバガニのカクテル。
ソースはそれぞれ名前通りにお味がしっかり出ています。
トリュフは強い香りとビネガーの酸味、トマトの自然な甘さ、アボガドソースは濃厚でありながらアボガドのフレッシュさを残し、雲丹のソースは一番濃厚。
個々独立したお味なのですが合わせても不自然さはなく、ソースを分けていただいても少しミックスしても違った美味しさを得られる一皿。
海老は前に出過ぎない程度に香り、野菜は瑞々しさに溢れソースの引き立て役、タラバガニのカクテルは香草香るさっぱり系。
個性の強いソースを纏めて安定感を出すさすがのアントレ。
◆鴨肉とフォアグラの燻製 ポートワインのゼリー
燻製という珍しい形、甘く少し鴨肉の香りが移り濃厚で美味。
しっかりしたお味の鴨肉は相性も抜群、ポートワインのゼリーの甘酸っぱさが華やかさを添える一皿。
◆ポワソン
舌平目のブレゼ、ロワイヤルソース
ロワイヤルソースはシャンピニオンとエシャロットにバターを入れて炒めベルモット、ワインビネガー、ポワソンの出汁を入れた甘酸っぱいソース。
舌平目には澄ましバターと片面だけパン粉をかけサラマンドルで焦げ目をつけています。
トマト、トリュフ、チャイブが加えられた一皿。
サーブされた時の香りは華やかかつ酸味もある香り。
舌平目はふっくらジューシー、焦げ目が少しだけ香ばしさをプラス。
ソースは濃厚ですが、酸味も忘れていないのでクラシックフレンチらしさもありますが重くはありません。
ワインから香草が香りベーシックでありながらソースの深さがあるポワソン。
◆ヴィアンド
マリアカラス
あまりにも有名なこちらのスペシャリテ。
シェイノを語る上では外せない根幹かつ真骨頂と言えるソースペリグーが楽しめる一皿。
子羊のパイ包みで添えられるのはじゃがいもセロリのピューレ。
ソースはブランデー、ポートワイン、マディラワイン、フォンドヴォー、トリュフ、バターで煮詰めたもの。
小麦粉は使用していないので、深い濃厚さの中にキレがありもったりしていません。
円熟期を迎えたソースと言った感じで完成度は素晴らしく、素材のどれかが出過ぎてしまうことはなく全てが融合されています。
一言ではなかなかこういうお味と表現することが難しいですが、是非いただいて欲しいソース。
子羊の中心にはフォアグラ、トリュフ。
火入れは中心に向けて綺麗なピンクカラー、柔らかく完璧な火入れ。
パイはサクサク、ソース浸っているのでしんなりはしてきますが、上記の個性に負けない位バターが効いていて存在感有。
どれも強い要素ですが、ソースが上手く纏めて癖を隠し一つの所へもっていく物凄い力を持ったスペシャリテ。
◆デセール
ワゴンで好きなものを選ぶスタイル。
レアチーズタルト、タイベリータルト、グレープフルーツシロップ漬けを選択。
レアチーズタルト
下層にルバーブのコンフィチュール。
レアらしく固形感がなく口溶けがとても良いチーズタルト。
塩気は多少あり甘さは控えめで、ルバーブから得られる甘酸っぱさ。
ベースはダマンド香る生地、あまりサクッと感はありませんでした。
タイベリータルト
タイベリーとはブラックベリーとフランボワーズの混合種。
タイベリームースに囲まれ、上層にホワイトショコラのムース、その下にレモンムース。
酸味は少なく、レモンムースが際立ちやや甘みは強め。
ベースはダマンド香る生地、口溶けの良いガトー。
グレープフルーツシロップ漬け
バニラの香りにコリアンダーで締めているのでさっぱりいただけるお味。
甘みの強いものと合わせると良いかもしれません。
どれも成熟されたお味で熟練さとプライドを伝えてきます。
同じクラシックフレンチでもアピシウスの方がお味がしっかりめで少し重いかもしれません。
つなぎに小麦粉ではなくバターにすることによって濃厚さの中にもキレがあり、クラシックフレンチ=重いイメージではありません。
現在はモダンフレンチの波に押され、マキシムは撤退、ロオジエも再始動後は少しモダン要素も見える様になりクラシックフレンチと言えばアピシウス、レカン(現在改装中、2017年6月オープン予定)、シェイノ位でしょうか。
モダンフレンチも良いですが、クラシックフレンチの伝統の息吹を感じる素晴らしい一時でした。
最後は支配人がお見送りに来てくれお名刺を頂き、また伺いたい名店となりました。
<全文はこちらです↓>
http://food-garden.net/foodpost/%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%8E/