本日はお店のブログで天然鰻3種類を仕入れて天然鰻祭りとの予告。
信州の極上松茸や丹波篠山産の初物栗なども仕入れており、秋の訪れを感じます。
食べた料理は以下の通り。
信州松茸 山形菊の花 お浸し
手前が三浦産 奥が丹波産 黒枝豆
根室秋刀魚 花山椒煮
羅臼鱈白子(初物) 京都湯葉 千葉茗荷
岡山児島湾産 天然鰻白焼き
大阪湾天然鰻 骨煎餅
信州松茸 明石の鯛 お椀
大阪湾産 天然鰻白焼き
明石甘手鰈(2.4キロもの)お造り、エンガワ
明石甘手鰈 肝柑橘醤油
横須賀走水産 鰆(さわら)藁焼き
千葉八街里芋
丹波栗(初物) 信州松茸 飯蒸し
秋田ミズ 酢味噌和え
車海老と海老味噌入り玉子焼き
京都ちりめん山椒 万願寺唐辛子
色々な産地の鰻の肝 ノドグロの卵 ソテー
秋田八郎潟産 天然鰻白焼き
握り7貫
(愛知ミル貝、大間本鮪大トロ、出水鯵、岡山平貝、
淡路〆サバ、大間本鮪中トロヅケ、厚岸〆鰯)
太巻き(追加注文)
明石の鯛 潮汁
三浦半島長井産 赤座海老
山梨産 国内最高峰プラム「秋姫」
山梨産 種無しピオーネ
1品目は秋の味覚の(値段的に)王様である松茸。
味はそこまで美味しいと思いませんが日本人の大好きな香りを放ちます。
出汁の味は相変わらず良くて菊の花とも相性ピッタリ。
黒枝豆の食べ比べは三浦産と丹波産。
三浦産の枝豆らしさを感じるバランスの良さも捨てがたいですが、
独特のコクを感じる丹波産がやはり1枚上手でしょうか。
秋刀魚は身が太くて脂ノリまくり。
初物という雲子(鱈の白子)はまだ旨味が物足りなかったです。
旬の時期に食べた生雲子丼のあの美味しさを味わえるのは、
まだ数ヶ月先になるかも知れません。
天然鰻祭りは児島湾産、大阪湾産、八郎潟産の競演。
産地のブランド力としては青うなぎで有名な児島湾なのでしょうが、
250gぐらいの小さいサイズということが災いしたのか。
皮のパリパリ感が物足りなく身の旨味も弱かったです。
しかも身からは泥臭さを感じるという三重苦。
本命だったのは大阪湾でした。
大阪湾の骨煎餅にはそこまで感動しなかったのですが身は凄かったです。
皮と身のバランスが良くて口の中でその2つが融合。
鮮烈な旨味と一体感のある食感で感動的な味わい。
八郎潟は1.5キロもの巨大サイズで焼き上がるのに40分かかったそう。
身は筋肉質なのかと思いきや意外とサックリ食べられてしまいます。
大阪湾に比べるとサッパリした淡麗系の旨味で、
これはこれで児島湾より美味しいですが大阪湾に比べれば霞みました。
色々な産地の鰻の肝もノドグロの卵とソテーにしてくれましたが、
捌き立てで無いので肝からどうしても苦味を感じてしまいます。
鰻屋ではなく鮨屋なので限界はあります。
うを徳でも捌き立てのときの鰻の肝は美味しかったです。
今回はノドグロの卵のほうが主役。
お椀は「松茸と明石の鯛」、「明石の鯛の潮汁」の2種類。
松茸の入ったお椀は明石の鯛の身も味わえて美味しいのですが、
やはり汁から旨味の強さを感じるのは潮汁のほうでしょうか。
今回は利尻昆布ではなく真昆布を使っているので甘めの味わいですが、
明石の鯛の「アラ」の部分から感じる旨味が堪りません。
大阪湾の天然鰻に匹敵しそうな美味しさだったのが甘手鰈と鰆。
甘手鰈(関東では真子鰈)は白身の身やエンガワも良かったですが、
臭み無く甘みと濃厚な旨味を感じる肝が白眉でした。
牛や豚のレバ刺しと同じで、日によって臭みや旨味にブレのある魚の肝。
星鰈や真子鰈の肝も日によってアタリハズレがあるのですがこの日はアタリ。
柑橘類を搾った醤油と合わせて肝醤油にしてくれましたが、
身と合わせるより醤油をそのまま直飲みしていました。
そして天然鰻以上の本日のメインと大将曰く鰆。
築地で仲卸業者から強く勧められて購入したそうですが、
驚くほど凄まじい脂ノリでマグロで言えば大トロのよう。
藁焼きでレアーにスモークして提供してくれましたが、
パリッとした皮と蕩ける身と脂の旨味でお口の中が桃源郷。
脂がメチャメチャ強いのでもう少し火を入れても良いかも知れません。
中心がほんのり温かいぐらいの火入れなら文句無しで5.0満点だったでしょう。
里芋とミズはまあ口直しでしょうか。
初物という丹波の栗は渋皮煮ではなく、松茸と一緒に飯蒸しに。
皮の旨味も味わえる渋皮煮のほうが個人的には好みですが、
秋の訪れを感じるこの飯蒸しもなかなか良かったです。
ちりめん山椒は自家製だそうで、これも日本酒の肴に良し。
鮨に追加注文の太巻きと本業の鮨屋としても堪能。
最後に出し忘れていたという原価1尾1,300円の赤座海老。
ボイルしたものを頂きましたが、味という点では車海老のほうが好き。
フレンチやイタリアンのように半割りにしてソテーにしても美味しそうな海老でした。
〆のスイーツは山梨の種無しピオーネと秋姫。
国内最高峰のプラムという秋姫ですが酸味がほとんど無くて桃のような甘さ。
仄かな酸味と複雑な食感があって桃より美味しいかも知れません。
秋姫という名前からも秋のフルーツのお姫様級でしょうか。