『うを徳(東向島)2016年3月』やっぱりモツが好きさんの日記

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春は山菜・夏は川魚・秋は茸・冬は獣肉・モツは一年中

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日記詳細

01 愛知メヒカリ南蛮漬け
02 東京あきるの市ウド旨煮
03 ウドの皮 ニンジン キンピラ
04 琵琶湖ホンモロコ山椒煮
05 釧路毛蟹 岐阜アワビ茸 山形セリ 土佐酢和え
06 青森アンキモ
07 青森ヒラメ 肝と卵
08 明石煮蛸
09 滑川ホタルイカ(初物)
10 京都物集女タケノコ 愛知真鯛 お椀
11 明石アマテガレイお造り 肝ポン酢
12 北海道噴火湾バフンウニ
13 屋久島鰆 藁焼き
14 青森桜鱒 塩焼き
15 青森桜鱒 カマ塩焼き
16 下関マナガツオ西京焼き
17 下関マナガツオ カマ西京焼き
18 網走八角お造り
19 網走八角 肝入り味噌汁
20 明石アマテガレイ(握り)
21 長崎壱岐本鮪中トロ(握り)
22 鹿児島出水〆鯵(握り)
23 千葉大原ヒラマサ(握り)
24 苫小牧青柳(握り)
25 銚子カツオ(握り)
26 東京湾〆鰯(握り)
27 岩手ホタテ貝(握り)
28 佐渡島本鮪ヅケ(握り)
29 島根隠岐岩牡蠣
30 葉山アオリイカ トラフグ白子炭火焼き 丼
31 宮崎金柑

この日は飛露喜(福島)の特別純米酒を入荷しているということで注文。
飲んで食べて支払い額がまたしても2万円の大台に到達。
とはいえ春の訪れを感じられる内容で、値段を遥かに超える満足感。

1品目のメヒカリから感動レベルの美味しさ。
フックラした白身は食感も旨味も素晴らしくて、
タケノコ、ニンジン、スナップエンドウ、椎茸と見た目も鮮やかです。

春の代名詞とも思うタケノコですが真打ちはお椀で登場した物集女産。
こちら前日に仕入れたという長岡京のタケノコでしたが、
主役のメヒカリを引き立てて「春」を演出するには十分な存在。

2品目は同じく春の山菜ウド。
旨煮として味わうだけでなく皮をニンジンとキンピラに。
独特の風味があって、ゴボウのキンピラとはまた趣きの異なる乙な味。

お店に入ったときカウンターに鎮座していた巨大な毛蟹。
釧路産1.3キロものとのことです。
北海道に行ったときでもこんな大きい毛蟹は見ませんでした。
食べやすく身を取り出してセリやアワビタケと土佐酢和えに。
決して大味とならず、松葉蟹には負けるとしても十分な美味しさ。

アンキモ、ヒラメの肝、ヒラメの卵のモツ盛り合わせ。
この日はアンキモよりヒラメの肝のほうが気に入りました。
旨味濃厚でコッテリとしており味付けも抜群。
淡泊な白身のヒラメとは思えないぐらいの力強さ。

初物というホタルイカは明石の煮蛸と一緒に盛られて。
タコはいつも大根で叩いてやわらかくするそうですが、
この日は敢えてその処理を施さないで自然の食感で。
やわらかくしたタコとは異なる野趣のようなものを感じられました。
初物のホタルイカはまだサイズが小さめですが「春」を楽しめます。

そして物集女のタケノコを愛知の真鯛とお椀で。
お椀は昆布、鰹節、鮪節の合わせ出汁。
えぐみをほとんど感じないタケノコの美味しさは流石の物集女産。

春の主役とも思うタケノコの美味しさ。
鮨屋なのにお鮨よりお椀の完成度のほうが高いのは、
大将の修業先が京都の割烹だからでしょうか。

アマテガレイ(関東ではマコガレイ)は醤油、塩、肝ポン酢で。
マグロやウニより白身魚の仕入れにこだわっているうを徳。
白身のお造りの美味しさは都心の最高級店と遜色ないです。
高級なお店では肝などモツを客に出さずに捨てたりするので、
肝も味わえる同店のほうが総合的には美味しかったりします。

関西では春が旬とされる鰆。
昨秋に続いて藁焼きで頂きましたが、秋の鰆より脂がアッサリ。
これはこれで軽やか爽やかで美味しいと思いました。
同じ魚でも季節によってこんなにも味わいが違うのかと面白いです。

青森のサクラマス、下関のマナガツオ。
それぞれ切り身でもカマでも頂いたのですが、
サクラマスはカマが美味しくてマナガツオは切り身に軍配。
特にサクラマスはカマのほうが切り身より3倍は美味しいです。
魚によって美味しい部位が変わるものだと実感。

そして初めて食べた八角(トクビレ)。
旬は冬のようですが白身の身に凄まじく脂が乗っていました。
脂が強いので火を入れたほうが良いのかも知れません。
肝入りの味噌汁で食べる身のほうが美味しいように思いました。

身と同様に脂の乗った肝もなかなかの美味しさ。
この日はヒラメの肝が白眉でしたがアンキモより好印象。
いつか北海道名物ハッカクの「軍艦焼き」も食べてみたいものです。
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