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2013.7 タップワーン(豚レバーのサラダ)
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2013.7 サイウア(チェンマイ牛ソーセージ)
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2013.7 ヤムカイモッデーン(赤蟻の卵のサラダ)
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2013.7 トムサップ(イサーン風豚モツスープ)
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2013.7 サービスで頂いた竹蟲の揚げ物
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2013.7 ヤムタクライ(レモングラスサラダ)
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2013.7 ラープガイ特別バージョン(鶏レバーと砂肝入りのイサーン風鶏挽き肉サラダ)
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2013.7 サービスで頂いたヤムレップムーナーン(鶏足のサラダ)
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2013.7 カオパッガパオムーカイダーオ(豚のバジル炒めご飯目玉焼き乗せ)
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2013.7 カオパッガパオムーカイダーオをママに混ぜて貰いました
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2013.7 カウンター5席のみの小さなお店
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2013.7 カウンターに置かれたハーブ、左からパクチー、ミント、パッパイ
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4,337文字★
食べログのレビュアー様ら5人でのオフ会で利用しました。
浅草のタイ料理店ソンポーン。
なお店名のソンポーンとはお店のママ(兼料理人)の名前。
今までタイ料理店を数多く巡ったわけではないのですが、
料理の腕を別格と感じるタイ人の料理人が東京に2人います。
1人は小岩いなかむらのタムさん。
イサーン出身で凶悪レベルな香草使いが魅力の男性シェフ。
タイ料理の料理人でありながら火加減の妙を楽しめる稀有な存在。
そしてもう1人が浅草のソンポーンさん。
同じくイサーン出身でタムさんより香草使いは少しマイルドに感じますが、
味付けの調和の良さは素晴らしく火加減の妙も楽しめます。
お店のママとしても柔和な物腰で、人柄にも好感を持てる女性です。
お店の立地は浅草駅、三ノ輪駅、入谷駅の中間地点あたり。
具体的に言うと吉原のネオン街のすぐ近くというディープな場所です。
歩いての訪問だと男性は途中で客引きに捕まってしまうかも知れません。
最寄り駅はTXの浅草駅となりますが、徒歩でお店まで行くのは結構大変です。
店内は厨房前に直線カウンターが5席。
カウンター5席だけの本当に小さなお店。
人気のお店のようなので訪問前に予約しておいたほうが賢明でしょう。
なおキャパの少ない人気店ゆえ食事は2時間制となります。
今回は料理も事前に電話予約していました。
タップワーン、ラープガイ、トムサップとイサーン料理を3つ指定。
他にママ得意のイサーン料理を入れて1人3,000円程度とお願いしました。
少し早めにお店に訪問して本日の料理の内容を聞いてみると、
5人で1人3,000円ならジンロのボトルを1本サービスで料理は5品程度出るとのこと。
メニューを見ると魅力的な料理が多かったのでその場で4,000円に変えました。
そしてカウンターの上を見ると色々なハーブが置いてあります。
パクチー、ミント、日本では珍しいパッパイ。
いなかむら(小岩)では日本人に出さないというタイ人専用ハーブのパッパイ。
味見させて貰いましたが、道に生えている雑草を食べている気分になります。
確かに日本人の味覚には合わないと思います。
このお店は在日タイ人の利用も多いそうです。
小岩もそうですが、こういう現地人に支持されるタイ料理店は美味しいお店が多いです。
飲み物は生ビール(500円)を勧められましたが最初からジンロにします。
ジンロのボトルは2,500円、メコンウイスキーのボトルは3,500円。
ボトルキープは2ヶ月までとのことですが、価格設定は良心的だと思います。
その他アサヒビール(瓶ビール)600円、レモンハイ400円。
さらにタイ料理店には珍しくバイスサワー(500円)もありました。
下町のモツ焼き屋ではたまに見かけるバイスですが文字通り梅酢のサワーです。
ジンロの割り方は抹茶割りかジャスミン茶割りとのこと。
抹茶もジャスミン茶もカウンターの上に置いてくれました。
抹茶はママが自分で淹れたであろうプラスチックの容器に入ったもの。
ジャスミンティーは2リットルボトルの市販品です。
氷や氷入りの水の容器もカウンター置かれて自由に飲めます。
料理はサイウア(チェンマイ牛ソーセージ)から登場。
こちらはイサーンのソーセージではなくチェンマイの料理のようですが、
自家製でソンポーンさんが作っているとのこと。
焼いたソーセージをブツ切りにして皿に並べてあり、別皿のパクチーと一緒に頂きます。
ソンポーンさん曰くソーセージにレッドカレーが入っているような料理。
イサーンのネームほどクセはなく、ソーセージというより肉料理な印象を持ちます。
ウコン、唐辛子、紫タマネギ、レモングラス、バイマックルーなどが入っているそう。
ウコンが入っているのでソーセージが黄色いのでしょう。
パクチーと一緒に食べるとなかなか美味しかったです。
2品目は事前予約しておいたタップワーン(レバーのサラダ)。
豚のレバーをミディアムレアに茹でてハーブがドッサリ乗ったイサーンのサラダ。
バイマックルーが細かい長方形、刻み海苔のような形状で入っているのが特徴的。
本日出てきた料理はバイマックルー(コブミカンの葉)が多用されていました。
ソンポーンさんは刻み海苔感覚で料理のアクセントに使っているみたいです。
レバーはもう少しレアーが理想ですが、いなかむら(小岩)に匹敵する味。
同じく浅草にある人気店モンティーとは正直料理の格が違うと思いました。
駅改札口の目の前のモンティーと遊郭吉原の目の前のソンポーンでは、
一般的な日本人はモンティーに行ってしまうのでしょうけど。
3品目は当日リクエストのヤムカイモッデーン(赤蟻の卵のサラダ)。
内臓料理や昆虫料理はイサーン料理の特色ではありますが、
蟻の卵が入った料理とは初めて頂きます。
蟻といっても東京の地面にいる小さな蟻とは違って巨大サイズのようです。
卵というかサナギや幼虫のような形状の白い蟻がサラダに入っているのですが、
幼虫姿の段階で既に東京の蟻より大きいです。
プチッとした食感が面白く昆虫食の中では美味しいレベルの料理なのですが、
やはり豚や鶏よりは美味しくないので箸の進み具合はあまり良くなかったです。
4品目は事前予約しておいたトムサップ(イサーン風豚モツスープ)。
タン(舌)、ハツ(心臓)、フワ(肺)、シロ(腸)、コブクロ(子宮)など、
色々な豚モツとパクチーやセロリなどが入った酸味の効いたスープ。
いなかむら(小岩)に比べると酸味が穏やかで飲みやすいです。
このあたりは男性のタムさんと女性のソンポーンさんの違いなのでしょうか。
5品目はサービスで竹蟲の揚げ物を頂きました。
ママにイサーン料理のタガメを食べてみたいと話していたのですが、
タガメは無いが竹蟲ならあるということで出てきました。
油で揚げているのであろうカリカリのスナック菓子のような竹蟲。
ミャンマー料理店ノングインレイ(高田馬場)でも食べたことがありますが、
味はこちらのほうが塩加減良く美味しく感じました。
赤蟻の卵同様に箸の進み具合は良くなかったですが、酒のおつまみに良いと思います。
芋虫で作るカッパエビセンといったイメージを持つ料理です。
6品目はヤムタクライ(レモングラスサラダ)。
この料理を海老オン海老と表現するレビュアー様がいらっしゃいましたが、
茹でた海老、豚挽き肉、レモングラスなどのサラダの上に桜海老が大量に乗っています。
桜海老の海老臭さがレモングラスの香りの邪魔をするような気がしますが、
ダブル海老のおかげで旨味は増しているのかも知れません。
いなかむら(小岩)のヤムタクライほどレモングラスの主張を感じられないのですが、
バランスは良くて味付けも調和がとれていて美味しいです。
逆に言えばタムさんの料理は香草をダイレクトに感じる荒々しさが魅力なのでしょう。
2人の料理人の違いを感じながら食べるのも面白いです。
7品目は事前予約しておいたラープガイ。
本来は炒った米と鶏挽き肉のサラダなのですが、今回は鶏レバーと砂肝入りの特別仕様。
これを食べたい場合は事前予約が必要のようです。
そして本日の料理の中でも飛び抜けて一番美味しかった料理。
このラープガイに限れば文句無しで☆5.0評価と思う弩級の素晴らしさ。
まず炒った米(タイ米やもち米らしい)の香りが食欲をそそります。
香りだけでこれは美味しいと確信できるほど。
そして鶏挽き肉(おそらく鶏モモ肉)と鶏レバーの火加減が絶妙。
タップワーンの豚レバーよりとろける食感で、この鶏レバーは美味しいです。
砂肝は隠し包丁が入りサックリかつコリコリした食感が最高。
これは1皿を独占して貪るように食べたい衝動に駆られます。
タイ料理では最高の料理人と思っているタムさんのラープを凌駕していました。
ソンポーンさんのスペシャリテと勝手に認定したいと思います。
普通に注文してもレバーと砂肝は入らないので、その点は注意が必要です。
これで料理は終了とのことですが、サービスで鶏の端を食べないかとの申し出。
トサカ(鶏冠)なのかモミジ(鶏足)なのか、正体はモミジでした。
しかも骨抜きをしてあるという珍しいモミジ。
というわけで8品目にサービスでヤムレップムーナーン(鶏足のサラダ)。
骨抜きモミジとのことですが、中に骨は少し残っています。
軟骨感覚で噛み砕いて食べることは可能なレベル。
白キクラゲ、ミニトマト、パクチー、紫タマネギが入っており、
モミジとキクラゲのプルプル食感が面白い料理。
味付けはヤムカイモッデーンに似ていました。
追加注文でご飯ものか麺で〆ましょうということでママお勧めのガパオに。
鶏か豚か尋ねられ、ラープガイにモミジと鶏が続いていたので豚で注文。
9品目カオパッガパオムーカイダーオ(豚のバジル炒めご飯目玉焼き乗せ)。
米は何とジャスミンライス(タイの高級香り米)を使用。
厨房内からカウンターまで米の良い香りが漂ってきます。
ガパオの肉は挽き肉を使うことが多い印象ですが、こちらは豚の薄切り肉。
部位はモモかロースでしょうか、比較的アッサリした食感。
上には半熟の目玉焼きが乗り、ゴチャマゼにして頂きます。
ママにお願いして混ぜて貰いましたが、チャーハンのようになって美味しそうです。
ガパオ(バジル炒め)なのにバイマックルーまで入っています。
ジャスミンライス(香り米)にバジルにバイマックルー。
香りの三重奏といった感じのジューシーなガパオで何よりお米が美味しいです。
味付けはタムさんのカイヨーマーガパオにライスを混ぜたほうが好きですが、
米はこちらのほうが美味しいと思いました。
〆には最適の一品でしょう。
5人でジンロのボトルを1本半空けて料理9品を堪能しましたが、
お会計は1人4,000円の計20,000円とサービス精神旺盛な請求額。
この後すぐに予約が入っているようで早々にお店を立ち去ります。
2時間制なのでゆっくりは出来ませんが、小さいお店なのでママとの会話も弾みます。
来日10数年というソンポーンさんは日本語も上手でタイ料理談義も楽しみの1つ。
そして何より料理のレベルが都内タイ料理店の中でもトップクラス。
浅草のディープな地域に凄い名店が隠れていたものです。
事前予約でカオマンガイなども作ってくれるようで、これは再訪必至です。