『うを徳(東向島)2015年11月』やっぱりモツが好きさんの日記

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春は山菜・夏は川魚・秋は茸・冬は獣肉・モツは一年中

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日記詳細

酢飯がいつの間にか赤酢の酢飯に変わったうを徳。
年明け1月からは魚を焼く火力もガスから炭火に変更予定。
酢飯も火力も改良されて、これからも楽しみなお店です。

今回おまかせで食べた料理は以下の通り。

01 球磨川子持ち鮎
02 境港松葉蟹
03 香住セイコガニ
04 静岡磐田海老芋きぬかつぎ
05 富田林海老芋と京人参のお椀
06 京都海老芋素揚げ
07 的矢牡蠣
08 昆布森牡蠣
09 明石松皮鰈 肝刺し
10 明石松皮鰈 お造りエンガワ付き
11 琵琶湖本モロコ山椒煮
12 カラスミ新旧食べ比べ
13 羅臼スケトウダラたらこ(真子)
14 羅臼マダラ白子
15 佐渡ヶ島ブリ藁焼き スペイン産ニンニク
16 昆布森バフンウニ
17 和歌山ボラのそろばん
18 余市アンキモ
19 下関アンキモ燻製
20 宮崎カボチャ
21 種子島蜜芋
22 松皮鰈の卵
23 八郎潟1.2キロ天然鰻白焼き
24 銚子金目鯛カブト煮付け
25 松皮鰈(握り)
26 大間本鮪中トロ(握り)
27 愛知三河平貝(握り)
28 大間本鮪大トロ(握り)
29 羅臼雲子(鱈の白子)丼
30 淡路島サヨリ(握り)
31 船橋小肌(握り)
32 大間本鮪赤身ヅケ(握り)
33 佐渡ヶ島ブリ藁焼き(握り)
34 松皮鰈の潮汁
35 トロ沢庵巻き
36 岩手イクラ丼
37 新潟村松栗渋皮煮
38 山形ラフランス
39 長野パープル

大将にコース2回分ぐらい召し上がりましたねと言われましたが、
40種類ぐらいの料理をお腹いっぱいになるまで堪能。
請求金額もいよいよ大台到達の1人2万円。
持ち込んだ日本酒(雪漫々)の実費負担を入れると22,160円。

それでも松川(赤坂)の55,000円に比べれば半額未満。
下町の鮨屋なので松川のような接客、雰囲気、選民感は無いですが、
純粋に料理を楽しむなら最高のお店と思います。
満腹になるまで高級食材を貪って2万円で済む鮨屋も他に無いでしょう。

この日は1品目の「天然」鮎からそのボリュームに圧倒されました。
お腹に卵が詰まってパンパンに膨れている球磨川の鮎。
去年は落ち鮎の季節に東海地方で鮎の有名店を巡りましたが、
魚体の大きさに関しては過去最大クラスで驚愕。
実は築地市場で1尾2,000円もした高級品だそうです。

今月6日に解禁された山陰地方の蟹。
松葉蟹(雄)は蟹味噌と和えた身、セイコガニ(雌)は内子や外子が魅力。
ブログで紹介されていた自家製塩ポン酢(橙を使用)とも相性良し。

食べ比べ第1弾は海老芋。
里芋の一種で芋の中では一番美味しいと言われる京野菜。
きぬかつぎ、お椀、素揚げで各地の海老芋を味わいましたが、
芋と油の相性の良さか素揚げが一番美味しかったです。

食べ比べ第2弾は牡蠣。
真牡蠣では国内最高ブランド昆布森と「美味しんぼ」でも有名な的矢。
爽やかな的矢も美味しいですが、やはり濃厚な昆布森のほうが好み。
岩牡蠣であれば鳥取の「夏輝」が昆布森に負けない濃厚さでしたが、
真牡蠣でここまで濃厚でネットリした身質のものを他に知りません。

松皮鰈は3.8キロものという超巨大サイズ。
その大きなサイズの恩恵を一番感じたのは肝刺し。
巨大な身に比例して肝も巨大だったので3人で分けてもボリューミー。
モツ好きなので身やエンガワより肝のほうが気に入りました。

熟成が深いカラスミと浅いカラスミの新旧食べ比べ。
スケトウダラ真子とマダラ白子。
4種類の魚卵が皿に盛られたその様子はもう「プリン体アラモード」。
日本酒が進んでしまいます。

そして同席者がこの日のNo.1で5.0と評価したブリの藁焼き。
佐渡島のブリを藁焼きにしてスペイン産のニンニクや醤油と和えて。
脂の乗ったブリの身の美味しさを藁の香りとレアーな火入れが昇華させています。
メジ、カツオ、サワラの藁焼きも良かったですがブリもまた素晴らしい。
これは刺身で食べるより遥かに美味しくなっているかも知れません。

この日のウニは牡蠣と同じ北海道の昆布森産。
先日SATOブリアン(焼肉屋)でも昆布森のバフンウニを食べましたが、
やはり鮨屋が仕入れるバフンウニのほうが甘みも旨味も格上。

カラスミ以外ではあまり出会うことのないボラの料理ですが、
この日はボラのそろばん(へそ、腹のあたりの身)が登場。
身に少し泥臭さはあるのですが脂が乗って美味しかったです。
ボラの魅力はカラスミだけではありません。

アンキモ食べ比べでは下関のアンキモを燻製に。
独特の薫香がアンキモに加わってこれもまた面白いです。

そして子持ち鮎に続いてボリュームに圧倒された金目鯛のカブト。
3人で2皿(頭を半割に)の提供でしたが、目玉のゼラチン質が何とも美味。
脂の乗った頭部の身肉も当然美味しいです。

そして前述の通り赤酢のシャリにリニューアルされた握り。
同席者の中には前のシャリのほうが良いという意見もありましたが、
自分は赤酢のほうが好みに合いました。
ネタとのマリアージュを以前より感じます。

特に良かったのが赤酢の酢飯をドッサリ盛った雲子丼とイクラ丼。
以前の酢飯より食材を引き立てているような印象。
プライドの高い大将なので鮨屋としても少しずつ進化しているようです。
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