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夜の点数:4.7
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料理・味 4.7
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|サービス 4.8
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|雰囲気 4.5
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|CP 4.0
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|酒・ドリンク 4.0
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[ 料理・味4.7
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| サービス4.8
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| 雰囲気4.5
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| CP4.0
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| 酒・ドリンク4.0 ]
揺るぎない強さと貫禄。全てにゆとりをもたせた計算されたお料理
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2016/12/06 更新
京味、日本料理の原点ともいえる細かい説明が恐れ多い人間国宝西健一郎氏のお店です。
お弟子さんはくろぎ、井雪、星野、と村、もりかわ、味ひろ等と名店揃い。
もう80歳迎えられるというのに毎日お店に立たれ、お客をもてなし、個室利用であってもわざわざお話に来て下さいます。
トークは飄々としながらも粋でとても楽しく、時々一本筋が通ったお言葉が心に残りました。
足を悪くされてもお見送りに出てきて下さり、このお歳まで続けて来られたかと思うと歩んだ歴史の重さを感じずにはいられません。
お昼は初回でも予約をとることはできますが、1人では行けないお店。
今回はお誘い頂き総本山に初訪問。
こんな私を誘って下さり感謝しかありません。
ご同席下さった方々のレベルがとても高くかなり浮き気味でしたが、お話下さり皆様誠にありがとうございました。
お料理は2階の個室でいただきました。
開き戸を開け靴を脱いで上がり、お席はテーブルとなります。
写真撮影はできません。
お味は聞いていた通りしっかりめで単純に濃いか薄いかと聞かれれば濃いめ。
ですが、しっくりくるお味でこれこそが日本料理の基礎とも言われる由縁の様な気がします。
お料理は全てに余裕を感じさせる味わい。
システムで言えばベース設計が綿密なので上への展開が無理なく揺らぎがないので説得力があります。
そこにある毎日、日々を積み重ねたお味で信念と強さ、鮮明に記憶に残るお皿の数々。
シンプルに見えますが、同じお料理を他店でいただくとその差を再確認し奥深さに感銘を受けました。
特別なのですが日本人の中心に流れるものとして自然に入ってくる、それが京味。
貫禄があり真の良さに気付けるにはまだまだ経験不足。
緊張してあまり細かな所まで記憶していなく、そもそもレビューできるようなレベルにはないので今回は軽くご紹介という形で載せていきます。
◆このわたの飯蒸し
温かいもち米の上にこのわた
盛付けは以上なのでシンプル
もち米は柔らかさの中にもっちり感、旨みとしての苦味が効いていています
お酒が欲しくなるお味で味付けはしっかり
スタートは緩やかな日本料理が多いですが深く印象に刻ませる先付けです
◆カマスとごぼう、百合根
カマスは焼き物として火が通ったというよりもカマス寿司に近い食感
濃厚さを全面に出すものではなくさっぱりもしていてくどくありません
◆雲子ゼリー寄せ
柚子香る真っすぐな出汁に塩気はしっかりめ
白子というととろとろに調理されていることが多いですが、冷たさもあり薄い外皮が感じられます
ぷちっと皮が破れると旨みがじゅわっと広がりました
◆津居山 香箱蟹 松葉ガニ
香箱蟹は2、3杯分を詰め直したというたっぷりの内子と外子、オスとメスでとても贅沢なもの
十分と思える程、堪能させていただきました
◆海老芋の揚げ
敷紙の上に海老芋の揚げ、あしらいのみの見た目はとてもシンプルな一皿
ですが、とても糖度が高くどこまでも滑らかで驚きます
良質であっても微かにざらつきやパサつきがあるものですが全くありません
月並みですが絹の様な滑らかさと言うのがよく当てはまり大変美味
タイミングよく前後で海老芋をいただく機会があったので差は歴然
他店も素晴らしかったのですが京味の奥深さを感じさせます
◆お造り
明石の鯛、河豚の葱巻
添えられるのは紫芽と奥に消化吸収を助けるという莫大(ご一緒した料理人様から教えていただきました)
真鯛は肉厚で弾力があり、河豚は仄かな甘みが楽しめました
◆焼き物
琵琶湖もろこのつけ焼き 笹カレイ
つけ焼きのタレは甘みもありはっきりしたお味
程よい会話を挟みながらゆっくりと味わうのに向いているお味
◆炊き合わせ
立ち上る湯気、出汁に中心に蕪、中央をくり抜き才巻海老を入れあんで満たし手前に菊菜の炊き合わせ
中心のとろっとしたあんは甘め、優しい出汁に交わり1つのお皿になります
蕪はもちろん芯がなく絶妙な柔かさ
あんが印象的で強めなのですが、綺麗に交わる美味な炊き合わせ
◆お椀 鼈丸豆腐
丸豆腐の上に白髪葱がかけられた椀物
ふわりと生姜が香ります
深くしっかりしたお味で目新しさに走らない貫禄のある椀物
◆ぐじの煎り米蒸し
ぐじの上にたくさんの煎り米が散らされ、粟麩とほうれん草が彩りを与えています
優しい昆布の香り、柔かなぐじに煎り米の香ばしさと歯応えがお味と食感に広がりを与えていました
◆はらすご飯
京味のお食事として言わずと知れたお食事
ご飯の上にはらす、皮は別で焼かれているためパリパリ
噂通り絶品のお食事
今回は脂が強めとのことですが、塩気、甘さ、瑞々しさ、全てがバランスよく細かな感想はいらないただストレートに美味しいと思えるお食事
高級料理とは食材とはと考えず、誰しもが原点に返り素直に受け入れられるお味です
◆甘味
甘味はわらび餅、葛きり、ぜんざいから選択でき全ていただくこともできます
評判の葛きりにしました
蜜はとろっとしていて黒糖の風味、深いですが甘みは強め
出来たての葛きりは素晴らしいお味
弾力が計算されていて、甘味独立としての良さに走ってしまいがちですが全てを俯瞰して作り上げた食感
よって単品の甘味と比べるとやや柔らかく、瑞々しく食後にするっと喉を通るようになっています
展開幅のある葛きりでその時のお食事によって微細に弾力を変えることが予想でき画一化はされていません
蜜は甘くてもきりっとしているのでたっぷりつけていただきました
料理の流れと甘味の重要さと再確認する仕上がりで脱帽、ここまで綺麗にお食事と合わさる甘味は初めてです
とても貴重な経験となり、また是非訪問させて頂きたいこの上ない空間。
もっと経験値を上げて少しでも良さに気付き、余裕のある楽しみ方をしてみたいと強く思う日でもありました。
<全文はこちらです↓>
http://food-garden.net/foodpost/%E4%BA%AC%E5%91%B3/