『うを徳(東向島)2016年おせち』やっぱりモツが好きさんの日記

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春は山菜・夏は川魚・秋は茸・冬は獣肉・モツは一年中

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日記詳細

2015年の大晦日もおせちを受け取りにうを徳へ。
前年に続いて五段重の特別仕様おせち。
ズッシリと重くて更にパワーアップしているような気もしました。

一の重は数の子、子持ち昆布、ボラカラスミ、ハゼカラスミ、玉子焼き、
柚子釜イクラ、赤ピーマンのムース、柚子ゼリーの淡雪かん、柚子釜イカ塩辛。

二の重は栗渋皮と林檎入り蜜芋金団、黒豆煮、魚の色々な肝、鰻か穴子の肝、
トラフグ白子焼き、チョロギ、アンキモ、ウニ、海鼠、バチコ、よもぎ麩。

三の重は紅鮭昆布巻き、車海老旨煮、天然鰻、昆布森牡蠣時雨煮、
セイコガニ酔蟹、蒸しアワビ(肝付き)、竹生姜の芽のガリ。

四の重は蛸の桜煮、ハマグリ、詰め物入りの堀川牛蒡、子持ち鮎、
菜の花昆布〆、金柑コンポート、クワイ、京人参、タケノコ、
レンコン、百合根、ヤツガシラか海老芋か、ゴボウ。

五の重はピートで燻製にした合鴨、メジマグロ藁焼き、マナガツオ西京焼き、
メロ西京焼き、〆小肌、〆サバ、〆ハラス(サバ)、ヒラメ龍飛巻き。

おまけとしてプラスチックパックに鮭児の塩焼きとカマ焼き、柿なます。

まずは数の子、子持ち昆布、黒豆煮といったおせちの定番が当たり前に美味しい。
市販品だとケミカルな旨味が気になることもある数の子ですが、
アラスカ産の数の子を鯖節鰹節漬けにしているうを徳は味わいが別格です。

去年のおせちより美味しくなっていたのがカラスミ、牡蠣、海鼠。
時雨煮の牡蠣には昆布森産を使っているようでネットリとクリーミー。
カラスミも熟成期間が適切なのかネットリ食感と味わいの深さのバランス良好。
おせちに合わせて仕込んだのでしょうか。

柚子釜の中にはこれでもかとイクラがギッシリ詰まっていて驚愕しました。
松川(赤坂)のようにカラスミとイクラをおかずにしてご飯を食べたのですが、
これはもう松川を凌駕するのではないかと思うぐらい美味しい。

去年のおせちでも気に入ったトラフグ白子、車海老、紅鮭昆布巻きは今年も秀逸。
車海老はもう殻1つ残さず丸ごとバリバリ貪っていました。
昆布巻きも昆布を巻いている干瓢まで美味しい。

お店で食べたときより美味しかったのがバチコ。
クチコ(海鼠の卵巣)を干した高級珍味ですが今回は適度なやわらかさも感じます。
高級芋焼酎「森伊蔵」の肴にしておりました。

金団の中の栗渋皮、赤ピーマンのムース、ヒラメ龍飛巻き、玉子焼き。
お店で食べて美味しかったこれらは、おせちでもお店と変わらない美味しさ。
家庭でこんなに美味しい料理を味わえるなんて幸せなことです。

お店で食べたほうが美味しいのはメジ、天然鰻、小肌。
メジはお店ではニンニクと合わせてくれるのですが、おせちでは味無し。
天然鰻は焼き立てで皮がパリパリしているほうが美味しいですし、
小肌もおせち用に酢〆が強くなっているように感じました。

ガリは鮨あらい(銀座)でも食べた竹生姜の芽のようなガリ。
お店のいつものガリよりこちらのほうが好みかも知れません。
シャリに続いてガリも変わっていくのでしょうか。

二の重には肝、胃袋、白子、卵巣など魚の色々なモツが入っていました。
モツ好きな自分のためにカスタマイズされたボリューム重視のおせち。
お客さんごとにおせちの構成内容を変える、大将ならではの配慮。
去年は大晦日に8割近く食べ尽くしましたが今年は半分ぐらい元旦に持ち越し。
うを徳の1年の集大成とも言える「おせち」心ゆくまで堪能しました。
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